『小鳥遊来翔はハナサナイ』   作:リクライ

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第十一話 そして誰も──

 

 

 ────

 

 だんだんと陽も沈んで、あからんだ顔をひょっこりとのぞいている。そんな時間帯。

 森の中でうつ伏せに倒れている一人の少年が、

 

「うっ」

 

 来翔が、飛ばされた意識を紡ぎ出した。

 ザリザリとした感触が舌に乗るのを感じて、ペッと吐き捨てる来翔。顔にのしかかる鈍痛にゆっくりと手を当て、片方の手で土を押し除けた。

 

「…………はぁ」

 

 手と足を放り出して、仰向けになる来翔は肺にのしかかる重い空気を吐き出した。

 風が吹き抜けて木々がそれぞれの手を仰ぐ中、来翔の真上にぽっかりと穴が生まれた。オレンジ色の空が、視界いっぱいに広がるのだ。

 疲れのせいか感情の抜け落ちたような表情をする来翔は、手を空に重ねる。高い空。その先にあるかもしれない開放感に、自分はここだと。そうしらしめるように、連れて行ってもらえるように。

 

「────」

 

 誰もいない。なにもいない。風に吹かれて葉と葉を擦り合わす音が自分を憐れむ声に聞こえてきて仕方がない。

 結局なにもできなかった自分を。ネックレスを盗られてやり返せもしなかった自分を。自分のせいで全部がバラバラに壊れてしまう今を。

 

「ふっ……う、ぅ」

 

 結局、自分のせいなのだ。

 全部、自分のせいだ。やれることを精一杯やってきて慢心していた自分がきっとどこかにいた。そのせいでこうなった。全部全部──、

 

 僕の、せいだった。

 

 自分が嫌になってくる。来翔は空に合わせた手のひらを閉じて、土に叩きつけた。

 歯を食いしばって。なにもできなかった自分自身を殴りつけるように、一発、叩きつけた。

 

 ──土埃が舞う。

 

 どうすればよかったんだよ。

 どうすれば、みんな笑ってくれるんだよ……。

 みんなには笑っていてほしい。しずかちゃんとまりなちゃんに、笑っててほしい。

 

 ──土埃が舞う。

 

 もう誰も、泣いてほしくない。そんなのもうごめんだ……。

 でも、まりなちゃんとしずかちゃんは笑えない。笑えられない。笑わせられない。怒って、泣いて、寂しそうで……。

 

 

 あのとき、まりなちゃんに叩かれてたしずかちゃんを助けたから、こうなっちゃったの……? 

 あのとき、寂しそうにしてたまりなちゃんを放ってしまったから、こうなっちゃったの……?

 

 

 あのとき……僕がいたから──

 

「うっ……ひっ、うぅ」

 

 だめだったの……?

 

 

 

 

 

 いや……

 

「ううんっ」

 

 まだ……

 

 自分を潤しては乾かす涙を乱暴にかき消す来翔が体を起こす。

 

 一度紐がちぎれてまたなくなってしまったのなら……それなら、また繋ぐんだ。

 まだ、大丈夫。──大丈夫なんだ。

 

「──大丈夫、だよ」

 

 チャッピーは、いなくなってしまった。

 死んでしまった。たぶんこれは、まりなちゃんのわざとだったんだ。取り返しのつかないことを、したんだ。

 

 人間の不条理だ。しずかの飼うチャッピーが死んでしまって、何かが良くなったか。否、なにも好転してなんていない。むしろ転げて擦りむいて折れて、もはや再起不能。

 今は苦しい。けど、こうしたら未来は明るい。きっと楽に違いなくて何かが変わるはずなのだと。それがもしかしたら、まりなの行った行動原理なのかもしれない。

 

 体を起こして四つん這いになる来翔は土を睨みつける。

 

 けれどもだめだった。見ていても体感しても、直情的になってぶつけ続ける感情の押し付けはなにも変わらないのだ。対話者がいなければ、なにも。

 

「────」

 

 まだ、まりなちゃんだってしずかちゃんだっている。まだ、話せる。

 だっているんだもん……。

 そこにいるのなら話せるかもしれない。しれないなら可能性だ。もしもがあるなら、僕は──おれは前に進める。

 

「──くっ」

 

 たてよ、おれ。

 

「──ぅっ」

 

 たつんだよ、おれ。

 

『人を、笑顔を守れる男の子になりなさい。大丈夫、らいちゃんなら──きっとできるわよ』

 

 立て!

