◆シーン:官邸からの帰り道──東京・霞が関
霞が関を、私は一人で歩いていた。風が制服のスカートを揺らして、足元から冷えてくるのがわかる。でも、それがかえって私の決意を強めてくれた。
たった今、総理官邸を後にしたばかりだった。
高城遼子総理──この国のトップが、私を見据えて言った言葉が、まだ胸の奥で響いている。
「人生を、棒に振らないで」
その声は、命令でも説得でもなかった。ただ、一人の大人が、一人の少女に向けた、本当の温情だった。
だけど、私は……。
(ごめんなさい、総理。でも、私は行く。だって──これが私の“罪”への答えだから)
臨海美術館に“悪魔”と“魔王”が現れる。明け方までに封じなければ、東京だけじゃない、日本中、いや世界が闇に飲まれるかもしれない。
百里基地では、F-2支援戦闘機がエンジンを温めながら滑走路で待機している。 相模湾の沖合──米海軍の空母ジョージ・ワシントン。その艦橋にも、F/A-18EとE-2Dのシルエットが影を落としている。
けれど、どのパイロットにも出撃命令は下されていない。
彼らは待っている。私の決断を。 たかが少女一人の行動に、世界の軍事力が呼吸を止めている。馬鹿みたい。でも、私はもう逃げない。
(神様。お願い、もう一度だけ──あの姿を私に……)
私は、歩道に立ち止まった。 車の音も遠ざかり、世界が息を潜めているようだった。
私は懐から、銀のペンダントを取り出す。 もういないはずの、フィンの気配がそこに宿っている気がして。
「フィン……力を貸して。ジャンヌ・ダルクに、私の声を届けて──」
光が、爆ぜた。
空気が一変し、私の周囲が白金の光に包まれていく。 制服が神の光に溶けていき、代わりに白と金のコスチュームが私の身体を包む。
肩は露出し、ブーツには翼の意匠。胸元には、十字架の紋章が浮かび上がる。髪は光に舞い、瞳には青い意志が宿った。
(原作アニメ後半の姿)
私は右手を掲げて、夜空に向けて叫ぶ。
「強気に本気、無敵に素敵、元気に勇気──」 「怪盗ジャンヌ、神に遣わされただいま参上!」
風が巻き起こり、私は空へと跳んだ。
ビルの屋上を跳ね、電柱を蹴り、夜空を切り裂くように走る。
あの臨海美術館へ。そこに、禍が待っている。
(でも……それでも、行かなきゃ)
人の力で、魔王に抗えるのか。 答えは──わからない。
でも、私には、信じているものがある。 神様の光。そして、私が一度でも救った誰かの“祈り”。
総理が言った「人生を棒に振るな」って言葉、優しかった。でも、私は自分の人生を、この使命にかけている。だから、これは“棒に振る”んじゃない。“私の人生を使う”んだ。
……私、神様の使徒だから。
そして──彼も、戦おうとしている。 誰かを守るために、命を懸けて。
だからこそ、私も行く。私にしかできない戦いをするために。
遠く、相模湾。 空母ジョージ・ワシントンの艦橋で、情報士官が静かに報告する。
「ガーディアン・エンジェル、出現」
艦長が頷く。「全機、待機を継続」
百里基地のF-2のパイロットたちも、キャノピー越しに空を見上げていた。
誰もが知っていた。
その名は、神風怪盗ジャンヌ。
(行くよ、世界の未来を、信じて──)
篠原 沙月(しのはら・さつき)モデル 魔法科高校の劣等生の壬生沙也加
巡査長
剣道四段、警棒と盾術の達人。無口で忠誠心に厚い、あかねの“盾”。
父親は陸自の普通科連隊の連隊長
子供の頃から剣道が好きで剣道教室に父親に頼んで通わせてもらった
■ 千早 明音(ちはや・あかね)モデル 魔法科高校の劣等生の千葉エリカ
巡査長
快活で情熱的な“斬り込み役”。兄は、捜査一課の刑事
(篠原 沙月と千早 明音はあかねと行動を、共にすることが多いので鬼の姫君の侍女と言うニックネームが、付けられている)
航空自衛隊 第8飛行隊(F-2)
名前 役職・モデル 特徴
響 祐介
1等空佐・隊長/モデル ヒビキ・ゴウスケ 熱血で現場重視。「隊は家族」信条
高山 ユミ
2等空尉/モデル 篁 唯依 冷静ストイック。零戦搭乗員の血筋
浦城 航
3等空尉/モデル コウ・ウラキ 熱血で正義感強い。響に憧れる
貝塚 伊奈斗
3等空尉/モデル 界塚 伊奈帆 天才肌。冷静な戦術分析官
米海軍 第102戦闘攻撃飛行隊(F/A-18)
■ ピート・“マーヴェリック”・ミッチェル
海軍大佐(Captain)/伝説的パイロット
映画『トップガン』のモデル。ユミの曽祖父と空戦経験があるという因縁も。
■ ブラッドリー・“ルースター”・ブラッドショー
海軍大尉(Lieutenant)
マーヴェリックの弟子にして、冷静沈着な若き精鋭。