リリスがエ□ゲ版Fateに召喚された話   作:サルミアッキ

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 ……でもそういう人間しかいなくないかね?
 とりあえずバゼットさんが葛木宗一郎枠になる世界線。



マスターが前線に出るのは下策?

 教会からの帰り道のこと。衛宮士郎と遠坂凛、そして黄色い雨合羽を着たセイバーが街灯燈る坂道を下っている。

 

「……え?嘘でしょ衛宮君。キャスターのサーヴァント、もう倒しちゃったの?」

「嘘なもんか。俺が止める前にセイバーがぶった斬っちまったよ。俺のこと一度殺した女だったけど、流石にあれはどーしようと思った」

「となると、残る敵サーヴァントは五騎ね……」

「五騎?……いや、俺は遠坂と戦うつもりはないぞ?」

「————。あっきれた……良い、衛宮君?私は貴方と仲良くしても一切メリットが無いの。幾らセイバーが強くても、貴方自身がへっぽこ魔術師なら宝の持ち腐れね。そんな人間、すぐに倒されるのがオチよ。個人的に言えば、聖杯戦争中は身を潜めておくのがベストだと思うのだけれど?」

 

 本当に呆れたのか、それとも心の贅肉(お人好し)を発揮したのか、衛宮士郎の無鉄砲さを懇々と理詰めで潰していく遠坂凛。

 彼女に詰め寄られ、うっ、と喉元から変な声が漏れた士郎。ふわり、と女性らしい柔らかく甘い匂いが彼の鼻腔を刺激した。大学のマドンナと言える彼女が魔術師であるのも驚きだったが、こうも距離を詰めてこられると困惑が先に来る。男心を察知されないように、咄嗟に話題を変えようとする士郎だった……のだが。

 

「————そうですね。この聖杯戦争は素人の魔術師が戦って生き残れるものではありません。例えそれが、聖杯戦争のシステムを創り上げた御三家の出身である学生であろうと……」

 

 道の片隅の暗がりから声がした。革靴がアスファルトを叩く音は高らかで、まるで軍隊の行軍のようだった。

 街灯の下に差し掛かると、その声の主の姿が露になった。深い朱色のショートヘアに、黒いスーツとトレンチコート。鍛え上げられ引き締まった肉体に、剣のように鋭い凛とした面立ち。男装の麗人と言うべき女性だった。

 

「誰……?」

「はじめまして。この冬木の地のセカンドオーナー、遠坂凛。私の名はバゼット。バゼット・フラガ・マクレミッツ。この聖杯戦争に参加することになった、時計塔の魔術師です」

 

 魔術師業界に疎い衛宮士郎は首を捻るだけだったが、一方の遠坂凛はさっと顔を青ざめる。

 

「バゼット……時計塔の、あのバゼット⁉嘘でしょ、封印指定執行者の伝承保菌者(ゴッズホルダー)が何で————」

伝承保菌者(ゴッズホルダー)、ですか。その異名に相応しい人間は別にいるのですが……兎も角、お二人に一つお尋ねします。聖杯戦争から手を引いていただけませんでしょうか。こちらの立場としても、そちらの方が手を煩わせなくて済むのですが」

 

 バゼットから告げられたのは、聞きようによっては、傲岸不遜とも捉えられる言葉だった。

 

「……何?戦ってもいないうちにもう勝った気でいるの?」

「純然たる力量の差ですが。ミスター衛宮は兎も角……ミス遠坂。貴女を過小、及び過大評価せずに見極めた上での忠告です」

 

 淡々と、事務作業の如く告げるバゼット。お前たちが研鑽してきた魔術の才能は自分には及ばない、と。遠坂の家系の魔術はマクレミッツに比べて劣ると、言外にそう告げていた。

 それが若い女魔術師の癪に障ったらしい。戦いがあるというのに、それから逃げることは優雅ではないとでも思ったのか、彼女は声高に否と言葉を告げる。

 

「お断りよ。そうやって訳知り顔で一方的に言われるの、あったまに来るわ!」

「……俺もだ。前回の聖杯戦争で起きたことを聞いた。だから……、俺はマスターとして戦う!」

 

