ようこそ異能力狩人が集う教室へ   作:田舎狩人

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*やあ観測者の皆、前書きから失礼する語り部だよ。僕は基本的に本編には出ないからね…毎回出ることはないけど何かの拍子に出て来ることはあるだろうね。
例えば…君たちに問いかけをする時だったりね…


第1話

桜舞い散る4月の日1台のバスはとある場所に向かっていた。その名は高度育成高等学校、就職率、進学率ほぼ100%という謳い文句を謳っているが…それは全ての人にとっての真実になるかはわけらない。

 

バスの中には赤い学生服を着た学生達があちらこちらにいる。外の景色を見ている少年、『黒鮫真人』もその服に身を包んでいる。

 

 

(何故赤なのか…血の色か?いや…日の丸とかそっちだろうな…)

 

 

などとしょうもないことを考えながら景色を楽しむ。すると黒鮫の視界に1人の老人が写りこんだ。黒鮫は少し目を見開き、されどやるべきことを理解してバスの停止ボタンを押した。

 

 

「お、お客さん。あんた高育の生徒だろ?何かあったのか?」

 

「少し、用事が出来たのでな…それにこの後にも何本かバスがあるだろう。それに乗るとするよ。」

 

「そ、そうかい…まぁ気をつけてな。」

 

 

今までそんなことがなかったからなのかバスの運転手は終始戸惑っていたが、最終的には快く送り出してくれた。黒鮫はバスが過ぎ去るのを見送り老人が見えた方角に向く。

 

(『骸樹』がわざわざ出向くとは…いったい何の用なのか…)

そんなことを考えながら黒鮫は合流に向けて走るのであった。

 

 

───────────────────────

 

 

「それで…何か用があったか爺さん。」

 

「なに、一番弟子の見送りくらいしてやろうかとな。」

 

「そんなやつだったか?あんた…」

 

 

 

合流を果たした黒鮫は老人…『骸樹』の真意を知ろうとするが自分から仕掛けても無意味であると考えて老人の言葉を待つことにした。

 

 

 

「一つ伝えておこうと思ってな、『特務隊 鴉』について。」

 

「なんだ?奴らもここに来るのか?」

 

「そういう事じゃ。普段は特務隊同士での連携だが、緊急事態によってはお主に指揮権が移ることもあるということを認識しておくのじゃ。」

 

「そうか…」

 

「なんじゃ?なんかあるのか?」

 

「いや…ただ彼らの過去を知っているからこそ思うことはある。」

 

「しかし奴らが選んだのじゃよ。ありふれた幸せより、戦いに身を置く生活に。」

 

「あぁ……わかっているさ……ただ理解と納得は別物だ。」

 

「そうじゃな……あとはお主に対して一つ喝を入れておいてやろう。」

 

「喝だと?」

 

 

 

老人は息を吸い込み、再度黒鮫をまっすぐ見る。

 

 

 

「お主は強いが独りではない!!それに人類はまだ捨てたもんじゃない!!15の少年が失望するには世界を知らなさすぎるぞたわけ!!!」

 

「っ!?わかっているさ…探してみるさ自分なりの希望や光とやらをな。」

 

「うむ、それでよい。お主は自分を怪物だと思っておることは儂もわかっておる。」

 

「事実そうだろ。こんな力の持ち主なんざ人の形をしているだけの化け物だよ。」

 

「そうじゃな……しかしもしかしたらそんな『怪物』なお主を『英雄』として見てくれる奴もおるじゃろう。あるいは『同胞』と認識するものもおるじゃろう。あるいは……お主に惹かれて『怪物』に成る奴もおるじゃろうな。」

 

「先の2つはともかく最後のはあり得るのか?」

 

「まあない話ではないだろうさ。」

 

「…まあとりあえず人の縁とやらはまあ大切にするさ。」

 

「それでよい…ではさらばじゃ。」

 

 

その言葉を最後に老人は一瞬のうちにいなくなった。黒鮫は自身のポケットに入れていたスマホの時間を確認する。

 

 

「次のバスまで少しばかり時間があるな……走るか。」

 

 

───────────────────────

 

side綾小路

 

 

オレは今同じバスに乗っていた黒髪の少女に絡まれている。理由としてはバスの中でちょっとしたトラブルがあった時にその少女を見ていたということを今詰められている。

そのトラブルに関してオレもその少女も知らぬ存ぜぬを通したものだが、目の前にいる少女は何か気に入らなかったのかオレとは考え方もなにもかも違う理由であのトラブルを放置していたということを言いたいらしい。

 

