オーバーロード マイペースすぎるプレイヤーと素のモモンガさん 作:eriza7170
「サービス終了時だからって終わりにふさわしい場所見て回ったけどなーんもねぇや」
一般100プレイヤーであるこの者は暇をしていた、ステータス偽装をして味も飲む動作もしない酒を飲み、花火をしている人間街を歩き、暇つぶしとばかりに人外となる自分の正体を現して場を渾沌とした状況に送り込んだり。
逆に人外の住む街に人間種の姿をして場を混乱に陥らせたり……することはできなかった、人外種族だが人間にしか見えない人外というのは複数いたのだ。
そこでも酒を飲み交わしていた、こいつ酒しか飲んでねぇな。
その男、名前は渾沌四神と呼ぶ、この者は過去のミニチュアゲームを愛していた、まぁあまり詳しくはない。
見た目が好きだったから設定をちょっと見て詳しくなっている気になっているだけだ。
だが彼は確かに愛していた、ウォーハンマー40kという世界を。
まぁ名前のわりに彼のカルマの値は中立だった、彼は傭兵プレイヤーとして様々なところで活躍していたので友人は多かった。
だがこの日、サービス終了時はあまりいなかった、というよりほとんど、と言ったほうがいいかもしれない。
平日の深夜、そんな時間、最後までインする覚悟を持つ者は少なかったようだ。
これはリアル世界を思えば仕方ないことだろう、世界は荒廃し、そしてゆっくりと滅びることしかできないのだ。
だが滅びることをあきらめない者たちもいる、彼はそんな一人であったが、今日と明日は休日をもぎ取ったので安心である。
そうして彼はとある毒の沼、というより毒の世界に紛れ込んだ。
「うっわグッロ、うちの四個ある趣味ハウスの一個よりひでぇ」
腐敗した土地、血のような平原、絶えず触手が生える土地、なんか紫いろの土地、そして彼のソロギルドハウスである宇宙要塞、それぞれを活動拠点としていた。
まぁ今は目の前の毒の世界に集中しよう。
「なんか面白そうなのねぇかなー」
傭兵活動で潰したり逆に潰されたりした結果手に入れたゴッズ級の武具装備を見せびらかしながら彼は毒の世界を進んでいると、一つこの場にそぐわない建物を発見する。
遺跡、いや墳墓だろうか?古代ギリシャのような柱が作り出されたギルド拠点を見つけたのだ。
「おーすげぇな、なんだこれ、あ、見たことあるなこれ、アインズウールゴウンだっけ」
虐殺渾沌パワーアーマーという名前で登録された防具、それに付与された効果の一つであるズーム機能を使い、拠点を隅々まで見学する。
「そういや昔雇われたことあったな、数十回、なんかその時に同盟組んだ気がするんだけどまだ時効ついてるかな」
そんな彼はナザリックへ入っていく、すると三体の悪魔を見つけた、昔あきれるほどエンドコンテンツで対決したことがある悪魔の中ボスだが雑魚だ、それが三体そろっている。
「すみませーん」
三体の悪魔がギョっとするような顔でこちらを向いた、いや表情?NPCが?なんで?いつの間にかアップデートされてたんか?
