やよい 「予告!前回までのあらすじだ!」
「前回、私の手回しでswapオルフェ殿をゆこま旅館に招待し、問題を解決する所まで進んだのだったな。」
「…私とて、全てを受け入れる慈愛の女神では無い。思うところもあるし、ストレスだって溜まっている。だが、そういったことにどうやって向き合うか、それさえ出来れば上手にマイナス要素と共存出来るのだ!」
「刮目!続きをどうぞ!」
舞台は変わり、トレセン学園へ。スワオルはしばらく帰ってこないが、ブラスト達は一日で普通に帰ってきた。だがその一日で、学園は大変なことになっていた…。
食堂にて…
グラス 「ふっふっふっ……計画通りです…!何もかもが順調に行っています…!」
キング 「……ねぇ、これが本当にアナタの見たかった景色なの…?」
普段、食堂は何かしら会話で盛り上がっていて、ここ最近だと淫夢関連の会話がひっきりなしに行われていた。だが今日は、まるで誰も居ないかのような静寂を見せていた。
グラス 「ええ、勿論ですよ?だってほら、皆楽しそうじゃないですか。もうあんなものに怯える必要も、怖がる必要も無いんですから!私は今、楽しくて仕方がありません。」
スペ 「グラスさん……。」
グラスの豹変っぷりにドン引くスペ。
グラス 「スペちゃん…、どうしたんですかそんな顔して。折角の可愛い顔が台無しですよ?もっと笑って、ね、にまぁ〜と。」
ウララ 「こんなの全然楽しく無いよ!皆全然話さなくなって、ウララ、前のほうがずっと良かったのに!」
キング 「…ウララさん……。」
グラス 「関係ありません。これは全て彼女達が蒔いた種ですから、自業自得というものです。」
しばらくして、ブラストワンピースが食堂にやってくる。
ブラスト 「?」
これがご褒美なのぉ…?なんか(良くないものに雰囲気が)犯されてるよぉ…///
食堂に来てみると、いつもの盛り上がりが嘘のように静まり返っていた。いや、人が居ないわけではない、だが、誰一人として会話をしていないのだ。ひとまずラッキーライラックのいる席の隣に座り、事情を聞いてみる。
「ラーラー!今日は皆静かだゾ!私の居ない間に何があったのかゾ?」
ライラック 「…ブラストさん…、今この学園で、淫夢が流行っているのは承知しとるやろ?その淫夢が今、ルドルフ会長と、もう一人の謎のウマ娘によって、言論弾圧及び統制されているんです。」
ブラスト 「げんろんだんあつ?とうせい?それって、良くない事ってことかゾ?」
ライラック 「まあ、淫夢を多用する多くの生徒にとっては、そうなりますな。」
ブラスト 「迫真侮辱罪ゾですゾね…(憤怒)私、会長に文句言いに行くから、ララも付いて来てくれよな〜頼むよ〜。」
ライラック 「え…(困惑)」
ブラストが意気揚々と立ち上がる。するとこの静まり返った食堂に、一筋の希望が現れ始める。
スカイ 「それじゃ、セイちゃんも行こうかなっと。スワオルさんが帰ってきた時にこの状況だと、居心地が悪いだろうしね。」
イナリ 「てやんでぃ!!軽蔑が怖くて淫夢が使えるかぃ!惨めったらしく座り込むのは辞めて、立ち上がって戦うのが筋ってもんでぃ!」
マーチャン 「アストンマーチャンです、今が恩を返す時だって、はっきり分かんですね。」
トラン 「…ま、発言の自由は当然の権利な訳だし、向こうの勘違いしている所を直さないと、良くないと思うけどどうすっかな〜私もな〜。」
タイキ 「Ou……わ…私は……」
フラワーに杭を刺されてから相当萎縮しているタイキは、前のように前向きに動くことができなくなっていた。
そんな時に、フラワーがタイキに声を掛ける。
フラワー 「タイキ先輩、どうか、行ってください。」
タイキ 「えっ?…でも…、フラワーは淫夢が嫌だっテ…」
フラワー 「…確かに私は、今までの学園の状態は苦手でしたけど…、でも、今の状態も嫌なんです!」
「それを打開できるのは、タイキ先輩だけだって。…「寄らば大樹の陰」ですよ。」
タイキ 「フラワー…!ハァイ!私、みんなの顔に、笑顔を取り戻してあげマース!」
ヒーローに挫折はつきものだ、だがその度に立ち上がり、最後は敵を倒すのだ!今、学園をなんとかできるのは、君たちだけだ!
