元捜査官の終着点   作:すとろまとらいたー

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捜査官のプロフィール、載せときます

山辺光汰(32)
使用クインケ:(甲)[アルト1/3]、(甲)[アラタ改]
階級:特等
プロフィール:CCGアカデミーを首席で卒業した、敏腕喰種捜査官。人にも喰種にも同じような態度で接するが、容赦はしない。海野藍とは過去に彼とコンビを組んでいたことから、彼とは面識がある。

赤坂淳介(23)
使用クインケ:(鱗)[ヤマアラシ]、(甲)[アラタ改]
階級:一等
プロフィール:アカデミー時代からコツコツ努力を積んできた努力家。人当たりがよく、彼を好意的に見るものは多い。「ヤマアラシ」を討伐出来なかったことを悔しがっている。(先に璃奈が殺したため。)


第4話 黒羽への決意

「貰ったぁぁぁ!!!」

 

「クッ…。」

 

赤坂は最後の一撃を藍が[パッチワーク]を拾い直そうと屈んだ隙に一気に上から振り下ろした。

 

赤坂は勝利を確信する。

 

(この距離なら躱せないし、クインケは破壊した。逃げ場はない。仮に『キマイラ』が赫子で攻撃してきてもこいつの首は取れる。終わりだ!!)

 

そして、クインケが命中する。

 

「ゴフッ…!」

 

………赤坂に。

 

「は…? なんで? 僕にクインケが…。」

 

腹部には先程破壊したはずの[パッチワーク]が当てられている。

 

「…勝ちを確信した時点であんたの負けだ。喰種を前にして油断は禁物なんだろ? さっきの言葉、そっくり返してやるよ。」

 

[パッチワーク]を赤坂から離すと、赤坂が身に纏う[アラタ改]を注視して藍は呟く。

 

「流石に相性の不利もあって、羽赫じゃ[アラタ]は貫通不可能か…。まぁ、アバラの数本は持って行けたんじゃないか?」

 

痛みに悶えて蹲る赤坂を尻目に、藍は立ち上がると、背を向けて歩き出す。

 

「冥土の土産に少しだけ教えておいてやる。このクインケの名前は[パッチワーク]。羽赫・甲赫・鱗赫・尾赫全てを使えるキメラクインケだ。だから1種類破壊されても残りの3種類で戦えるんだよ。じゃ、またな。行こうぜ璃奈。」

 

「はぁい♡ かっこつけちゃって負けてたらあたしが助けてあげたのに。」

 

「それには及ばねぇよ。あとわざとらしく甘えるな。」

 

「素直じゃないなぁ。」

 

そうして2人は路地に消えていった。

 

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赤坂の心情を表したかのように雨が降ってきた。赤坂は今まで喰種との戦闘で負けるどころか、傷1つ負ったことがなかった。しかし、今回初めて「白の裁き」にてその記録が破られ、プライドも傷つけられた。よりによって、喰種扱いの「元捜査官」に。仲間は傷付き、自分のミスで敵を逃してしまった。その事実が受け入れられなかった。

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁァァァァァァァァ!!!!」

 

赤坂はただ慟哭するしか無かった。

 

そして、ひとしきり感情を吐き終わると無線をかける。

 

「こちら山辺班、赤坂。任務失敗、負傷者多数。至急救護班の要請します。」

 

「了解。赤坂、山辺はどうした?」

 

丸手は不機嫌そうに尋ねる。

 

「『黒鴉』に左横腹を貫かれて気絶しています。出血はそこまで激しくないのでまだ大丈夫かと。」

 

「…わかった。すぐに対応する。」

 

無線を切ると、赤坂は痛む腹を抑え、[アラタ改]を解除すると、壁にもたれかかるようにして意識を手放した。

 

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「しかし、CCGは何時から人間と喧嘩する時に[アラタ]を使うようになったんだ? クインケは正義の武器じゃなかったのかよ。」

 

歩きながら藍は愚痴を吐き出す。そんな彼を仮面の奥で苦笑いしながら宥める璃奈。

 

「藍くんは喰種扱いされてるんだからクインケ使うでしょ。」

 

「扱われてるだけで生物学的にはれっきとした人間だぞ!? それって屁理屈じゃん。」

 

「……自分がクインケ使ってたことには触れないのね。」

 

「………。」

 

藍は口を尖らせてそっぽを向いた。

 

「あら、拗ねちゃった? ごめんごめん。」

 

「ド正論で返してくるとは思わなかった…。あ、さっきクインケ壊されちゃってさ、鱗赫なんだけど。」

 

そう言って藍はクインケを取りだし、璃奈に渡す。

 

「これぐらいならまだ大丈夫。あと1分程で赫包の再生が終わるからすぐに治る。…ちょうど使わないと行けないみたいだし。」

 

「…さっき言ってた白鳩とは異なる集団か。思ってたよりも遅かったな。」

 

瞬間、璃奈は羽赫を発現させ、2人の後ろにある物陰に放出した。

 

「バレた? 早いねぇ。もう少し持つと思ったんだけどさぁ。」

 

屈強な大男を先頭に、様々なところから約30人程の仮面を着けた喰種が瓦礫の中から姿を現す。

 

「あたし達になんか用? まさか何の目的もなくつけてきたなんて言わないよね?」

 

「オレたちは『アオギリの樹』。キミのコトをスカウトしに来たんだよ、『キマイラ』。」

 

我々(アオギリ)に入れば、食糧には困らないし、キミの理想も叶えることが出来る。」

 

璃奈は大男の言葉に目を細める。

 

「それはそれは、凄く魅力的な提「ただし!!!」

 

大男は声を張り上げ、璃奈の声を遮る。

 

「!!」

 

「条件がある。なーに、簡単なことだし、1つだけだ。」

 

「教えてくれない?」

 

大男は低い声で返す。

 

「…隣にいる人間を喰い殺せ。それだけだ。な、簡単だろ?」

 

「それは…難しいわね。とてもじゃないけど出来そうにないわ。」

 

「それは…情でも感じてるからかい?」

 

「それも半分ある。けれど…。」

 

「半分なら殺せるだろう?今まで喰種として人間を殺してきたんだろ?だったらそれが今更何だ?」

 

「恐らく彼と戦うと相打ちになるからその条件をクリアする以前に私が死ぬから無理ね。それにあたし、人間殺したことなんてないわよ、血生臭いあなた達と同じにしないで!」

 

そう言うと、大男はしばらく黙ったままだったが、薄気味悪く笑みをうかべると、

 

「じゃあ、オレが代わりに殺してあげればいいよね!」

 

瞬間、大男は璃奈を軽々とジャンプして飛び越え、藍に襲いかかる。

 

「ちょ、アンタ何勝手に納得してって…藍!!!」

 

大男の鋭利な剣が藍に迫る!!

 

 




山辺の階級を准特等から特等に変更しました。
時系列としては、藍が一等捜査官時代に上等→藍、CCGを離脱時に准特等→現在(特等)って感じです。
過去の紹介も特等に変更しました。
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