ある小学校の校則   作:青ヤギ

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ある小学校の校則

 

 我が校の生徒は以下の校則を守ること。※必ず最後まで目を通してください。

 

 

 

 皆さん「イイコ」になりましょう。

 

 

 

■服装、身だしなみ

 

・制服

 

 学校制服は正しく着用し、清潔に保ちましょう。

 最低でも月に一回、クリーニングに出すこと。

 汚れが多いと「イミキラワレル」ので気をつけましょう。

 

 ボタンは必ず全て留めること。

 特に首元と手首周りのボタンは決して開けないこと。

 しっかり留めないと「イラナイモノ」と勘違いされて「モッテイカレル」ので気をつけましょう。

 

 

 名札を必ず身につけましょう。

 名前を「モッテイカレル」ことになったとき、ご家族も先生も生徒本人も忘れてしまうので無くさないようにしましょう。

 生徒名簿に記載されている生徒だと確認が取れた後、新しい名前をご用意します。「モッテイカレル」ことになった名前は二度と使えないので諦めてください。

 

 

 

・靴と上履き

 

 外履きの靴は学校指定のものを使うこと。

 それ以外の靴で登校した場合、卒業できなくなるので気をつけましょう

 

 上履きには名前をきちんと書きましょう。

 誰の上履きかわかる目印がないと「イラナイモノ」と勘違いされて「モッテイカレル」ので気をつけましょう。

 

 

 

・髪型

 

 髪を染めるのは禁止。生まれ持った髪でないと「イミキラワレル」ので気をつけましょう。

 入学時は男女共に髪の一部を切って、束ねたものを机の中に入れるように。

 髪の束は卒業まで使うので無くさないこと。

 万が一無くした場合は、諦めてください。

 

 

 

・アクセサリー、化粧

 

 派手なアクセサリーや化粧は禁止。

 ただし校内にいる間は何かしらの金属製の物を常に持ち歩くこと。

 

例・ヘアピン、ハサミ、カッターナイフ、コンパス、スコップ、ペンチ、マイナスドライバー、指輪。

 

 大きいものであるほど、卒業できる確率が高まります。

 

 

 

 皆さん「イイコ」になりましょう。

 

 

 

■生活態度

 

 友達と先生に敬意を持ち、挨拶をきちんとすること。

 仲の良いフリでもいいので喧嘩をしないでください。

 いじめ、暴力、悪口は絶対にしないこと。全部、見られています。全部、聞かれています。

 

 壁や机にラクガキをしてはいけません。

 ラクガキを参考に、その姿を真似てしまいます。場合によっては手が付けられない状態になりかねませんので、気をつけましょう。

 

※一つ目の女の子の絵は絶対に描いてはいけません。描いた時点で卒業できなくなります。

 

 校内の物は大切に扱いましょう。

 もしも何か壊してしまったときは、すぐに土下座をして「申し訳ございません」と謝り続けてください。

 許されるまで顔を上げてはなりません。

 

※怒りがおさまる頻度は壊れた物にも寄りますが、一番長いときは一年の場合もあります。

 

 

 

 皆さん「イイコ」になりましょう。

 

 

 

■持ち物

 

 学校に必要のない物(ゲーム機、漫画、お菓子)は持ってこないこと。

 持ってきていいのは「ミツギモノ」にするときだけです。

 

 携帯電話が必要な生徒は帰りの時間まで学校に預けること。

 教室に持っていくとたまに「ミツギモノ」を要求するお声が鳴ってしまうので絶対に預けること。

 

 お守りは決して持ってこないこと。持ってくると「イミキラワレル」ので気をつけましょう。

 

 

 

 皆さん「イイコ」になりましょう。

 

 

 

■登下校

 

 登校時間は朝の8時半まで。遅刻しないようにしましょう。

 遅刻した場合、席に座ってはいけません。

 その席にはもう「カワリノモノ」が座っています。

 遅刻を繰り返すと、だんだんと「カワリノモノ」が本物になりますので気をつけましょう。

 

 下校時間は17時まで。遅くまで残らず、早めに帰りましょう。

 夜まで学校に残っていると「ジュウニン」と誤解されて卒業できなくなります。

 

 