その頃生徒会室…
ルドルフ 「……エアグルーヴ、今日は素敵な日だ。花は咲いていて、鳥たちも囀っている。…そして、風も穏やかだ。」
風……、それは、風紀を乱す暴風。ルドルフ達は、swapオルフェーヴルが来て以来の、異例の静寂に見舞われている。…少し静かすぎるかもしれないくらいに。
エアグルーヴ 「例の件の苦情もピタリと止みました、元のトレセン学園に戻ったと言っても過言では無いでしょう。」
ルドルフ 「…ああ、理事長やその他協力者には感謝しなければ、こうして平穏を取り戻せたのだからな。」
安堵のため息をついていると、ドアをノックする音が響き渡る。
ルドルフ 「どうぞ。」
ガチャ…!
ブラスト 「ルドルフさん、考え直すことはできないのかゾ?もう一度よく考えて欲しいゾ。」
「これが会長の望んだ景色なのかゾ?」
入るやいなや、いきなり質問を投げ掛けるブラストに押されつつも、冷静に対処する。
ルドルフ 「落ち着いてくれ。いったい何の話かな?」
スカイ 「食堂のあの殺伐とした雰囲気について、少し苦情というか、文句がありましてね(強気)」
タイキ 「みんな、あんなに辛そうな顔して私も辛いデェス!皆ハッピーが一番だと思いマース!」
エアグルーヴ 「っお前たち!一人ずつ話せ!」
ルドルフ 「いや、いいんだエアグルーヴ。」
民衆をなだめるエアグルーヴを止める。
「君たちの言っていること、それが意味するものは何か分かっているかな?」
イナリ 「前みたいに、どこでも会話の盛り上がっている学園に元通りになるんでぃ!」
ルドルフ 「それが問題なんだ、昨今のトレセン学園は、深刻なミーム汚染が蔓延している、元に戻すということはつまり、それを解放することになる。」
「そうなればどうなるかは目に見えている。…君たちには残酷なことを言うが、今の状況を喜んでいる者が居るということを忘れないで欲しい。」
ブラスト 「別に淫夢を使う使わないの話はしていないゾ、私が言っているのは、何で食堂から会話が殆ど消えているのかだゾ。」
ルドルフ 「…それだけ淫夢という症状が日常に染み付いている深刻な状況だった、という捉え方はできないかい?ここで辞めさせなければ、彼女達に未来は無い。」
ブラスト 「どうして強制するのかゾ?例えば使い方の講習を開くとか、会長たちができないなら私たちがやるとか、色々やりようはあったんじゃ無いかゾ?どうして生徒会内で勝手に決めちゃうのかゾ?」
ルドルフ 「…いじめに加担している人間の言葉を、生徒達を正しい方向へ導く生徒会が聞くと思っているのか?」
ブラスト 「何で淫夢が悪い物みたいな認識をしているのかゾ?それこそ話し合って無いからこういう事が起きるんじゃないのかゾ?」
「勝手にやること決めて、勝手に強制して、そっちのやってる事の方がよっぽどいじめだと私は思うけどな。」
ルドルフ 「……120件、これが何の数字か分かるか?」
ブラスト 「この話と関係あるのかゾ?」
ルドルフ 「学園でミームが蔓延してから、今日に至るまでの苦情の数だ、さっきも言った筈だ、今の状況を望む者が居ると。前の状況に不満や苛立ちを覚える人の数は、もはや一人二人のレベルでは無い。」
ブラスト 「だからそれはそっちの勝手な判断であって、外部の人間に相談しない理由にはなって無いゾ。」
ルドルフ 「…さっきから、君が何を言いたいのかが分からない。そんなに聞いてほしいなら教えてほしい、私に何をしてほしいのかを。」
