スタッフとして働くシオンの兄蓮翔がシオンの卒業ライブに出たりする話。
それではどうぞ。
「お兄ちゃん。大切な話があるの。」
「どうした?」
この少女は紫咲シオン。
ツンデレでクソガキだが根はとてもいい子。
そんな兄である青年は紫咲蓮翔転生してこの世界で生きている。
神妙な顔つきで蓮翔に向ける。
「あのねお兄ちゃん・・・
シオンさ・・・
ホロライブを卒業しようと思うの。」
「は?」
状況が呑み込めなかった。
「ちょっと待て・・・
え?お前本気か?」
「・・・うん。」
「そうか・・・」
シオンは覚悟していた・・・
そう蓮翔は家族を愛するが故シスコンなのだ。
でもシオンも兄を愛するブラコンだ。
きっと暴走してしまうと思っていた。
だが・・・
「シオン。」
「何?」
「兄ちゃんはお前が決めたことにとやかく言うつもりはないが、
お前が本当に卒業するなら兄ちゃんは最後までサポートしてやる。
後悔はないんだな?」
「うん。ないよ。」
「そうか。わかった。
卒業まで悔いのないように過ごせよ。」ナデナデ
「うん・・・」
そう言って撫でてから部屋を出た。
その日にライブ配信で告知して次の日にはホロメン達に知れ渡った。
〈事務所・屋上〉
「はぁ・・・」
「浮かない顔だね。」
「何だよアズキ・・・」
この女性はAZKi。
蓮翔の親友でよく一緒にいる。
「シオンちゃんのこと?」
「祝福するべきか、引き留めるべきか・・・
でもサポートするって言ったしな・・・」
「蓮翔くんのしたいことしたら?
一緒に配信とか歌うとか・・・」
「なるほどな・・・」
「手紙とか書いてあげたら?」
「卒業ライブに乗り込むとか?」
「それはさすがに・・・」
すると、
『お兄ちゃん!電話だよ!お兄ちゃん!電話だよ!(シオンの声)』
「うん?社長?
はいもしもし蓮翔です。」
(相変わらず狂った着信音だな・・・)
「わかりました。今からそちらにお伺いします。
それでは後ほど。失礼します。
呼び出された。行こうぜ。」
「うん。」
〈社長室〉
「「失礼します。」」
「蓮翔くん。AZKiさん。お疲れ様です。」
「どうしたんですか?
急に呼び出して・・・」
「実はですね・・・
シオンさんからお願いされて蓮翔さんに卒業ライブに出演してほしいとのことです。」
「マジっすか?」
「マジです。」
「出ます!」
「シオンさんにお伝え「自分で伝えます。」そうですか・・・」
「あの曲を歌いますか。」
「え?」
「あの曲とは・・・」
「それはお楽しみに・・・」
そう言って社長室を出た。
シオンside
〈レッスンルーム〉
「ふぅ・・・」
私は紫咲シオン。お兄ちゃんである紫咲蓮翔の妹。
皆からはクソガキとかメスガキとか言われてる。
まぁそんなことはどうでもいい。
私はこのホロライブを卒業する・・・
悔いがないようにたくさんの思い出を作っている。
ただ一つだけ心残りがある。
それはお兄ちゃんのこと。
私はお兄ちゃんのことが好き。異性として・・・
「はぁ・・・お兄ちゃん・・・」
私はホロメンの皆との思い出をたくさん作ってきたけど、
お兄ちゃんとの思い出はそんなに作れてない・・・足りない・・・
「お兄ちゃんと出かけたいな・・・」
すると、
「シオ~ン!いるか~?」
「うひゃあぁぁぁぁぁぁ!」
「どうした?」
「ね゛え゛ぇぇえええ!びっくりするじゃん!」
「お、おう・・・」
「それで?何の用?」
「お前の卒業ライブに出てって言われたから出ようと思ってな。」
「いいの!?」
「だからな。あの曲にしようと思ってな。」
「は?」ヒソヒソ
耳元で話すと、
「それ歌お!二人で!」
「おう!」
数日後・・・
「お兄ちゃん・・・」
「どうした?」
「二人で出かけたい・・・」
「いいけどどこに・・・」
「どこでもいいから・・・」
「どこでもって・・・「お願い・・・」!?」
「お兄ちゃんと一緒に出掛けたいの・・・」
「わかった。じゃあ行こうか。」
「え?」
「準備して来な。」
「う、うん・・・」
数分後・・・
「ほら行くぞ。」
「う、うん・・・」
しばらく歩いて、
「ここって・・・」
「俺とAZKi、お前がよく遊んでたとこだ。上を見てみ。」
そこには満点の星空が広がっていた。
「わぁ・・・」
「こっからの星空が綺麗なんだよ。
・・・なぁシオン。」
「何?」
「お前は本当にホロライブを出るのか?」
「うん。」
「そっか・・・お前はたくさんの仲間に出会ったな・・・」
「え?」
「あくあにスバル、ちょこ姉にあやめ、お前の事好いてくれたクロエ、おかゆとかAZKiに他のホロメン達に・・・
シオン・・・兄ちゃんは嬉しいんだ。
お前が自分の信じる道に進んでくれることが・・・
ずっと俺の後ろに着いて来てたお前が、
よくピーピー泣いてたお前が・・・
兄ちゃんは嬉しくて泣いちまうよ。」
(キモ・・・)
「シオン・・・」ポス
頭に手を乗せて、
「頑張れよ。」
「うん・・・」
「よし!今日は奮発してすきやきだ!」
「すきやき!やった!」
「うっしゃあ!帰ってさっそく作るぞ!」
「わ~い!」
そしてついに卒業ライブの日になった。
蓮翔はずっと控室で見ていた。
シオンの姿を・・・
二期生達と歌う姿、AZKi達と歌う姿・・・
クロエにセクハラされる姿・・・
「あの腐ったシャチがァァァァァァ!
