元Aチーム、異聞帯に挑む   作:作刀

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プロローグ3

 

「ダヴィンチちゃん大丈夫かな……」

 

「あー、まあ呼ばれてからもう12時間経つのに帰ってこねえからなぁ」

 

「現在16時30分。31日が終わるまであと8時間足らずですが……」

 

「失礼」

 

 

レーテ達がダヴィンチの帰りが遅いと心配をしていると、突然言峰神父が部屋にやってきた。レーテは警戒して銃を向ける

 

 

 

「おっと、私に敵意はない。どうかその銃を下ろしてくれたまえ」

 

「コヤンスカヤといいお前といい、なんでこうも胡散臭い奴しかいねえんだテメエらは」

 

「それは心外。私は君に疑われるようなことなどした覚えはないのだが」

 

「お前はなんていうか纏ってる雰囲気みたいなのが胡散臭いんだよ。油断したら背中から刺してきそうな、そんな雰囲気だ」

 

「ふ、どうやら君にとって私は警戒対象のようだ。だがこうして立ち寄ったのは君達と話をしたいからだ」

 

「またそれかよ。コヤンスカヤが俺に近づいてきたときも話がしたいだとか言ってたよ。お前もなんか情報が欲しいとかそんなのか?だとしたら何も教えることなんざねえ」

 

「何、むしろ逆だ。私は君達にいい情報を持ってきたのだよ」

 

「いい情報?」

 

 

 

レーテ達は言峰神父から話を聞く。自分たちの容疑が晴れたことで、審問会さえ終われば無罪放免となるようだ。それについてマシュがダヴィンチのことについて尋ねるが、彼女はサーヴァントということで、解放するわけにもいかず、今協力している作業が終わり次第強制退去となるようだった

 

 

 

「はぁ……で、ダヴィンチの協力してる作業って?」

 

「レオナルド君は昨夜から管制室に詰めている。Aチーム解凍オペが始まっているのだよ。解凍終了時刻は16時、もう時期成功の報せが届くだろう。そうなればレオナルド君とはお別れになるが最後の晩餐ぐらいは許可しよう。それが終わり次第、君達は私のヘリに乗ってもらう。日本まで責任を持って送らせてもらうよ」

 

「断る。もしカ◯コン製のヘリみたいに墜落でもされたらたまったもんじゃないからな」

 

「カ◯コン……?まあいい、私も無理強いはしない。そう答えると期待していた節もある」

 

『オペレーション、無事完了。コフィン解凍が終了しました。コフィン解凍まであと3分です。言峰神父、管制室においでください。これより蘇生術式に移行します』

 

「コフィンの解凍が成功した……ダヴィンチちゃんがやってくれたのですね」

 

「流石天才、俺も自分は天才だと自負してるけどダヴィンチちゃんには敵わない」

 

「ああ、レオナルド君はとても優秀だ」

 

「んじゃあ、さっさと行こうぜ。立香達はここで待ってろ、俺はAチームの皆と再会してくる」

 

 

 

そう言ってレーテが扉に手をかけて部屋を出ようとしたその時……外から銃声が聞こえてきた

 

 

 

「は?銃声?」

 

「ふむ、始まったか。では諸君、名残はつきないがお別れだ。あの猟兵達は動くものに反応する。しばらくは外に出ないことをお勧めするよ」

 

「おい待て!テメエ何を知ってやがる!」

 

 

レーテは扉の前に立ちはだかり、言峰神父が外に出ようとするのを阻む。そして再び銃を向ける

 

 

 

「やっぱ信用できねえと思ってたんだよ。さっさと吐け。今何が起こっているのかを。従わねえなら眉間をぶち抜く」

 

「ふむ、ならば君も外に出て確かめてみるといい。無事は保証しないがね」

 

「チッ、それしかねえか。立香、マシュ。お前たちはここにいろ。外を確かめたらすぐに戻って来る」

 

「レーテさん、気をつけてね……?」

 

「ああ」

 

 

レーテは言峰神父と共に部屋の外に出る。するとそこには黒い兵士が居た。隣の言峰神父にこれが何かを聞こうとしたが、すでに神父は居なくなっていた

 

 

 

「マジであのクソ神父いつか絶対ぶん殴ってやる」

 

 

 

いつか神父を殴ると心に決めたレーテは目の前の黒い兵士に向き直る。そして右腕を人肌の状態から機械へと変形させる

 

 

 

「さて、お前がなにかは知らないがここで殺る。カルデアをめちゃくちゃにしやがって。覚悟しろよ」

 

