とラぶラックキャット 作:那覇ダイア
Q.先生解説すごい長かったけど、そういえばクロの中の人的に、誰推しだったの?
A.そんなの……うるかちゃんがかわいそうだよねぇ……!(号泣)
今回も文字数多めです……、もうちょっとスリム化目指します。
いきなり余談みてーな話になるが……、星間国家における重火器や刀剣類などの扱いについて少し話す。
基本的には所持禁止じゃないが、かなりガチガチに制限がある。
一定以上の威力、切れ味や長さの単位が指定されていて、そいつを超えたものの持ち込みおよび持ち歩きは禁止っつー扱いだ。
単純に腕力が強い種族とか、そういうのも何か力加減の免許があるらしいっつーのは聞いたことがある。
免許のランクとか、基礎的なパワー次第で入国(星)を拒否されたりっつー話もあるらしい。
で、当然こういうのは抜け道が存在する。
フィジカル関係で言えば、力加減の免許について。こいつって確か、種族平均の腕力が何
この点から言って、例えばデビルーク人とかは努力義務くらいの扱いになってたりするらしい。
セフィから聞いた話じゃ、軍事訓練受けてねーデビルーク人は「尻尾からビームを放てるかどうか」で、戦闘力をある程度測ることができるらしい。
……いや尻尾からビームって何だよどんな生態だ。
ドラゴ〇ボールみてぇに弱点的なのも兼ねてる割に、けっこう殺意が高い部位だな尻尾。
ま、その尻尾から砲撃できない人種が惑星規模で言えば多いので、結果的にその免許は努力義務になっているんだと。
いや、法改正しろよって話なんだが、制度上想定されていない上に現在の銀河連邦での星団国家連合会議で条約調印するのにウン百年とか平然とかかるから、この部分の規定は割とザル。
で、武器関係だが。これに関しては基本的に、規定された武器の性能を超えない状態で持ち込み、現地で改造するとかが抜け道になる。
もちろん改造したら違法だし、見つかれば御用だ。
これに関しては功罪相半ばする。賞金稼ぎとか銀河パトロールとか、職業ライセンスがある場合とかはそれなりに規制が緩くなるが、それでも凶悪犯と戦う時とかに既存武器だと性能が追い付かない。
そう言う場合、アタッチメントを付けたりして威力の底上げをしたりするっつー形で、半ばグレーゾーンな運用が行われていたりする。
で、こういうのがこと地球みてーに発展途上惑星とかの場合どうなるか。
規制の厳しさが3段くらい上がる。
具体的に言うと、普通に惑星持ち込みの許可が下りるらしいサヤの何か変な銃が、窓口預かりになるくらいだ。
性能的には割と知れてるし、そもそも賞金稼ぎだからっていう話でもあるんだが、そんなことおかまいなしの規制レベル。
流石にサヤも驚いていたが「まー規則っていうなら、わざわざ破らないのも自由っスよね」とか言って納得していた。
さて。
その点から言うと、俺は完全に
俺の種族自体は基本的に手加減免許とか必要としねーが、その上で俺個人が種族特性を
どれくらいかっていうと、仮〇ライダ〇とかみてーなのをイメージしてもらえりゃわかりやすい。
軽くジャンプしても10
その上で、ハーディスだ。
ハーディス自体は精神エネルギーも生命エネルギーも、どっちのエネルギーも弾丸に成型して撃ちだすことが出来る銃だが。
基本的に
いわゆる
つまり、既存の銃の概念から言えばハーディスは……、実弾を銃口から込められるだけの、モデルガンとしか言いようがない。
何か妙に重い合金製のモデルガンにしかならない。
というわけで、俺みてーに
だからこそ、俺はそのうちの
「さて……、私があなたを倒したら案内してもらいましょうか、“
“
そう言いながら夏場だっつーのに、黒シルクハットに黒カソックに黒サングラスの男……、シャルデンは俺に向けて、
あっちの方で、ちびキョーコが「クロ様! クロ様!」と飛び出ていきそうなのを、サヤに羽交い絞めにされて止められている。
その横では、キョーコのアイドル仲間らしい眼鏡の子が腰を抜かして、こっちの戦闘を見て固まっていた。
いや、何でこんな話になっちまったかねぇって……、振り返る程の話は無ぇんだけどな。
『キョーコちゃんが私に報酬を支払って、私がトレイン君に報酬を支払う。うん、これで解決!』
『なぁにが解決だよ、お前どうせほとんどタダ働きする気だろ? こう、
『あはは……』
俺の言葉に苦笑いするサヤは、キョーコの頭を撫でながら俺を上目遣いで見て来る。
基本的に俺みたいなのにさえ構って、現在ヤヤコシイことになっちまったくらいの世話焼きな女だ。
