ウィンディ 「前回のあらすじ!」
「前回はswapオルフェーヴルが学園に帰ってきて、ライトオの試練をサクッとクリアして私のもとに来て、新たな試練を課っする所まで来たのだ!」
「あいつのあの態度…すっごくムカつくのだ!皆を翻弄するウィンディちゃんが、逆に翻弄されているのだ!」
「かくなる上は…とっておきのトラップを仕掛けて驚かしてやるのだ!swapオルフェーヴル、覚悟するのだ!にっしっし〜!」
ちなみに、2日も居なかったことへのお咎めは無かったそうな。
翌日の昼、食堂にて…
ズズズズ…!
特に特訓の時間指定もされていないので、ご飯を食べてから向かおうと呑気に昼食を啜っていると……
ドドドド…!
ウィンディ 「見つけたぞ!何を呑気に昼ごはんなんて食べているのだ!お前がウィンディちゃんの所で特訓したいって言ったんだぞ!!」
シンコウウインディがやって来た、どうやら相当お怒りの様子だ。
swapオルフェ 「(言って)ないです。ってか、これから行こうとしてたんだよ。」
ウィンディ 「いい訳するなのだ!それを食べたら、私に付いてくるのだ!」
ズゾゾゾゾ…!
ウィンディに急かされ、お茶漬けを食べ進める。
swapオルフェ 「よし、じゃあいいゾ。」
言われるがままにウィンディに付いていく。だが着いたのは高等部2年生の教室の前、まさかここで特訓するのではないだろうな?
ウィンディ 「ウィンディちゃんの試練……、それは、逃げる私を捕まえる事なのだ!」
swapオルフェ 「マジ!?」
逃げる、つまりスワオルが追う側ということだ。これまでの特訓ではスワオルが(辛いから)逃げる側だった事もあり、やる気が高まる。しかし…ウィンディもウィンディだ、スワオルにあれだけの事をされて尚逃げる側に回ると言う事は、何かしらの対策があるのだろうか?
ウィンディ 「よし、掛かって来い、子分!」
ダダ…!
バッ!
ウィンディの掛け声と共に特訓開始。まずは様子見でそのまま追いかけ始める。
だが流石はウィンディ。校内の構造を完璧に熟知しており、最短で最効率、そして最速の身のこなしでスワオルとの距離を離していく。
swapオルフェ 「くそ…やっぱ速えぇ…!」
あっ、そうだ(唐突)
レースとは違い、何をしても許される。今まで卑怯だと思い使ってこなかったが、近道を使ってズルをすることにした。
ヒュン!
ウィンディ 「にっしっし〜!やっぱり追いつけて居ないのだ!このまま逃げ切ってやるとだ〜!」
次の階段のある場所に差し掛かると……
ヌル…!
横からスワオルが現れる。
「何だと〜〜!?」
キキィィ~!!
トン…!
急ブレーキをかけるも間に合わず、そのままスワオルに捕まってしまう。
swapオルフェ 「げっちゅー。」
ウィンディ 「おい!そんなのズルなのだ!」
swapオルフェ 「ズルじゃないよ、私の力なんだから(正論)」
いちゃもんをつけるウィンディを丸め込もうとする。
ウィンディ 「普通のウマ娘は瞬間移動なんてしないのだ!!本気でウィンディちゃんの試練を受けるつもりがあるのだ?」
swapオルフェ 「なんだと?」
本気って…何言ってるんだ?
