「そういえば紫ちゃんはどうしてあそこにいたの?」
夜になると危険があるということはこの年になれば自然とわかることだろう。それが分からない子ではないと少し話しただけでもわかった。
何かやむを得ない事情があったのだろうか…?
「私……修行していたんです。」
「修行…?」
「はい…。自分は妖怪なので、生きていくには強くなるしか方法はありません。動物たちと同じ弱肉強食の世界です。」
「だから力を付けようと……。」
「そうです。」
修行……。
「個人的なイメージなんだけど、妖怪って強さは固定されてるイメージがあるんだ。生まれた時には成体って感じで。」
「それは個体によっての違い……だと思います。私も自分が力を付けれるかなんてことは分かりません。……ですが力をつけなければ生き残れないので……。」
人間と同じく成長するものもいるのか……。
ゆかりちゃんの妖力は今はとても微弱なものだ。
「やり方次第では才能も殺せるわね。……紫はどこか戻る宛てはあるの?」
「いえ……。私に戻る宛てなんて……。」
俺はその言葉を聞くとラプラスとテイルに目配せをした。
「いいよな?」と目線で合図を送り、皆から答えが帰ってくる。
「それじゃさ、うちに棲みなよ。部屋は余ってるし森にずっといるよりかは安全でしょ。」
紫ちゃんは目を丸くしながら俺を見る。
「いいのですか……?私…が。」
紫ちゃんは声が少し小さくなりながら聞いくる。
それにテイル達が、「いいじゃん!私は歓迎だよ!」「私もいいと思うわ。」と返す。
「修行の事も俺たちに任せてくれ。今より100倍は強くしてあげるから。」
「……ほんとにいいんですか?……見ず知らずの私を助けてくれた上に、住むところまで…。」
「気にしないでいいよ。ここまで関わってはい、さよならって言えるほど優しさを捨ててるつもりもないからさ。みんなも歓迎してくれてるし。」
「ありがとうございます……。何から何まで……。なんとお礼をしたらいいか…。」
紫ちゃんの目には涙が浮かんでいた。
シャンデリアに照らされたその顔には、安堵の色を滲ませていた。
そんなことを言っていると、外からとんでもない地響きが人里全体を揺らした。
「……ッ!!!、」
紫ちゃんはビクッと体を恐怖で震えさせる。
布団をぎゅっと握りしめ、体を強ばらせていた。
「……またか…?」
今日は色々起こりすぎな気がする。
まぁどうせまた呪霊か妖怪だろうな。
「大丈夫だよ紫ちゃん。悠の強さ、目の前で見たでしょ?悠はちょー強いんだから!」
紫ちゃんはゆっくりとうずくまっていた姿勢から顔を少し上にあげてテイルを見る。
「……うん…っ」
紫ちゃんは頷き俺を見る。
俺は安心させるように目を見つめ返し、テイル達に行った。
「万が一があるかもしれないから、ラプラスは紫ちゃんの元で待機。俺とテイルで行こうか。」
話してる途中感じていたが、やたらと呪霊の数が多い気がする。
だがそれはテイルたちも感じ取っているはずだ。
「それじゃあ行こうか。」