オーバーロード マイペースすぎるプレイヤーと素のモモンガさん   作:eriza7170

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「渾沌四神を出せ?それってうちのギルドのNPCがいるってこと?いいじゃん!俺も至高の御方とか呼ばれたーい!」

「いや……それが」


なんか殺意のこもった目で見られてたんですが、大丈夫ですか?


「えっ」


部下が怖い、世界も怖い

001

 

 

「こんのドぐされ野郎がァッー!!!!!!!!!!!!」

 

「ゲボーッ!!!!!!!!」

 

 

テレポートにより入口で出会った瞬間に即ドロップキックを食らい、ナザリックの入口から階段を落下していった渾沌四神を見ることもできず、モモンガは唖然としていた。

違う、あまりにもうちのNPCと対応が違いすぎる。

 

土煙を挙げながら土下座を敢行する九人の渾沌四神っぽい見た目をした者たちを見ることしかできない。

モモンガは困惑していた。

 

 

「この度は我らが虐殺宇宙号のリーダーを保護いただきありがとうございます、こちらつまらないものですが」

 

「う、うむ、セバスよ」

 

 

こういうのは本人の手で受け取らず幹部級の部下に受け取らせるとファンタジー小説で読んだ気がする、のでモモンガはそうした。

 

 

「中を拝見ください、こちら我々の感謝の気持ちです。」

 

 

中にあったのはチャイナ服と豪華な槍であった、見た目から何かパワーを感じる、のだがこれはなんなのだろうか?

 

 

「いてて……確かに放っておいたのは悪いけどさぁ……あ、これロンギヌスと傾城傾国じゃん、これうちの宝物庫にあったっけ?」

 

「は!?」

 

 

20と呼ばれるアイテムがある、それはワールドアイテムの中でも特に強力なもの。

運営に直談判しゲームの世界の法則すら運営が許可すれば変更できるというオンラインゲームにおいてはまさにチートとしか呼ぶことのできないアイテムがそれにあたる。

現在、その効果は世界の法則すら書き換えることが可能となった、まさに世界の道具と呼ぶにふさわしい効果となっている。

 

ロンギヌスと傾城傾国はかなりヤバい部類に入る20のうちの二つだ。

 

ロンギヌスは完全なるデータの抹消、運営すら復活させることのできない完全ごみ箱域の攻撃を自分と敵に与えるというバカみたいな槍だ。

とあるイベントクエストではこれを開始NPCに使用したバカのせいでイベントが進行不可となったという話もある。

 

傾城傾国は運営が許可するすべてのNPCを命令待機状態にできるというアイテムだ、使用は数日に一回程度だが、それはワールドボスにさえ作用し、敵ギルドのNPCにすら使用できるという嫌がらせ特化のアイテムだ。

 

 

「……なー部下よ、これゲーム上の効果はそんなにだったけどこの世界に来てからどうなってる?」

 

「すべて現実化しております、要するに世界を塗り替える力です、過去どっかのバカがやらかしたせいで魔法とレベルはすべてユグドラシル準拠、アイテムは世界を塗り替えるレベルのバカさ加減です」

 

「「うわぁ……」」

 

 

モモンガと渾沌四神はドン引きだった、土下座の状態から立ち上がった部下たちはナザリックのNPCと同じような話し方になったのでモモンガはゲーム内設定によるのだろうかと思っていたが事実はそうではなかった。

 

 

「本当ならもっとぶん殴ってやりたいところですが、それどころではありません、上官殿にはやってもらわねばならないことが沢山あるんです。」

 

「それならモモンガさんも交えてやるしかないかな?同盟者だし」

 

「えっ」

 

「貴方がモモンガ様でしたか!このバカを保護していただきありがとうございます!」

 

「さっきからひどくない?」

 

「貴方が虐殺宇宙号を放置して何年たったと思いで?」

 

「えっ、俺の認識だと一か月くらい行ってない気はするけど」

 

「六百年です」

 

「「えっ」」

 

「我々渾沌四神虐殺宇宙号メンバーおよそ4000人は六百年前にこの世界にやってきました」

 

「……いやマジか」

 

「マジのマジのオオマジです、おそらく世界で一番続いているユグドラシル産NPCは我々でしょう」

 

「マジですまん……そりゃドロップキックもやむなしだわ」

 

「まぁ代表である私がやったのでコレでチャラです、あーすっきり」

 

 

ふぅ、といい汗かいたと言いたげな黒と差し色に黄金色の重装甲な古いパワーアーマーを着た者が顔を拭く、アーマーを外すことなくタオルで拭くのはちょっとシュールだ。

 

 

「ウォッホン!」

 

「あ、すまんモモンガ」

 