ウィンディ 「試練に近道も裏道も無いのだ!正面からぶつかって乗り越えるからこそ意味があるのだ!」
「お前は他の4人に対しても同じような事をしたのか?」
swapオルフェ 「あ〜はいはい分かったわかった、私が悪かった。真面目にやりますよっと。」
話に付き合えば面倒なことになるのは重々承知しているので、軽く流す。
ウィンディ 「本当に納得しているのだ?」
swapオルフェ 「してますしてます。」
ウィンディ 「だったら試練を再開するのだ!捕まえてみろー!」
swapオルフェ 「あ〜あ…」
ルドルフにレスバ負けてから調子悪いな〜…、…そういえば…Dustジャーニーが来たあん時、ラモーヌが嫌な予感がしたって言って占いを受けてもらってたけど…そのうち私もやってもらおうかな。場所知らないけど。
実はフクキタルと一度も会ったことが無いスワオル。出会ってはいけない二人が出会う日は近い…?
「…ってか、追っかけねぇとな。」
ヒュン!
結局バレない位置までは近道で移動することにした。
タッタッタッタ!!
「待てやクソガキぃぃ!!」
ウィンディ 「お、追いかけてきたのだ!それじゃ、さっそくトラップ発動なのだ!」
パン!
ウィンディがスイッチを押すと、壁からネットランチャーが出てきて、軽快な音とともに放たれる。
swapオルフェ 「うおっ!?」
反応が遅れ、網に引っかかってしまった。
「く…!」
抜け出そうと藻掻いていると、ウィンディが近寄ってくる。
ウィンディ 「どうだ、見えなかっただろう!これがウィンディちゃんの試練なのだ!名付けて、見えない攻撃に対する対処!敵が攻撃してくる時、必ずしも見える攻撃が飛んでくるわけでは無いのだ。死角からの攻撃、瞬間移動による突然の攻撃…その他諸々!」
swapオルフェ 「」
フラッシュのとは逆のことを試練の内容にしたのか…、まあ、鋭い指摘ではあるが…。
「これ抜け出すのに瞬間移動は使っていいの?」
ウィンディ 「それは大丈夫なのだ!でも今日はこれで終わりなのだ!」
swapオルフェ 「え〜、何でよ面倒くさい。」
一発でも罠に引っかかったら即終了、実戦で言うところの倒されたに近い状況を作るためにあえてこんな面倒な試練内容にしているようだ。
ウィンディ 「悔しかったら、また明日挑みに来るのだ!わ〜はっはっは〜!!」
そういうとウィンディはどこかへ走り去ってしまった……
swapオルフェ 「…元気なヤツ…。」
あ、そうだ、時間が出来たしちょっと行ってみるか、占い師の所。
とは言っても場所を知っているわけではないので、ラモーヌに場所を聞いてみることにした。
ヒュン!
「やっほ、ラモーヌさん。」
ラモーヌ 「あら、スワオルさんじゃない、どうしたのかしら?」
いとも容易く話し始める。同じ高等部のウマ娘でも、ラモーヌの近寄りがたい雰囲気に委縮し、つい言葉が改まってしまう。だがスワオルはいつもとほとんど同じ、尊敬があるが故の砕けた話し方でラモーヌと話せている。その様子に、周りの多くの生徒がどよめく。
ラモーヌ 「……場所を変えた方が良いしら?」
その提案にスワオルは「堅苦しい内容じゃないからいいよ」と、雑に断る。
swapオルフェ 「ちょっとウマ娘の事で教えてほしくてね…。」
「この前Dustジャーニーが来た時、ラモーヌさん占いで自分の結末を教えてくれたウマ娘が居るって話したじゃん、その人の場所を教えて欲しいんだよね。」
ラモーヌ 「フクキタルさんのことね、彼女ならここに居るわよ。」
そう言って校内マップを取り出し、通路の方を指差す。そこにフクキタルは拠点を構えているようだ。
swapオルフェ 「ありがとねラモーヌ。えぇっと通路だから……」
ヒュン!
瞬間移動でその場から消える。
ラモーヌ 「…あまり人前でその技を使うと目立ちますわよ…。」
誰に話すわけでもなく、ボソッと独り言を呟く。
……
ヒュン!