 バゼットは、すっ、と目を細める。

 

「……そうですか、ソフトに命乞いの機会を与えたのですが。ならば仕方がありません。あなた方を敵として認めましょう。腕ごと令呪を切り落とし、二度とこの魔術儀式に足を踏み入れることはさせませんので、悪しからず」

 

 彼女はスーツのボタンを一個ずつ外し、そして勢いよく脱ぎ棄てた。

 

「ちょ……、なんちゅーカッコしてんのよ⁉」

 

 凛は顔を真っ赤にして夜中だというのに騒ぎ立てる。士郎もまた、視線のやり場に困ったのかそっぽを向いた。バゼットの服の下から出て来たのは裸体……ではなく、黒をベースカラーとしたインナースーツ。首元の蒼いリボンやシースルー素材の広い袖が夜風に揺れ、露出した脇や背、腰の肌が闇に溶けることなく白く輝いている。

 

「これは海神の神秘を宿したれっきとした決戦用魔術礼装です。それと、……、この、体のラインがくっきりと出るのはケルト神話的な仕様です。私の趣味では、ありませんから」

 

 やや頬を桜色に染めていたバゼットだが、おほんと一つ咳ばらいをすると、思考を戦いへと切り替えた。

 

「では戦いです。出て来なさい」

「……おう、待ちくたびれたぜ。()()()()

 

 大学生たちの間に緊張が走る。虚空から出現した朱い槍を携えた青い衣の美丈夫。それは紛れもなく至上の神秘の塊であり、暴力の嵐そのものという存在だった。

 

「槍使いのサーヴァント……、貴方がランサーで相違ないか」

「いんやセイバー。俺はライダーだ。ランサーは別のヤツが選ばれてるよ。ま、ランサーのクラスでも呼ばれる腕だってのは自負してるがな。で、そっちのお嬢ちゃんの後ろに控えてる兄ちゃんはアーチャーってところかね?」

 

 その赤き目の狩人は、さながら猛る猟犬のようだった。青、藍、紺の三色にも見える髪色。首回りや腰に垂れ下がった狼の毛皮は月光のように青白い。肩当や四肢、腰回りの防具は蒼く染まっており、腰に付けた剣の鞘と手に持つ槍だけが夕暮れや血のように赤い。

 

「……!」

 

 セイバーは黄色のレインコートを脱ぎ、不可視の剣を構える。凛の傍に霊体化して控えていたアーチャーも双剣を手に持ち、眼前の戦士を敵と定めた。

 

「……ライダー。彼らと契約したサーヴァントたちと同時に戦って倒せますか?」

「あー……打ち合ってみねぇと分からんが、引けは取らねぇさ」

「それは経験則からですか?それとも勘ですか?」

「いいや?お前さん(マスター)に頼まれたからな。英雄ならその程度はやってやるよ」

「————。分かりました、では任せます」

 

 その言葉を告げた瞬間、————バゼットが消えた。

 

「っ、シロウ!」

「は————?」

 

 風が吹いたと感じた時には、既に彼らは後手に回っていた。衛宮士郎の腹部に、拳が突き刺さっている。硬い枝が折れるような音が、胸からした。

 

「遅い」

「がッ!?」

 

 衛宮士郎の身体が砲弾のように吹き飛び、数百メートル離れた背後の教会……その墓所へと土煙を上げて着弾する。倒壊する墓標と、大樹が圧し折れたような音が凛の耳にも届いていた。

 

「っ、ウソでしょ⁉」

「加減はしました。生きてはいます」

 

 ……だが、戦況は初撃が成功しただけのこと。バゼットの半径数メートルには、二体のサーヴァントが存在している。おまけに今の彼女は腕を振り抜いた、いわば無防備な状態。セイバーのマスターが戦闘不能になったからとはいえ、サーヴァントたちが攻撃の手を緩める理由は無かった。

 陰陽剣と、不可視の剣がバゼットに迫る。片や神速の白、片や剛の風。例え生身の人間であっても、魔術を知るものであるならば、その人類史に刻まれた英霊に敵うわけがないことを知っている。