「貴様!どこから入り込んだ!?」
「え、そこの入口からですけど」
「正面からどうどうとは人間にしては……いやお前悪魔か?だがこんな部下を持った覚えはないぞ」
「敵対ぷれいやーなら排除するべきでは?」
「だがこの奇妙な感覚はなんだ?本能が敵対するべきではないと感じているぞ」
「悪魔じゃなくてディーモンプリンスって種族レベルはとってますね、すごいっすね!このアーマーで見た目からはバレないのに、NPCなのに種族にまで対応してる威嚇セリフまで用意してるなんて貴方がたを設定したプレイヤーはやりこんでますね」
「褒められて悪い気はしないな同輩よ、だが貴様の目的はなんだ?」
「対話までできるとは……いや待てここまでの設定はユグドラシルで可能なのか?うーん?なんかおかしいな」
「質問に答えよ同輩、さもなくば力ずくで排除するぞ」
「あ、すみません、ここのギルドの同盟ギルドを持っているギルドリーダーの渾沌四神と申します、貴方がたのギルドであるアインズウールゴウンの残っているプレイヤーと思い出を語らいにきました」
「同盟者だと?……ちょっと待て、我らを統率しているデミウルゴス様にまずは連絡する」
「いや、まずはここの階層のシャルティア様に連絡をするべきでは?」
「そういう時って迷いますよねー」
そうして彼らは手を耳に当てながらどこかへ連絡しているようだ、デミウルゴスとシャルティア、両名ともに聞いたことがある名前だ。
確か異形種の街で俺のNPC発表会という定期的に起こるイベントで聞いた名前だ、なつかしいなー、確かとあるプレイヤーが人間種なのにそこにいてちょっとしたトラブル起きてたっけ。
まぁそのあと創作キャラに罪はないって感じでそいつも仲間になってたけど。
名前なんだったけなぁ……
「同輩である貴様が同盟かどうかは我らが長が貴様を審査することにする、我らがギルドに最後まで残ってくれたお方だ、失礼をしたら何度復活してでも貴様を消滅させるからな」
「要するに失礼なことをするなってこと?」
「そうだ」
「わかったー」
「本当にわかっているのか……?」
そこで待て、と呼ばれたので俺は胡坐で座りインベントリから食物アイテムである缶コーヒーを取り出す。
兜を外し飲む、苦みがする、やはりか。
「飲みます?」
「いや、いらん」
「おいしいぞまずいけど」
「どっちだ!?」
そうしてしばらく待っていると少々離れたところからやってくる四人の人型が現れる。
なんか黒髪美女っぽい女悪魔とゴスロリロリ巨乳……いやあれパッドだな、そしてオレンジスーツの出来る悪徳ビジネスマンと肩幅バケモンの骸骨だった。
「なんだこの悪役集団」
「貴方がそれいいますか渾沌さん!?」
いきなりツッコミをしたモモンガに対してビックリした三人の反応を見る。
「というかここまで来てたなら連絡してくださいよ、こんな異常事態にコーヒーまで飲んじゃって……」
「おいしいしまずいぞ」
「どっちですか!?」
わいわいがやがやとお久しぶりのハグなどをしようとした時に間に割り込んでくる二人がいた。
「モモンガ様、この方は?」
「この黒髪美女悪魔さんは誰なん?ノンプレイヤーキャ」
「うぉっほん!アルベドよこの者は我らがアインズウールゴウンの同盟者だ」
「そのしゃべり方似合わないからやめたほうがいいぞモモンガ」
「モモンガ様を呼び捨てなんて無礼がすぎるでありんすよ!!!」
「だってギルドが作られる前から傭兵としてモモンガを守ってきたの俺だぞ、普段だって素でしゃべりあうし」
「そ、そんな、古い時代からの知り合いでありんすか!?」
「フフフ」
「なぜ殺意を向けられているんだ俺は」
ギチギチと黒髪悪魔美女がいつの間にか斧を握っており、そして握る力を強くしている、なんだってこんな敵対視されているんだ俺は。
「もしかしてお前モモンガさんのことが好きなのか?」
「それがわかるあたり貴方は下賤な者とは違いますね」
「アルベド!?」
「その敵対視をやめたらモモンガさんの初心者の頃のかっこいいシーンを見せてやるがどうする?」
「ぜひ」
「アルベド!?」
ガシっと俺と黒髪悪魔美女は握手をする、とりあえずの利用価値があると認めてもらえたようだ。
この女悪魔の地位がどの程度かは知らんが、こーいうタイプは闇討ち上等なタイプだ。
敵対視されるのは困ると俺の中の経験がそーいっている。
でも鼻血を吹き出しながら握手に応じているのは愛が重すぎて怖いんだが、あれーおっかしいな、タブラさんから聞いたのと情報が違うような気がするんだが。
「わ、私も教えてほしいでありんす!」
「アルベド、シャルティア、私事はそこまでだよ、我々はこの悪魔が本当に味方なのか確認しなければならないのだから」
「ディーモンプリンスなんだけどなぁ」
そういって俺は地下の……たぶん地下だと思う、ところの闘技場まで案内されることとなった。
まったくケイオススペースマリーンっぽくない、というかスペースマリーンにも似てない。
ただ見た目だけの男、書く意味あるかと問われれば謎、だが私が書きたいので書く。
こいつは自分のギルドを放置しているけど、カルネ村に行くより先に出会います。