トコ…トコ…
「えっと…話によるとこの辺に…。」
辺りを散策していると、いかにもな名前の大型テントがあり、中に入ってみる。
ファサ…
「たのもー!」
フクキタル 「フンギャア!?」
突然の来訪者に驚き、思わず声を出してしまう。
swapオルフェ 「(フクキタルって言うのは)お前か。」
フクキタル 「はい…(何が?)」
「コホン…ではまず、何についてお悩みでしょうか?」
特に何の絡みもなく本題に入る。
swapオルフェ 「最近言葉で人を丸め込めなくてねぇ…、前はそんなんじゃなかったんだけど、ある日を起点に調子が悪くなってきてるんだよね、何とかならない?」
フクキタル 「分かりました……占ってしんぜましょう!」
フンニャカイキスギ…ハンニャカイクイク…
机に置かれている水晶玉に向かって謎の呪文を唱え始める。
swapオルフェ 「!!」
コイツ…淫夢語録を…!やりますねぇ!
イキスギイクイクヌンヘッヘ!
水晶玉が光りだし、何かが映り出す。
フクキタル 「で、出ますよ。」
「郷に行っては郷に従え、あえて自分を出さずに相手と向き合うのが吉です!」
「ラッキーカラーはオレンジ、バットアイテムはニンジンです!」
「あと、3人で横並びになっている人物には要注意、関われば近い内に面倒事に巻き込まれるかもしれません…!」
swapオルフェ 「どれもこれも抽象的だな〜…。ラッキーカラーは…まあ、私の私服オレンジだしいいとして…、ニンジンがバットアイテムって……、私元々ニンジン嫌いだし普段から避けてるよ?まあいいや、ありがとね。」
フクキタル 「はい!アナタの1日に幸があらんことを!」
スワオルが出ていった直後、ドトウが入ってくる。
ドトウ 「今、スワオルさんがここから出てくるのを見かけましたが、何か用事があったんですかぁ?」
フクキタル 「ん?スワオルさん…?と言う事は……、…え〜!?さっきのがswapオルフェさん!?ンギャー!もっと色々と話しておくべきでしたぁ〜!学園で流行ってる淫夢の事とか諸々と〜!」
フクキタルは激しい後悔に襲われた…!
ドトウ 「救いは無いんですかぁ〜?」
その後は特に何もなく、普通に1日を過ごすのだった……。
翌日の昼、スワオルは理事長室に呼ばれた。
そこにはやよいとたづな、そしてライツと愛木が居た。どうやら怒られる訳では無さそうだ。
ライツ 「コレを見たまえ。」
スッと手を差し伸べる、その手にはメガネほどのサイズの装置が持たれていた。
swapオルフェ 「これが空から降ってこなかったら誰もラピュタを信じなさそう(小並感)」
ライツ 「そう、この物体が金属なのか粘土なのか、それすら我々の科学力では分からな…__」
「__って、話の腰を折るな!」
swapオルフェ 「腰なんて折ってませーん。」
ライツ 「……、…私は失礼する。」
スワオルとの会話に嫌気が差したのか、部屋を出ていくライツ。
swapオルフェ 「…んで、それは何なの?」
やよい 「朗報!ライツ博士が素晴らしい装置を作ってくれたのだ。その名も『スカウター』!計測した者の強さを数字化するという、画期的なアイテムなのだ!」
モノクルのように耳に引っ掛け、スクリーンと片目が同じ位置になるようにする。
カチッ
ピピピピ…!
機械的な起動音は、その場の空気を一瞬にして盛り上げる。
愛木 「どうだ?俺はどれくらいなんだ?」
swapオルフェ 「まだ測ってないんだ。」
折角ならスワオルも来てからと、愛木は我慢していたようだった。
ピピピ…!
やよいがスカウター越しに愛木の事を見る。するとスカウターに『
やよい 「30バ力…、高いのか低いのかはさっぱりだ!」
swapオルフェ 「私も測ってくれよな〜頼むよ〜。」
ピピピ!