 

 

 ……だが、何事にも例外は存在する。

 

 

「なっ……?」

「侮りましたね。セイバーのサーヴァント」

 

 バゼットはルーン文字が輝く拳の指先で、その剛力から振るわれる聖剣を掴んでいた。

 

「くっ……凛!」

「おおっとアーチャー。テメェの相手はこっちだ」

 

 アーチャーの干将と莫邪をライダーは呪いの朱槍で弾き飛ばすと、自然体から重心を低く身構え、……紫電を残して消えた。

 否、それは目にも止まらなかっただけのこと。咄嗟に身を捻ったアーチャーの頭上を、槍の連撃が通過する。すかさず後方へ宙返り、マスターである凛が攻撃の巻き添えにならないよう距離を取ろうとするアーチャーだったが、俊足のライダーはそれに容易く追いついた。

 

「がぁッ……くっ!」

 

 ライダーの蹴りで上空に打ち上げられたアーチャーは双剣を捨て、いつの間にか手に持っていた黒い弓から幾本もの矢を射出する。

 

「はッ、良いねぇ!これだけの腕を持ってる弓兵たぁな!」

 

 朱槍の軌跡が描かれ、矢が打ち払われる。ライダーの背後で巻き起こるエーテルの爆炎が、彼の獰猛な笑みを照らした。

 一方、パートナーと分断された凛とセイバーは、バゼットによって追い詰められていた。

 

「ふっ————」

「これは、拳⁉ただの徒手空拳で⁉」

「ウソでしょ、セイバーと互角……?魔術で強化されているの……?」

 

 いや、と凛は頭を振る。そんなことは在り得ない。彼女が見たセイバーのステータスは、軒並みBランク以上。人間にそれほどの強化を施しても、その身体が持つはずがない。では、一体どういった絡繰りがあるのか、頭の中の知識を片っ端からひっくり返して考えるが、一向に応えは見えてこない。

 セイバーにガンドや宝石魔術で支援を行おうにも、ちらりと背後を伺えば、アーチャーと戦うライダーが常に目を光らせている。かといって、セイバーがあと数歩でも退き、ライダーの戦闘範囲に入ってしまえば、二対一の戦いが始まり、バゼットは即座にこちらを攻撃してくるだろう。

 遠坂凛は、絶体絶命の窮地にいた。彼女という風前の灯火を守るのは、目の前で戦う衛宮士郎と契約したセイバーのみ。思わず臍を噛んで、拳を握るしかなかった。

 

「良く躱します。成る程、眼が良いのではなく、勘が良いのですね」

 

 執拗に頭蓋を狙って打撃を打ち込んでくるバゼットに、セイバーは不可視の剣で攻撃を巧みに捌くものの、その拳の威力に圧し負け、その場に踏みとどまることもやっとだった。そう、サーヴァントが現代の人間に力負けを起こしていたのだ。

 

「貴様、いっ……たい————」

「私のように、前に出るしか能のないマスターもいるという事です、セイバーのサーヴァント」

 

 セイバーの直感が脳を揺れ砕かんばかりに警鐘を鳴らし続けている。

 

(アンサズ)(ライドー)(スリサズ)

 

 海神のルーンを用いて唱え、巨人の力を乗らせた拳の衝撃が、不可視の剣の(フラー)の防御を透過してセイバーの右腕を叩き折った。

 

「がッ……⁉」

 

 魔力を通せば自己治癒によって戻るとは言え、今の状態でこれは拙い。セイバーは痛みと己が失態に顔を顰めざるをえなかった。

 

「有り得ない……、現代の魔術師が三騎士のサーヴァントに匹敵するなんて……」

「ミス遠坂、勘違いしているようなら訂正を。私自身の本来の力はアサシンのサーヴァントを屠れるかどうか。ですが、何事も例外と言うものは存在します。この魔術礼装に宿る海神の加護は、私と相性が極めて良かった……。今の私の力は疑似サーヴァントと同等だと思っていただければ」

 

