イリヤもあの外見で18歳以上です。18歳以上です。
???「もしかしてイリヤ√きちゃうの!?やったー!」
プリズマ☆イリヤがあるので別に良くないか……?
嘗て、この地で戦いがあった。七十年程前のことだった。
(ああ、瞬きの如き時間だった)
久方ぶりに冬木の地に踏み入ると、あの夜のことを思い出す。おそらく、本来の歴史とは異なる出会いだったのだろう。
俺は、その夜……魔術師の少女と出会った。多くのものを失い、家族さえ弔い、国を守護すべき大日本帝国軍に憎しみを向けながら、世界の平和な未来を願った優しい子どもだった。
彼女は、第三次聖杯戦争に参加することに相成った。既に七騎の英霊は出揃っているというのに、偽のアサシンのクラスに英霊を無理矢理に当てはめて召喚を行ったという。そのイリーガルな召喚に応じたのもまた、冬木の聖杯に呼ばれるはずの無い英霊だった。
俺は、彼女————
彼女らは懸命に戦った。闇討ち、奇襲、暗殺……。取れる手段は何だって使い、聖杯を手に入れんとした。だが、彼女の心は強くとも、優し過ぎた。そして、手を血で汚すことも、死者の怨嗟を背負うことも厭っていたが……それでもと進むことが出来てしまった。戦って、戦って、戦い抜いた。
————エーデルフェルト姉妹とセイバー、双神輝星『ディオスクロイ』を。
————真瓦津玲二率いる大日本帝国軍とアーチャー、機功勇弓『ピロクテテス』を。
————ナチスドイツの助力を得たダーニック・プレストーン・ユグドミレニアとランサー、理智の流麗槍『フィン・マックール』を。
————人形師ディオラントとアサシン、寂寞の山翁『ハサン・サッバーハ』を。
————遠坂家当主とライダー、遊星の盟友『ディートリッヒ・フォン・ベルン』を。
————間桐の胎盤となるはずだった娘とバーサーカー、闘争源流『ベオウルフ』を。
そして、俺は知ることが無かったが————アインツベルンのホムンクルスとアヴェンジャー、この世全ての悪『アンリマユ』を。
間桐に囚われていた娘を、バーサーカーの遺言の通りに逃す為、俺は少女……そして冬木の地と別れた。それきりだった。あの戦いで、どうして聖杯戦争のシステムが外部に漏れたのかも、今となっては分からない。
彼女がどうなったのかは、分からない。生き残れたのかどうかさえ。ただ、俺が言えるのは……。彼女は戦火の中に在りながらも、戦争の終わりを望んでいたという事だ。
■
————冬木市、円蔵山。
さて、俺が思うに、冬木の聖杯戦争において魔術師が最も重要視すべきは拠点だと思う。戦争で拠点防衛に横着したり、自分の首を絞める陣形にしたり、表裏一体の敗因になり得るのが地の利と言うものだ。
第四次聖杯戦争において言えば、拠点がバレてそのままビルごとドカンといった時計塔のロードとか、下水に魔術の残滓を垂れ流しにした殺人鬼どもとかだ。
「そんなわけで、やって来たぞ柳洞寺」
おお、これが。成る程、こうして実物を自分の眼で見て実感できるのは素晴らしい。観光をしているような心持ちだが、そんな気分に浸っている余裕はない。
「ここを拠点にするの?沢山人が住んでいるみたいだけれど?」
「拠点にするが、正確には此処ではない。俺たちが向かう先は、下なんだが」
「……下?」
「ああ……だがまぁ、まずは境内を見てみるか……」
ところが。————結論から言えば、俺は住み込みとしてこの寺に転がり込むことになった。
「……マジかよ」
まずは駄目元ということで、霊地として優秀な此処に来てみたのだが……柳洞寺の住職は何が気に入ったのか、何も言わずに俺を此処に居候させてくれると言う。ここの住人は人が良いと言うか、何と言うか。柳洞零観なんか、すぐに打ち解けて酒を飲みかわすことになったし。俺の何処にそんな魅力があると言うのか。え、上人のような雰囲気がある?何言ってんだお前。
日系人ではなく、緑髪に空色の目の人物は寺の中では目立つのだが、彼らは親切極まりない。なんとなく居たたまれなくなるので、自分のできることは助力することにした。
「……それにしても、アテシがマスターの許嫁ってどーなのよ?」
「嫌だったか?ごめんな。でも噓も方便だ。戦争中はフリだけでもして欲しい。バーサーカー……いや、
「はいはい分かったよ、旦那様?」
さて、では冬木に到着したし、バゼットと合流して教会に顔を出さないとなー……。ああ、不安だ。裏事情を知っているとまーじで不安だ。
「もう少しリリンを増やしておきたいが……さて」
「そうだね。魂喰いとかしてもいいなら、もっと魔力が溜められるんだけど……」
お?何だ、意外にもこちらの方針に合わせてくれてるのか?だとしたら杞憂だぞ?
