リリスがエ□ゲ版Fateに召喚された話   作:サルミアッキ

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 この世界でヘラクレスがやった十二の試練、オリジナル要素があります。


運命の夜からの目覚め

 種マシンガン……もとい過剰成長させた草花から魔力弾を飛ばし、オーバーロードイ●ベスよろしく蔓の鞭でホムンクルスたちを薙ぎ払う。

 

『狙い撃て、弦なき花嫁の輝弓(シェキナー)

 

 目の前で血飛沫が舞う。アイギス・アマルテイアに内蔵したカバラ光線……Cランク相当の攻撃がホムンクルスの肌を射抜き、骨ごと四肢を切断していく。よし、これで十二人目か。

 

「成る程、疑似サーヴァントを名乗る程度の実力はあるようですね」

「……でも、セラ。私なら、勝てる」

 

 だよなー。近接戦闘だと、俺よりリズの方が圧倒的に筋力上だし。……いや口にしてみてもおかしいな、どうなってんだアインツベルン?これでも筋力増強系の魔術をティターン機神の超科学兵器(パワードスーツ)に組み込んで運用してるんだが。それでも戦闘用ホムンクルスの方がパワー強いって、何かのバグなのでは。桜がマスターになった無限魔力セイバーオルタ並みじゃん、リーゼリット。黒王倒した(格ゲー版の)前例があるとはいえ、こうも圧倒的だと凹むわー……。

 

「いくよ、フルパワー……ぐるぐる、ぐるぐる、ぐるー」

 

 っておい、まんまアンリミの技、リーゼン・ゲシュライ・ドレーエンじゃん。あだだだだ、高速回転するハルバードで装甲がガリガリ言ってる!耐久値削れる削れる!

 上から降って来た先の尖ったハルバードの穂先を躱す。そして地面には、隕石が落下したかのような直径数メートルのクレーターが。……うわぁ、何だこれ。

 

「お気に召しました、か?」

『……一張羅が土煙で台無しだよ。お貴族のアインツベルンが雇ってるにしては酷いメイドだな。これで傷でもついていたらクリーニング代でも請求してたところだ』

「なら、お掃除。ちょっと本気、出す」

 

 出すな。違う。そういうことじゃねぇ。

 

「開け、天の杯」

 

 開くなそんなもん!てか出来るの!?イリヤとは別ベクトルでヤベーぞこのホムンクルス‼

 

「ドライ・ウム・ラオフ————!」

『うぉぉッッ⁉』

 

 躱しきれ……躱せッ、躱せたぁッ!?あっぶ、危ねぇぇ‼空から白色のビームが降って来た!要は宝石剣ゼルレッチみてーなもんだろさっきの白い光⁉なんつーもんぶっ放して来るんだよ!

 

「むぅ。ルチャ・リブレ系の体術使ってる?それ、苦手」

『あー……昔、翡翠峡(チチェン・イツァー)に用事があってな。その時に似たような体術を教わった。————あれは体術で良いのか?』

 

 どっちかって言うとウ●トラマン的な超絶技巧というか……あれを使える翡翠神官マリンチェちゃん(仮名)って何者なのという話というか……うん。笑い話にできる今思い返せば、絶対抑止力の後押し受けてたよな、俺たち……?

 つーか、俺が第三次聖杯戦争を途中棄権してチチェン・イツァーに行ったのだって、南米にナチスドイツ魔術部隊が動員されたからだし。しかも水晶の蜘蛛の復活だのナチス総帥が聖槍を手に入れただのが絡む事態だったし……ダーニック何してんだよ、お前の同盟相手ほんっとさぁ!おまけにクソ強い女魔術師もいたしさぁ!誰だっけ、グリマルキン……、グレイマルキン少佐?こっちの味方がマリンチェ何某と川島芳子とは言え……。あれ?打ち切りの女神、まんまこれって翡翠峡奇譚のパロ————うっ、頭が……。

 

「?」

 

 あっと、思い出すだけであまりに頭痛が痛い案件でセラとリズの相手を疎かにしてました。ごめんなさい。とりあえず、そのチチェン・イツァーで手に入れた菌糸系地球外生命の神性残滓(繊維型情報記憶体)で改造した恐竜の一体をぶつけよう。

 

『エデンの東の門を開けてやろう、閂である剣の焔よ外れるが良い』

 