 

 

 登校するとき、下校するときは必ず、校門にある「アカシ様」に手を合わせて挨拶しましょう。

 必ずやってください。

 必ずやってください。

 必ずやってください。

 やらなかった生徒は、

 

 

 

 

 

 

 

 諦めてください。

 

 

 皆さん「イイコ」になりましょう。

 

 

■授業・学習

 

 

 授業中は静かに先生の話を聞くこと。おしゃべりはしないように。

 授業とは関係ない話をしている生徒は口を縫われて二度と開けられなくなるので気をつけましょう。

 

 授業の始まり、終わりには必ず「アカシ様」がいらっしゃる方向に向かって手を合わせましょう。

 

 宿題は期限を守って提出すること。

 宿題ひとつ忘れるたび罰として爪を一枚剥がされるので気をつけましょう。言い訳は「アカシ様」には通じません。

 

 

 

 皆さん「イイコ」になりましょう。

 

 

 ──

 ────

 ──────

 

 

 ちゃんと読んでいますか? 「アカシ様」はずっと見ています。

 

 

 

■安全・健康

 

 許可なく屋上に入らないように。空に近い場所はすぐに「モッテイカレル」ので気をつけましょう。

 

 廊下を走らないように。

 一度走ると止まれなくなって「ムコウガワ」へ行ってしまいます。「ムコウガワ」へ行っても迎えに行けません。

 

 病気や怪我をしたときはすぐに先生に伝えて、保健室に行きましょう。

 ただし体に覚えのない(アザ)ができたときは喜びましょう。それは「シュクフク」です。選ばれた証です。

 決して怖がらず、喜びましょう。皆に羨ましがられることなので、喜びましょう。

 おめでとうございます。

 おめでとうございます。

 おめでとうございます。

 

 

 

 

 

 喜べ。

 

 

 

 皆さん「イイコ」になりましょう。

 

 

 

■給食

 

 給食当番になった生徒は教室に用意している塩を体中にかけてください。特に手には念入りに塩を塗り込むこと。塩をかけずに食べ物に触れてはなりません。

 誤って塩をかけずに触れてしまった生徒は「ミツギモノ」になってください。

 

 給食を食べる前に全員で必ず手を合わせましょう。

 嘘泣きでも構わないので涙を流しながら「アカシ様、肥えることをお許しください。アカシ様、お恵みを分けていただけることに感謝いたします。アカシ様、お残しをしたらご遠慮なくお召し上がりください」と「アカシ様」がいる方向に向かって言うように。

 

 お残しは許されません。アレルギーだろうと関係なく完食してください。

 どうしても食べきれない生徒は「ミツギモノ」になってください。

 

 ときどき見知らない子どもが教室に入ってきて給食を盗み食いしますが無視してください。

 子どもは誰かのお皿に向けて白い吐瀉物を撒き散らしますが、決して嫌がらずありがたく召し上がるように。体に害はありません。むしろ浄化されます。

 

 給食室で受け取りと返却をするとき、決して奥の厨房を覗かないこと。

 ときどき悲鳴が上がりますが、決して騒がないように。

 おいしい給食をいつも作ってくださることに感謝しましょう。

 卒業する頃にはしっかりできあがった素晴らしい肉体に生まれ変わるでしょう。

 だから黙って食え。

 

 

 

 皆さん「イイコ」になりましょう。

 

 

 

■清掃

 

 掃除の時間では全員で担当の場所を綺麗にしましょう。

 ただし学校中にある赤い線を消してはいけません。「ムコウガワ」との境界線が乱れてしまいます。

 

 窓ガラスを拭くとき、窓越しに映る自分の顔をあまり見ないように。

 ときどき「すずり様」が映ると報告があります。「すずり様」と目が合った生徒は確実に卒業できなくなるので気をつけましょう。

 

 (アザ)持ちの生徒は「すずり様」のお墓を掃除するように。(アザ)を持っていない生徒がお墓に触れると卒業できません。お墓に近づくことも、なるべくやめましょう。

 

 校門にある「アカシ様」にはどの生徒も決して触れてはなりません。許されるのは「すずり様」だけです。

 

 

 

 皆さん「イイコ」になりましょう。

 