 

「うう゛ッ!」

 

 足を地面に叩きつけ、重い体に鞭を打つ。

 打たれた体が炉に投げ込まれたように芯を熱り、膝をつく片方の足に伝播。

 来翔は立ち上がった。

 

「ふぅ……ぅ、はぁ……」

 

 ただ足取りは重く、一歩一歩歩くたびに靴底が地面に擦れている。

 ザザっ、ザザっ、と歩いて少し、ずっと叩かれているかのようにズンズンと響く横顔を抑える来翔の視界に、ピンク色のなにかが目に入った。

 

「これ……」

 

 眼下にあったのはこちらを凝視する丸い一つ目がついたもの。

 膝を折って、来翔は手に取ってみることにした。ただの箱にしてみれば重たいもので、これを実際に持ってみたことは今までなかったような気がした。

 ──『ハッピーカメラ』と、確かタコピーの持っている道具の一つだった気がする。

 

「……あとで返して…………謝らないと」

 

 ピンク色が土に擦れて少し汚れてしまったカメラを親指で撫でつつ、来翔は一人ごちる。

 両手で持っても、カメラにしては重たいそれ。なんだか少しだけ嬉しくて、悲しくて、小さい生き物が今まで頑張ってきた軌跡のようなものを感じて、来翔はいつの間にか口を固く噤んでいた。

 重い。

 想い。

 

「まずは……」

 

 ポケットにしまって、重さに引かれてしまう来翔のパーカー。

 手をぱっぱと払う来翔は鼻の下を指で擦る。

 

「しずかちゃんのとこ……いかなきゃ」

 

 

 

 

 森を抜けて、公園を抜けて、横断歩道を超えて、来翔ははやる足に従って小走りになっていた。

 依然として来翔の様相がボロボロなのは変わりない。口はカサカサで乾いていて、額から汗が湧いて出てくれるおかげで涙の跡なんて流されてしまった。

 

 あ……。

 

 途中でランドセルを森の木の影に置いて行ったまま忘れてしまったことを来翔は思い出した。けれど、それはあとで持ち替えればいいだけの話だ。しずかにあってからでも、登校しているときに拾えれば、それで。

 

「──ピ……」

 

「ぁ?」

 

 遠くから、しずかの家のある方から声が聞こえてきて、来翔は小さく声を漏らした。

 何か──、

 

 なんか……やばい気がする。

 

「急がないと……っ」

 

 言葉には表せそうにない予感だが、この予感がよくないものだと来翔は思って、呆然と立ち止まっていた足を動かした。前へ前へと。

 カラカラの喉。唾を飲むたびに鉄臭いような血の匂いが感じられて、余計に水を飲みたくなってくる。鏡でもみてみたら、アザにでもなってるのだろうか。服だって土で汚れていて、まりなに叩かれて蹴られてしまったのだから血もついてるかもしれない。

 後のことを考えていても仕方ないと、来翔は首を振って考えを振り落として、ひたすら足と手を動かして進む。しずかと、

 

「──だっピ!」

 

 タコピーのいる家の方へ。

 

「はぁっ……はぁっ……」

 

 コンクリートの灰色の地面から枯れた土に変わってしばらくして、来翔は古びた日本家屋の前に辿り着いた。

 

「やめて……ほしいっピ!」

 

 声が鮮明になった。タコピーが何かに向かって強く叫んでいる。

 もはや問答無用だ。声が出るよりも先に、上がった息のままの来翔は門を踏み越える。

 

「タコピー! しずかちゃん!」

 

「その声、来翔くんだっピか!? よかったっピ! お願いだっピ!」

 

「うん!」

 

「しずかちゃんを──」

 

 空っぽになったチャッピーの家を通り過ぎ、声のする方へ──縁側の方へと急いで走る。

 オレンジの空が夜目を覗かせてきた。ひぐらしが良い子の帰る時間だと伝えてくる時間帯。暑苦しい空気のままの世界に、広がっていた家の広間には──、

 

「止めてほしい──っピ!!」

 

 

 椅子に足をかけて登ろうとするしずかを止めているタコピーがいた。

 

 

「──ぇ、は? な、なに……なに、やってんだよ。だって、しずかちゃんそれは……」

 

 振り向きもしないしずかに問いかける来翔がゆっくりと目を天井に浮上させた。

 暗くてどこまで続くのかわからない天井。その柱には、元々は白だったのだろう、古茶けたロープが、括られていた。ぽっかりと穴の空いたロープは、向こう側の景色をのぞかせるように垂れた。

 いてもたってもいられなかった。

 

「しずかちゃん、ごめんっ!」

 

「──っ! ひゃ!」

 

 大気に放たれた来翔の声が和風の広間を反響させ、萎れるしずかの意識を無理やり引き摺り出す。

 その束の間に、背中を伝う冷や汗に悪寒を感じた来翔は、死力を尽くして肩をこわばらせたしずかに飛び込んだ。

 

 ドタンっ

 

 二人の体が畳へと打ちつけ、乾いた草の匂いがわずかに舞う。

 あとを考えないで乱暴に飛び込んでしまった。そのために、自分の体にも畳の目が皮膚を擦らし、じんと痛む。

 

「だめだよ……そんなことしちゃ」

 

「…………」

 

「しずかちゃん……しずかちゃんっ」

 

 腕の中にいるしずか。来翔が何度も揺すってもしずかは口を結んだままなにも答えてはくれない。

 じっとりと肌に張り付いているしずかの黒い髪。束ねられ、顔にカーテンとして表情を隠している。

 

 なんで……なんでこんなことした?