少女の話を聞きながらオレは少し考える…途中下車した同じ学生服を着たあいつならバスの中で起きたトラブルをどう対処したのだろう…

 

 

「はっ??」

 

「ちょっとなによいきなり。」

 

 

オレは歩いてきた校門を見ていると、先ほどまで考えていた件の奴が一人歩いてきた…少し固まっていると自分の横腹に痛みを感じる。

 

 

「痛いぞ。」

 

「いきなり話もしなくなって何を見ているのよ。」

 

「いや…あいつを…」

 

「あいつ……誰?知り合い?」

 

「いや、途中下車したとはいえオレ達と同じバスに乗っていたんだが……気づいていなかったのか?」

 

「そんなことがあったの?興味もないし、本を読んでいたからいたことすら知らないわ。」

 

「そうか…」

 

「彼がどうかしたの…まさかあなた…男色とかそういう…」

 

「いや、オレはそういうのじゃない…と思う。」

 

「そう…まあ人の趣味嗜好は人それぞれだから、せめて私に関わらないで頂戴。」

 

「えぇー。」

 

 

そんなやり取りしている中、少しばかり考えてしまう…あいつ以外に校門から来ている生徒はいない…少なくとも彼はバスで来たわけではない。誰かに送られてきたのかだが、遠目だが汗をかいているのがわかった。

 

つまり…走って来たという事か?だとしてもオレが乗っていたバスがここについて数分しかたっていない…あいつはどうやって来たのか……

 

 

「そんな熱視線を送るくらいなら話しかけたらいいんじゃない。」

 

「だからそういうわけではないと…」

 

 

少女の言葉を訂正しようとしたその時、あいつはこちらを一瞬だけこちらをみた、だがすぐに何もなかったかのように学校に向かって歩き始めていた…

 

 

「とりあえずオレ達も学校に向かうぞ。」

 

「どうしてあなたと一緒に行かなければいけないのかしら。」

 

「えぇー…」

 

 

オレの学校生活は前途多難なような気がする…

 

side out

 

───────────────────────

 

 

(あの2人俺が乗っていたバスに居たな…もうそういう関係…では無さそうだ。女に振り回されてるだけな気がするな…)

 

 

そんなことを考えながら歩みを進める。そして歩いた先に人だかりができていることに気づく。よく見ると掲示板に所属クラスの表が貼ってある。

 

 

(遠い…がまあ見えなくはない…俺はDか…しかし)

 

 

黒鮫はあちらこちらにあるカメラに気づく。防犯にしても多すぎる量に辟易する。

 

 

(ここは本当に学校か…実験施設のほうがあっている気がするな…)

 

 

来て間もない黒鮫だがいろいろと思考して既にこの学校が嫌いになりつつある。だからなのか考えていたつもりが口に出してしまいある人物に聞かれるのであった。

 

 

「嫌になるな。」

 

「入学初日の新入生のセリフではないな。」

 

「ん?」

 

 

黒鮫は振り返ると眼鏡をかけた男子生徒が立っていた。立ち振る舞いと先程の言葉で先輩であることは理解したがなぜここにいるのだろうと黒鮫は疑問を覚えた。

 

 

「あんたは?」

 

「俺は堀北学、この学校の生徒会長をやっている。」

 

 

生徒会…こういうのも生徒がやるのだなと納得して応対する。

 

 

「そうか…俺は黒鮫真人だ。」

 

「っ!?黒鮫…お前がそうか…」

 

「俺を知っているようですね…」

 

「いや、知りはしない…ただ情報規制されていた生徒の内の一人であるからな。」

 

「へぇーそうですか…」

 

 

黒鮫のトーンが低くなる。黒鮫には今の発言で失望するには充分な要素であった。

 

 

「ますますこの学校が嫌いになりましたよ。」

 

「ほう、どういうことだ?」

 

「あなたの発言的に他の生徒であれば閲覧出来るのですよね?」

 

「あぁ、生徒会長の権限の1つだからな。」

 

「そこですよ。生徒会長とはいえあなたも一介の生徒ですよ。そんな人が他人の…同い年や1つ2つ年下の人間の情報を知ることが出来るなんて異常以外の何物でもないですよ。」

 

「ふむ…」

 

「だからこそ1つだけ警告を……あまりこちらに踏み込むな。その結果誰かの血と涙を見ることになるのだからな。」

 

「っ!?」(なんだこの重圧は…)

 

 

黒鮫の放った殺意に生徒会長は、何も言葉を放つことが出来なかった。冷や汗が流れ立っているだけでやっとだった。

 

 

「俺からは以上です。せめてこの1年、己の行動を省みてくださいね。」

 

「あぁ…」

 