 

レーテは義手をビームサーベル状態に変形させ、驚異的な脚力で一気に距離を詰めて兵士を一刀両断する

 

 

「実力は大したことはない……?だが……何体いやがるんだよ……」

 

 

 

一体倒したかと思えば、今度は複数の黒い兵士が現れた。レーテからすれば一体一体の実力はそれほどだが、相手にできる数には限度がある。これ以上増えれば負けはしなくとも苦戦は必至である

 

 

「なら増える前に全員ぶっ殺す!」

 

 

 

今度はビームサーベル状態から魔力砲形態へと変化させ、掌の中心から圧縮された魔力のビームを放つ。それにより集まってきていた兵士達は跡形も無く消え去った。だが背後にもう一つの気配を感じたレーテは振り返る、するとそこには──

 

 

 

「おや、加勢が必要かと思ったがどうやら君ひとりでもどうにかなったようだね」

 

「───ホームズ!!」

 

 

 

ダヴィンチが隠し通していたもうひとりのサーヴァント、シャーロック・ホームズがいた

 

 

 

「今カルデアは謎の軍隊に襲撃を受けている。ゲートは全て封鎖され、脱出はできない。今はゴルドルフ氏の私兵が応戦しているがそれも時期、敵側の勝利で終わるだろう」

 

「じゃあどうするんだよ」

 

「我々べきことは極めてシンプルだ。外に出られないなら地下に逃げる。地下の格納庫は今だ敵に占拠されていない。そこにはシェルターとして使えるコンテナがある。私もここに来るまでに何名かのスタッフを助け、格納庫に向かうように指示をしたところでね。敵は今管制室を攻略している。だがそれが終われば地下にも目をつけるだろう」

 

「そうか、ならそこの部屋に立香とマシュを待機させてるから一緒に格納庫に向かう……と言いたいが」

 

「管制室のダヴィンチ女史のことだね?」

 

「ああ、立香とマシュは先に向かわせる。俺は管制室に向かう」

 

「十分に気をつけたまえ。悪いが私は同行はできない。君の実力なら心配は要らないだろうが、少しだけアドバイスをしておこう。管制室にはL2階段から回り込んで行きたまえ。黒い兵士たちの逆方向からになる。ダヴィンチ女史はおそらく工房だ。どのみち管制室を通らなくてはならない」

 

「合流したなら寄り道せずに格納庫に来なさい」

 

「ああ、わかった。ホームズは中にいる立香とマシュに格納庫に向かうように言ってくれ。俺はすぐに管制室に行く」

 

「ああ」

 

 

 

レーテはホームズと別れ、彼に言われたルートで管制室へと向かう。そして管制室の裏手に出ることができたが、すでに管制室は陥落していた。しかしダヴィンチの姿は見えない

 

 

 

「ダヴィンチちゃんはどこに………ッ!?」

 

 

 

ダヴィンチを探していたレーテの目に映ったのは黒い兵士達と共にいるコヤンスカヤだった。レーテは気づかれないように息を潜めながら会話を聞く。何やらカルデアの制圧を主目的とし、もう一つの目的が例のグラフとやらを探しているようだった。そして黒い兵士の名前が殺戮兵器(オプリチニキ)ということが分かった

 

 

(やっぱあいつこういう手合いだったか。初めから信用できねえなとは思ってたんだよ。ゴルドルフのおっさんもなんでこんな怪しさ満載のやつなんか雇ったんだよ……まあいい、今はダヴィンチちゃん優先だ)

 

 

レーテは管制室を後にして工房へ向かう

 

 

 

 

 

 

────────────────────

 

 

 

 

 

 

「ダヴィンチちゃん!」

 

「やあ、よくやってきてくれた。レーテ君!もしかしたら来てくれるかなー?なんて、身勝手に信じていた甲斐があったってものさ!」

 

「そりゃ仲間を見捨てるほど薄情じゃないんでな。にしても無事でよかった」

 

「この通りなんとかね。さっきまで大ピンチだったがここまで持ち直した。連中、酷いんだぜ?いくら倒しても倒しても立ち上がっては群がってくるんだ」

 

「俺も戦ったけど、一体一体は大したことないけどいかんせん数が多い。マシュと立香も無事に格納庫についてるといいけど」

 

「もうホームズとは会ったようだね。私も君と合流してから格納庫に向かうつもりだったが、忘れ物があってね」

 

「忘れ物?なにそれ」

 

 

 

レーテが忘れ物とは何かを聞く。するとダヴィンチはトランクのような物を見せてきた

 