 

 真上を横目で睨む来翔の先に、天井の柱に口を開けて待ったままのロープが下がっている。用途なんて聞かれなくたってわかった。

 首に括るもの。命を括り、締め出すもの。区切るものだ。

 頭を揺らすような衝撃に来翔は軽い目眩を覚えた。

 

「なんで……──の……」

 

「────。しずか、ちゃん……?」

 

 小さく、声が聞こえた。来翔の腕の中で横になっているしずかからだ。

 動くたびにキシキシと関節が軋むのを煩わしいが、来翔はゆっくりとしずかを抱き起こして手を握った。

 

「ごめん、とつぜん……ぶつかって。どこも痛くな──」

 

 パチンっ

 

 乾いた音が広間に弾けて、繋がって一つだった影が離れた。

 

「なんで……邪魔するの」

 

「……え? じゃ、邪魔……? もしかして、痛かった? ごめんしずかちゃん。おれは──」

 

 パチンっ

 

 また乾いた音が破裂した。

 手を拾おうとした来翔の手をしずかの手が払ったのだ。

 しんと静まりかえる室内に、開けたままの縁側から夏風が入り込んでくる。

 

「……。……──っ。……────。しずかちゃん、いたい、よ……?」

 

「…………」

 

 伸ばすたびに落とされる左手をさする来翔の問いかけに、しずかは口元を震わせる。

 指先が震えていた。来翔の手を払ったしずかの手指が。

 喉が詰まったみたいに、しずかの口から途切れ途切れに声が漏れ始める。

 

「……なにも……変わんない」

 

「…………変わんないって、変わってるよ」

 

「ううん……変わってないよ。また、戻ってきた。……何回も、何回も、下敷き買って……なくなった、みたいに。来翔くん……謝ってばかりだよね。優しいふりして……優しいだけで──なにも違わない……っ」

 

 しずかの声が、畳を這うように弱々しく広がる。

 髪の奥で濡れて間もない瞳がまた濡れて、ズボンの裾を握るしずかの手が震えた。

 

「まりなちゃんに酷いことされて、私は逃げて……来翔くんは、来翔くんは痛くなってさ」

 

「それは……、うん……そうだけど……」

 

「──じゃあ……やっぱり、私いらないよね」

 

「っ、そんなことない!」

 

「じゃあなんで変えてくれないの……。守るって言うなら……守ってよ。私のこと……守れないくせに……」

 

「────」

 

 外から吹き込んでくる風よりもか弱いはずなのに、しずかの声が来翔の頭を殴る。殴られ、瞳が揺れて呼吸が止まってしまう来翔。足元の脆い今から綱を掴もうとする来翔の手が、首に下がっているはずのネックレスに伸びる。

 けれど、服の上から握りしめても硬い感触はない。当たり前だ。失くしてしまったのだから。

 

「なんにも……言ってくれないんだね」

 

「っぁ……ごめん、しずかちゃ──」

 

 ──目の前が真っ赤に染まった。

 

「ぃてっ」

 

「だったら、もう邪魔しないでよ。私も、来翔くんの邪魔にならないようにするから」

 

 当てられるしずかによって突き放される言葉。

 真っ白になって無防備となる来翔の思考のキャンバスが塗りたくられる。なにが起こったのかわからずに、来翔は目を白黒させて詰まったものが落ちるものを見た。

 顔面に不意に襲いかかってきたのは──しずかの赤いランドセルだったのだ。

 蓋の裏にまでマジックで掻き殴られた雑言の嵐。決して消えることのない黒い線の集まりは傷つけた爪痕だ。

 

「ぉ、おれはっ、……そんなこと思ってなんかない!」

 

「嘘だ! 来翔くんだって、本当は私のことめんどくさいやつって、思ってるくせに!!」

 

「思ってもいないこと、なんで言ったようなふうに言うのさ! おれはしずかちゃんのことは大事な友達だっ」

 

「じゃあまりなちゃんは?」

 

 かすれた蝉の声すら、大気の流れを乱すような二人の間には届かない。

 歯噛みして一瞬、来翔は息を吐いて言い切る。

 

「と、友達だ」

 

「っ……あんな叩いたり、嫌なこと言うのが……友達なの!?」

 

