ヤヴィン・セクター第七宙域
惑星ケオーラ──地表のほとんどが毒性の高い霧と瘴気に覆われ、陽光すら届かない戦略拠点。
分離主義勢力が新型通信ジャマーを配備し、共和国軍の補給ラインを完全に断ち切っていた。
その奪還任務のために派遣されたのが、ポング・クレル将軍と彼の部隊、そしてパダワン、リナ・ソレイユだった。
「隊列を広げすぎるな、この霧の中では隣の顔すら見えんのでな」
荒々しく響く将軍の声が、部隊の緊張を引き締める。
ポング・クレル──ベサリスク種族特有の四本腕を持ち、2本のダブル=ブレード・セーバーを操る剛腕のジェダイ。
だがその指揮はいつも厳しく、どこか非情だった。
リナは彼のすぐ後ろを歩きながら、息苦しさを覚えていた。
「将軍……兵士たちの疲労が限界です。休息を……」
「戦争に休息などない。死ぬか、生きるか、それだけだ」
(……。)
口をつぐむ。だがその背を見つめながら、リナの中にはある疑問が芽生えていた。
——なぜこの人が、ジェダイとしての道を選んだのか?
夜半、ジャマーを設置していた分離主義のドロイド部隊が先制攻撃を仕掛けてきた。
通信不能、視界も塞がれ、クローン兵たちは混乱に陥る。
「全軍、私の声に従え!」
クレルの姿が霧の中から現れる。青と緑、二対のブレードが十字に閃く。
彼は先頭に立ち、ドロイドをなぎ払った。その姿はマスター・メイスやオビワン・ケノービに継ぐジェダイでも武闘派の力量を証明していた。
リナも後に続き、ブラスターを弾きながら援護に回る。師に教えてもらったフォーム3、ソレスの型はブラスターの射撃を的確に弾いていた。
だが、後方の兵士が爆発に巻き込まれ倒れた。
「ケイス中尉! まだ息が……!」
「リナ、戻れ。これは戦争だ、感傷に浸ってる暇はない」
「でも……この人は……!」
「リナ!」
その時、クレルの顔に一瞬だけ、怒りが浮かんだが、すぐに平静に戻った。彼は踵を返すとためらいなく前線に切り込んでいった。
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戦闘後、作戦本部のテントで、リナはクレルに詰め寄った。
「…なぜケイス中尉を見捨てたんですか?」
ポング・クレルは言う。
「クローンにあまり肩入れするな、あれらは研究室で生まれたクリーチャーだ。お前が心配することではない」
「彼らは戦友です。怪物だなんて思ったことはありません。」
ポング・クレルは黙っていた。だがやがて、口を開いた。
「奇妙な…ビジョンを見た。」
「破滅だ」
「感情に振り回されれば、犠牲は増える」
「……私はジェダイとして間違っているのかもしれないが…これが正しい道だと信じている」
しばらく沈黙が続き、やがてクレルは片膝をついて彼女の目線に合わせた。
「お前は、いずれ私より強くなる。私とは違う道を歩け、リナ」
彼の声には、かすかな不安と暗い野心が宿っていた。
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作戦は成功し、通信網は回復。共和国は再びこの宙域に優位を取り戻した。
撤退する空母の中で、リナはひとりセーバーの柄を見つめていた。