辺境惑星カーヴェス。
そこは大気に赤い鉱物が多く含まれ、空が常に夕焼けのように赤く染まっている。
ジェダイ・パダワンのリナ・ソレイユと、ジェダイナイトのフラナ・セイルは、この惑星の地下に発見された古代の遺跡調査の任務を受けていた。
「やけに静か……」
リナが呟いた。
「風もない。動物も。音が全部、吸い込まれてるように感じる」
フラナの声もどこか、警戒を含んでいた。
それでも二人は地下への階段を降り、やがて巨大な扉の前へたどり着いた。
その扉は、フォースを通すと微かに脈動するように感じられた。
だがリナが手をかざそうとした時——
「待って、リナ」
フラナが止めた。
その横顔には微かな緊張があり、沈黙があった。
—
「どうして?」
「この扉……開けるべきじゃない。強い……“過去の意志”がある。眠ってるの」
リナは首を傾げた。
「でも、任務は内部調査だったはず……共和国が探査データを解析して、ここに何かあるって」
「“何か”があるのは確か。でもそれは、“見てはいけないもの”かもしれない」
言葉に力はないが、確信があった。
まるでフラナは、すでに何が眠っているかを知っているかのように。
「フラナ……何か隠してるの?」
「……全部は話せない。でもね、私、この遺跡のことを記録で読んだことがあるの。ジェダイ・アーカイブの最深部……許可なしには見られない資料だった」
「どうしてそんなものを……?」
フラナは少しだけ微笑んだ。
「私、昔ここに来たの。師と一緒に。まだ若くて……何もできなかったけど。あのとき、師はここを“閉じた”の。だから今、私たちが開けてはいけない」
—
リナはしばらく沈黙していたが、やがてセーバーを納めた。
「分かった。でも、それって記録に報告していいの? “何もなかった”じゃ、報告にならない」
「……封印の痕跡を残す。私がしたこととして。君は“扉は反応しなかった”と報告して」
「私には、“沈黙を守る任務”がある。フォースには未来の流れがあるわ。たまに“何かを開くな”って警告してくる。あの感じが、いまここにあるの」
彼女は深く息を吐くと、扉の前に立ち、両手をゆっくり掲げた。
フォースが流れ、青白い光が門の縁を包み込む。
ゆっくりと、神殿は封印を自らの石に刻み直していった。
やがて、石の扉はまるで最初から存在しなかったかのように岩に戻った。
—
帰りの船の中、リナは窓の外に広がる赤い星を見つめながら言った。
「……私は開けようとしてた。何も知らずに」
フラナは微笑んだ。
「だから、私が一緒にいたの」
「でも……いつもそうやって、フラナ何かを背負ってるよね。私には言えないことも、ずっと抱えてる。時々、それを感じるんだ」
少しの沈黙ののち、フラナは窓の先を見つめながら言った。
「……私はただ、君より少しだけ……“見た”ことが多いだけ」
「そのうち、私にも見える?」
「きっとね。でもそのときは、自分で“選ばなきゃ”いけない。開くか、閉じるか。見るか、見ないか」