 

「コイツだけは連中の手には渡せない。これには今まで君や立香君が契約した英霊の霊基情報(パターン)──有り体に言って縁が記録されたグラフを複製してある。これとマシュさえいれば再び英霊召喚が可能になるもっとも、起動するには相応の霊脈と電力が必要だ。今のカルデアでは起動できないがこの場をしのげば何とかなる」

 

「コヤンスカヤが言ってた例のグラフってのはこれのことなのか?」

 

「恐らくはね元々はゴルドルフ氏対策に保管場所をトランクに移したんだが、それが幸いしたようだ。ともあれ、レーテ君が来てくれたなら管制室を突破できる。天才同士の共同戦線といこうじゃないか」

 

「おう!」

 

 

 

レーテとダヴィンチはオプリチニキを倒しながら、やっと格納庫へと到着した

 

 

 

「レーテさん、ダヴィンチ女史!藤丸達からレーテさん1人でダヴィンチ女史の元に行ったって聞いたときはすげー心配したぞ!」

 

「悪いなムニエル。そっちも無事そうでよかった」

 

「さあ、レーテ君、私たちも中には入ろう。このコンテナは特別製だ。生半可な攻撃じゃびくともしない。加えていざとなればあのレールから外に排出される仕組みだ。雪山の斜面を滑り落ちることになるが山の麓までならコンテナごと脱出できる」

 

「そりゃすげえ。じゃあさっさと逃げよう。全員いるんだろ?」

 

「あ、ああ。西館まで逃げられたスタッフは、間に合った」

 

「……それはつまり、そういうことなんだな?」

 

「……ああ、東館に逃げた連中はみんな氷漬けになっちまった」

 

「思ってたのと違う。なんだよ氷漬けって」

 

「事実だよ。私も管制室で確認した」

 

 

 

その後のダヴィンチの話によると、スタッフ達を氷漬けにしたのはサーヴァントらしい。本来はマシュの盾がなければ召喚はできないはずなのだ。だが何故かここにいるサーヴァント、あまりにも情報が少なすぎるのだ

 

 

「ここは一旦引くべきだ。魔術協会に救援を呼んで情報の整理を──」

 

 

『……ああ……あああ、誰か、誰か……!だれもいないのか!誰か、誰か、誰か───!!』

 

「今のは……間違いありません。生存者です!助けを求める声でした!」

 

「……」

 

「何をグズグズしてるんだ!早くしろってホームズが怒鳴ってるぞ!気の毒だが、運がなかったと諦めてもらうしかないんだ!俺達にももう余裕はない!」

 

「だそうだ。ホームズの意見は正しい。もちろん私も同意見だ。それでも、名も知らない誰かのために君達はここに残るのかい?」

 

「それは……」

 

『ひいい、来る、来る……!ああ……あああああ!誰か!誰かいないのかぁ!なんたって私がこんな目に合う!?くそう、私を誰だと思っているんだ!私はゴルドルフ・ムジークだ!ムジーク家の長男なんだぞ!?』

 

「ゴルドルフムジーク……」

 

「ほっとけあんなヤツ!オレたちのカルデアをめちゃくちゃにしやがって!あんなの俺達に助ける義理はない!」

 

「……なぜだ、なぜなんだ。なぜいつも最後になって裏切られるんだ!私はいつもこうだった……!どこに行っても私はのけ者だった。敗者だった。爪弾き者だった。知っているさ、私が嫌われ者だってことぐらい!だからってどうしろと言う!」

 

「……」

 

「レーテさん……」

 

『や、やめろ、やめてくれーぃ!今まで何もいいことがなかったのに!やっと、やっとここで成功できると思ったのに……!死にたくない、まだ死にたくない!だってそうだろう、私はまだ、一度も、一度も───一度も他人に認められていないんだ!まだ誰にも、誰にも愛されていないんだよ……!』

 

「────」

 

 

 

この言葉を聞いた時、レーテの身体は無意識に動いていた。この場にいる誰よりも速く、その心にあるのはただ1つ

 

 

───失うものか

 

 

レーテはすでに前所長であるオルガマリー・アニスフィアを助けることができずに目の前で失ったのだ。だから今度はもう失わないために彼は動く。そしてレーテの後に続くように藤丸立香とマシュ・キリエライトも行動に移した。彼らもまた、あの光景を目の当たりにしていたのだから

 

 

 

 

 

 

 

 




レーテ君はオプリチニキぐらいなら瞬殺できるぐらいには強いですよ
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