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【首相官邸地下通信室 1400時】
防衛省からの緊急通信が、官邸地下に設置された危機管理指令室を震わせた。
その中央、専用回線に映し出されたのは、アメリカ合衆国大統領――マシュー・グラント。
元海兵隊司令官であり、“最後の現場主義者”と呼ばれる実力者。
広く刻まれた額の皺と、冷たくも鋭い青い目が、戦争と政治の覚悟を物語っていた。
向かい合うのは、総理大臣・高城遼子。
白のスーツに身を包み、冷ややかな瞳の奥に宿すのは、「護る」意志。
この国の未来と秩序、そして真実を見極めるために。
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◆グラント大統領
「リョウコ、我々の情報機関が、おたくの合成開口レーダーのデータを共有した。
過去数年間に発生した、“怪盗ジャンヌ”の活動領域すべてに、同じ霊的干渉波が検出されている。
我々の分析では、ジャンヌは“魔王の配下”と交戦していた可能性が極めて高い」
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◆高城総理
「我々も同様の分析を出しました。
彼女――日下部まろんは、確かに“戦っていた”。
だが問題は、その存在が“法と秩序”を逸脱し、今なお誰にも制御されていないということ。
たとえ意志が善であっても――法によって裁かれねばならない」
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グラントはわずかに目を細めた。
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◆グラント大統領
「……つまり、君たちの方針は?」
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◆高城総理
「ジャンヌは、逮捕。
魔王は、駆除。
自衛隊は、“破魔雷作戦”を決行します。
宗教でも科学でもない。これは、“国家”の名のもとに成すべき戦いです」
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通信室に静寂が走る。
次いでグラントが口を開いた。
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◆グラント大統領
「我が方の第7空母打撃群が、すでに相模湾沖に展開中だ。
君たちのF-2が搭載しているのと同様の液体窒素弾頭ミサイルを、F/A-18に装備させている。
“魔王”が物理世界に干渉可能である限り――我々も、物理的手段を躊躇しない」
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◆高城総理
「……ご協力、感謝します」
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グラントは表情を崩さず、語調を硬くした。
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◆グラント大統領
「だが我々は、“善意”だけで軍を動かすわけではない。
日本列島は、アジア・中東へ戦力を投射するための不沈空母であり、
中露を封じ込めるための地政学的要衝だ。
君たちが魔王に呑まれれば、次に襲われるのは我々の側だ」
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総理は短く頷きながら、目を逸らさず答えた。
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◆高城総理
「理解しています。
だからこそ、私たちはこの問題を“国際世論”ではなく、国家主権の問題として処理します。
ジャンヌが何を想い、何を信じていたとしても、彼女はこの国の法の外にいる。
私たちは、“正義”を掲げながらも、“法”を手放しません」
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グラントは、その言葉に、わずかに微笑を漏らした。
その微笑は、かつての戦友を思い出したような――懐かしさに満ちたものだった。
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◆グラント大統領
「……いい顔になったな、リョウコ。
あいつが見たら、“偉くなったもんだ”って笑っただろうさ」
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総理は沈黙する。
視線の奥に、一瞬だけ、過去の残影が揺れる。
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◆グラント大統領
「さて、君の“切り札”についてだ。
“白峰あかね”。
あの女――祖父はあさま山荘事件で殉職。
父も、かつて警視庁第四機動隊で隊長を務めたと聞いた。
内部では“鬼の姫君”と呼ばれてるらしいな」
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◆高城総理
「ええ。
SATとも合同作戦経験があり、希少な存在。
今、ジャンヌの動きを封じるのは、あかね以外に考えられません。
……ジャンヌが“日下部まろん”である限り」
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グラントは、感心したように一つ息を吐いた。
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◆グラント大統領
「まるで、軍人の家系そのものだな。
――彼女は、ジャンヌを捕らえられるか?」
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◆高城総理
「……彼女は、恐れません。
どれほど相手が“伝説”であっても、心を屈させることはない。
それは、あかねが警察官である以前に――人間としての“強さ”です」
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数秒の沈黙のあと、大統領はふと、遠い眼差しになった。
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◆グラント大統領
「…終わったら、墓参りに行くよ。
あいつのな。
生きてたら、君の隣にいた男だ。
“君を総理にするのは、俺の仕事だ”って、笑ってた男だ」
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高城はわずかに瞳を伏せる。
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◆高城総理(静かに)
「彼が最後に言った言葉を、今も覚えています。
“遼子、君が日本の盾になれ”――
だから、私はここにいるんです」
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静かに通信が終了し、回線が切断された。
だが、その場に残ったのは、軍靴の響きではなく、“信念”の残響だった。
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あの男が、誰だか想像は、だいたいつくと思いますw
あとなぜ「白峰あかね」のモデルにPSYCHO−PASSの常守茜選んだかと言うと日本の警察との共通点が、見受けられたからです
常守茜 ドミネーターが、エリミネーターが、起動してるときは、極力撃たない友達が、殺されようと祖母が、殺されようと生け捕り前提の方針は、変えない
日本の警察 拳銃の使用は、極力避け警棒や刺股で捕らえる特殊部隊も致命傷は、避けようとする
特に機動隊相手が、火炎瓶投げてこようが銃撃してこようが、毒ガス持っていようが、生け捕りにする