元捜査官の終着点   作:すとろまとらいたー

8 / 25
24区の壁って凄い技術だと思うんですよ。腐らないし、中々バレない。しかも硬い。隠れ場所には打って付けですよね。


第7話 お見合い(物理)

先に動いたのは璃奈だった。羽赫を連射しつつ、鱗赫を伸ばしていく。

 

「最初から全力で行くんじゃなかったのか?」

 

「そう言いつつ、防戦一方に見えるのはあたしだけかな?」

 

飛んでくる羽赫を避けつつ、鱗赫を尾赫の刀身で弾いていく。そのまま一気に距離を詰め、璃奈に右から一閃する。璃奈も右腕に甲赫を纏わせ、防御して笑う。

 

「…あたしだけらしい。」

 

その甲赫から羽赫を生やし、藍を振り払うと同時に羽赫を撒き散らす。

 

放たれた羽赫を[パッチワーク]の尾赫モードを用いて全て叩き落として楽しげに話す。

 

「こうしてると昔を思い出すよ。返り血に染まりきってた数年前を。」

 

モードチェンジして、鱗赫+尾赫モードで多方向から攻撃していく藍。数本の鱗赫は異なる方向から弧を描きながら、尾赫は不規則にうねりながら璃奈に迫っていく。

 

「あたしも。一匹狼で行動して喰種を見かけ次第殺して回ってたっけ。」

 

その攻撃を受け止めることなく紙一重で躱し、羽赫と甲赫を用いて迎撃する璃奈。2人の目には相手にしか向いていなかった。これ程までにお互いが戦闘に熱中するほど余裕がなく、そしてまた楽しんでいた。

 

「面白くなってきやがった!!」

 

[パッチワーク]を振るう藍の動きがより速くなる。それに合わせて

 

「スピードなら負けないよッ!」

 

璃奈も同様に4種類の赫子を的確な動きを保ちつつ、高速化していく。左から迫る璃奈の鱗赫を避けつつ、クインケを振りながら前進。璃奈は尾赫を地面に潜り込ませつつ、藍が飛ばした羽赫の雨を甲赫をフード状に広げて防ぐ。

 

藍はそのままジャンプして地面から突き出た尾赫を躱し、羽赫+甲赫モードにして、フード状の甲赫から放たれる羽赫を弾いていき、璃奈の目前に迫る。

 

「どうしたッ、終わりかぁ?」

 

一瞬で間合いを詰め、甲赫モードで羽赫を切り裂こうとする。が、刃が通らない。

 

「むっ、これは…?」

 

落ち着いて距離を一旦とり、璃奈を見ると全身に赫子を纏い、人型を保ちつつも獣のような見た目になり、上下左右で色形の異なる赫子の仮面が璃奈の顔に形成される。

 

「ほう、オレの目の前で赫者化するのは初めてじゃないか?」

 

不機嫌そうに璃奈は返す。

 

「…可愛くないから見せたくなかったの。」

 

「でも、出し惜しみしないのはオレへの敬意ってことでいいのか?」

 

「それ以外に何があるの?」

 

「第2ラウンド開始、だな?」

 

再び璃奈の赫子が唸り、暴れ出す。

 

「ええ。」

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 

「は、速いッッ!」

 

藍は赫者化する前より明らかに速い動きで攻撃する璃奈に翻弄されていた。体からはかすり傷からの出血で血が滲み出ている。紙一重で避けるか、ギリギリ避けきれずに掠ってしまう攻撃が殆どになった。

 

「ぐうっ!」

 

遂に攻撃を捌ききれず、クインケごと弾き飛ばされてしまう。

 

「エトの小説の言葉を借りるとこれが万事休す、って奴かな?」

 

クインケに赫子を突き立て、破壊しようと赫子を振り下ろす。

 

「赫者にビビるオレじゃないよ、璃奈。行くよっ!」

 

そう言った瞬間、クインケに当たる前にスレスレで赫子とクインケの間に転がり込み、赫子を回避しながらクインケの奪還に成功する。

 

「ふぃー。滑り込みセーフ!!」

 

「驚いた、今のを取りに行くとは。さすが准特等だっただけはあるね。なら、これならどうかな?」

 

璃奈の背面から幾つもの鱗赫が伸び、両腕にはメリケンサック状に甲赫が形成され、そのまま藍の所へ突っ込んでいく。

 

「拳での殴り合いも悪くないよ? 昔、6区で神代又栄(シャチ)の爺さんに少しだけ習った甲斐があるってモノ。」

 

背中から伸びる鱗赫と、璃奈の徒手空拳による甲赫を鱗赫+尾赫モードでいなしながら、隙を伺う藍。

 

「『鯱』と面識あるのか?」

 

左フックを縦向きにした[パッチワーク]でガードしながら問いかける。質問の答えを聞く前に空いた右腕に[パッチワーク]を持ち替えて瞬時に左下から振り上げた。

 

「昔ちょっとの間世話になっただけよ。そこまで深い関係は無いわ。」

 

璃奈は(璃奈から見て)右下から振り上げられたクインケを躱して返答する。そのまま2人は互いの武器に会心の一撃を放つ。璃奈は甲赫を巻いた右ストレートを、藍は[パッチワーク]による真向斬りを放った。それらが正面からぶつかった結果、辺りに轟音が鳴り響き、壁が大きく震える。

 

「ハァハァ、辛そうだな、もう、バテたのか?」

 

「そっちこそ…ズタボロで息上がってるじゃない。」

 

2人は距離を一旦開けると、瞬時に同時に相手に向かって走り出した。しかし、2人の距離が10メートルより短くなったぐらいで璃奈が赫子をバネ状にして大きく飛び上がった。そのまま尾赫を出して攻撃の構えをとる。

 

「オレたちが初めて会った時にやってたヤツじゃねぇか。」

 

「尾赫が1番最初に使えた赫子だから、歴が長いの。でも、あの時の威力と同じに思わない方が身のためよ。」

 

そのまま急降下して、身体を回転しながら尾赫をかかと落としのように繰り出す。

 

「中々エモいことしてくれるじゃねぇか!」

 

そう言って藍も大きくジャンプして、クインケを赫者の仮面に向けて繰り出した。

 

2人の体は接触することなくすれ違い、璃奈は着地し、藍はそのまま地面に墜落した。瞬間、璃奈の赫子の仮面は切り落とされ地面に落ち、「パッチワーク」も刃の部分が粉々に砕け、霧散した。

 

「ありゃ、引き分けかこれは?」

 

「どうもそうっぽいわね。とりあえず、さっさと帰りましょう。この手合せで発生した轟音と振動、何よりあなたの血の匂いが喰種または白鳩を引き付けてる。」

 

「じゃ、帰るか。」

 

そう言って24区に入った時に使った出入口の方へ向かおうとする藍。が、手を掴まれ、それを阻止される。

 

「飲みに行く店の近くに出ましょ?その方が楽だわ。」

 

「でも喰種と白鳩が来てるんじゃねぇの?」

 

「真っ向から突っ切ればいいわ。どうせ()()不完全燃焼気味でしょ?」

 

「ボーナスステージって訳か、まぁ向こうから攻撃してきたら殺せばいいよな?」

 

「それ以外は基本無視に限るわね。」

 

「じゃ、行くか!」

 




戦闘シーン、戦闘の描写長く書くの難しい…
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。