キュルルル…!
やよい 「360バ力、だそうだ!」
swapオルフェ 「お〜、ええやん。」
愛木 「故障ではないのか?」
スワオルの方が数値が高いことに納得が行かないのか、いちゃもんを付ける。するとやよいはスカウターの電池を抜き、軽く息を吹きかけた後、もう一度入れて電源をつける。
やよい 「精密!ライツ博士の技術は他のモノとは一線を画している、故障などしていない!」
愛木 「俺が学園1の警備員と謳われた時代も、今は昔の事だな…。」
愛木が時代の流れに打ちひしがれていると……
理事長の猫 「にゃ〜ん!」
ぴょいっと、理事長の帽子の上から飛び降りる。
やよい 「お!」
理事長の猫 「ナ〜ン?」
ピピピピ!
徐ろにスカウターを向ける。
やよい 「0.01バ力……、まあ、猫だから仕方あるまいな!はっはっは〜!」
「…あ〜、では私はコレをライツ博士に返してくる!」
swapオルフェ 「ちょっと待って、やよいとたづなのも測ろうよ。」
ちょっとたづなのバ力は気になるし。
やよい 「否定!私達は戦闘に参加するわけでは無い、故に測る必要が無いのだ!」
ガチャン…
それって理由になっているのか?とスワオルが言う暇もなく、やよいはライツの所へ向かって行ってしまった……。
特に他に何かあるわけでもないので、さっさとスワオルも理事長室を出る。
swapオルフェ 「バ力ねぇ……」
歩きながらぼさっと呟く。戦闘能力の数値化、確かに画期的だが…、もし自分より高い数字の相手が来た時どうするのか…??
一瞬嫌な考えが頭をよぎるが、その時はなんとかなるだろうと気にしないことにするのであった…。
それからしばらく経ち、夕方頃…
キタサン 「っ〜〜あ〜〜!今日も楽しかった〜、早く寮に帰って宿題しなきゃ(使命感)」
背伸びをしながら、キタサンブラックが歩いていた。
??? 「張り切ってるねキタちゃん。」
キタサンの隣に居るウマ娘はサトノダイヤモンド。
ある資産家の家に生まれ、愛情たっぷりに育てられた箱入りウマ娘。そのためか、世間知らずな一面を覗かせることも。素直でおっとり、お嬢様然としているが、その内側にはダイヤモンド級の意志の強さが秘められている。ジンクスを破り、家族の夢を叶えるため、今日も彼女は挑戦する。
キタサン 「だってダイヤちゃん、もうすぐテストなんだよ?赤点なんか取ったら、トレーニングに回す時間無くなっちゃうよ。」
二人がなんてことない会話を繰り広げていると……
ヒュン!
スワオルが瞬間移動してきた。どうやら背伸びをしに来たようだ。
キタサン 「うわぁぁ!?」
swapオルフェ 「お?おーおー!キタサン!……と、……うわぁああ!ガキンチョが成長してるぅ!?」
ダイヤ 「が、ガキンチョ!?」
swapオルフェ 「でっかくなったなお前……。」
スワオルがダイヤに驚いているのは、スワオルの居た世界で住んでいた町の真ん中の巨大なクリスマスツリーな周りを、いつも元気そうに駆け回っている、そのウマ娘がダイヤだからだ。
コミュニケーションは無かったものの、「元気そうだなぁ…」と、そのウマ娘を見るのが毎日のルーティーンの一部に組み込まれていたそうだ。
キタサン 「スワオルさんがいた世界には、ダイヤちゃんが居るんですね!」
swapオルフェ 「関わりとか一切無かったけどな。」
「それより帰るの?よかったら送ってあげるよ?」
キタサン 「送るって…?移動手段でもあるんですか?」
近道の事を知らないキタサンは首を傾げる。
スワオルは「いいからいいから」と、詳細を話すつもりは無いようだ。
立て続けにダイヤが「場所は分かるんですか?」と聞く。
swapオルフェ 「寮の入り口までは行き慣れてるからね。」
「じゃ、2人とも私の肩を掴んで。」
ヒュン!