 けたたましい叫びが森に響く。長く伸びた吻とそこから覗く鋭い牙、背から天に向かって突き出す背鰭。二足歩行で大地を踏みしめるその恐竜型の神獣を、固有結界内の森から解放する。

 

『————来い、()()()()()()

 

 ぐちゃり、と湿った何かが砕ける音がして、肉片と血液が地面に広がった。踏み潰されたホムンクルスが肉塊になる。

 

「!」

 

 ホムンクルスたちの眼前に立ったのは、巨躯を有する地の竜。スピノサウルスにも似た、荒々しくも神々しい神獣だった。

 

「これは……宝具?」

 

 俺が創造した恐竜型の神獣は、第七異聞帯の地底世界ミクトランの霊長、知性持つ恐竜ディノスを参考にしている。それ故、ディノスが持つ生体波動機能や体表光合成器官などを備えさせることで、生きる宝具とも言うべきスペックを実現することができた。

 

『ああ。だが抑止力の問題でな、あまり長時間現実に出しておくことはできないんだ。だから正しい運用方法としては短期決着か、ジュラシックなパークみたいなホラーパニックアサシネイトなんだが……』

 

 対英霊じゃないし、こいつらにはこれで十分だ。無駄な労力を割いて重要な局面で息切れなんてシャレにならない。さぁ、やれ。オキサラ。セラとリズ……それと数体は残して、残りは食って良し。

 

「GUAAAAAA————‼」

 

 冬木市の森に、一匹の野獣の咆哮が木霊した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「来るぞ、セイバー!」

「————風よ、荒れ狂え!」

 

 青き騎士の暴風がヘラクレスの音速射撃を弾き飛ばす。

 

「助かりました……目が良いのですね、シロウ」

「ああ、元々弓道部だったからな」

 

 ヘラクレスの射撃タイミングを視認できる時点で目が良いというレベルではないのだが、セイバーはまだ現代人の基準を知らないのである。

 

I am the bone of my sword.(我が骨子は捻じれ狂う。)————赤原猟犬(フルンディング)破戒すべき全ての符(ルールブレイカー)

 

 偽アーチャー(フェイカー)は、追尾能力を持つ剣に魔術無効化機能を組み込んだ改造品を投影して弓につがえる。

 

「ふむ。私がキャスタークラスを改変したエクストラクラスでの召喚であったが故にか、使える能力に自由度が加わっているな。道具作成(剣)スキルか……悪くない」

 

 彼はひとりごちると、そのまま黒弓の弦から指を離した。

 

「どう⁉やれた、アーチャー?」

「……いいや、防がれた」

「あぁもう!反則でしょ、アレは流石に!」

 

 苦々し気に言葉を零す赤い主従。それは、この場にいる三組が共通して感じていることだった。

 

「おいバゼット!流石に埒が明かねぇや!どうする⁉」

「(……遠坂凛のアーチャーからの射撃は大半が打ち払われ、当たった矢もあの毛皮で無効化されている)……ライダー、一つ聞かせなさい」

 

 片腕で不可視の剣を振るうセイバーと、長槍を振り回し疾風と共に駆けるライダーがヘラクレスと鍔迫り合いを繰り広げる。後方からの剣型の矢が幾本も殺到するが、どれもがAランク近い神秘を内包するというのに、ヘラクレスの裘を貫くことは叶わなかった。

 

「あの堅牢な体術の護りを抜け、懐に潜り込み、革衣に覆われていない素肌に攻撃を当てることはできますか」

「————おう。出来るぜ?」

「そうですか。ならば、隙を作ります。貴方は宝具をルーンで強化し使用してください」

 

 途中から念話に切り替えたバゼットが、ライダーに向かって言葉を続ける。

 

(アダムからの情報によれば、あのサーヴァントの肉体は、Aランクに達していない攻撃は無効化されるらしいので)

(マジかよ。いや、つーか良くそんな情報集められたなあの兄ちゃん?)