ましてや子供好きと来ているなら、サヤからすればキョーコもそのアイドル仲間も、助けないなんて選択肢は出て来ねー。
んで、戦闘力的に銃がないとなるとやっぱり不安だから、それこそ猫の手でも借りたいと。
『と言う訳で、そこは是非、
『下手に安請け合いしてんじゃねーよ。いや、まー、見捨てるのもアレだって言われりゃそーなんだが』
『クロ? クロ様? クロ様ですね!』
あっ、ちなみにキョーコだが「トレイン」って名前を俺の名前だとは認識していなかったらしい。
そりゃまあ、この星の言葉で同じ音のワードを直訳したら列車になるしなあ……。
だからこそ、サヤが言ったクロという呼び名を仇名か何かだと思ったんだろう。
以降、ずーっとことあるごとに、移動中だろうが何だろうがクロ様呼びになってた。
変な所でブラックキャットとの整合性取って来るなあと思うが……、まあ、大したことじゃないだろう。
そもそも“
要するに常日頃から、俺はナンバー
だから今更、ブラックキャット単体を意味するクロと呼ばれたところで、何も問題はないといえる。
…………前に俺をクロネコ呼びしてたサヤもそうだが、色々と事実を知ってたらオイオイってなる呼び名ではあるんだが。
真実に肉薄しているようなしていないような……、まあ、そこはどうでも良いか。
で、話を戻すが。
個人的な話、仕方ねーなという思いもあるにはあるが、それ以上にサヤのこの依頼は受けても良いと思っていた。
まあ、原作ブラックキャットから考えて、
ある意味で、
そういった細かい違いが、世界の違いが重なって。
もっと言えば、俺が俺だからこそこういう機会が巡ってきたということだ。
原作なら、それこそサヤの方がトレインと一緒に掃除屋として仕事をするというのに象徴的な意味を持たせていそうだが。
俺としては、象徴的っつーよりまァ
例によって頭の中が桃色に染め上げられそうで、そういうのをクリードのヤベェ顔を思い出して誤魔化す。
…………逆に疲れて、癒しを求めてるのかサヤの色々な笑顔ばっかり浮かぶから、これは悪手だった。
『と、とにかく何か考えとけよ、言い出したからには』
『う、うん、だいじょうぶ』
と、何か急にドギマギしてる感じのサヤはちょっと意味がわからなかったが。
俺が色々考えてる間に少し表情がなくなり、段々と赤らんで目を見開いてきたっつー変化をした上での話だったが、まあそれは置いといて。
実際問題、誘拐なんざ「こんな臭いがわかりやすい」惑星においては、全く苦労する余地もなく何とかなるのだった。
宇宙ステーションのように強烈な施設の匂いだの、数十年単位で蓄積された空気の澱みの臭いだのが全くない、旧時代的な惑星のエネルギー資源の匂いに溢れたこの星。
正直、俺くらいの嗅覚になると全く障害にならない程度の
だからまあ、犯人たちを縛って転がした後。キョーコが持って来たその女の子の私物らしい眼鏡ケースの臭いをかいで、辿るだけで終わりだ。
意外と現場から離れていないというか……、駅方面に近い場所にあるっつーのを勘案すると、これ放置しといたら本当に宇宙に売りさばかれちまいそうなルートだな。明らかに、当日の夜には空港から宇宙に
というわけで、殴り込み。
東京駅からほど近いマンション……、人の気配がしねーなぁと思えば、地下駐車場のあたりが明らかに物々しいっつーか、これ絶対駐車場として使ってねーだろって感じになっている場所。
殴り込みに関しても、特に言及することがねぇ。
武器が無いと言ってた割に、サヤは柔道っぽい動きで犯人グループの見張りを背負い投げして、取り落とした拳銃を拾い上げる。
『実弾だと殺傷力高すぎて、あんまり実戦向きじゃないんだけど……』
基本、人を殺さないサヤからすると、非殺傷弾の硬質ゴム弾で充分といったところのようだったが、生憎と拳銃は鉛弾が入っている。
そのことにため息をつきながらも「まあ何とかなるっスかね」というあたりが、当然のように頼もしい。
実際侵入前に、女の子を拘束している
間近でサヤが跳弾攻撃するのを初めて見ていたが、何と言うか、その手際は大分見事だった。
実際に殺し屋として銃の扱いに尋常じゃないくらい長けているだろう、今世のトレインとしての人生を通してみても、間違いなく上位指折り。反射弾のみに限ってという但し書きはつくが、口笛吹いちまいたいくらいだ(※吹けない)。
弾丸の硬度を前提として、どの入射角で入った時にどう動いて、そこに何発重ねれば目的の場所までたどり着くか、というのをブツブツ言いながら
直後の侵入に関しても、俺は俺でハーディスで銃撃する必要性すらない。