「すみません、ですがこれは必要なことでしたので」

 

「それはわかっていますが……しかしこんなに貰っていいので?ワールドアイテムの中でもかなり貴重なヤツだったはず」

 

「我々には使えませんし使う予定もありませんので、同盟の印にちょうどいい厄介払いができたと思っております」

 

「えぇ……渾沌さん、渾沌さんのとこのNPC独特……ですね?」

 

「失礼なヤツだと正直に言っていいと思うぞ」

 

「一度虐殺宇宙号にお戻りください、渾沌様に処理してもらわねばならないギルドの問題が沢山あります、たくさんです、その後アインズ・ウール・ゴウンのギルドリーダー、モモンガ様とNPCの各位様との会談の準備を整えたいと思っております」

 

「あっはい、よろしくお願いします」

 

「俺仕事してたくねぇんだが」

 

「仕事してください、こちらの履歴じゃ無断欠勤六百年です」

 

「「うっ」」

 

「なぜモモンガ様も苦しんでいるのです?まぁいいや、とりあえず行きますよ渾沌様」

 

「へーい、んじゃあとでねモモンガ」

 

「えぇ、またあとで……宝物庫の一番奥にしまっておこう、シズとアルベドを呼んでくれるか?セバス」

 

「承知いたしました。」

 

 

 

002

 

四日後、会議の間にて

 

「バハルス帝国には吸血鬼の神様……法国は人類と天使の勢力圏だが緑色の巨人やゴブリンに襲撃されている……評議国?ドラゴンが治めているなんて奇妙ね」

 

「ランポッサ王国は虐殺宇宙号の勢力圏ですか、虐殺宇宙号の面々にはアサシン部隊などの監視役はいますでしょうか?詳しい情報が知りたいところだ、そこから足がかりにでもなればいいが」

 

「んんー!吸血鬼の神様といいますとレィィドボスの可能性が高いかと思われますねぇ!神祖カインアベルでしょうか!」

 

「アサシンというかスパイ軍団ならいるぞ、それ特化のしもべというべきか?全員レベル90台のアサシンだ」

 

「パンドラズアクター、そのしゃべり方を止めて落ち着け、ドラゴンですがこの世界を作り出した者の血を引くものだと情報には書いてあるな、レイドボスのレベル、更に上の上、エンドコンテンツくらいだと思っておかないと怖そうだ、神祖カインアベルなら安心だがそれ以外に吸血鬼のレイドボスか……うーん下から上まで数が多すぎてわからない。」

 

 

上からアルベド、デミウルゴス、パンドラズ・アクター、渾沌四神、モモンガである。

現在彼らは会議中だ、はじめは至高の御方の会議室をNPCで汚すなどと言っていたが、会議室に使える部屋はそこしかなかった。

あとはコロシアムくらいであったが、そんなとこを使うくらいだったら大人しく会議室を使わせろとはモモンガと渾沌四神の談である。

 

更に情報がメッセージを通して届く、そのメッセージを文字として残す書記官NPCが数人いる。

 

ドワーフの国は邪神派と鍛冶派に分かれて戦争中、そこにネズミ人間が地下からやってきているらしい。

 

評議国は亜人種人間種異形種問わず平和な人道派とも言える存在などを受け止めつつ勢力を伸ばしているがそれは自衛のためだと言っている、だがそれはドラゴンの力によるとこが大きく、ドラゴンが死せばすぐさま別のドラゴンか別の種族が勢力圏をのっとりに来るであろうこと。

 

バハルス帝国は鮮血皇帝という存在がただ一人で治めており、あとは下僕らしい、その国の範囲と仕事量を考えたモモンガは二度身震いを起こし、緑色に光った。

名前負けしないのであれば神祖カインアベルだろうか?と考えたが、レイドボスというのはレベル差は大きく、100レベルだろうとレイドボスであればソロで挑めば10や20というレベル差をであろうと苦戦を強いられるレベルの強さを持つ体力ゲージを持つヤツから、レベル一桁から討伐できるヤツまでたくさんだ、それほどまでに吸血鬼というのは人気だった。

 

ランポッサ王国は虐殺宇宙号の面々が裏から牛耳っている国だ、始めはランポッサ王の先祖の依頼関係から始まり、今はズブズブだ、現在は邪神と悪魔の国であるが虐殺宇宙号の面々のカルマを学び、自身の種族カルマに負けないレベルの善良さや中立を保っている人格者と傭兵の国である。

見た目は悪魔とかが多いので外見は怖いし、あくまで、悪魔やカルティストの面々が多いので無慈悲なことで有名だ、怒らせないでおこうと渾沌四神は思った。

今の代表はランポッサという男だ、アイアンウォリアーによる悪魔技術とサイボーグ技術により御年100歳である。

男子二人と女子一人に恵まれており、次男坊が見た目はともかく有望株らしい。

 