 そう、今のバゼットは、サーヴァントに換算すればAランクの筋力と、Bランクの耐久値及び敏捷値を保有していた。それに加えて、スーツに内蔵された神霊の加護によって、バゼットの用いる魔術は海神のルーンによってパワーアップを遂げている。さらに、今アーチャーと戦っているライダーが原初のルーンも加えていた為、この戦闘の結果は当然だった。

 

「ではセイバーも任せました、ライダー。私はマスターの令呪を奪います。さぁ、右腕を出しなさい、ミス遠坂」

「おう了解だマスター。ま、運が無かったなお嬢ちゃん。これも戦争の常ってやつだ、恥じることは無い。寧ろ、俺たちと戦って腕一本で済んで良かったと思うんだな」

 

 だが、次の瞬間————。

 冬木の夜の街の中を、鋭い風が吹き抜けた。

 それは爆音だった。周囲を巻き込むその嵐は、周囲の街灯の電球全てを砕き散らせた。

 

「今度は何⁉」

 

 鼓膜が割れるかという轟音に、遠坂凛もバゼット・フラガ・マクレミッツも手を止めて振り返った。

 

「音速を超える弓矢の射撃……、成る程。そうですか。やはり来ますか、アインツベルン」

 

 射出されたであろう矢は、ライダーが槍の一撃で弾き飛ばしていた。数十メートル後方に突き刺さっているそれは、ただの木の枝に鏃を付けただけのものだというのに、神気とでも言うべき勇壮さが宿っている。

 

「……何て躾がなってないんでしょう。呆れたわ。横槍を入れる雌犬がいるなんて、主従揃って人の獲物を勝手に奪うお国柄なのかしら?」

「おかしなことを言いますね、ハーフホムンクルス。もとよりこれは殺し合いの戦い。どのような手段を使おうと、咎められる理由は無いと思いますが」

「言うじゃない。フラガラック使いのマクレミッツ」

 

 そこに居たのは雪の妖精のような、小柄だが極寒の笑みを浮かべる美少女。そして、彼女の傍に控えるのは、『偉大な英雄』と言う他無いナニカだった。

 セイバーも、アーチャーも、またライダーも、その男から溢れる神の気配に目を離せない。

 

「————」

 

 誰も言葉が無い。一目見ただけで、白い少女が引き連れたナニカが人の域を超えた存在だと理解ができるからだ。身の丈が二メートル半はある巨躯の、芸術の神が掘り起こした彫刻のような、筋骨隆々の偉丈夫。その筋肉一房に、体を巡る血潮一滴にオドが満ちていた。

 その半裸の英霊が、厳かに口を開いた。

 

「……聞こう。其方らは此度の聖杯戦争に招かれた英霊で相違ないか」

「おうとも。そちらさんは地中海辺り、いやさ、ギリシャの英雄だな?となると……成る程ねぇ、大方予想はついたわ」

 

 ライダーの目が悦びか、はたまた興奮かによって輝いた。獰猛な笑みに汗が伝う。彼の槍を握る手が、みしりと音を立てていた。

 

「この身の業を知る(はや)き英霊よ。我等(まみ)えたならば、成すべきことはただ一つ……」

「おうよ。サーヴァントライダー、参る。……セイバー、それにアーチャー、悪いな。事情が変わった、一番槍は頂くぜ」

 

 誰もライダーの言葉を遮らなかった。さもありなん、手負いとなったセイバーも、技量が巧みなアーチャーも、自分一人だけで倒せる敵だとは思わなかったからだ。

 ————アレは、ここで落としておかねば我々三人にとって最大の障害になり得る存在だと、言葉を交わさずとも理解していた。

 

「……良いわ。()()()()()。本当はシロウを殺そうと思ってたけど、まずは邪魔をするそのサーヴァント共を殺しなさい!」

「「「!」」」

 

 歪ながらも協力関係になった三騎の英霊に、敵の思いがけない、だが納得の真名が開示された。

 

「ヘラクレス、ですって……?」

 

 それは、己がサーヴァントこそが最強だという自負か。自身の弱点を晒す暴挙を行った小さなマスターに、弓を持つ英霊……ヘラクレスは何を思うのか。

 