 

 

 

■行事・集会

 

 行事や集会はルールを守り、全員で積極的に参加しましょう。

 参加しないと「イミキラワレル」ので気をつけましょう。

 

 

 

・朝礼

 

 お喋りをせず、列を乱さないように。

 特に赤い線からはみ出してはいけません。赤い線の先は「ムコウガワ」です。はみ出した生徒は戻って来れません。

 

 ときどき赤い線の向こうから「すずり様」が呼びかけてきます。

 指名された生徒は「アソビアイテ」としてすぐに行ってください。

 そうしないと、こちらが巻き込まれるので黙って犠牲になってください。

 

 

 

・遠足

 

 校舎の裏にある山に行きます。

 一年ごとに歩くルートを変えますので、先生の指示に従ってついていくように。

 はぐれた場合はどうあっても探せませんので、気をつけましょう。

 

 見たことのない動物や植物がたくさん生息していますが、決して声をかけてはいけません。たまに知っている人の面影のある顔をした動物や植物を見るかもしれませんが、向こうはあなたのことをもう覚えていないので話しかけても無駄です。

 ソレはもう山の「ジュウニン」です。悲しまず、喜んであげましょう。

 

 喉が渇いても山の水を飲んではいけません。お腹がすいても山の木の実を食べてはいけません。すぐに体に異変が起きて、二度と山から出られない状態になります。

 ただし山の「ジュウニン」になりたいのであれば、止めません。仲良く暮らしてください。

 

 

 

・運動会

 

 しろ組とあか組と「ほし組」で組み分けされます。「ほし組」は(アザ)持ちの生徒のみにやっていただきます。拒否は許されません。

 正々堂々、スポーツマンシップに則って競い合いましょう。「ほし組」の生徒は競技で負けるたびに校庭に用意された石に頭を打ち付けて「アカシ様」に謝罪してください。

 もしも「ほし組」が総合順位で最下位になったときは、もう誰にも鎮められないので諦めてください。「ほし組」を勝たせるためにわざと手を抜くことは許されません。「アカシ様」を侮辱する行為です。

 

 ときどき「すずり様」が競技に割り込んできます。その場合はただちに競技を中止して「すずり様」が満足するまで遊ばせてさしあげるように。

 その間は、必ず顔を伏せて「すずり様」と目を合わせないように。目を合わせたら卒業できません。

 

 

 

・合唱会

 

 教えられた歌と楽器の使い方をしっかり覚えましょう。「アカシ様」に捧げる歌です。

 少しでも間違えれば「イミキラワレル」ので必ず練習をしましょう。

 

 

 

※いかなる行事であっても保護者をお呼びすることはできません。決してお招きしないように。万が一来てしまった場合、保護者には山に行っていただきます。その際は保護者とお別れする準備をしてください。どうすることもできません。自己責任です。

 

 

 

・林間学校、修学旅行

 

 残念ですが我が校で旅行のご予定はございません。

 代わりに山の頂上でキャンプをします。この機会に交流を深めましょう。

 

 夜に白い光が見えたら、すぐに目を閉じてください。人間ごときが見ていい存在ではありません。

 何名かの生徒が消える場合がございますが、それは選ばれた証です。一緒に卒業することはもうできませんが、拍手をして見送ってあげましょう。

 

 

 

 皆さん「イイコ」になりましょう。

 

 

 

■休み時間

 

 休み時間に校庭や体育館で遊ぶときは生徒同士で譲り合うようにしましょう。ボールやコートの数には限りがあります。

 トレーディングカードゲームやボードゲームなどの遊びは禁止です(※トランプは可)。

 また「左目隠し」も絶対にやってはいけません。「すずり様」が仲間だと勘違いして近づいてきます。左目があるとわかった途端「すずり様」が激怒して卒業できなくなります。

 

 鬼ごっこや隠れんぼをしていると「すずり様」が混ざることがありますが、仲間に加えてあげてください。加えないと卒業できなくなります。「すずり様」はたいへん寂しがり屋です。仲良くしてあげてください。

 ただし遊んでいる間は「すずり様」と目を合わせないように。特に左目で見ないように。

 

 

 

 皆さん「イイコ」になりましょう。

 