「いや、俺はそんなことを禁止していないだろう。やっても問題ないぞ」
「……。てっきりそう言うの足が付きそうだからやめて、とか色々言われるかと思ってたんだけど」
いやいや、まさか。
「リリン生成樹にメディアさん仕込みの吸精機能を付けるのは確定していたんだ。相手が死なないなら————そうだな、数日休みを置いて何度も使える程度の量を吸うなら問題もない。程よく疲れた、目覚めたら深く眠れた、そんな程度だな」
冬木市民にはちょっと申し訳ないがな。でも、汚染聖杯の孔の出現で命を失うよりははるかにマシだろうし、我慢してもらおう。お前たちの身を守るための、正当な対価ってことでな。
「ああ、でも死なれると面倒になるから、それだけは気を付けろよ」
「へーい。コツ掴むまで昏睡者出るかもだけど、それでも良い?」
「少数なら問題ない。俺がどうにかしよう。ティーンエイジャーたちの義憤を買わないように立ち回るさ」
主に心の贅肉が多々あるツンデレヒロインに噛みつかれないように、だな。
……良い子ではあるんだがなぁ、アレでも根源を目指す魔術師には向いてないと思うんだよなぁ。でも魔法使いの弟子には成れるし、そこんとこは気にするもんじゃないか。
「ティーンエイジャー?」
「この冬木の地のセカンドオーナーの魔術師は学生でな。『遠坂凛』という少女だ」
……さて、話は変わるが。この世界は18禁版Fate/Stay nightをベースとした世界というのが俺の認識だ。どうやらその認識に偽りはないらしい。
Fateシリーズ……というか、これはエロゲ全般に対する認識というか。ラッキースケベ補正とでも言うのか。エロゲ主人公とヒロインたちがHな目に合うための、トンチキな設定の辻褄合わせで、中々ぶっ飛んだ事態になったりするものだが。18禁Fateも所々にそういったものがあるものの、聖杯戦争のシリアスな雰囲気が世界観に違和感なく溶け込んでいる。
例えば、ヒロインと行為に及ぶ主人公の為に親は家にいなかったり、甲斐甲斐しくお世話をしに来る妹系後輩がいたり、ヒロインの多様性によるもので外見上ロリな年上の外国人姉がいたり。これをFateで言い換えると、前回の聖杯戦争による大災害で家族を失いサバイバーズギルトを発症した少年になったり、主人公の養父と敵対していた魔術師に引き取られた胎盤予定の薄幸少女だったり、聖杯となって死ぬために調整を施され成長できないハーフホムンクルスになったりする。うーむ、ダークなエロゲは業が深い。
だが、その根幹は他のエロゲと違いは無い。アダルト作品であるがため、FateもCEROレーティング制度に引っかからないような工夫が必要となってくる。
例えば学園ジュブナイル、ダークなアーバンファンタジーの様相を呈している為に、自ずと現代を舞台とした物語となるのだが。登場人物が十八歳以下の高校生ではCEROに引っかかるのだ。『登場人物は全員十八歳以上です』、とならなければいけない暗黙の了解。それゆえに主人公達の通う学校は、
————だから、この事態も頭のどこかで想定はしていた。
「遠坂凛。
遠坂凛達主人公組が、高校生よりもフットワーク軽く行動できる大学生になっているということも。初めて写真見た時はぶったまげた。倫敦士郎とか凛に近いんだもの。
そもそも彼女ら、18禁版だと高校生って言われていたっけか……?いかんな、『知らないが有している記憶』がこの辺りかなり朧気だ。
……つーか、何で一人でこんなつらつらエロゲ談義をしているのだろうか、俺は?疲れてるのか?