基本的に
俺が腕力やら脚力やらにモノを言わせて力業でぶっ飛ばし続けてる間に、サヤはサヤで救出対象の眼鏡の子(アイドルというだけあってキョーコみたいに確かに可愛らしかった)を助けたり、それに気付いて銃撃してくる他の連中の手の甲とかを
所感としては、ウン、まあ……、チンピラ集団とかではねぇが、戦闘力はあくまで惑星規模の暴力団体に毛が生えたくらいだな。
星々を股にかけるようなマフィアクラスまではいってねぇっつーか。
連中の団体の名前とかも興味はなかったが、まあ、一応どういう
そして、ちょっと驚いた。
『タイラント・ファミリー……、タイタン・ティム・タイラント…………、あぁ』
『お、お前等終わりだぞ!? ルーベックのタイラント、サンフェネクの
『いや、
『────全員、……は?』
『殺し……、いや、そいつ
────ちょうどスヴェンと初めて遭遇した時。サヤとこの世界で出会った、その日のことだ。
政治家まで上り詰めたマフィア、タイラント・ティム。
当たり前のように
妙なところで縁があるなと思ったが、デビルークからここまでの距離を考えると、まあそういうニュースは入っちゃこねーか。
まだ星間中継の衛星とかも飛んできてねーみてーだし。
そして俺の言ったことが信じられないのか、嘘だ嘘だと混乱する男だが……、端末使えばそれくらいの情報もわかりそうなモンだが、ひょっとして位置情報の特定とか恐れて、持ってねーのか? 地球人と会話が通じている以上は翻訳機くらいは持ってるとは思うんだが。
まっ、何にしても今回の件はこれでクローズ。
アフターフォローとして、一応サヤが「しばらくは護衛とか雇った方が良いと思うっスよ? マネージャーさん、宇宙関係の話とか通じるんスよね、私、紹介するよ!」とキョーコに話したり、そのままキョーコの携帯端末で連絡とったり。
帰りに「まだ収録まで時間ありますよ、クロ様!」とひっつき虫するキョーコに辟易しながら、未だ恐怖からサヤの手を握って震えてる女の子を少し慰めるために、その辺のクレープ屋台に寄ったり。
『はい、のべ三千
『ほらよ、どうもな。…………ん?』
『どうされましたか? ……おや?』
『いや、何でも。そっちこそどうした?』
『いえいえ、どこかで見覚えがあったような気がしたまでで…………、初対面ですよね』
『ああ』
『では、多分気のせいでしょう』
外国人っぽいっつーか、若干日本語の発音に
ピンクの、店のエプロンの下はこの夏場に全くそぐわない黒ずくめのハイネックな長袖衣装。
顔はまあ映画俳優みてーに整っちゃいるが、愛想笑いが少し引きつってる。
なんとなくその男の姿を、俺はどこかで見たような覚えがあるような、ないような……。
いや地球人とか絶対初対面だから間違いなく気のせいなんだが。
ところが相手も、何故か俺のことを見覚えがあると言って来る。
お互いがお互いに違和感を持ってはいたが。
そうか、と結局お互いにテキトーに納得して。
そそくさと俺はクレープ屋やってる金髪の、低音ボイスなイケメンの屋台から離れようとして────。
『────嗚呼、思い出しました。
『────ッ!?』
で、その場で
それを操るクレープ屋のイケメンは、屋台から出れば、カソックの上からファンシーなエプロンを着ていたことがわかる感じで。
エプロンを脱ぎ捨て、どこからか取り出したサングラスをかけシルクハットを被り────。
『貴方個人との接点はほぼありませんが……、我が
『…………おいおい、こっちは今日
『それが、何か』
勘弁してくれよ、と思わず顔をそむけたくなる俺に、特に容赦せず
で、まあそんな感じで現在に至る。
大き目なクレープ4つも抱えながら戦闘できる訳もないので、とっさに投げ捨てちまったがこれは仕方ねーだろ。
せっかくのバニラミルク味2つに、きなこ信玄餅黒蜜1つ、キャラメルチョコバナナ1つも無駄になっちまった。
だが相手の本気度……、宇宙でやれるクラスの
何より相手は名無しのモブとかじゃねぇ。クレープ屋に入ってた時はわからなかったが、わざわざ自分から恰好をつめてくれたお陰で、
シャルデン……、下の名前は忘れたが、原作ならクリード率いる“星の使徒”の幹部格。血を操る能力持ちで、こうやって物理的に兵士に見立てて襲ったりしてくるタイプのキャラだ。
原作だとクリードとの方針の違いで喧嘩別れしたようになって(?)そのままフェードアウトしたんだが……。
本人の言動からすると、辺境の銀河っつーことでわざわざ太陽系まで逃げて来てたっつーことか?
