エヴァ様は今日も死なない! 〜不死身系お嬢様がダンジョン配信でバズリ散らかした話〜   作:あるふぁせんとーり

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【お嬢様】22枠目【新居祝い】

「……っと、エヴァさん、着きましたよ〜!」

 

 

 そう言ってミーヤは広い庭を抜けた先のガレージに車を止める。

 

 何度か乗ってその荒運転には慣れたけれど、初めてのマルジュはちょっと怖がっていた様子。

 

 私は「大丈夫よ」とその頭を撫でながら後部座席を降りた。

 

 

「エヴァ様、マジで家建てたんですね……」

 

「建てたのはキャロルハウスだけれど」

 

「そんな引っ掛け問題みたいな話じゃないんですが」

 

「……え、じゃあ褒めてるの?」

 

「まあ、どちらかと言えば。ほら、私って姉みたいなものでもありますし」

 

「ふぅん、珍しいこともあるものね。まあ良いわ。今日はおめでたい日だもの」

 

 

 そしてリリィが「少し近所を見てきます」と外を探検しに行く中、私はマルジュを下ろし、家の景色を見渡した。

 

 「多少不便でも他の家から離れてる方が良い」「色々遊べる芝生の庭が欲しい」「温泉付けて」みたいに色々注文したけれど、オーダーハウスなだけあってどれもちゃんと叶えてくれている。

 

 取り敢えず何をやるにも困らなそうな広さの庭ではマルジュが嬉しそうに駆け回っていた。

 

 

「そういえば、もうミーヤの荷物は運んであるんでしょ?」

 

「一応そんな感じです。まあ、あんま私物とか持たないタイプなので〜」

 

「あら、じゃあ死体でも持ってきたの?」

 

「あはは〜、まあそんなところですかね〜」

 

 

 ……え?

 

 

「……待って、そんな否定する感じでもないやつなの?私警察呼んだほうが良い?」

 

「あ、マジで警察は止めてもらえると……逮捕とかはされないんですけど、だいぶ怒られそうなことしてるので〜……」

 

「それどういうこと?」

 

 

 私が尋ねると、ミーヤはちょいちょいっと手招きし、玄関前に積まれた幾つかの段ボールの中から一箱を持ち上げ、「うんしょ」と私の目の前に下ろす。

 

 そして「開けてみます?」と問いかけてくる彼女に首を縦に振り、私はその箱のテープをぴーっと切った。

 

 そこには、真っ赤なトイレットペーパーロールみたいな紙束が大量に詰め込まれていた。

 

 

「……え何これ?」

 

「廃棄された輸血です。固めたやつです」

 

「……えなんで?」

 

「やっぱそこですよね〜……まあ、乙女の秘密だと思ってもらえたら。エヴァさん達に迷惑かけるようなものじゃないっていうのは保証するので」

 

「そう。なら良いわ」

 

「おっ、ヤバそうな代物ですね」

 

「残念ながらその話は終わったわよ」

 

 

 ということで戻ってきたリリィと走り回ってご機嫌なマルジュを加え、いざ新居探検へ。

 

 さっき引き渡しを終えたキャロルハウスの人からもらったカードキーをかざし、私は未開通の玄関を開けた。

 

 

「あ、エヴァ様、ルームツアー動画とか撮らない?経費になってお得って漫画で見ましたけど」

 

「撮らない。まだ私生活を切り売りするような段階じゃないもの」

 

「朝k」

 

「動くと死ぬわよ」

 

「もしかして天使とか殺してます?」

 

 

 そして家に入り、靴を脱いでまっすぐ行くと、そこには大きめのアイランドキッチンを備えたリビングダイニングキッチンが。

 

 ちなみにこれがLDKの正式名称らしい。

 

 そしてそれ以外にも色々と適当に見て回ってみると、二階の実家ほどじゃないにしろそこそこ大きい個室5部屋に、一階の良い感じの縁側付き和室に、注文通りにちゃんと大きいお風呂に、あると嬉しい各階一つのトイレ、おまけにペットOK。

 

 「完璧じゃない」、なんて私はガッツリガッツポーズした。

 

 

「え、エヴァさん、ほんとに私も良いんですか……?こんなとこ住んで……?」

 

「まあ実質社員寮みたいなものだし、好きに使って」

 

「わんわんっ!」

 

「そうそうわんわ……わんわん!!?リリィマルジュが鳴いたのだけれど!!?」

 

「……あ、なんか狼も人慣れしてくるとわんわんするみたいですね。わんわん」

 

「そうなの?随分と賢いのね貴女。ここの狂人メイドよりよっぽど良い子じゃない」

 

「は?」

 

 

 そして一通り家を見て回った私達。

 

 その想像以上の仕上がりに大満足しながら何も無いリビングに寝転がったところで時計の針は12時過ぎ。

 

 私は本日二度目の大仕事を達成するべく、スマホのメール欄を確認した。

 

 

「……っ、収益化通ったわ!!」

 

「……えマジですか?」

 

「ほんとですか!?」

 

「残念ながら大マジよ!!ほら、これ!!」

 

 

 そう言ってスマホを見せると、リリィもミーヤも食い入るようにその画面を確認する。

 

 そして数秒の間が空いた後、私達は思いっ切りハイタッチした。

 

 

「それじゃ、収益化記念+50万突破記念配信の準備するわよ!!」

 

「おー!」

 

「お〜っ!!」

 

「わぉーっ!」




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