ブラスト 「私に賭けてほしいゾ、私なら会長の言う平穏も、私たちの言う平穏も一緒に叶えられるゾ。」
ルドルフ 「相反する二つの意見が共に叶うと?何を根拠に?」
ブラスト 「私は淫夢の事をよく知っているゾ、だからこそ悪い部分も知っている、でも他の人たちは、何が良くて何が悪いか分かっていないで使っているんだゾ、まず私が伝えたい事はこ↑れ↓だゾ。」
「今の状況は、いい部分と悪い部分を全部ダメって言っているから皆辛そうなんだゾ。」
ルドルフ 「…具体的にはどの様な言葉が良くて、何が悪い言葉なのか説明して欲しい。」
ブラスト 「いいゾ〜コレ。」
しばらく淫夢について教えて……
ルドルフ 「……ふむ…?改めて聞くと、どれも不快だとは思わないな…私は一体、どうしていたのだろうか…?」
ブラスト 「やっぱりそうだったゾ、会長の発言はどれも俯瞰した意見で、自分の内容が無いように思えたんだゾ。会長は誰かに利用されていたんだゾ!」
ルドルフ 「…!」
ブラスト 「会長、教えてほしいゾ、会長を唆したのは誰だゾ?」
少しして、その名が明かされる。名前を聞いた瞬間、皆に緊張が走る。
スカイ 「う〜ん…これはちょっと厳しいかも…。」
ブラスト 「相手が誰かなんて関係無いゾ、誤解を解くのに物理的な力は必要ないって、はっきり分かんだね。」
「ほら行くど〜」
廊下を歩いていると、マーチャンから提案を出される。
マーチャン 「ブラストさん、大人数で行ってしまっては警戒されるかもしれません。ここはブラストさんだけで行くべきだと思います。」
ブラスト 「ん〜、それはアリだゾ、それじゃあ他の人たちをよろしく頼むゾ〜コレ。」
スカイ 「……一人で大丈夫なのかなぁ…、向こうが何してくるか分かったものじゃないしな…ましてやあのカレンチャンが相手ともなれば。」
カワイイを実行するためにはいかなる方法も辞さないカレンチャンを相手に、真正面からぶつかりに行くブラストワンピース。果たしてどちらが分からせられるのか……。
校舎裏にて…
カレン 「……だからさ?もう諦めちゃおうよ?」
モブウマ娘 「くッ……!!」
カレンによってジリジリと壁に追い詰められる。
トコ…トコ…
ブラスト 「何してるのかゾ?」
カレンは一瞬ピクリと肩を震わせた後、こちらに振り返る。顔はうっすら笑って居たが、その目は狂気じみたものをしていた。
カレン 「何って、"お話"だよ?ブラストさんもする?お話。」
ブラスト 「おっ、いいゾ〜コレ、私もカレンさんとお話したかったんだゾ〜!」
「んにゃぴ…やっぱり、辞めるのを強要することは良くないと私は思うゾ。」
ブラストも不敵な笑みで話し始める。
カレン 「…へぇ~…、わざわざそっちから来てくれたんだ、…それで、カレンを止めたいの?」
ブラスト 「いや、そうは思っていないゾ、どの道カレンさんのやってる事が無駄になるから、今のうちに辞めるようお願いしてるんだゾ。」
カレン 「カレンのやってる事が無駄?どうして?個人の感想にどうして私が付き合わないと行けないんですか?」
ブラスト 「それがカレンさんと私の為だからだゾ。このままだと、スワオルさんが居なくなった後でも私達は衝突し続ける事になるゾ〜コレ。」
カレン 「カレンはそれでいいの、カレンが折れなければ、もうアナタ達が諦めるしか無いでしょ?」
ブラスト 「結局、カレンは学園をどうしたいのかゾ?もし元に戻したいって言うなら、なおさら今のうちに辞めるべきだゾ。」