まあその辺、原作だとキョーコとセットで描かれることが多かったからっつーメタな理由とかもありそうだが。
「さて、どうしたもんかね……」
具体的に言うと、ちびっ子の目も有るし。
……べ、別にサヤに見られたところで、どうってことはないし? うん。それは、違う。
噴水のある公園みてぇな、商業施設の隙間を縫う様な立地。
割と広く、散歩だけじゃ無くスポーツとかもできそうな立地。
シャルデンのクレープ屋だけじゃなくて他にもカレーとかケバブとか色々売ってる屋台もるような、そんな真昼間のこの場所で。
「ブラッド・レイン────」
「おっと! 危ねぇな」
腕を振り上げたシャルデンの手首から迸る血が、そのまま強い雨のような鋭いしぶきとして落ちて来て。
咄嗟に横方向に身長の3倍くらいは跳躍してギリギリ躱したが、その地面のコンクリには
シャルデンは完全に、こっちに自分の言うことを聞かせようと物理で制圧しにかかってきている。
むろん、いうことを聞かなければ拷問にかけるくらいはしてくるだろう。
サングラス越しに見えるアイツの目は、かつてのクリードとは違った意味で狂気に染まっていた。
混沌とした狂気じゃなく、一方向に向けて全てを投げ出すような狂気────憤怒と、恨みつらみ。
「ヴラム星系って言ったら聞いたことがあるな。確か────
「そのような
だろうな、と思いながらも、俺はハーディスで狙撃。
当然のように、眼前に血の幕を張って防御。
バリアとか壁っていうほどの厚みはない血の幕だが、一瞬で多層に張れるっつーのが功を奏してか、ハーディスの精神弾は徐々に徐々に削られ、アイツに被弾する前には消滅していた。
「反応できねー速度で撃ってるつもりなんだがなあ……」
実際、ハーディスの狙撃は
空気振動で伝わる音も、銃弾一発分のそれでしかないはずだ。
おまけに弾丸は
にも拘らず、シャルデンは的確に弾丸が攻めてくる方向に幕を張った。
ぎらぎらと、こっちを鋭い視線で見ながら。
「
「そりゃ、どーも……、って、それが何して今の繋がるんだ?」
「貴方の手癖、弾丸の種類、第六次大戦で活躍を始めてから去年までの情報は一通り調べました」
「おぉ~、おっかね~」
言いながらも狙撃しておく。
騎士とかみてーなのも銃撃で形を崩せているし、血液操作による連中の強度自体はそこまでじゃない。
だから牽制とばかりに、シャルデンの周囲に追尾弾を撒いて、俺は色々と思い出す。
今までのやりとりから、このシャルデンも組織に対しちゃだいぶ恨みつらみがありそうな立場だっつーのは判るんだがな。
ヴラム星って言えば、大戦末期に
詳しくは聞いちゃいねーが、ガキの頃に親からちらっと聞いた話だと、
他の宇宙人とかの体液、とりわけ血をすすり血を操り、長寿に生きながらえてるとか何とか。……実際は家族とか親類とか親しい間柄の誰かが亡くなる時に、その血を吸い上げるって習わしになってるらしいが。
文化が特殊過ぎるのに加え、もともと鎖国(鎖星?)してたせいもあって文化流入が少なく、戦時中も微妙な立ち位置だったのは覚えてる。
何せ、俺個人は戦場とか潜入先で一度も連中を見たことがないくらいだ。シャルデンにすらいつ目撃されたのかすら覚えてもいない。
相当、敵味方どちらにおいてもその立場ってのは複雑だったんだろうなってのは、なんとなくわかる。
その上で滅亡させられたってんなら、多分何かしらデビルークにとってよからぬ理由があったってことなんだろう。
実際のところ種族特性として、デメリットなく血液操って色々出来るって感じなんだろうが、武器の類を全く持ち込まず、着の身着のまますぐ暗殺に移れるってのは、
その是非について、どうこう言えるだけの知識も何もあったもんじゃねーが……。
────大義のため、守りたいもののため、理由は何でも良いでしょう。
────それでも剣を振るった、引き金を引いた……、命を奪ったその重みを忘れるべきはないのでしょう。
「…………」
一瞬、脳裏に