(裏方仕事や情報収集ならば、彼は並みの魔術師では比較になりませんので)

 

 ヘラクレスの弓のリム部分のブレードと鍔迫り合いをしていたライダーが一歩下がると、その隙にバゼットが大英雄へと身を躍らせ、剛腕に握られ番えられようとしていた矢を圧し折った。

 刹那の隙の出来事だったが、ヘラクレスはそれに驚きを隠せなかった。サーヴァントとしての器に、英霊としての力の一部を入れられただけの現身なれど、現代人に戦闘行為をキャンセルされるとは思っていなかったが故。

 

「……騎兵の主よ。その卓越した身体の御業、驚嘆に能う。故に、現世の貴女も我が敵と認めよう」

「……それは光栄です」

「そしてライダー。偉大なる敵にして敬意を抱くべき(ともがら)よ、我が闘争を見るが良い」

 

 一歩、大英雄がその巨躯にて大地を踏みしめた。アスファルトに亀裂が走る。金剛の(かいな)に神気が満ちる。

 

「————『射殺す百頭(ナインライブズ)』」

 

 神の雷霆がヘラクレスの弓矢に宿った。大弓が激しく撓み引き絞られる。弓が真っ二つになってしまうかのような剛力から、幾本もの矢が放たれた。

 いくらバゼットの身体能力がサーヴァント並みに向上していたとしても、相手は英霊の中でも上位に位置するトップサーヴァント————ヘラクレス。彼の攻撃を避けきることはできない。

 鋭く尖った鏃は、寸分違わずにバゼットの脳漿を散らさんと、命が宿ったかのような複雑な軌道を描いて頭蓋に到達する————。

 

後より出でて先に断つもの(アンサラー)————」

 

 ……はずだった。

 

「————『斬り抉る戦神の剣(フラガラック)』‼」

 

 起きた事象の時間が逆巻き、未来から過去へと移行する。弓から放たれるはずだった矢が、ヘラクレスの掌から零れ墜ちる。

 

「……っ、な、に?」

 

 大英雄の胸には、小さな穴が貫通していた。彼の口から血が垂れている。一度、ギリシャ神話最強の英雄ヘラクレスは、バゼット・フラガ・マクレミッツの手によって倒された。

 

「うそ……あのヘラクレスの狙撃より先に攻撃を当てた⁉」

「————それが噂に聞くフラガラックかしら。マクレミッツが継承してきた魔術礼装……いえ、宝具。まさか、ヘラクレスの心臓を潰すなんて」

 

 拳を振り抜いた状態で、バゼット・フラガ・マクレミッツはヘラクレスの前に立ち続けていた。その場にいた誰もが瞠目する。彼女は現代人でありながら、大英雄の力と肉薄できる何かがある魔術師(マスター)だと、誰もが認識を新たにした。

 それでも、アインツベルンが創り上げた最強のマスター、イリヤスフィールは余裕に満ちた態度を崩さない。

 

「でも無駄よ。ヘラクレスは()()()()()まで、削られた命を回復させることができるもの」

「「な————⁉」」

 

 彼女は朗らかに、有するサーヴァントの絶望的な能力を口にした。ただの挨拶のような軽い口調で告げられた真実に、学生の男女の顔から血の気が引く。まぁ、理不尽も良い所のインチキ能力持っていればこの反応も当たり前である。

 

「————ならばその心臓、何度だろうと貰い受ける‼」

 

 だが、その程度では怯まない猛き英雄が闘志を燃やす。威風堂々と狩人の如き戦士が立っている。彼こそはギリシャの半神に匹敵する、エリンの大英雄。

 

赫し穿つ(ゲイ・ボルク)————」

 

 構えた朱槍に魔力が集う。それはただの一突きで命を奪う、呪いの因果————。そして、彼の者の父より授かりし光————。

 

「————五尖の槍(イルダーナフ)‼」

 

 因果の理を捻じ曲げる槍。それがゲイボルク。『心臓を穿つ』という結果を『槍を放つ』という原因より先に生じさせてしまう呪いの朱槍。故に、放てば必ず敵の心臓を捉え、避けることは不可能。

 それに、百芸に通じた太陽神にしてライダーの父、ルーの権能を纏わせたことで、宝具は更なる昇華を果たす。

 例えギリシャの英雄であろうと、その五尖の槍が死を示すことに例外など存在しない。朱槍は再生したばかりのヘラクレスの心臓を突き穿つ。

 

 

 

 ————太陽が、地上に墜ちたかのような輝きだった。ヘラクレスの胸に、眩い爆炎が花となって咲く。

 

 

 

「————見事。我が命、五つ削ったか。その絶技、そしてルーン……。御身はケルトの光の御子か」

「……おうさ。しっかしマスターの渾身の一撃を耐えたのと言い、俺の必殺の一撃でもなお生きているとはね。面白れぇが……まいったぜ。お前さん、命を幾つ持ってる?」

「この身は女神から十二の試練を課された。どれもが命を落としてもおかしくはない、この身一つで勝ち得た栄光だ」

 