カレン 「…どうして上から目線で話されてるの?」
ブラスト 「そうじゃ無いゾ、私は淫夢賛成派だけど、このままじゃ良く無いことも理解しているゾ、それはカレンも同じ事を思っている筈だゾ、だから私達の計画に則って動いて欲しいんだゾ。」
カレン 「何でカレンがそれに協力しなきゃ行けないの?それは勝手にやってればいいんじゃないですか?」
ブラスト 「やり方が違えば、絶対に衝突するゾ、そうなった時に屈辱を味わうのはカレンだゾ、そんなの全然可愛く無いゾ。」
カレン 「じゃあ、カレンにその計画の内容を話して、私が納得すればいいよ?」
ブラスト 「ん〜、それを話す前に、まずカレンは淫夢の何が嫌なのかゾ?ここまで毛嫌う理由を話してほしいゾ。」
カレンは淫夢に何を思っているのか、今明かされる。
カレン 「…カレンはね、カワイイの。カワイイとカリスマで、ウマスタでもウマトックでも輝いて来たの。でもある日、私の記録をことごとく抜いた投稿が現れたの、その内容、なんだったと思う?」
ブラスト 「淫夢…かゾ?」
カレン 「そう、カレンの努力が、どこの誰かも分からない、努力を知らない人に、しかもたった5件の投稿にカレンは抜かされたの、勿論今はカレンの方が上だよ?でも収まらないの、あんな物に負けたんだっていう屈辱が。だから決めたの、淫夢を使う人を徹底的に潰すって。」
ブラスト 「浅い理由スギィねぇ!!」
モブウマ娘「!?」
カレン 「!!」
ブラスト 「カレンが頑張ってるのはよく知ってるし、一瞬でも抜かされて悔しいのも理解できるゾ。でもそれが他人を否定していい理由にはならないゾ、要はカレンは、次負けるのが怖いんだよなぁ?どんな理由でこんな事しているのかと思ったけど、そんな事でやってたのか……(引き)」
カレン 「何を_」
ブラスト 「はっきり言うゾ、淫夢がこれ以上大きくなる事は絶対に無いゾ。そんな事に神経を費やす必要性なんか全くもって無いゾ。」
「特に、今後カレンと私たちで組めば、流行の操作もある程度出来るようになるし、何ならカレンだって、淫夢を取り入れればいいゾ。」
カレン 「…!」
ブラスト 「人気者はどんなネタでも取り入れる、そうスワオルさんも言っていたゾ!本当はカレンもそう思っているんだろ?カレンがやっているのは逆張りだゾ!」
カレン 「…嫌だよ、そんなの可愛く無い…。」
ブラスト 「それこそ個人の感想ゾ、可愛いかどうかって、周りが決めることもあると思うゾ。少なくとも私は、流行に乗る柔軟な姿勢を見せる人は可愛いと思うゾ、勿論本人の技量はあるけども…。でもそれはカレンには関係無いゾよね?だってウマスタ上位の人なんだから、ネタの使い方くらい完璧ゾ、もし分からなくったって、私やスワオルさんが居るゾ、一緒に学園を変えようゾ!」
カレン 「……」
「い……淫夢はトレセン学園で流行っているって……」
ブラスト 「はっきり分かんだな〜!!」
「いいゾ〜コレ。あっ、そうだ(唐突)カレンにこれを渡しておくゾ。」
※スワオルの電話番号とLANEのIDを手に入れた。
ブラスト 「スワオルさんは凄いんだゾ!私とは比べ物にならないほど淫夢を知っているから、その人に教えてもらえば完璧だってはっきり分かんだね。」
反撃の隙を与えず、完膚なきまでに叩きのめす。それがブラストの取った判断だった。だが、結果として平和的に事が解決した、翌日には食堂にも会話が戻っていた。…ただ一つ変わったことといえば、ちょっとだけ淫夢語録が減ったことくらいだ。