 

 

■理科室

 

 理科室のガラス棚に入った瓶には決して触らないように。

 声をかけるのも禁止です。呼びかけに反応して出てくる場合があります。

 特に赤い印がつけられた瓶の中身は「すずり様」のお気に入りなのでたいへん凶暴です。

 

 空っぽの瓶にはなるべく近づかないでください。「すずり様」は常に瓶に新しく入れる中身を探しています。

 

 

 

 皆さん「イイコ」になりましょう。

 

 

 

■音楽室

 

 ピアノの音が鳴っていたら、鳴り終わるまで音楽室に入らないように。

 弾いているのは「すずり様」です。「すずり様」は演奏が邪魔されることをひどく嫌います。

 邪魔した生徒は卒業できません。

 

 不思議な歌声が聞こえたら、すぐに耳を塞いで逃げましょう。

 聞いたら頭が壊れて卒業できなくなります。

 

 学校から渡された楽器は大切に使いましょう。

 鍵盤ハーモニカ、リコーダーなどは自分で手入れするように。

 特に「ザザの星弦」は決して壊してはいけません。

 合奏会でも使う大事な楽器です。決して気味悪がらず、飼い慣らして、卒業までに使いこなしてください。

 扱いきれない生徒は諦めてください。

 

 

 

 皆さん「イイコ」になりましょう。

 

 

 

■図工室

 

 ガラス棚の中には過去の生徒たちが作ったお手本の作品を飾っています。

 生徒たちの思いが込められた大事な作品なので決してイタズラしないように。安らかに眠らせてあげましょう。

 

 ときどきテーブルの上にスケッチブックが置かれていますが、決して触れないように。それは「すずり様」のスケッチブックです。スケッチブックの中には「アカシ様」がたくさん描かれていますので、絶対に開いて見てはいけません。見てしまった生徒は確実に卒業できません。

 

 

 

 皆さん「イイコ」になりましょう。

 

 

 

■鶏、ウサギ小屋

 

 生き物係になった生徒は決まった時間を守って小屋にいる鶏やウサギのお世話をするように。

 動物たちも我々と同じ命です。きちんと責任を持って、餌と水をあげましょう。

 なので「そごすぐ」のことも決して嫌がらず、怖がらず、お世話をするように。「そごすぐ」は「アカシ様」の大事な「■■」です。

 最初のうちは吐き気を催すかもしれませんが、次第に慣れるでしょう。だんだんと愛着が湧いてくるはずです。

 

 ただ餌として求められた場合は諦めましょう。気が立っているときもあります。

 

 

 

 皆さん「イイコ」になりましょう。

 

 

 

■昆虫採集

 

 珍しい昆虫を見つけても捕まえてはいけません。

 それはまだ進化の途中ですので放置しましょう。オトナになった姿は山で見ることができます。

 

 ときどき壁に打ち付けられたオトナの虫を見るかと思いますが、それは「すずり様」の昆虫採集ですので近づいてはいけません。体液を浴びると病院に行っても治らない状態になるので気をつけましょう。

 

 

 

 皆さん「イイコ」になりましょう。

 

 

 

■流行病

 

 流行病の感染が拡大したとき学級閉鎖をする場合があります。

 学級閉鎖の間は登校してはいけません。

 

 ただし左目が赤く変色する生徒が相次いだときは学校に隔離させていただきます。

 変色した左目はただちに摘出手術で回収して「すずり様」に捧げなければなりません。

 義眼は用意しますのでご安心ください。

 間違っても取り戻そうと考えないように。赤い眼はすべて「すずり様」のモノです。

 

 

 

 皆さん「イイコ」になりましょう。

 

 

 

■ご家族

 

 校内でご家族の話題を出してはいけません。

 特に母親の話題は危険です。怒り狂った「すずり様」が駆け込んできて、卒業できなくなります。

 

 逆にご自宅で学校の話題を出してはいけません。「アカシ様」は家でもあなたを見ています。

 何を聞かれても「言えない」と返すように。

 あまりにもしつこいようであれば「すずり様、遊ぼう」と言ってください。「すずり様」が喜んで駆けつけて、ご家族を静かにしてくれます。

 お礼に「すずり様」と家で遊んであげてください。

 静かになったご家族の「カワリノモノ」は後日にご用意します。

 