法国は天使と人類の国だがここは宗教国家らしい、ともかく悪魔と異形種しばくべしという教えを説いて回っているらしいが、ランポッサ王国とは敵対関係だがそれはポーズだけであるらしく、同じ敵対関係にある相手には協力することもあるとのこと、放置でよくない?というのは渾沌四神の意見である。

 

謎の緑色の巨人というのも無視できない、戦だ、と叫びながら全世界に散らばり、あたりかまわず闘争をしかけているらしい、解剖してみたところ植物に近いらしく、技術力も謎だ、原始的な石と木で武装したと思ったらいつの間にか大口径銃器と200mを超す巨大ロボや巨大生物で襲い掛かってくる例もあるとのこと。

現在はアベリオン丘陵という場所で同種族やら他の種族と永遠の戦を楽しんでいるのが大規模戦力らしい。

宇宙戦艦砲を撃ち込みたいが既に絶滅作戦は実行されたあとであるというのに未だそこにいるらしい、どこからやってきたのか由来も不明。

見た目はオークに近いらしいが、銃器を持ったオークなんて聞いたこともないというのはモモンガの談、ちなみに渾沌四神はその特徴を聞いた途端膝から崩れ落ちた。

 

ただ一言、そりゃ絶滅しねぇわ、である。

 

 

003

 

わいわいがやがやと情報を処理する会議の中でただポツリと立っている存在が四人いた、シャルティア、マーレ、アウラ、コキュートスである。

シャルティアを除いた三人は頭が悪いわけではないのと階層守護者であるので会議に参加するかと思われていたが、その情報が伝わる速度と同じ速度で併行会議する五人、パンドラズ・アクター、アルベド、デミウルゴス、渾沌四神、モモンガについていけてなかった。

設定で知恵者として設定された三人はともかく、モモンガはバリバリの営業社会人としての経験とギルドマスターとしての経験をフル活用、渾沌四神は彼の生まれに関係するので割愛するが、ともかく二人の元人間は自身の経験を元に彼らよりはるかに頭の良い知恵者についていっていた。

 

本来であればデミウルゴスの言葉が難しすぎると嘆いていたモモンガさんだったが、それを渾沌四神がデミウルゴスにチクったことにより彼は遠回しな言い方をやめていたのもあるだろう、その時の彼は膝から崩れ落ちていた、自身の言葉が至高の御方に迷惑になっていたなんて考えもつかなかったのである。

先んじてリアルの事情を知ったデミウルゴス、パンドラズ・アクター、アルベドの脳内スピードは速かった。

誰もがわかりやすく、最低ラインをシャルティアに仮として設定した彼らの言葉はわかりやすく、そして丁寧だった。

ただそのスピードが四人にはまだ早かっただけである。

 

 

「ね、ねぇお姉ちゃん、モモンガ様の言っていることわかる……?」

 

「ごめん、全然早すぎてわかんない」

 

「わらわもおなじでありんす、頭がパンクしそう……」

 

「ワレワレデハチカラ及ハズカ」

 

 

ヒソヒソと話すのは四人である、ちなみにセバスやメイドたちは会議中の五人や書記官NPCの飲み物管理などを行っている。

ちなみにモモンガさんは水を飲もうとしてろっ骨を濡らした、水でぬれた良い骨に興奮間違いなしだったアルベドとシャルティアだったが大事な会議ということで生唾を飲み込むだけであった。

 

 

ピー、ピーと会議の休憩を知らせる音がする、こうしないと永遠と働き続けるのが悪い癖があるのがこの大人達と子供たちであったため、こういう処理が行われた。

 

 

「しかし水も飲めないとはこの体には困ったものだ、これではこの秘密を知ったものが飯を食わないなど言いかねないな」

 

「あー、確かに、ここの幹部はともかく、一般メイドって飯食ってるんだよな?もちろん、そんな

な秘密を知るものなんてここにはおらんよな?」

 

 

ギロリ、と渾沌四神の目が階層守護者を見る、その目は黙っていろと言っているような威圧的な目だ、そしてどうにかする、という決意の目でもあった。

短い間であったが、モモンガ様の昔馴染みなら信用してみるかと思った三人の知恵者と、そんなことは知らずに威圧的な目だなーとしか思わなかった四人。

そしてセバスは何を考えているのかわからなかったが、その目はどちらかと言えばこの場所にいるメイドたちと書記官に向いていた。

ブンブンと頭を縦に振るメイドと書記官たちを見て安堵するセバスであった。

 

 

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