ブラストワンピースがトレセン学園で奮闘している中、スワオルは……
ヒュ
ヒュ
両手に火のついたタバコを持ち、交互に吸ってスパスパと喫煙の歌を歌っていた。
swapオルフェ 「あぁ〜^たまらねぇぜ!女将さん〜♪マウンテンis整備、ユノハナ客の世話(ハッ!)私旅館に籠もって喫煙、ふ〜んふ〜んふんふんふん♪」
ご飯も無料、風呂も無料。飲食住のトリプル役満が揃っている今、スワオルはトレセン学園にいた頃よりもうんと生活水準が上がっていた。
喜びに浸っている所に、健子が現れる。
健子 「swapオルフェさん、昨日はありがとうございました。おかげさまで、この旅館の危機は免れそうです。…それで…ご滞在はいつまでと言われているんです?」
swapオルフェ 「さあ、ここの危機が免れるまでじゃ無いですかね、私も何も聞かされていないもので。」
意外、それは伝達不備!
「やよいの連絡先持って無いです(事後報告)」
仕方がないので健子の方から理事長に連絡を取る為に一旦部屋を出ていく。それから数分して健子が戻って来て、戻るかどうかを伝える。
健子 「一応、事が済んだら帰って来るという事ですので、今日の夜には学園にお戻りになるみたいですよ?swapオルフェさんは。」
swapオルフェ 「ん?なんで今は帰れないの?別に今帰りたくないけども。」
含みのある言い方をする健子に突っかかるスワオル。
健子 「少し、お願いしたいことがありまして。」
そういうと彼女はウマホを取り出し、ビデオモードに切り替える。
「この温泉郷のPR動画を作成して頂きたいのです、どうかよろしくお願います。」
軽くお辞儀をし、様子を伺がう為に顔だけ上げると、スワオルはめちゃくちゃ嫌そうな顔をしていた。
swapオルフェ 「私こういうの向いてないよ?なんかもっと…こう…ナイスな人が演るべきじゃ無い?そういうのって。」
…と、いう事で、スワオルは一旦学園に戻り、誰か旅館のPRをしたい人が居ないかを探す事になった。
「…」
今更だけど、こういうのに向いてる人ってどういう人だ?
PRなんてやった事が無いスワオルにとって、この件は未知の領域なのだ。ひとまず助力を求める為に、理事長室へ直行する。
コンコン…
ガチャ!
「あっ、お邪魔しまー。」
やよい 「歓喜!先ほど健子殿から連絡があった!良くやってくれたそうじゃないか!私も鼻が高いぞ。」
出迎えてくれるやよいの喜びの声を無視し、そのまま用件を伝える。
「ふむ……、PR動画となると…」
しばらく頭を悩ませ、とある人物の名前を口にする。何でもこう言った事にはもってこいの人物らしい。私はその人物に会うべくジャングルの奥地へと向かった。(食堂です)
人混みをかき分け、一歩、さらに一歩とジャングルの奥地を目指していく(食堂です)
swapオルフェ 「な、なんじゃこりゃぁ〜!?」
swapオルフェはジャングルの奥地で見たものとは…!(くどいですが食堂です)
??? 「ホッコータルマエ、はっちゃきこくべ!」
ホッコータルマエ、栗東寮に所属する中等部3年。
苫小牧からやってきたローカルアイドルウマ娘。 その熱い郷土愛は地元の人々から正式に『とまこまい観光大使』に任命されるほど。 自分の走りとライブで苫小牧をPRすべく、日々真面目に試行錯誤中。 真面目すぎて迷走しがちなのが玉にきず。
