きくりに告白した圭一。翌日も学校であったが圭一は頭からきくりが離れなかった。彼女の輝くステージを目の当たりにし、更に彼女の全てに惚れた圭一は上の空だった。そんな圭一に隼人が話し掛ける。
「圭一」
「なんだ?」
「放課後ちょっと付き合え。昨日の件……じっくり聞かせろ」
「隼人……ああ」
隼人の真剣な表情に圭一はこれは冗談ではないと悟り快諾する。放課後、二人は河川敷の高架下に居た。隼人はシャツを出して圭一に問う。
「お前、本当にきくりさんが好きなのか?」
「ああ。気持ちは変わらない!」
「なら……お前が本気だって証拠!見せてみろ!」
「っ!」
隼人は蹴りを繰り出す。圭一はそれを腕でガードするが隼人は即座に拳をストレートで打ち込む。圭一は衝撃により膝から崩れ落ちる。
「どういうつもりだ隼人!」
「俺はきくりさんの友達だからな。きくりさんはああ見えて繊細なんだよ。だから、遊び半分で告白したのなら…俺がぶちのめす」
「遊び半分だと!?俺は真剣だ!だから―『っ!』ちぃ!」
隼人が踵落としを決める……しかし圭一はバク転して交わす。隼人はそのまま距離を詰めて圭一に襲い掛かるが、圭一は両腕をクロスして隼人の打撃を受け止める。
「本気出してみろ隼人!それでも俺は戦う!」
「……勝負だ、圭一」
「望む所だ隼人ォォ!」
隼人はきくりを想ってこのような行動に出た。もし圭一が遊び半分で告白しているのならここでズタボロにする覚悟で圭一に挑んだ。しかし圭一は逃げるはずもなく、隼人に挑んで来た。彼は本気なのだ。廣井きくりを好きになったからこそ、彼は本気を見せた。
「そらぁ!」
「ぐっ!」
圭一が回し蹴りで隼人の体勢を崩す。しかし隼人は拳を圭一に目掛けて振り下ろす。そこから二人の攻防は続き、気付けばが夜になり、二人はボロボロだった。
「はぁ、はぁ、はぁ……し、しぶといな……圭一」
「当たり前だっ!隼人……君が……きくりさんを想っているのは分かったさ!でも俺は……本気だ!この気持ちに嘘はない!」
ゆっくりと近付く二人。
「俺の……勝ちだ……」
「お前の……負けだ!」
力ない拳を隼人が振り下ろす。しかし圭一は交わして蹴りをお見舞いする。吹き飛ばされた隼人は地面に倒れた。
「はぁ…はぁ……大した奴だぜ……」
「言ったろ……俺は……本気だ。だから……きくりさんを」
圭一は言い掛けた後に地面へ倒れる。
「……分かってたさ。お前が本気なのもよ……けど、心配なんだよ……きくりさんがな。でも……」
フラフラになりながらも隼人は立ち上がり、圭一をおんぶして歩き出す。
「お前なら幸せに出来るかもな。きくりさんを」
「………」
「圭一、頼んだぜきくりさんを。あの人に惚れて告白したなら絶対に幸せにしろよな」
隼人はそのまま圭一を背に帰路に着いた。