 

会話を切り上げ黒鮫は学校の中に入っていく。それを生徒会長は見ることしか出来なかった。

 

 

 

(黒鮫真人……お前は何者なんだ…あの殺意、尋常ではない……お前はどんな道を歩んできた………いやよそう。今は生徒会としての仕事をしないとな。)

 

 

思考を切り替えて、堀北は新入生の対応をするのであった。

 

 

 

───────────────────────

 

(生徒会長……なんとなくだがあれはまだマシな部類だろう。ただ生徒会長の権限を知っているならろくでもないもっとヤバイ奴がいるはずだ…来て早々だが、この学校に期待もできなくなってきたな…)

 

 

そんなことを考えながら黒鮫は天井の端などを見る一定の間隔で配置されてあるカメラに気づく。

 

 

(きちっとしているんだなあれは…ただ、本当にすべての区画にカメラがあるのかは甚だ疑問だがな。)

 

 

斜に構えたような思考であるが、そう考えるほどこの学校が真っ当じゃないと推測する彼の気持ちの表れでもある。

そんなこんなで彼は自分が過ごすことになる教室に到達した。

 

教室に入ると何名かの生徒はこちらをチラ見するがすぐに先程まで話していた人との会話を続ける。黒鮫は自分の席を探すことなく教室の端にまで行き天井を見上げる。

 

 

(ここにもカメラか……四方の端にあるな……常にここにいる生徒を見るため…それは何のために……やはり、そういうことなのか。)

 

 

教室の天井の角を見上げ、なんとも言えないような顔をしている同級生…はたから見たらそのように見えたであろう黒鮫に一人話しかける奴がいた。

 

 

「何を見ているんだ?」

 

「…」

 

 

誰かが近づいてきていることには気づいている黒鮫だったが、声をかけられたことによりようやくそちらに振り返った。そこには途中下車したバスに乗っていた少年がいた。

 

 

「君には見えないのか?」

 

「あぁ…カメラがあるのか?」

 

「あぁ……この教室だけで4つはあるぞ。」

 

「なんのためにあるんだろうな…」

 

「君もある程度は推測出来ているだろう?」

 

「いや…あまりわからないな……」

 

「なら思考を止めるな。それに他者の答えを引き出したいのなら、自分の中にちゃんとした答えを用意しておくべきだ。それが正解、不正解でもな。」

 

「そうか……」

 

「…………」

 

「綾小路清隆だ。」

 

「そうか、黒鮫真人だ。」

 

「……」

 

「……」

 

「い、いい天気だな。」

 

「そうだな、入学とかそういった節目には相応しい天気ではあるだろうな。」

 

「……」

 

「………」

 

 

 

何名かの生徒は雑談を止め二人の会話に耳を傾けていた…しかし、綾小路が話さないと黒鮫が受け答えしない状況になっている。最初のやり取りの勢いはどこへやらとなっている。

何名かの生徒は綾小路を心で応援しているであろう…そんな思いが通じたのか綾小路はまた口を開いた。

 

 

「なぁ、なんでバスを途中で降りたんだ?」

 

「野暮用があったからな。」

 

「あれからどうやってきた?」

 

「走って来たさ。」

 

「走って…来れるものなのか?」

 

「実際に今ここにいるのだから走って来れるものだとは思わないか?」

 

「そ、そうか…しかし他のバスよりも先に…」

 

 

「みんな席につけ。」

 

 

綾小路の追求も教師の到着によりなくなってしまった。まだ話したそうにしている綾小路を横目に黒鮫は自分の席へと着くのであった。

 

───────────────────────

 

「私はこのクラスの担任の茶柱佐枝だ。教科は日本史を担当している。この学校ではクラス替えはないから3年間このメンバーで過ごすことになる。」

 

(若いな……いや、俺の師にあたる奴らが年寄りばっかなだけ…か?というより胸元開け過ぎじゃないか?誰を堕とそうとしているのやら…年下しか興味ないタイプなのか?)