2人に手を置くよう促し、掴んだ所を瞬間移動で寮の入り口まで送る。
キタサン 「えぇ〜!?すごい…もう寮の手前まで…、何をしたんですか!?」
swapオルフェ 「英雄の力さ。さ、もう帰りなさい。」
スワオルは2人の回答を聞く前に再び近道を使って学園に帰っていった…。
そして翌日の昼頃……
スワオルに何人かお客さんが来た。どうやら昨日のことをキタサンが周りの人にベラベラと話し、真実を確かめようと声をかけることにしたらしい。
スイープ 「スワオルさん!やっぱりアナタ魔法が使えるのね!?」
??? 「あ、ぼ…僕…、漁港に…行ってみたいです…!」
タジタジと話し始めたこのウマ娘の名前はシュヴァルグラン。
内向的で物静か、そして才能ある姉と妹に大きなコンプレックスを抱いている真ん中っ子。いつか2人を超え、自分の実力を認めさせるべくがむしゃらに努力する日々を過ごしている。姉と妹とは仲が悪い・・・・・・わけではないが、2人は華やかな気質のため、集まると少し浮く。
swapオルフェ 「ん〜、…そういや私用事を思い出しちまった。えーっとウィンディウィンディ……」
ス…
ヒュン!
額に指を当てると、何処かへ瞬間移動していく。
スイープ&シュヴァル 『ッ!!』
スイープ 「すごいすごい!本当に消えたわ!」
シュヴァル 「もしキタサンの言ってることが本当なら…、あの人は今ウィンディさんの所に…?」
ヒュン!
swapオルフェ 「ウィンディ〜、来たぞ〜。」
ウィンディ 「よく来たな!待っていたぞ子分。」
瞬間移動で現れることに慣れたのか、大した反応もせずに話を進める。
「それじゃあ早速始めるから、用意をするのだ!」
特に何の用意もしていないので、そのままスワオルは追う構えを取る。
「それじゃあ行くのだ!ウィンディちゃんを捕まえてみるのだ〜!」
ダダダダダダ!!
スワオルも後ろから追走し、距離が離れない様にする。
しかし流石はウィンディ、昨日のようにスワオルを翻弄し徐々に差を離していく。
場面は、昨日罠にかかった場所に差し変わる。
ウィンディ 「にっしっし〜!」
swapオルフェ 「ここは……!」
昨日、私が引っ掛かった場所。だがどこに罠があるか分かれば、避けるのは容易…。
バオォッ!
スシャー!
ネットランチャーが飛んでくるも、スライディングで回避し、そのままウィンディを追い続ける。
「ははっ…!」
差を徐々に縮め、残す所後わずかとなった。
バッ!
ウィンディが階段に差し掛かり、すごいスピードで降りていく。スワオルも勢いを殺さず全段飛ばしで階段を降り、確実に距離を詰めていく。
…だが、ウィンディはスワオルが階段を飛んで降りることを予見していた、スワオルの着地地点には床と同じ色のスケボーが二つ置いてあり、しかも縦に置いてあったということもあって見事にすっ転んでしまった。
swapオルフェ 「ふおぉ!?」
シャー!
ゴン!
スケボーは勢いよく反対側の壁に進んでぶつかり、スワオルは階段付近で派手に転んで頭をぶつける。
その音に周りの生徒達も「何だなんだ」と駆け寄ってくる。
「っ……痛ってぇ……!」
これヤベェだろ…!打ちどころ悪かったらケガじゃ済まされねぇだろ!