うちのシオンにセクハラたぁよっぽど死にてぇのか!
お望み通り消し炭にしてやろうか!?あぁん?」
「やめなって言ってるでしょ!」
「うるせぇ!あの野郎許さねぇ!」
・・・AZKiに止められていた。
歌っているところを見ていると、
「歌うめぇの腹立つ・・・」
「理不尽すぎるよ・・・」
しばらくして、
「そろそろかね・・・」
すると光に包まれて、
「・・・え!?」
「あ!お兄ちゃん!」
「シオン!?
お前!俺をここに転送したのか!?」
「そうだよ?」
「いきなりすぎてびっくりした・・・」
「ほら早く!」グイグイ
「わかったわかったから!」
『迷宮ラブソング』:蓮翔×シオン
蓮翔「生まれる前から知っていたような・・・
安らぐ君と不意に出逢った♪」
シオン「性格も趣味もまるで違っていたけど
不器用なくらい素直な君眩しかった♪」
蓮翔「もしも白か黒か決めた扉開く日が来ても♪」
シオン「曇りもない思いがもう鍵をその手に握らせてるよ♪」
「「たとえば誰かが君を惑わせ迷宮に迷い込んでも
僕がきっとその手を強く引くよ♪」
カメラに向けて手を差し伸べて引いた。
「「未来に続くパズルをひとつづつ合わせてゆく♪」」
二人の指先を合わせて上に指す。
「「誰よりずっと輝く君を僕は知ってるから♪
青く光る無数のピース・・・君を描いていく♪」」
すると蓮翔が前に出て振り向き、
蓮翔「生まれる前から知っていたような♪」
シオンの元にゆっくり歩いて行った。
シオン「Aiways with you
「たとえば誰かが君を惑わせ迷宮に迷い込んでも
僕がきっとその手を強く引くよ♪」」
蓮翔はシオンの手を強く引いて抱きしめた。
「「未来に続くパズルをひとつづつ合わせてゆく
誰よりずっと輝く君を僕は知ってるから♪」」
「お兄ちゃん・・・」
「ごめんて・・・」
「もう!強くしすぎ!」
「まぁまぁ落ち着けって・・・」
「もう・・・」ゴソゴソ
「うん?」
シオンはポケットから手紙を取り出した。
「手紙?」
「聞いてくれる?」
「あぁ。」
「お兄ちゃんへ
ホロライブに入る前からお兄ちゃんはいつもシオンを支えてくれていました。
でもいつの間にかお兄ちゃんはホロライブに入っており、シオンは追いかける形で入りました。
気が付けばお兄ちゃんの周りにはたくさんの人がいました。
胸がでかいちょこ先とか幼馴染のあずきちとかそりゃあもう色んな女子とイチャイチャしてましたね!」
「してないしてない。」
「でもそのせいかシオンはお兄ちゃんのことが好きでしょうがなかったことに気が付きました。
もしシオンのこと見てくれなくなったらどうしようって思ったこともありました。
でもお兄ちゃんはそんなシオンのこと可愛がり、時には怒って、時には一緒にバカをして一緒に笑っていました。
あくあやスバル、あやめにちょこ先に出会えたこと、ホロライブのたくさんの仲間達と出会えたこと、どこにいてもシオンを見捨てないでいてくれたこと。
お兄ちゃん。ありがとう。愛してくれて、面倒見てくれて、たくさんの思い出作ってくれてありがとう。
小さい頃からずっとシオンを可愛がり、バカやっても笑って許してくれてありがとう・・・
大好きだよ!お兄ちゃん!シオンより・・・」ポロポロ
「・・・」
「ひっぐ・・・えっぐ・・・」
「シオン。」ギュッ
「!」
「俺の方こそありがとう。
小さい頃からお兄ちゃんお兄ちゃんって着いて来て一緒に遊んだり、
好きでいてくれて・・・
ったく・・・こんな愛おしくて、可愛い妹に愛されるなんて・・・
俺も幸せ者だな!」ポロポロ
「~!お兄ちゃん!」
「?」
「何度死んだって!何度離れ離れになってもシオンはお兄ちゃんの妹なんだから!