彼女の所へ向かい、声を掛ける。
swapオルフェ 「こんにちは、あなたがホッコータルマエさんですね?」
タルマエ 「へ?そうですけど…。」
突然声を掛けられて、ぎこちない反応をするタルマエに、スワオルはそのまま用件を伝える。……とてもストレートに。
swapオルフェ 「PR動画を一緒に作ってください!」
タルマエ 「PR?…って、どこのですか?」
スワオルはタルマエに、全ての事情を話す。
「…!そういう事なら任せて下さい。宣伝は私の得意分野ですから!」
「…あ、でも…休日じゃないと、私参加できないや…。」
swapオルフェ 「大丈夫、移動には時間は掛からないからさ。」
彼女の肩を掴み、"近道"で温泉郷へと連れて行く。突然消えたタルマエとスワオルに、周囲の生徒はざわめき出す。
モブウマ娘 「えっ…!?」
モブウマ娘 「消えちゃったよ…!!何処行ったの?」
キング 「……???」
宇宙キングになるキングヘイロー
スカイ 「やっぱり本当に瞬間移動が出来るんだあの人。いいなぁ、セイちゃんも瞬間移動出来たらなぁ…。」
スペ 「スカイさん、何か知っているんですか?」
スカイは旅館で起きたことを話す。
グラス 「…淫夢語録の拡大にはそんな秘密が…、勝てそうにありませんね、これは。」
スワオルが瞬間移動が出来る事を知って、勝手に戦意喪失するグラス。
キング 「…頼めば私たちも一緒に移動させてくれるのかしら?だったら凄く便利なのだけど…。」
スペ 「そしたら、お腹が空いたら食堂へ移動、眠くなったら寮へ移動なんて事が簡単に出来ちゃいますね!私もやって欲しいなぁ〜!」
スズカ 「でも私の方が速いですよ?」
期待を膨らますスペと、謎の抵抗心を燃やすスズカ。
その頃温泉郷。
ヒュン!!
タルマエ 「わあ…!ここがゆこま温泉郷…!」
swapオルフェ 「どうだい、良い所だろう?何もない所だけど、ゆっくりしていってね!」
しばらく周囲をうろつき、何がPRのポイントになるのかを調査する。そうこうしている内に、女将さんがやってくる。
「女将さん…!」
健子 「こんにちは、あなたがswapオルフェさんの言っていた方でしょうか?」
タルマエ 「あ…、はい!ホッコータルマエと言います、よろしくお願いします!」
「今日はあまり時間が無いので、視察も兼ねてPRポイントを探していくつもりです。」
健子 「そうでしたか、お忙しい中わざわざどうも。」
タルマエ 「それでは早速ですが、女将さんの思う、温泉郷のPRポイントって、どんな所でしょうか?」
なんだか小難しい話をし始めた健子とタルマエ。その様子を後ろで、「私は仲間外れか」と言わんばかりの表情でスワオルは見つめていた。
swapオルフェ 「……」
くぁwせdrftgyふじこlp
そんなこんなで30分程経ち……
タルマエ 「それでは、今日までに動画の試作をしますので、また明日打ち合わせをしましょう。」
健子 「いつでもいらしてください、今度は菓子折りを用意させて頂きますので。」
swapオルフェ 「……終わった?」
タルマエ 「あ…、ごめんなさい、お待たせしちゃって…。」
swapオルフェ 「PR動画が上手く出来れば問題無いゾ〜コレ。」
「じゃあ、帰ろうか。」
そうして、あっという間に学園に戻り、PR作成はタルマエに引き継ぎ、これにてスワオルの任務は終了。トレセン学園の警備員として、再び警備の仕事に戻るのだった…
ヒュン!