「それは違う! けど、話せばわかる。話せば、この手でまりなちゃんと、しずかちゃんの手をつなげるかもしれない。また……みんなと笑ったりだって……」

 

「無理だよそんなこと……わかんないよ。来翔くんがなにを言いたいのか……私、わかんないよ。もう笑えない──笑いたくない。もうおしまいだよ……」

 

 バラバラと中身が溢れるのを誤魔化すように見下ろすしずか。その目はひどく揺れていて、ロープを天井に括ろうとした時に擦りむいたのだろう手はズボンに皺を作った。

 強張ってカクカクと震える小さい肩を縮こませるしずかに、来翔は小さく首を左右に振って、やり場のない両手を自身の胸元にしがみつかせる。

 

「今はむりかもしれない。けど……けどここで止めちゃうのは、いやだ」

 

「それは来翔くんだけでしょ。私のこと、本当は見てない……知らないくせに」

 

「見てるよ……っ。一緒だった……学校行くときも、帰るときも、宿題やってたときだってさ。おれは大丈夫なんだよ」

 

「大丈夫じゃないよ……ねぇ、今だってボロボロで、血だって出てるのに……それがなんで大丈夫? ねぇ、なんで大丈夫って言えるの? ねぇ!」

 

「なんでそこでおれが出てくるのさ!」

 

 自分のことなんて気にしなくていい。だってこれは自分の初めてしまったことなのだ。自分のしてしまったことには、必ず自分で落とし前を──けじめをつけなければならない。

 始まりは、確かに、まりなのなにかしらの家族からきたものかもしれない。いや、かもしれないじゃない。実のところ、来翔はその原因が真相なのだろうとは薄々感じていた。言葉の端からというよりも、感じてくる寂しさと怒りから。

 しかし、相乗的に乗っかってきて引き起こされる事象というのは確かにあるはず。それが事の中心を司る芯だとしても、引き金を引いたのは、自分自身──来翔なのだから。

 来翔がまりなに振り解かれようと手を差し伸べるのはこれが発端だ。叩かれるしずかを助けたことが、まりなを本当の孤独にさせた。

 そして今、夜に散歩について行かずのこのこと家に帰って行って、そしてしずかを独りにしてしまった自分。

 それが罪だ。それが来翔の『思っている罪』。

 だからこそ、報いなければならない。母の言葉と、大事だった友達の裏切りともとれる浅はかだった自身の行動に。

 

「気にしなくていい、おれがどうなっても関係ないでしょ!」

 

「関係あるもんッ!」

 

 大声を捻って伏せる甲高いしずかの叫び。伏せた顔のまま放たれるしずかのそれは、来翔へと矢印を向けて、釘を刺し、黙らせた。

 言葉だけでない。来翔の吃る口を数秒止めたのは。

 

「助けてくれて、私は逃げて……それで平気じゃない! ……だって──」

 

 ゆっくりと顔が上がり、髪に隠れたしずかの表情が晒される。

 

「私のせいで……来翔くんが、傷ついてるんだもん……」

 

 泣いていた。

 我慢するように唇を噛んでも、しずかの瞳からはポロポロと雫が輪郭を撫ぜ、小刻みに震える息がそれを揺らす。まるでガタガタの内心が今にも崩れると、沈黙した悲鳴をあげているように。

 

「私が言われるたびに、来翔くんが傷ついてる。私が叩かれるたびに、来翔くんが叩かれて、傷ついてる。全部、ぜんぶ、ぜーんぶ……私いる。私ってついてる」

 

 落胆して、気も体も落ちる重たい息を畳に沈み込ませるしずかが、ゆっくりと立ち上がる。

 ずざっと畳が心を擦る耳障りな砂嵐を産んで、来翔の呼吸が乾いて詰まらせられた。

 光を宿さない、深淵の色、虚なしずかの双眸が来翔の曇りかけた濃色の目を見下ろす。

 

「チャッピーは……お父さんのとこいるって……お母さんが。でも、行けないよ…………どこも。……だからさ────もう……ほうっておいて。来翔くんのじゃま、したくないし」

 

「────」

 

 と……と……

 

 誰にも不快にさせない、畳を踏む希薄な足音。

 その行き先は、しずかを手招くたった一段登るだけの絞首台。

 視線を外され、瞬くことができない来翔は凍りついたように、しずかがいたはず虚空を見た。息をするたびに、蹴られた頭が、叩かれた体が──締められた首が痛む。一つ空気を吸って吐くたびに、心臓が脈打って血を送り込むたびに、甲高い警笛が鼓膜を劈いて脳内時間を遅らせた。

 

 ──そんなこと、絶対に……

 

「いやだッ!!」

 

 パシっ

 

 畳についていた折り畳んだ足が跳ねて立ち上がった来翔がしずかの手を掴んだ。

 