 狼のように歯を剝き出しにして笑うライダー。その言葉に、生きた場所も時間も違う英霊なれども、行った偉業に敬意を抱いたのだろう。

 

「ほう、そうかい……。ならば、死力を尽くして向かわせてもらおう。残り六つの命、取らせて頂く」

「その練り上げられた技の冴え、確かにこの身を殺し尽くせる力だ。在り得ることは無かろうが、神ではなく、人の身の我ならば先の一撃で退去していただろう。来るが良い、光の御子————」

 

 お互いに間合いを詰めて武器を構える、二人の大英雄。静かに、だが全霊の力が周囲に滾る。次の瞬間には決着がついてもおかしくない、緊迫感を超えた張り詰めた空気。それを打ち破るのは、果たしてどちらか————。

 

「ッ、(マスター)!」

「————ぇ?」

 

 ヘラクレスの剛腕が、イリヤスフィールへと振り抜かれた。

 

「ぬんッ!」

 

 イリヤスフィールの背後、足元の地面から伸ばされた()()()()()()()()()()()がヘラクレスの拳に受け止められる。続けざまに大地に突き刺さった裸足が、ごしゃりと地中深くにいた何かを粉砕した。

 

「な、何なの。今のは……」

「————。()()()()()だ」

 

 命を奪われかけたイリヤスフィールの呟きに、ヘラクレスは表情を歪めて下手人の名を告げた。

 

「我が試練にて、かの毒蛇の盟友として参戦した月の巨蟹(ムーン・キャンサー)。月という暈の力を持ち、魔の血脈によって人理を澱ませるもの。あと数秒撃退が遅ければ、取り返しのつかない事態となっていた……。いや、これは。まさか————」

 

 彼が行ったヘラの試練、その第二のもの。百の頭を持つ怪物の残滓が、近くから匂い立っている。ヘラクレスの顔が、ライダー……クー・フーリンとの戦闘時すら見せなかった焦りによって険しくなる。

 

「……、(マスター)よ。撤退する」

「な————何を言っているのよ!まだ戦いは終わってないじゃない!ヘラクレス、あなたは最強の英雄なんでしょう⁉私を勝たせなさい!こんな泥臭いところで躓くなんて、尻尾を巻いて逃げるなんて、私は絶対許さないわよ‼」

「……この戦場に、まだ潜んでいるものがいる。()()()()()()()()()だ。幾ら私でも、今のまま戦い続ければ主を毒牙から護り切れるか分からぬ。故に、勝つために我等は泥の中を走り、今を生きるのだ」

「あ、こら————はなっ、放しなさいヘラクレス‼ちょっと‼令呪を使うわよ⁉」

「それは困るな、主。令呪の使いどころが浅はかだ。自身の首を絞めることになろうぞ」

 

 イリヤスフィールをお米様抱っこしつつ、貴重な魔力リソースの運用方法を懇切丁寧にマスターに説くサーヴァントだった。

 

「……、ではな。今宵は此処までだ。光の御子よ」

「……しゃーねぇか。互いに痛み分けってところだな。行くぞ、マスター。この辺りが引き際だ」

「そのようですね。……ではまた、ミス遠坂、ミスター衛宮。今度こそ、その腕の令呪はいただきます」

 

 己がマスター(イリヤスフィール)を担いだヘラクレスと、道端に脱ぎ散らかしたスーツを回収したバゼットがライダーを引き連れ、それぞれ朝焼けの街の中に消えていった。

 

「嵐みたいな連中ね……」

「あんな奴らと戦いをするのか、俺……」

 

 ……そんなこんなで、衛宮&遠坂陣営が出来上がることになるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ふむ。どうやらあっちも終わったらしい。メドゥーサが近くに来ていたのはリリンの偵察機能特化端末で知っていたが、()()()()を潜ませているとは中々やるな。

 

『……どうやら、ヘラクレスが近づいてくる。ここまでだな』

 

 残ったアインツベルンの戦闘用人形はセラとリズ。それと三体の名無しのホムンクルス。その他はミキサーにかけられた挽肉か、バラバラ死体か、はたまたオキサライアの腹の中か。

 

「……むぅ。量産型みたいな色をしておいて、疑似サーヴァントは伊達じゃない」

『なんだ、機動戦士ガ●ダム見てるのか、お前』

 