「へー。学校ね。お、制服カワイイ。それにこれは……在籍学生の名簿って、何に使うのさ」
「いや、少しな」
知識と照らし合わせて、他に選ばれそうなマスターを事前にピックアップしているだけだが、言う必要はないだろう。しかし……。
初等部に『
それに、大学部一年生の面々もそうだ。氷室の天地とEXTRA時空も混ざっているのか?『間桐桜』はまだしも、この『
大学部二年生なんて魔境そのものだ。世界線が違えば聖杯戦争に巻き込まれるメンツだらけだよ。美綴綾子や柳洞一成とかも『氷室の天地~7人の最強偉人篇~』を考慮しておかないと足をすくわれかねん……。つーかなんでお前もいるんだよ、『
……よかった、聖杯対戦不参加のセレニケと仲良くやってるみたいだわ。頼むからアホトルフォのペロリストになるんじゃねーぞ。ビーストの相手をし続けてくれ。
「……そういうわけだ。その初等部から大学部までは、セカンドオーナーの目と鼻の先、直接的なテリトリーと言って良い。気を付けろ」
「りょーかいりょーかい」
気のない返事をしつつも、名簿と顔写真に目を走らせるバーサーカー。やっぱりクソ真面目である、この狂戦士のサーヴァント。
「……早速大量の他人を率先して
「ううん?こういうの、人間らしくて好きだよ、アテシ」
……何だ、その訳知り顔の笑みは?
「しょうがないんじゃない?必要な犠牲、食物連鎖、自然の摂理なんだーって思えば」
「……ま、開き直りというやつだがね。他人が死んだ。————で、それが?俺と何か関係が?俺の手の届かない場所にいた。だから残念、死んでくれ。助けられないから仕方がない。偶々間が悪かった。……俺のはそういう浅ましい感情だ」
ぱさり、と彼女が手に持っていた紙束が床に置かれた。
「————さて、果たしてそうですかね?マスター、貴方は……」
バーサーカーの顔に浮かぶのは、先ほどまでの少女のような天真爛漫さなどではなく、母性を感じさせる表情だった。彼女は、俺の瞳を覗き込む。
エメラルドの目が、きらきらと星のように輝いている。眩しくはない。ただ、闇夜に薄っすらと光る蛍火のように、暗がりの中で寄り添うように。とても、とても……懐かしいものを、確かに見た気がした。
「……」
「————。いえ、やめておきましょう」
「?」
————それはきっと、貴方が知るべきことなのでしょうから。
彼女ははにかみながらも寂し気に、そう言った。
今後の展開的にJDになりました。JKヒロインを期待した方々、すみませぬ。でも、ヒロインの魅力って年齢じゃねーから、多分(必死の弁明)。
穂群原学園(エスカレーター式の学校。初等部~大学部まである)
初等部
五年生
嶽間沢龍子、栗原雀花、森山那奈亀、桂美々、朔月美遊(願望機ではない……はず)
など
高等部
教師
藤村大河
大学部
二年
衛宮士郎、遠坂凛、柳洞一成、間桐慎二、氷室鐘、蒔寺楓、三枝由紀香、美綴綾子、後藤劾以、佐伯直美、森山奈菜巳、沙条綾香
など
一年
間桐桜、角隈白野(旧姓:岸波)、霧島クノン(愛称:はくのん)
など