「しずかちゃんはなにも悪くない!」

 

「だから……悪いって、言ってんじゃんっ!!」

 

 パチン──っ

 

「っつ」

 

 輪ゴムで打たれたような痛みが左頬で小さく破裂。来翔の首が右へ無理やり向かされる。

 自分の足が怯えるように慌てて、倒れかける来翔の体。危なげに支えると、正面にいるはずのしずかへ、

 

「……ぁ」

 

 右手を振り抜いた姿勢のまま呆けた口をするしずかを見た。

 震えて、目だけが振り抜いた右手と打たれた頬に手を当てる来翔を行ったり来たりするしずか。なにもわからない、と、無意識にやってしまったのだ。拒絶して逃げるだけだったしずかが、悲鳴が具現したように。

 そして悲鳴のような当たりは、止まらなかった。

 

「じ、じゃあ……どうすればよかったのさ。くさいって言われて、ノート隠されて、お父さん返せって言われて! どうすればよかったのさ!?」

 

「それ、は……」

 

 もろさが勢いをつけ刃となり、斬りつけられる来翔は詰まってしまう。

 ノートを隠されても、見つけてもまた隠された。くさいと言われて、内心うそぉと思って気をつけても結局はレッテルを貼られてしまう。声を大にしても嘲笑されてしまうのがオチだ。

 それに、お父さんを、返せと言われても、来翔にはわからない。父という存在がいなくても、それが当たり前となってしまったら暮らせてしまう。しかし、こうも思うのだ。

 

 霞む、砂嵐越しに記憶として映し出される母の涙。それを拭ってやれる存在──父がいたら、一体どうなっていたのだろうか、と。

 

 あの場にいなかった父親が許せない。訳のわからない悲しみに沈んでいた家族を放っていった父親が許せない。

 だから来翔はわからない。父親の存在が──

 

「どうすれば、よかったのさ!!」

 

「────」

 

 別の思考に走りかけていた来翔が、しずかの声によって思考から打ち上げられた。

 けれど、わかった気がする。決定的なことが。本来あったはずのものが、

 

「──っ、わかんないよ! でも……でも、やっとしずかちゃん話してくれた。ほんとうは辛かったんでしょ? ほんとうは寂しかったんでしょ? ほんとうは、誰かと一緒にいたかったんでしょ?」

 

 欠けてしまったんだ。

 

「ぁ……あ、あ、あ、──うるさいッ!!」

 

 床に倒れたランドセルが叫んだしずかによって引き剥がされ、中身は来翔へと降り注いだ。

 だが、それだけでは止まらなかった。いきなり現れる心情を、布団を急に捲られて秘め事を暴かれたように慌てふためくしずかは、畳に散らばる教科書を持って、

 

「やってもなにも変わんなかった!」

 

 来翔に殴りつけた。

 

「もうどうしようもない!!」

 

 何度も何度も。頭を両腕で覆って守る来翔に向かって、上昇して調子づいてブレーキも聞かないない感情のままにしずかは叩きつけた。

 

「誰も見てくれない私なんて、いなきゃよかったんだ!!」

 

「──ッ!」

 

 それでもっ……それだけは違う……!

 

「おれが見てる!」

 

 振り下ろされる腕を受け止める来翔が、それでも、奮い立った。

 しずかを。その存在自体を。──友達を。二つ並んだ濃色の瞳で。

 

「見てない!」

 

「見てるって言ってる! 思ってる!」

 

「じゃあ見てよ!」

 

 耳に届くたび、思わず顔を背けたくなるしずかの掠れた声。苦しさと遠い疎外感がそのまま染み込んだ声は、胸を抉り出されるようだった。

 青い教科書。生物図鑑を持つ手ではない、しずかの左手が来翔の胸元を打って鷲掴みにして、

 

「まりなちゃんもじゃなくて! 私を見てよ!」

 

「それ、は……っ」

 

 舌がもつれて、

 

『来くん!』

 

 続きが出てこない。

 脳内に反響する記憶のサウンドが『まだなにも起こってなかった』日を来翔に追憶させる。

 首にかかる大切なものを持ち去っていった女の子だ。でも、確かに友達であったのと同時に、共に過ごしたかけがえの無い思い出がある。

 あるのだ。

 言葉を選び、脳内が逡巡する来翔に、

 

「──っ、言ったくせに……! 来翔くんのうそつきッ!! うそつきいいぃぃいっ!!」

 

 落胆、失望、絶望を煮詰めた声が押し飛ばす。

 叫びと同時に来翔の両肩へ荒々しい力が加わり、無防備になる体がしずかに押し流された。

 息が詰まる。

 戻れない。

 壊れる。

 戻せない。

 いやだ。

 繋ごう。もう一度、無くしてしまった縁を新しく結ぼう。

 けれど、遅く流れていると錯覚する中、来翔の願いに反してしずかとの距離は離れ続ける。

 離れて、離れて離れ続けて。しずかへ伸ばした来翔の左手は──

 