「……言ったはずだ、無抵抗の者の命を奪うことは主が背負うべき業ではない。我が主よ、その目を闇に惑わせる必要はない」

「ッ、うるさい、うるさいうるさい!マスターのわたしの言う事が聞けないって言うの、この駄目サーヴァント‼」

 

 ……どうやら、特に思うところはないらしかった。寧ろ、マスターの方の少女の方がやきもきしていた。

 

「……、兎も角、槍持つ騎兵よ。その挑戦、受けて立とう————」

 

 

 セイバーとアーチャー、そしてライダーと、ギリシャ最強の英霊ヘラクレスの戦いの幕が切って落とされた。

 

 

「と、遠坂……今、どうなってるんだ、これ?」

「衛宮君⁉あなたがどうなってるの!?派手にふっ飛ばされてたじゃない!」

「歩いてるうちに痛みが引いて戻って来たんだ……。ああクソッ、あの神父俺が墓石に突っ込んでるの見て『もうギブアップかね』とか言ってきやがった!」

「あー……綺礼なら言うわねー……、というか衛宮君もちゃんと自己防衛の魔術くらいは使えるのね。ちょっと見直したわ」

「?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『……おぉ、アーサー王&Fate初代主人公の未来の姿&クー・フーリン完全体VSアチャクレスか……。いや凄まじいな、試合展開』

 

 俺は体を祖先の一人から継承したとある現存宝具で覆い、夜空をジェットで浮遊していた。

 深緑の装甲『アイギス・アマルテイア』。それが俺の纏っている結界宝具。トロイア戦争の英雄オデュッセウスまたは異形の手を持つ神霊ゼウス・サバージオスが有する鎧にして、メドゥーサの首を装飾とした盾アイギスの同モデル。

 ただ、あくまで同モデルであるだけであり、英雄の誰かに使われたなんていう逸話は無い。製造過程もオデュッセウス達のアイギスと違うみたいだし……。ティターン系列機神ヘリオスの子機アマルテイアから製造されたってことくらいしか分かってないのだな、コレが。

 

『さて、俺は俺のやるべきことをしておくか……』

 

 アイア●マンみたいな内部モニターで、地表に魔術的、科学的スキャンをかける。さて、どこかなー。

 あ、いた。教会から近からず遠からずの場所に、白髪赤眼の人間たちがいた。

 

『……やはりな。真アーチャー(あのヘラクレス)の魔力の出力量も納得だ。()()()()()が出来るなら、アインツベルンも当然可能か』

 

 ドイツから入国したイリヤスフィール・フォン・アインツベルンの足取りを追ってみれば、彼女と共に冬木の古城にやって来たのはメイドのホムンクルスであるセラとリーゼリット、それとstrange Fakeの某駄女神の器になるフィリア……だけではなかった。

 冬木市に来訪したアインツベルンのホムンクルスの総数は、凡そ()()()。どうやらユーブスタクハイト・フォン・アインツベルンはユグドミレニアに譲渡したホムンクルス技術の見返りとして、ホムンクルス運用方法のレポートか何かを手に入れたらしい。ヘラクレスをバーサーカーで呼べなかったが、その代わりに魔力供給は百人単位で行うことで戦力増強を達成したらしい。その結果、アインツベルンは壊滅したわけだが……。

 だが自身に魔力供給を行う(力を与える)者たちを、大英雄は決して無碍には扱わないのは自明の理。おそらく単独行動スキルを用いて極力エナジードレインは控えているのだろうが、ホムンクルスたちのバックアップの有無でイリヤスフィールが死ぬ事態になっては元も子もないのは大英雄だって理解しているだろう。

 ……要するに、冬木にトゥリファスと似たような城塞が築かれつつあった。

 

『……その中でも戦闘能力を特化させたホムンクルスが、五十体か』

 

 しかも、陣頭にはセラとリーゼリットがいる。……多分、原典よりも強化された状態の個体だ。Fate/unlimited codesの戦闘力はあるぞ、これ。下手するとセイバーとタメ張れるんじゃねーか、聖杯のカラ(リーゼリット)……?

