「能力がバットを生成するだけって舐めてるだろ(憤怒)」 作:ワサイ
「おーい、ゲームもう一回やろーぜー!」
陽翔の声がリビングに響く。
テレビの前には菓子の山と、敗者たちの屍(想と朱音)が転がっていた。
あのあとゲーム大会は続きそして白熱。
全員譲らぬ戦い(自称)をした。
「…こいつ、強すぎるだろ」
「7連続1位。コントローラーと手融合してんじゃない?」
「やめろよそれ。俺の能力がゲーマーになるとかだったらどうすんだよ」
「むしろアリじゃない? 世界征服できそう」
「どうやったらそうなんだよ逆に気になるんだが」
突如変わってしまった日常。
SNSでは世界でテロや暴動が起き、収集がつかない状態になってると騒がれている状態だ。…正直世紀末かなって疑ってしまうぐらいには。
だというのにこの3人は、相変わらずの調子だった。
──だが。
「……ちょっと、トイレ」
朱音が、突然立ち上がった。
流石に急に会話を中断してトイレ行くのはビックリするからやめろと言いたいが態度を見て目を疑った。
足取りは静かだが、どこか、重かった。
その目はどこか導かれるかのようで…
───────
暗い、夢の中だった。
見覚えのない草原と、遠くで燃え盛る何か。
地平線の果てに、空を裂くような剣が浮かんでいた。
(…これは……?)
朱音は夢の中で“それ”を見ていた。
自分の手にある、花のような形の短剣。
それは、現在の炎を帯びた短剣とは異なる、
まるで“誰かとの想い”で作られたような、美しいものだった。
隣にいる、白い髪の人物。
顔は見えない。だけど。
(……あれは、 ……?)
名前を呼ぼうとした瞬間、目の前が炎に包まれた。
─────
「──あっつ!?」
朱音は跳ね起きた。
いきなり現実に叩き込まれる。
視界に飛び込んできたのは、洗面所の鏡。
トイレからでて手を洗っていたのに、いつの間にか気絶するように眠っていたらしい。
鏡の中の自分の顔を見て、静かに額に触れた。
熱は──ない。でも。
(あの夢……)
それがただの夢じゃないことを、朱音は薄々感じていた。
──まるで、前にも“彼女”とあの場所にいたような──
─────
一方、想はバットを握っていた。
朱音が戻ってくるまで大会はお開き。
考えの整理がてら部屋の窓辺に立ち、外の空をぼんやり見つめていた。
(…俺の能力って、本当にこれだけなのか?)
陽翔の心を見破る力。
朱音の焼失の力。
──そして自分は、バットだけ?
普通に意味がわからない。
──だが、それでもいいとも思ってしまう。
それで笑ってくれる2人がいるし、面倒事は御免だ。
─それに、こんな非日常がいつもの日常に戻っているようで…
…けれど、心の奥にどこか「違和感」が残る。
(そういえは今朝の夢……俺、なにか……)
思い出せそうで、思い出せない。
「なーに暗い顔してんの?」
突然、背後から陽翔が声をかけてきた。
「もしかして落ち込んでる? 自分だけ能力ショボいって?」
「……お前の音又のがショボい」
「やめろよォ!? ダサいってのは認めてるけどさ!!」
想は思わず吹き出して、少しだけ肩の力が抜けた。
だけど、知らなかった。
そのバットが、「世界を ほどの力の媒体」であることを。
知らないまま、想は、空に願いをかけた。
──そう。ささやかな願いを。
(…このまま、みんなで笑ってられたらいいな)
その瞬間、彼の手にしたバットが、
ほんの一瞬、青白く光った。
──それが、全ての始まりだった。
今回は若干シリアス回にしました。こうでもしないと主人公達なんもしないですしお寿司。
あと書いてて思ったけどプロローグが第一話みたいになってますよねこれ。…これから精進していくので応援お願いします。
あと感想とか待ってます!
返信もやろうと思ってるのでぜひお願いします。
本当に色々初めてで手探りなので評価とかも忖度なしでバンバンほしいです!その分頑張るので!
一応借りの次回作は作ってるので早めに投稿できるようがんばります