 

 

 ゴッ

 

 

 

 

 

 鈍く乾いた音が部屋に落ちて、背の低いテーブルのすぐそばに来翔が倒れる。

 カナカナと蝉時雨が湧いて出てくる沈黙の穴を埋めた。

 

「うそつき……うそつき……来翔くんの……うそ、つき……ぃ」

 

「し、しずかちゃん……」

 

 激動。目まぐるしく、ぐるぐると動く情景を見ることしかできなかったタコピーが恐る恐る近寄った。

 来翔は起きてこない。

 

「……来翔くん。ねぇ、起きてよ。来翔、くん……」

 

 疲れたのだろう。抑えられない情動がエスカレートしたのだから、しずかの膝がカタカタと笑って畳に転げてしまった。

 四つん這いになって、しずかは呼んでも畳に横になる来翔の体を揺する。

 放り出された来翔の足が揺するたびに揺れていた。

 

「来翔くん、大丈夫だっピか? し、しずかちゃん! なんかだか、おかしいっピよ。痛いのは良くないっピし……」

 

「うるさいよタコピー。来翔くんがうそつきだから、悪いのは来翔くんだよ。ね、来翔くん」

 

 瞳を閉じ、両腕を畳の上に広げる来翔に、しずかは引き攣った笑みを向ける。

 で、それだけだ。返ってくるのは開きっぱなしの縁側から流れ込んでくる蝉の音。その音は「あーあ」と倦怠感を湿っぽい大気に宿らせる。

 しずかの声に意味を持たせる相手は、来翔は動かない。

 どれだけ、揺すっても──

 

 あれ?

 

 どれだけタコピーが突いても──

 

 ネトォ……

 

 あれ……?

 

 ふと、来翔の頬に伸ばしたタコピーの触手が、どうしたものかと考えて畳に乗せていたときだ。熱を宿らせる、少し粘つくものがついたのだ。

 畳とは違う、水っぽい感触。

 違和感に表情の変遷のはっきりしない顔を曲げるタコピーは触手を縮め、目の前に持ってくる。

 

 ──あかいろ。

 

 え。

 

「──え?」

 

 内心に響く自身の言葉に重なり、じっと手についた赤を見つめていたタコピーが声のした方──しずかの方に目を歩かせた。

 

「え、……ぁえ? うそ、だよ……ぇ? うそ、だ……」

 

 しずかが、とても震えていた。

 声も、体も、震えていた。

 しかし、言い争っていたときとはまた違う拒絶を喉から絞り、掠れ声を流すたびに、来翔のそば──頭の下が赤くなっていく。

 来翔の後頭部から、タコピーの手にある赤と同じものが染み込んだ。

 

「あれっ……ピ」

 

 これ、どこかで見た……気が、するっピ。

 

 掠める記憶。百一回という繰り返された回数によってそこに埋もれてしまった記憶の用紙が燻る。

 どこかで見たような景色だ。

 

 ポタッ……

 

 この音も。

 机の角から滴り畳に落ちる赤い水の音も。

 

「うそ……うそ、うそ、うそ、うそうそうそうそ……! うそ、だよね? うそだぁ……来翔くん……。うそだよね?」

 

 動かない来翔を揺さぶっていた腕を、しずかは顔へと伸ばす。

 

「い、痛かった? で、でも……でも来翔くんが見てくれないから悪いんだよ? 来翔くんがまりなちゃんも見ようとするから……」

 

 ひたりとしずかの小さな手のひらが来翔の頬にかぶさる。

 汗で冷えたのか、来翔の肌が冷たくしずかの手の肌に浸透した。

 

「ねぇ、起きてよ。ねぇ……! 赤いの……なんか垂れてるし……。なんで、止まんないの?」

 

 返すものはいない。

 ただ来翔の頬を叩く軽い音だけが虚しく帰ってきた。

 ポタポタと机の角から滴る赤いもの。いや、もう取り繕わなくていい。これは──血だ。

 押さえる。押さえる、来翔の頭の後ろを。でも、指と指の間から命の赤い源はすり抜けていく。

 

「と、止まって。止まってよ! 起きてよ、来翔くんっ。起きないと、ぜんぶこぼれちゃう。ねぇ起きて! 来翔くんッ!」

 

 後頭部を押さえていた手を頬に押し付けて、来翔の顔をゆするしずか。

 泥で模様がつけられた来翔の頬に、小さな赤い手形が、しずかの手形がつく。

 それでも、──来翔は起きなかった。

 

「ぇ、……え? 違う……違う、違う、違う、違うちがうちがうちがうチガウちがう違ウちがう! わたし……わたしのせいじゃ──」

 

