お金が余った
NIAから早一か月、Re;IRISの部屋で藤田ことねは通帳を見ながら物思いにふけっていた
(お父さんも帰ってきて、お金の心配もなくなって。アイドルの仕事もしつつバイトもして)
(こうして通帳の数字が増えていくことだけが趣味……なんかむなしくないか)
ふとため息と同時に胸の内を吐露してしまう
「はぁ~、どうしたもんかねぇ」
「なによ通帳をボーと眺めて」
咲季が飽きないわねぇとつぶやきながら椅子に座る
「いやぁなんかこのままお金を持ってもなんかもったいないなぁって。ちび共のためのお金を引いてもそこそこな金額だし」
「あんた、ほかに趣味はないの?って愚問だったわね。お金を稼ぐのが趣味なんて家庭環境もあるけれど変わっているもの」
「そうなんだよなぁ、何かほかに趣味見つけたほうがいいのかなぁ」
「なら、千奈に聞いてみるといいかもしれないわね」
「千奈?千奈ちゃんのこと?またどうして」
「あら、知らないの?千奈は倉本財閥の孫娘よ」
「ええええぇぇえぇぇえぇ!!」
「お金持ちの家庭なら何か優雅な趣味であったり、お金の有意義な使い方を知ってそうじゃない」
「たしかに、時間があるときに聞いてみようかな」
数日後
(今日の授業も終わった。あとはプロデューサーに来月の予定を聞いて今日はお休みだ)
ことねは廊下を気持ち高めにスキップしていた。はたから見ても上機嫌である
「藤田さん!」
「うわぁ!千奈ちゃんかぁ。どうしたの」
「咲季お姉さまから聞きましたわ!藤田さんが困っていると!わたくしに解決できるかわかりませんが任せてくださいませ!」
千奈の純度100%のやさしさ、人懐っこさ。ことねは思わず目を閉じてしまう
(なんかうちのちび共に似てるなぁ)
「うーん、あたしお金を稼ぐのが趣味だったんだけどこのままだとまずい気がしちゃってね。なにか他にいい趣味ないのかなぁって。千奈ってお金持ちなんでしょ、いい趣味ないかなぁって」
「いい趣味ですか?具体的には」
「そうだなぁ、お仕事につながりそうでアイドルをやめたとしてもそれで食べていけるような趣味があれば最高なんだけどね:
「…趣味ではありませんが、実家のほうで幼少のころから学んでいることがありますわ。それならアイドルをやめたとしても食べていけますわよ」
「えっ!そんな夢みたいなものがあるの!?それじゃあ30分後に教室に行くから待ってて」
ことねは千奈を置いて勢いよく走っていく。
「速すぎですわぁ」
教室
「それで千奈ちゃん。あたしに何を教えてくれるの」
「投資ですわ!」
「とうしいいいい!!」
ことねの勢いのあまり椅子から転げ落ちている
「投資ってあのよくリーマンショックとか株やらfxやらマイナス10億とか言って首吊っちゃったり樹海にお散歩しちゃったりするやつ!?」
「ごごごご誤解ですわぁ!まずは落ち着いてくださいませ」
椅子に座りなおしたことね。
「どうして投資なんかを教えるの?正直あまりいい印象は持っていなんだけど」
「それはなんだか面白そうだからですわぁ!」
「面白そうって…」
「真面目な理由としてはおそらくことねさんは結構な現金を持っているようなのでお金の運用について将来のことも含めてこれを機に教えていこうということですわ」
「たしかによくわからずに怖いっていうのも変な話だよなぁ。よしせっかくだからおしえてもらおうかな」