 

 

 皆さん「イイコ」になりましょう。

 

 

 

■将来の夢

 

 大人になったら「ナリタイモノ」を卒業までに決めておきましょう。

 ご案内にあった通り、我が校を卒業した生徒は必ず「ナリタイモノ」になることができます。

 親御さんはそのためにあなたたちを通わせているのです。

 親御さんのご期待を裏切らないためにも、しっかり校則を守って無事に卒業しましょう。

 

 卒業できない生徒には「■■」になっていただきます。

 

 女子生徒に限り第二希望を「ハナヨメ」と書くように。ただし「すずり様」に見つからないように書いてください。「すずり様」はたいへん嫉妬深いので見つかると卒業できなくなります。

 

 

 

 皆さん「イイコ」になりましょう。

 

 

 

■転校

 

 我が校に入学した時点で転校は一切認められません。

 家庭の事情であっても許されません。

 登校が困難になる場合は学校の宿舎で暮らしていただきます。自分の身の回りのことは自分でやりましょう。「アカシ様」はあなたの生活をずっと見ています。

 

 だから甘えるな。

 

 

 

 皆さん「イイコ」になりましょう。

 

 

 

■恋愛

 

 我が校での男女交際は認められません。

 入学した時点であなたたちは全員「アカシ様」の「イイコ」となる候補者です。その自覚を持ってください。

 勝手に「チギル」ことは許されません。(けが)れて「イミキラワレル」ことになります。

 

 思い上がるなガキども。

 

 

 

 皆さん「イイコ」になりましょう。

 

 

 

■「イイコ」

 

 「イイコ」は「イイコ」です。それ以上でも以下でもありません。「アカシ様」はずっと「イイコ」を求めています。「イイコ」になることだけがあなたたちの存在意義です。使命を忘れないでください。

 黙って「イイコ」になれ。入学した時点であなたたちの運命は決まっている。「イイコ」になることでしか卒業できる道はない。諦めろ。

 

 皆さん「イイコ」になりましょう。

 皆さん「イイコ」になりましょう。

 皆さん「イイコ」になりましょう。

 皆さん「イイコ」になりましょう。

 皆さん「イイコ」になりましょう。

 

 

 

■11月11日11時11分11秒

 

 この日は特別です。この時間は特別です。「アカシ様」がこの地に降り立った瞬間だからです。

 この月日、この時間、全校生徒は「アカシ様」に向かって(こうべ)を垂れましょう。

 己の矮小さを嘆きましょう。

 偉大なる力に縋って夢を叶えようとする己の浅ましさを(わら)いましょう。

 貧弱で無力なクソガキであることを自覚しましょう。

 そんな無価値なあなたたちを「アカシ様」は受け入れてくださいます。

 感謝しましょう。(かしず)きましょう。屈しましょう。

 我々の命運は「アカシ様」と共にあります。

 

 

 

 だから皆さん「イイコ」になりましょう。

 

 

 

■最大禁忌

 

 決して「アカシ様」が何者か尋ねないこと。調べないこと。知る必要はありません。

 あなたたちごときが理解できる存在ではありません。どうすることもできないのです。この学校に入学した時点で我々は「アカシ様」にすべてを委ねるしかありません。諦めてください。

 だから聞くな。

 

 

 

 皆さん「イイコ」になりましょう。

 何度言えばわかるんですか?

 

 

 

 ──

 ────

 ──────

 

 

 

 もちろん全部覚えましたよね?

 

 

 

■終わりに

 

 この校則は毎日確認して、我が校の生徒としての自覚を持ちましょう。

 

 尚、この校則の内容は卒業した後も外部に漏らしてはいけません。

 決して言わないでください。

 ましてや「アカシ様」の名を外の世界で口にするなど絶対にあってはなりません。

 校則は守りましょう。そして「イイコ」になりましょう。

 

 皆さんが無事に卒業できることを心から願っております。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 卒業後、再びお会いできる日を楽しみにしています。

 





 この小学校がどこにあるか、探しています。
 些細なことでも構いません。
 情報をお待ちしています。
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