帰ってきて早々、スワオルは愛木のもとを尋ねる。
「じいさんただいま。」
愛木 「よう、早い帰宅だな。どうだった、慰安旅行と言う名の仕事は。」
愛木の言葉に彼女は「もう最高だね」と、喜びと皮肉を同時に口にした。
「はっはっは!そいつは良かった。」
swapオルフェ 「ねえ、ずっと聞こうと思ってたんだけど。じいさんさ、保科健子って人知ってる?」
愛木 「保科?…ああ、誰かと思えば…懐かしいヤツの名前が出てきたな。アイツはここの元トレーナーよ。腕の立つヤツでな、トレーナー業に加え、温泉の女将もやっとった。」
「あんな優良物件、そうそうあるものでは無いだろうな、……ただアイツはな、お前と同じでタバコにどっぷり浸かっている奴だった、それが原因で倒れて、病院に運ばれることもあった。」
「ここを辞めてからのことは知らないが、今もどこかで旅館の女将でもやってるんじゃないか?」
swapオルフェ 「ふーん。」
愛木 「ほら、昔話は終わりだ、さっさと仕事に戻れ。」
ヒュン!
愛木の言葉に「嫌だ」と一言呟き、瞬間移動でどこかに向かってしまう。
「……ったく…」
ヒュン!
swapオルフェ 「にょっす。」
健子 「swapオルフェさん?何か忘れ物でも…?」
swapオルフェ 「健子さんって、タバコ吸ってたでしょ(唐突)」
健子 「はい?」
唐突な質問に、私は締まりのない返事をしてしまった。
「どうしたんですか、急に…。」
急にこんな質問をしてきた理由を聞き出す。
swapオルフェ 「いや、言われてみればタバコ臭するな〜って、愛木の爺さんに聞いたんだよね、健子が昔ヘビースモーカーだったって。」
健子 「愛木さん…!?あの人、まだ学園で警備員しているんですか!?」
聞き慣れた名前に、つい興奮気味に話してしまった。
swapオルフェ 「うゆ、健子の事をじいさんに話したら色々教えてくれてさ、仲良かったんだね。」
健子 「ええ。…本来、トレーナーと警備員はあまり関わりを持たないものなのよ。管轄も業務内容も違うし。…だけど、あの人は別、セラピーじゃ無いけれど、プライベートな悩みとか困り事にどんどん突っ込んで来るの。」
「おかげさまで、色々と助かったのよ。……あの人、元気にしているのかしら?」
swapオルフェ 「人に世話を焼くくらいには元気してますよ。本当に70なのかあの爺さん。」
健子 「そう…、もう5年も経ったのね…。」
swapオルフェ 「じゃあ用件は伝えたし帰るね。」
健子が別れの挨拶をする前に、スワオルは瞬間移動で学園まで戻ってしまった。
健子 「……」
…そして、なんやかんやあって夜になった。
swapオルフェ 「帰るゾ〜コレ。」
仕事の片付けも終わり、ウキウキで部屋に帰ろうとしていると…
アケボノ 「あ〜!見つけた〜〜!!」
ヒシアケボノが、私のことを見つけるや否や、駆け足で迫ってくる。
「慰安旅行って言うから、しばらくトレーニング離れしてて忘れてたでしょ?うんうん、それもすっごくボーノだね!」
swapオルフェ 「ボーノの事見て思い出したよ…、さあ、ご飯食べに行きましょ。」
2人はいつものラーメン屋の屋台で、特大のラーメンを啜るのだった……。
…そして…、時代は流れる(10時間くらい)
昼頃、三女神像の噴水前のベンチにて。swapオルフェ達とは全く関係ない、2人のウマ娘の間にて…
ヘリオス 「ウェイウェーイ!こんな所でどうしたんだいお嬢ちゃん?てかLANEやってる?」
ルビー 「(ヘリオスさんの様子がおかしい事に思わず絶句する私)……?」
ヘリオス 「あっ…教えてくれない?これは脈ナシだな、心停止してるって事っしょ?じゃあ、人工呼吸して蘇生してあげないといけないねっていうのは冗談だよ冗談抜きで。」