 

 

教師の説明を流し聞きしつつ失礼なことを考えている黒鮫。すると前の席の人から入学、ここでの生活についての資料や端末が配られた。

 

 

ppt(プライベートポイント)がこの学校内でのお金となるこれでなんでも購入できる。そして君たちには10万pptが配布されているはずだ確認してくれ。」

 

 

まわりから歓声が聞こえ、みんなが嬉々として端末を調べている中、黒鮫はただ教師をみていた。

 

 

「pptは毎月1日に配布されることになっている…浪費をしたからと言ってカツアゲなんかするなよ。この学校はいじめに敏感だからな。」

 

(解釈がどうとでもできる言葉遣い、穴のある説明、それに今の発言も隠されているのならどうなることやら……本当に度し難い…いっそのこと……)

 

 

黒鮫は静かに怒っていた。教師を見る目も鋭くなる。まるで怨み持つ相手と認識したかのように…右隣のピンク髪の女の子が黒鮫をチラチラと怯えるように見ていたが今の黒鮫にとってはどうでもいいことだった。

 

 

「さてこの後入学式がある時間までここで待機しておくかさっさと入学式の場所に向かうかは好きにすればいい…今のうちに何か質問がある奴はいるか?」

 

(さてどうするべきか…このままだと質問に答えないだろうな……だからといって…)

 

「黒鮫だったか?なにかあるか?」

 

 

 

思考していると茶柱先生のほうから指名された。名前を呼ばれた以上無視するわけにもいかないので立ち上がる。

 

 

「どうして俺を名指ししたのですか?」

 

「私を見る目が随分とおかしかったのでな。私が喋るたびに君は失望や軽蔑の眼差しだったのでな…なにか疑問でもあったか?」

 

「そうですね…」

(もう、ぶちまけてやるとするか。)

 

 

黒鮫は心に決めて深呼吸した。

 

 

「甘すぎる毒、楽園に見える地獄、ここはそういう学校なのですね。」

 

「随分詩的で、批判的な意見だな。」

 

「異常なカメラ、穴のある配置、日常行動の評価、減点方式の一ヶ月、連帯責任、抜け落ちた説明、悪辣な実力もよしとする体制、限られた特典…()()()()()()()()()()()()()()()?」

 

 

茶柱先生は黒鮫の言わんとすることを理解したのか段々と目を見開く。

 

「な、何を言って…」

 

 

どんな言葉を紡ごうとしたのか分からないが黒鮫は手を前に出して教師の言葉を止めた。

 

「別に答えが欲しいわけではない、答えることが出来きるわけではないでしょうし、俺はそういう場所だと思うことにしますので…あとは他の人がこれ程の回答にたどり着けることを祈っておいたらどうでしょうか?

最も、この中で1人は正解に辿りついてるでしょうが。」

 

 

そう言って黒鮫は言葉を1回止めて前の方に座っている金髪の男子生徒を見て、すぐに教師に方を見る。

 

 

 

「ともかくあとは、他の連中が気づくことを祈ったらいいんじゃないですか?

俺からは以上です。」

 

 

他人の視線、感情なんてなにするものぞ、黒鮫は自分だけが納得のいくような立ち回りをして着席する。

 

 

 

入学初日にこの学校のシステムがおおよそ明らかになったともいえるが黒鮫の言葉を理解したものはあまりいないだろう。

そして他のクラスでもここの仕組みに気づいたものはいた。彼らの共通点を上げるのならば、彼らは『狩人』と呼ばれる異能力者たちであるということ。

 

 

(このクラスで3年間か……まあなるようになるだろうさ。)

 

Dクラスの敵を喰らい尽くす黒き狩人はクラスの未来は自然に身を任せるように考え……

 

 

(なにここの学校…あーしちゃん向けのいいところじゃん!!)

 

Cクラスの眠れる竜の力を持つ狩人は、この学校のあり様に感激して……

 

 

(せめて学校生活は平和に過ごしたかったのに…これじゃ無理かもしれないね…)

 

Bクラスの目の内に鬼神を宿す狩人はこれからの生活に憂いを感じ……

 

 

(これがAクラス……これが……こんな相応しくない連中が混ざったこのクラスが最も優等生だと……ふざけるなよ!!)

 

Aクラスの己の嘘を一つの現実に出来る狩人はこのクラス、この学校に失望していたのであった。

 

 

 

 

 




*やああとがきから失礼する『語り部』だよ。第一話…とはいえここもプロローグの一部といえるだろうね…異能力が出てきてない?おいおい、そんな初日からドンパチすることなんてないだろうに……
この物語は一人の少年『黒鮫真人』を中心に話が進んでいくものだと思ってくれたらいいさ。

さて、早速だが、君たちに問いかけをしよう。有り体に言えばアンケートというやつだよ…


君たちは誰が喋っているのかがわかるだろうか?もしも分かりづらいのであればセリフの前に名前を入れるというのはどうだろうか?

そう「台本形式」というやつだね。君たちが望むのならそちらに変更することもやぶさかでないよ。もちろんなくてもいいならそれで構わないし、そういうのがなくてもわかるように語るけどね。

どうだろう一考していただけるかな?

台詞の前に名前は……

  • いる(台本形式に変更)
  • いらない(このまま)
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