 同じ言葉を何度も何度も繰り返し、瞳を閉じる来翔にしずかが唱える。そのとき、口から流れ出る逃避行を静かにしようとした自身の両手を彼女は見た。

 右手は来翔の手を何度も払い落としたせいで赤くなっていた。左手は来翔の血で真っ赤っか。

 そしてこの両手は、来翔を突き飛ばした。──しずかが、突き飛ばした。

 

「いや、イヤ──ッ!! ねぇ起きて、目を開けて……来翔くん! わたし、来翔くんがいないと……っ」

 

 次第に壊れていくしずかを、横たわる来翔をタコピーは呆然と見ていた。見ることしかできなかった。

 だって、この光景。いまさっき来翔の頬についてしまった赤い手形が、同じだから。何もかも、『最初』と同じだから。

 

 し。死?

 え、死んで、る?

 これ、前と同じ。なんで忘れてた?

 赤い。

 じゃあこの後しずかちゃんは……。

 戻らないと。

 

 ──戻らないと。

 

 そうだ。これがダメだったのなら、ハッピー道具の一つである『ハッピーカメラ』を使って戻ればいいわけなのだ。

 早く戻れば──

 

 あれ?

 

 懐を弄るタコピー。しかし、どれだけ探してもどれだけ他の道具を引っ張り出しても、はやる気持ちに反して目当ての物はいつまで経っても出ることはなかった。

 最後にタコピーが取り出したのは、無我夢中でまりなから来翔を守ろうとしたとき。そのとき、何かにぶっ飛ばされて、ハッピーカメラが手から──

 その事実が小さい背後に押し寄せてきた途端に、タコピーの体が冷や汗を流し始める。

 

 ない。ないない!

 どこにもない……。

 また、また僕のせいで? 僕が今度はハッピーカメラ無くしたから……。

 今から探したらいい?

 でもそうしたらしずかちゃんがどうなるかわかんないっピ──!

 どうしよ……──

 

「……言、われた、のに」

 

 小さく口から溢れる、掠れたしずかの声が、ぐるぐると迷宮入りするタコピーの意識を引き戻した。

 

「わたしっ、来翔くんのお母さんに……来翔くん支えてって、言われてたのにっ……ぃ」

 

 項垂れて、壊れたようにしずかの瞳から涙がボロボロとこぼれ落ちる。雫が肌を撫で落ちて、来翔へと落ちた。

 だが乱雑にボトボトと落ちる涙は、眠る来翔には当たっても、それでも無情に届かない。

 

「ごめんなさい……ごめんなさい。お願い、来翔くん……。謝ったからっ……目を開けて? 押しちゃったこと、話聞かなかったこと……謝って、謝ったからっ」

 

 這いつくばって、来翔の開かない眼前でしずかは懇願する。

 目が合うことはなかった。その目が今開くことはなかった。二人の心は寄り添えたはずなのにできなかったのだ。 

 もう寄り添えない。二人はここで別れたのだ。

 

「──おねがい…………ひとりにしないで。おいてかないで…………」

 

 ひとり、絞り出された願いが落ちた。

 しかしそれは誰にも届かない願いで、蝉の音によって押しつぶされてしまった。

 耳を埋め尽くすひぐらしの鳴き声はまるで、「あーあ」と、落胆するため息をしているようだった。

 

 

 

 

 

 

 そこに──

 

 なら……

 

「しずかちゃん!」

 

 タコピーが飛び込んだ。

 

「タコピー……?」

 

「安心してほしいっピよ、しずかちゃん! ぼくがなんとかして見せるっピから」

 

「無理だよ……来翔くん、死んじゃったんだよ?」

 

 啜り泣き、しゃくりあげる声のままに目を細めるタコピーへ、しずかの手にかかる力が増す。

 しかし、表へ露見しない思いは決して話さない限りわかりにくいもの。タコピーには、それがまだ理解できないでいた。

 だからこそ、

 

 テッテレー!

 

「へんしんパレット!」

 

 ぼくが来翔くんになれば、しずかちゃん寂しくならないで大丈夫だっピ!