ルビー 「(何を言っているのか見当も付かない私…)………」
ヘリオス 「………みつお。」
気まずい雰囲気に耐えかねたのか、突如Green hill zoneの冒頭の曲が流れ、ヘリオスは校舎に向かって逃げるように走り去っていった……
ルビー 「えぇ…(困惑)」
ヘリオスがこんな事をしていることはともかく、華麗なる一族の令嬢であるルビーが、遂に淫夢語録に手を出してしまっていた。(本人は無自覚)
タッタッ……
ルビトレ 「(ルビーに呼ばれて、三女神像前に来るよう言われた俺。もしかしたらダイイチルビーはこの先トレーナーを変えるつもりなのかもしれない。)」
「ルビー。」
ルビー 「トレーナーさん、突然の招集申し訳ありません。」
ルビトレ 「ああ、別に大丈夫だよ。…それより、どうしたの?」
ルビー 「明日の夜半、私の屋敷でパーティーが開催されます、そのパーティーに、ぜひご参加して欲しいのです。」
ルビトレ 「え…、ああ、大丈夫だけど…(どうしよう、パーティー用のスーツなんて持っていない…。明日用意するのも難しいだろうし…)」
「ルビー、実はパーティー用のスーツを持っていないんだ、いつものこの姿で行ったら悪目立ちするだろうし、だから__」
ルビー 「(トレーナーさんはトレーナーさんのありのままの姿で来てほしいから)着飾らなくても大丈夫です。そちらがよろしければ、屋敷にあるスーツをお貸しします。」
ルビトレ 「(どうしてこんなにパーティーに来てほしいんだろう、もしかしたらダイイチルビーは一族の前でトレーナーを変えると言うつもりなのかも知れない。)…分かった。そしたら、明日の夜連絡を入れてほしい、すぐに行くから。」
ルビー 「(トレーナーさんをホームパーティーに誘うことに成功した私…もしかするとトレーナーさんは私のことをダイイチルビー♡にするつもりなのかもしれません。というか、してください、しろ。)承知しました。では、また午後のトレーニングまで。」
ルビトレ 「ああ、頑張って。」
短い言葉でルビーを見送る俺…
終始クソボケを披露する2人であった…
その頃スワオルは…
swapオルフェ 「うぅ…ぐ…く…」
食堂の机に倒れ伏せていた。
「…」
やっぱり、2日ぶりに伸ばされると結構キツいな…、でもサボってた割には硬くはなって無かった。これが温泉パワーなのか?
(パパパッパッパッパパァウァー!(迫真空耳))
最近会ってないけどタキオンは何してるんだろ、ちょっと見に行ってみよ。
ヒュン!
民衆の場で、再び瞬間移動を使うスワオル。
タキオンの研究室にて…
ヒュン!
swapオルフェ 「おっす(悟空)」
タキオン 「やあ…、久しぶりだね。」
前よりかは調子を取り戻して来ているタキオン。だが、依然として体調は回復していなかった。
「こんな体調では、研究も進まないよ……。君の帰宅はもうしばらく後さ……。」
刹那、ほんの一瞬だけ、swapオルフェから怒りの感情が湧き上がる。だが、場の空気に冷やされ、表面まで出ることは無かった。
swapオルフェ 「そう、…じゃあ、元気になったら連絡をくれ。そっちに向かうから、そうじゃ無いにしても、なんか欲しいのとかあったら言ってね?買ってくるから。」
タキオン 「ああ、期待していてくれ…。」
swapオルフェ 「ところでシャカールは?」
ライツ博士は別の仕事とかがあるので仕方がないが、シャカールが居ないことが気がかりなスワオルは質問をする。
カフェ 「シャカールさんなら荷物をまとめて、この前出ていきました。「もうオレがいる必要は無ェ」…と。」
swapオルフェ 「ふーん、じゃ、また必要な時に呼ぶか…。」
タキオンの回復に期待を膨らませ、もうしばらく待つことにしたスワオル。果たして期待通りに行くだろうか?