悪夢収集箱   作:灰音ヒビキ

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七不思議1番目 違う世界への扉

七不思議って、まあどこの学校にも……ってのは言い過ぎか。

でも、あってもおかしくはないだろ?

これは、そんな言い伝えのある学校の話だ。

 

うちの学校にも、七不思議があった。

でも妙だったんだ。最初の一つしか語られてないんだよ。

それを実行すると「次」が起こる──そんな形式らしくてな。

なんで“七”なんて名前がついてるのか、誰にもわからなかった。

とにかく、やってみないと全部はわからないって話らしい。

 

まあ、そんな噂も今じゃ誰も信じちゃいなかったけど。

でも夏だったし、肝試しがてら何人かで集まってやってみることにしたんだ。

うまく映像でも撮れりゃ、バズるかもしれない──そんな軽いノリでな。

 

内容自体は、どこにでもあるような話だった。

少し変わってたのは、階段の段数が変わる系の派生で、

一階から屋上までの階段を『呪文』を唱えながら登っていくっていうやつだった。

屋上の扉を開けば、異世界に通じてるっておとぎ話さ。

 

俺たちは、当然信じちゃいなかった。

スマホ回しながら、笑いながら、動画撮って、そんなノリだった。

で、何も起きないまま屋上に到着して、扉を開けた──

鍵もかかってなかった。不自然なほどに、すんなりと。

 

外は……昼みたいに明るかった。

いや、それ以上だった。空気も澄んでて、遠くまでよく見えた。

──そして、目の前に俺たちがいた。

 

わかるか?

俺たちとまったく同じ姿の“俺たち”が、同じ人数、同じ顔で、こっちを見て立っていた。

そして、こう言ったんだ。笑いながら。

 

「2番目の七不思議、なんだと思う?」

 

その瞬間、そいつらは扉ごと消えた。

……まるで、初めから何もなかったかのように。

 

俺たちはパニックになった。

あるはずの扉を探して屋上を右往左往し、隅々まで調べた。

だけど、どこにも“出口”はなかった。

 

困り果てていた時だった。

一人が突然叫びながら屋上の縁に駆け出して、飛び降りた。

……そう見えた、はずだった。

 

でも、次の瞬間。

そいつは、俺たちの“上”から落ちてきたんだ。

屋上から飛び降りたのに、上から──屋上に落ちてきた。

 

……もう、逃げられない。

そう思い知るには、それで十分だった。

 

それでも、俺たちはまだ諦めてない。

ここから出る方法を探してる。

でも……何も見つからないんだ。

 

この文を打ってるスマホだけが、なぜか外と繋がる。

理由はわからない。けど、それしかない。

 

これを読んでくれている誰か、お願いだ。

俺たちを助けてくれ。

どうすれば、一体何をすれば帰れるんだ?

 

もうすぐ、このスマホの電源も切れる…その前に

頼む!教えてくれ!俺たちはどうしたら――

 

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