ウィンディ 「引っ掛かったのだ!」
ウィンディが意気揚々と出てくる。
swapオルフェ 「おい、こういう人がケガするようなものは仕掛けるな、他の奴が掛かったらどうすんだよ(正論)」
ウィンディ 「甘いこと言うなのだ!敵は使えるものを何でも使ってお前を倒しに来るし、わざわざ手を緩めるなんてことしないのだ!」
「もしウィンディちゃんに言うことを聞いてほしいなら、さっさと私を捕まえればいいのだー!」
特徴的な笑い声をしたまま、彼女は行ってしまった……
swapオルフェ 「…あんにゃろう…!」
シュヴァル 「スワオルさん!」
スイープ 「すごい音が聞こえたけど大丈夫なの!?」
スワオルを追いかけていたシュヴァル達が、スケボーが壁にぶつかる音を聞いて駆けつけてきた。
swapオルフェ 「ん、お前ら…、私は平気だよ。それより……」
明日にでも、さっさと捕まえねぇと…こいつはもう、手段は選んでられないな。
「いや何でもない、みんなもう戻りなさい、片付けは私がやっておくから。」
群衆をなだめ、各自元に戻るよう言ってスワオルもどこかへ移動してしまった…
スワオルの中に、1つの大きな目標が出来た。「明日で終わらせる」…義理も人道もない、これは試練だ、敵との戦いであり、己との戦いでもある。ならばこちらも手段は厭わない、持てる力のすべてを持って迎え討つ、そう決意した。
翌朝…
ウィンディ 「…!」
子分の目つきが違うのだ…、昨日の言葉の効果が出てきたのだ…!
あの発言は、スワオルを本気にさせるためにわざと言った言葉だった、たが、ウィンディ自身は初めからそうしようとは思っていなかった。何でも彼女は昨日、夢を見たらしい。謎のウマ娘が「時間が無い、急がないと手遅れになる」と予言じみた事を話し、試練の即終了を促すという内容のものだった。あの言葉も、夢の中の人物がそう言うようにウィンディに頼んできたようだった。
swapオルフェ 「よう、忙しそうで何よりだな。」
「…アンタに聞きたいことがある。…救いようのないサボり癖のあるウマ娘でも変われると思うか?」
ウィンディ 「…?」
swapオルフェ 「努力さえすれば、誰でも働き者になれると思うか?」
ウィンディ 「さっきから何を言っているのだ!」
swapオルフェ 「…いや、答えはお前が教えてくれたもんな。」
ヒュン!
ウィンディの目の前まで移動し、一言。
「とっとと始めようぜ?」
ウィンディ 「…いいのだ、私に、今の子分の全力をぶつけてくるのだ!」
バッ!
そう言ってウィンディは走り去る。スワオルは…
ヒュン!
遠慮なく瞬間移動でウィンディの正面まで移動し、捕まえようと手を伸ばす。
ウィンディ 「!」
swapオルフェ 「」
勝った!swapオルフェーヴルとトレセン学園完!
ヒュン!
スワオルの目の前からウィンディが突然消える。
「え!?」
ウィンディ 「足元がお留守なのだ!」
ズザァ!
スライディングでスワオルの足元を通過し、そのまま走っていく。
swapオルフェ 「んな!」
アイツ…あんなに動けたのか!
スワオルが本気で捕まえようとするという事はつまり、ウィンディも本気で逃げるという事。何でもあり同士の戦いの行方はいかに…!?
ヒュン!
すぐさまウィンディの前まで瞬間移動し、今度は足元を固めて低い姿勢を取る。
バ!
ヒュバ!
すると今度は体勢が僅かに低くなったことを利用し、ジャンプをしてパルクールの要領で飛び越える。
この時スワオルは肩に手を置かれているので、頑張れば捕まえられたことになる。だが今のスワオルには、そんな反応速度は成せない。
swapオルフェ 「くっ…!」
焦ったスワオルはそのまま走ってウィンディを追いかける。
ステータス:掛かり
「くぅ!」
ヴォ!