ありゃ育ての親が死んだ後、セフィの旦那にボッコボコにされて、その後メンタルぐっちゃぐちゃのまま初めて人殺した時のやりとりだったか。
あの時は帯刀してたから、発言がそんなにボケちゃいねーんだが。
根底にある考え方自体は、何一つ変わってねーはずだ。
殺すってのには、やっぱり当然それなりに後を引くものがある。
恨みだったり、拗れた縁だったり。
「……まあ、今回尻ぬぐいしてるのが俺だってだけで、俺が原因で誰かに来るっつー可能性もやっぱりあんだろーけど」
「────おそらく
ん? シャルデンの視線を辿り、地面を見てみれば。
この公園、土の至る所に
それこそ、サヤに口塞がれ「むー!」とかまだ喚いてるキョーコや、さっき救出した眼鏡の子とかの方まで含めて。
つまり、公園の真反対の位置関係まで。
サヤたちの脚が、地面から生えた「赤黒い鎖」に繋がれて、その場から動けないでいる。
「あなた方は、私の
「フツーに汚ねェな、手口……」
「正攻法で勝てないことが判らない程に、私の物の見方は私情に偏ってはいません」
この結界とやら、間違いなくシャルデンから出てる血液を、地面の下を通してどこからでも出せる、みたいにしてるやつだな。
静かな狂気を内に秘め、シャルデンの振る舞いは冷静だった。
少なくともクレープ四つ買ったって事実と、俺があいつらの座標からどんどん離れていってた────アイツらを巻き込まないように動いていたのまで鑑みての、人質だろう。
おまけに多分だが、俺が
暗にいつでも殺せるし……、こっちが今はあいつらを見捨てないってのを把握してるってことだ。
道理で大概の連中がドンパチ始めたあたりで逃げてたのに、サヤたちが逃げられなかった訳だよ。流石に戦闘中に遠目で見てて、わからねーだろ、あの鎖。
地面に対してどれくらいアースしてるかわからねぇから、
「はァ、また在庫が減るな……」
「……? 何を言っているのです、
んー、まあ、普通に考えて「こんなことに使う」とは思われねーだろうからな。
そもそもアレの詳細なんざ、戦時中で知ってた連中もどれくらいいるかって話だ。
だから俺はハーディスのスクラッチを回転させて、空中に弾丸を一つ放り投げる。
弾丸って言ったって、単なる黄金の塊だ。火薬も何もついちゃいねぇ。
単純な弾丸のヘッドとしてみるには、厳しいくらい長めのそいつは。
ハーディスと同系色のその金の弾丸は────名を、
「こんな短期間に、大量に使うものじゃねーんだが」
けど、セフィリアからは「出し惜しみせず、あなたが守りたいもののために使いなさい」と言われちゃいる。
プレタ・グールの腐蝕液から、サヤを庇う時に使ったように。
「死ぬなよ、サングラス」
「…………何を訳の分からないことを!」
投げた弾丸を「ハーディスの銃口から殴りつけるように」空中で無理やり押し込める。
押し込めたそれを構えて、少しだけ意識を集中させて。
目の前に現れ、研ぐ適してくる巨大な血の死神。
そいつの胴体目掛けて、俺は引き金を引いた。
そして…………、死神が消し飛んだ瞬間、シャルデンが膝をつき、
【おまけ①:その後のザスティン】
ザス「よし、今度こそララ様は巻いたな! ではトレインを探しに行こうじゃないか、例の地球とやらに────!」
【おまけ②:サヤ視点】
サヤ「と言う訳で、そこは是非、
クロ「下手に安請け合いしてんじゃねーよ。いや、まー、見捨てるのもアレだって言われりゃそーなんだが」
サヤ「そこを何とか~~~~~、って、…………(あれ? えっと、トレイン君って私に対してけっこう
クロ「と、とにかく何か考えとけよ、言い出したからには」
サヤ「う、うん、だいじょうぶ」
Q.法関係ガバガバくない?
A.元々惑星一つ基準だったものをベースに肥大化していったものなので調整が追いついていない。何だよこの規制ガバガバじゃねーか。
あくまで、アブダクションで地球みたいな惑星が滅んでいないフレーバーテキストくらいに思っていただけると幸いです汗