 

 どん底に沈み切った空気に、タコピーが快活にピンク色の折り畳み携帯端末のようなものを掲げた。

 首を上げる気力もない諦観に色を燻ませたしずかの目はお構いなしに、タコピーは触手を黄色の星型に突っ込む。すると、触手に粘り付いて固まった赤い血が溶け入った。

 そこにまたタコピーが触手を重ねると──

 

 ピッ──

 

「スイッチを押すっピと──」

 

 そのとき、タコピーの体に不思議なことが起こった。

 夕日に勝るとも劣らない幻想的な光が広がり、タコピーの視界は上がる。

 

「安心してほしいっピ!」

 

 ようよう変わりゆくタコピーの声に、しずかの目が丸くなった。

 

「ぼくがしずかちゃんをひとりになんてしないっピから!」

 

 光の皮が弾け飛び、ボールの姿が人型となる。

 人型は、床に倒れ込んだまま動かなくなった来翔と瓜二つの、

 

「え……?」

 

「もう大丈夫だっピ、しずかちゃん」

 

 来翔が、そこにいた。

 項垂れていたしずかが動き出す。今にも倒れそうなあぶなげな足取りで来翔の姿となったニコニコのタコピーへと足を進め、止まった。

 

「しずかちゃんがひとりにならないように、ぼくが来翔くんになって……」

 

「──違う」

 

 しずかの言葉が割り込み、手が割り込み、来翔が固まった。

 

「こんなの、来翔くんじゃない」

 

「そ、それはそうだっピけど……」

 

「来翔くんはピなんて変なこと言わないし、ヘラヘラなんてしないし、優しいけど優しくなかった。──やめてよ。来翔くん死んじゃったの……私なんだから」

 

「で、でもっ……それじゃしずかちゃんは」

 

 あれ……?

 

「もう私ひとり……ぜんぶ、ははっ、はぁ……もういいや」

 

 ぼくは、この目を……

 

「ごめんね、タコピー」

 

 呆然と光を失った、何も映していない黒の目を眺めていたタコピー。一つ、つぶやいたしずかが視界から消えた。

 それでもタコピーは気にも止められなかった。ある既視感が、頭をよぎったからだ。

 水晶玉のように煌めいているはずなのに、瞳に宿る底知れない黒が光を沈ませるそれ。初めて二人に会った日の来翔の──いや、それ以前に見たような気がするのだ。

 いつ、どこで、誰の瞳を見た。

 

『食べる?』『ずっと一人で』

『どうして頑張るの!?』『これしか──』

 

『ハッピー星の掟は──』

 

『わかったっピ! ────ちゃん!』

 

 ああ、そうだった。

 

 たどり着いた。なんでここにいるのか。

 印象が強すぎる、二人の目のお陰で、なぜあのとき来翔の目が怖かったのか。

 その理由が。

 

 あの目は──

 

 水面に浮かび上がってくる波紋が引いてきて、記憶が形作られる。いや、作られているのではない。巻き戻って、戻って、治っていくのだ。

 そして、

 

「──っ」

 

 生物図鑑を振りかぶったしずかがタコピーを

 

 ゴッ

 

 水面に沈めた。

 

 

 

 

「これで、もうひとり。ごめん、ね……? ごめんなさい…………」

 

 倒れる二人の来翔を見下ろすしずか。ごとりと図鑑を手放し、畳に落ちる鈍い音が打つ。

 しずかの目にはもう枯れたと思っていた涙がほろほろとこぼれていた。

 

「寂しいけど……もう寂しくない」

 

 いつもより高いところで二人を見下ろせる。二人を見ることができる。

 首にかかるチクチクとした煩わしい感触のせいで、跳ねる息がまた込み上げてきた。

 喉が震える。からだが、肩が震える。どうしてか、二人の顔が見えない。あれだけ泣いたはずなのに、流せる涙なんてまだあったのか。

 そうだ。しずかは怖いのだ。

 

「怖いよ……。でも、来翔くんだって急だった。だから、私もすぐ……ふ、へへ」

 

 ちゃんとできるかわからない。けれど、このまま冷たい思いをするくらいなら、

 

「私も……今から、そっちにいくね」

 

 こんな世界いたくない。

 ごめんなさい……。

 それと……

 

 夕日を真正面に受けるしずか。足元に広がる影が、長く長く真後ろに引き伸びる。

 背中にのしかかる重たい後ろの影は、気怠くまとわりつく泥のように続いている。

 真正面、開けっぱなしになっている縁側からは地平線の奥から覗く夕日があった。世界の全てを飲み込もうとするように、赤と黄金が混ざり合って広がり、視界を焼きつくす。

 その先へ行けば、一人ではない場所に行ける。──来翔のいる場所に。

 辿り着けるのだろうと信じながら。

 しずかは椅子の上から一歩──、

 

 

 

 

 さよなら。

 

 

 ガタンッ

 

 

 

 

 

 

 ────────────────────────────────────────────────





【挿絵表示】

来翔のイメージイラストを描いてみました。よろしければ見てみてください。
来翔の髪型は、彼が母親の澄佳の髪型を真似て真ん中分けにしようとしているのですが、見ての通り右側しかうまくいってません。それは父親の面影が影響しているのでしょう。
人って、半分は母親でもう半分は父親の遺伝子でできているんですから、知らず知らず双方の特徴が出ても不思議ではないですよね。
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