ニンジンを数本召喚して飛ばし、ウィンディの正面の通路に刺さる。
だが、ウィンディは走るのを辞めなかった。理由は単純だ、自分に攻撃が当たることは無いと確信しているからだ。
遂に攻撃まで使い始め、追いかけっこは更に激化する。
タッタッタッ…!
swapオルフェ 「ハァ……ハァ……!」
さっきから走りっぱで、徐々に疲れ始める。これではウィンディを捕まえるのは夢のまた夢だろう。だがそこは英雄swapオルフェ、持ち前のセンスでこの状況を解決した。
ブラスターを召喚すると、ウィンディとは逆の方向に発射する。同時にそのブラスターに飛び乗ることにより、発射の勢いを利用して進んでいく。
ちなみに、この時後ろに放たれているブラスターのレーザーは、周りから人が当たらないよう厚めのニンジンで覆っているので安心だ。
ウィンディ 「はっ、はっ、はっ!」
子分のヤツ、こんなにも動けたのか…!?このままじゃすぐ捕まっちゃうのだ!どこか罠の多い所に行かないと…!
流石のウィンディも、真っ向勝負でスワオルに勝てるとは思っていない。搦め手を使って巧みに戦況を操り、勝利を我が物にしようと罠の多い高等部2年廊下へと向かう。
スワオルもまた、ウィンディを追う。道中瞬間移動で前に現れたり、横から捕まえようとしたものの、少しのトラップに阻まれ捕まえるには至らなかった…。
タッタッタッ!!
ウィンディ 「ココからは罠が大量に仕掛けられているのだ!この猛攻、子分に避けきれるのだぁ!?」
ネットランチャー、オイル、こんにゃく。あらゆるトラップが立ちはだかるも、持ち前の反応速度と瞬間移動で回避し、ウィンディへ迫る。
ド…!
ウィンディ 「行き止まりなのだ…ここは2階、飛び込むには高すぎる…!」
直前の階段で降りれば良かったと後悔を募らせる。しかしスワオルにはそんなことは関係無い。
ウィンディは、ただスワオルがトラップを次々と避けていく所を見ているしかなかった。
ウィンディ 「これが……」
これが、英雄の力……!!
プリティーフィルターの外れた、恐ろしい形相のスワオルが向かってくる。
トコ…トコ…
swapオルフェ 「終わりだ、ウィンディ。」
手を近づけ、捕まえようとする。
ウィンディ 「……」
突然、ウィンディが笑みを浮かべる。すると足元から中身が黒い水風船がスワオルの服目がけ打ち上がる。いわゆるびっくりトラップ__
ヒュン!!
命中する直前、スワオルが目の前から消える。
不発__否、スワオルの目にはウィンディだけが映っていた。つまり、見て動いたわけではない。
こいつならそうするだろう。そんな先入観がスワオルの体を無意識に動かした。
ガボッ!
次の瞬間にはウィンディは、上から振ってきたスワオルの伸ばされた服に包まれ、身動きが取れなくなった。
ウィンディ 「うげぇ!?」
swapオルフェ 「Get you(ネイティブ)」
紛うことなきスワオルの勝利。ただタッチするだけではなく、身動きを取れなくし逃げられなくする。抜群の戦闘センスがウィンディを捕縛するに至ったのだ。
ウィンディ 「ぐぅ〜……」
やはり不本意だったのか、この結果を認められない様子。だがそれとは裏腹に、どう足掻いてもこのウマ娘、swapオルフェーヴルには勝てない、それも同時に理解していた…。
全ての試練をクリアしたスワオル。これでいつでも元の世界に帰る事が出来る!…しかし、手遅れになるとはどういう意味なのだろうか…?
2026年8月23日 午前0時54分頃、元競走馬のナカヤマフェスタ号が天国に旅立ちました。享年20歳、死因は衰弱による起立不全とされています。
偉大なる名馬の旅立ちに、敬礼。