 だが、こうフワフワしてても時間の無駄だ。よし、とりあえず行くか。スーパーヒーロー着地!

 

「わ、びっくり、人が落ちて来た」

「……。何者ですか」

『これは失礼した。私は通りすがりの疑似サーヴァントだ。お前たちは、アインツベルンのホムンクルスで良いんだな?』

「……だとしたら?」

 

 途端に剣呑になり出す白い一団。ま、それが目的なんだがな。

 

『お前たちの主、イリヤスフィール・フォン・アインツベルンだったか、随分と良いサーヴァントを呼んだようじゃないか。まさに()()()()の英雄だ。困ったことに、魔術師の俺では手も足も出ない。さて、なら……手っ取り早くその力を削ぐにはどうすればいいと思う?きっかり三百人分の力を削ぐには、な』

「……そうですか。なら大人しくその運命を受け入れては如何でしょう?」

「聞かれても、答える、わけない」

『ま、そーだな。此処にいるホムンクルスは戦闘用。魔力供給用の個体ではないのだろうし……だが』

 

 アイギスの各部機能をスタンバイ状態にし、そして体の魔術回路を脈動させる。

 

『お前たちを倒せば、アインツベルンの戦力を削れることに変わりはない』

 

 セラとリズ以外はころ……排除しても構わんだろうし。ああ、でもただ処分するだけでは勿体ないな。幾つかこちらで使おう。

 

「……お前、わたしたちの、敵だ……!」

 

 リーゼリットの細腕にオスミウム製のハルバードが握られた。

 

『そうだな。では、戦いだ。全霊を以ってお前たちを戦闘不能にする。あの(アーダマー)の聖娼人形風に言うならば……』

 

 アイラインセンサーが黄緑色に発光し、メタリックグリーンの装甲から放電現象が巻き起こる。この冬木の地が、俺自身の武器として造り変わる。

 

出し惜しみ無し(フルスロットル)で行かせてもらおう』

 

 ……、よくよく考えたらこの台詞仮面ラ●ダード●イブっぽい……っつーかマントとか恰好的にブ●ンだな、この外見。なら、まぁ。

 

Start(オープン) my(マイ) engine(マジックサーキット)……なんてな』

 

 メルブラ。ま、裏方としてひとつ使いっ走り、してやるか。




原型神体結界(アイギス・アマルテイア)
ランク:A
種別:結界宝具
レンジ:-
最大捕捉:1人
 ティターン型機神アマルテイア(ヘリオスの子機)から製造された亜種のアイギス。アダム・ルリア・アシュケナジーの先祖の一人が、固有結界内に移植する神樹の蒐集中にとあるニュンペーと共生関係になり、彼女から譲り受けた。アマルテイア・クリロノミアと共に、アマルテイアの角型アンテナがコルヌー・コーピアイの一つになったことからデメテル・クリロノミアをも得ており、破損しても完全な状態にまで戻すことができる。テラフォーミング機能もあるが、システムがルリアのカバラにコンバートされた影響で、発生する樹木や土壌はオリュンポス系だけではなくなっている。
 オデュッセウスやサバージオスのものと同型だが、アーマーパーツがグリーン、アンダースーツがジェットブラックとなったリカラーモデル。アダムは特撮風な外見故に、変身音声でもつけようかとか何とか。

アダム「外見の色味がまんま仮面●イダーク●ノスだし、アーチャーに頼むか……?いや、仮面ラ●ダーオ●テカクラーケンゲノムみもあるからシグルドとか……は、呼べないからアウトだ、ちぇっ。なら黄金の果実使うし、ゲネ●スド●イバーで小次郎?それとも●ェムシンムの王で綺礼?スーパー戦隊に広げたら呪腕さんでも良いしギルでも良いな……」
リリス「あー、特ヲタ特有の特撮に絡めてくる地雷を踏んじゃったー……。ねぇやめなー、伝わらない相手でもライダーネタぶち込むのー……。そんな理由でAUOに会いに行ったらぶん殴るからね?」
アダム「はいごめんなさい!」
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