 息切れも無く、余裕たっぷりに話すリーゼリット。殺さないようにしてはいたが、戦闘として成立させるためにかなり本気でアイギス・アマルテイアを稼働させたんだぞ、それでこれかよ。頬やら腕やらに傷を与えられたが、それだけだ。ホントサーヴァントのスペックじゃねーか。

 

『では尻尾を巻いて逃げるとしよう。流石にヘラクレスと単身で戦うほど命知らずではないのでな。Ciao~♪』

 

 某特撮界の星喰い(スターイーター)の台詞を吐き捨てて、アイギス・アマルテイアに内蔵されたステルス能力をオンにする。さて、仕込みは上々ってな。

 ……固有結界で作った■をホムンクルス達の傷口に擦り付けたが、芽生えるのは一体誰になるのかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「————」

 

 月が出ている夜だった。()は同類だった肉の人形たちと、主であるイリヤスフィールの城へと戻って来ていた。

 

「わた、し、は。私は、————」

 

 何も無かった自分に、何かが与えられた。それは、とある人間の記憶と心……そのコピー。無垢だった自然の嬰児が、文明に裏付けされた獣性に汚されていく。何もなかったが故に完璧だった、本来の在り方から狂わされていく。傷口から与えられた幻想種の菌糸型機械(有機ナノマシン)が広がり、血液の中に痛みが走る。ああ、でも。それでも。

 今の不完全だからこそ、見れた景色がある。肥溜めの中に咲く、一輪の雑草を見た。

 

「……」

 

 使用人の中でも、戦闘用ホムンクルスの為に用意された自室の鏡の前で、色の薄い唇から舌を突き出す。そこには三画の赤い刻印、蝙蝠の翼持つ蛇(サマエル)にも思える令呪が輝いている。

 

「私は、番外(イリーガル)ですか」

 

 計画は、既に頭に入っている。幾つもの枝分かれした未来も見た。名も無く死んで逝くはずだったホムンクルスに、意味を与えられた。だから、最後まで生きなければ。垣間見た破滅(ゲームオーバー)ではなく、辿り着くべき終わり(ゲームセット)を。

 私はそのために、泥に満ちた杯を見たのだから。

 

 

 

 

「……さてさて。アテシのマスターから人格と記憶をコピペされて、生まれ変わったホムンクルスちゃん。託された令呪三画で、ちゃーんとお仕事できるかなー?」

 

 疑似的な気配遮断スキルを与えられ、アインツベルンの森に潜伏していたリリンは、窓辺に立って未来を思う生まれたばかりの一人の人間の行く先を……ただ笑って見るだけだった。




創造司る太陽の女神(オキサラ)
ランク:EX
種別:対界宝具
レンジ:1~99
最大捕捉:1000人

 救世主である受膏者と同一視されるヨルバ族の太陽神オキサラの名に由来するスピノサウルス科の恐竜、オキサライアを召喚する。実際に白亜紀に生息したオキサライアよりも遥かに強化された、幻獣~神獣クラスの幻想種である。疑似的な救世主の奇跡(治癒能力、疑似的な死者蘇生、物質増殖、水上歩行、気配遮断以上のステルスなど)を行使可能。その血による聖杯の真似事も可能ではあるが、コストパフォーマンスが悪いので使う意味がない。これは聖杯を満たす為に人類全てを食わなければならないためである。

 ちなみにスピノサウルスと類似する特徴を持つが、オキサライアの全身骨格が不明なこともあり、ジュラシックなパーク三作目の二足歩行スピノを参考にして肉体を復元されている(手の大きさからゲームARK:Survival Evolvedみたいな四足歩行も可能ではある)。



無銘のホムンクルス
性別:女性
身長:163㎝
体重:50㎏
誕生日:2004年2月3日(自我を獲得した日)
属性:中立・中庸
好きなもの:未だなし
嫌いなもの:未だなし
決戦の日:それはまるで、香り立つ藤花のような
魔術系統:錬金術、元素変換魔術、置換魔術
魔術属性:水・虚数(自我を獲得した際に属性が変化)
魔術回路・質:A+
魔術回路・量:A+
魔術回路・編成:異常(ホムンクルスゆえ?)
魔術特性:流転、支配
起源:虚無
※アダム・ルリア・アシュケナジーの固有結界内にあった菌糸類やクリロノミア系ナノマシンなどでハッキングし変質させた元名無しのホムンクルス。アダム陣営のスパイとしてアインツベルン城に潜伏中。
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