何度でもお兄ちゃんの妹になるんだから!」
「おう!何度でもお前のお兄ちゃんになってやるよ・・・」
二人はステージ上であることも生配信中であることも忘れて抱き合うのだった・・・
「蓮翔くん・・・」
「AZKi・・・シオンが・・・シオンがぁ・・・」ポロポロ
「ほらもう・・・泣かないの・・・」ギュッ
「シオン・・・シオン・・・」ポロポロ
〈自宅〉
「お兄ちゃんただいま・・・」
「おう・・・」
「ねぇお兄ちゃん・・・」
「何だ?」
「一緒に寝よ。」
「いいけど・・・いいのか?」
「うん・・・最後にお兄ちゃんと一緒に寝たいの。」
「・・・そっか。
妹の最後の頼みだからな。
準備できたら俺の部屋に来いよ。」
「うんわかった。」
数分後・・・
「お兄ちゃん・・・」
「ほら。」
布団をめくると中に入ってきた。
「お兄ちゃん・・・」
「何だよ?」
「大好き。誰よりも・・・あずきちよりも・・・
一番お兄ちゃんの傍にいたのはシオンだもん。
だからさお兄ちゃん・・・
シオンと一緒に行こうよ・・・」
「シオン・・・
ごめん。兄ちゃんはな・・・ホロライブに残るよ。
お前の思いは痛いほどよくわかる。
それでも兄ちゃんはホロライブに残り続けるんだ。
お前のことも大切だけどホロメンの皆のことも大切なんだ。
だから帰りたくなったらいつでも帰ってこい。
いつでも迎え入れるし、戻りたくなったら戻ってこい。
兄ちゃんはお前が帰ってくる日を待っているからな。」
「お兄ちゃん・・・」ギュッ
「シオン・・・」ギュッ
「「大好き。」」
〈次の日〉
「本当に行くんだな?」
「うん。」
「そっか頑張れよ。」ギュッナデナデ
「うん・・・ねぇお兄ちゃん。」ギュッ
「シオン。」
「「ずっと笑顔でいられますように・・・」」
「フフフ♪」
「へへへ♪」
「じゃあお兄ちゃん!またいつか!」
「おう。またいつか!」
そう言って空高く飛び出して行った。
「いつの間にか立派な背中になりやがって・・・」
家に入ってシオンの部屋に向かい、
「いつでも帰って来てもいいようにこのままにしておくか。あん?」
なんとシオンは帽子を忘れて行ったのだ。
「ったく・・・」
携帯を取り出してシオンにメールを送る。
『帽子忘れてるぞ。』
すると、
『形見だと思って置いといて!』
「死んだわけじゃないってのに・・・」
床に座り込んで、
「はぁ・・・
いっちょ前にあんなこと言うなんて・・・」ポロポロ
シオンの部屋に蓮翔の泣き声が響いた。
〈事務所〉
あれから一週間が経った。
「はぁ・・・」
「またため息ついて・・・」
「どこかすっぽりと穴が開いた感覚がする・・・」
「そっか・・・」
「大丈夫っすか先輩?」
「余も心配だぞ!」
「シオン様のことかしら?」
「うん・・・
今までの当たり前がなくなって、
慣れようにも慣れない・・・
一個我儘言えるなら少しでもいいから会いたい・・・」
「そっか・・・」
すると、
「忘れ物したー!」
窓を破ってシオンが入ってきた。
「「「「「シオン(様)((ちゃん))!?」」」」」
「忘れ物ってなんだよ?」
「うん・・・あ!その前に部屋の物捨ててないよね?」
「そのままにして残してあるから安心しろ。」
「よかった~・・・
それじゃあお兄ちゃん!動かないで!」
「は?」
「いいから!」
すると飛びついて、
チュッ
「!?///」
「「「「!?///」」」」
「えへへ♪」
「え?は!?」
「シオン!?お前何やってんだ!」
「口にキスはさすがにズルい余!」
「あらあら~♪」
「それじゃお兄ちゃん!いつか帰るからね~!」
そう言って飛び出して行った。
「蓮翔くん?」ゴゴゴゴゴ
「・・・」
「蓮翔くん?」
顔を覗き込むと、
「はぁ・・・どこで覚えたんだよ・・・
こんなこと・・・あんのバカガキがよ・・・」ポロポロ
「・・・もう!泣かないの!ほら・・・」ポロポロ
「シオン・・・」ポロポロ
「しちゃったな・・・///」
事務所に振り向いて、
「またいつか!」
その日の空は一人の魔法使いの笑顔が輝いていたという。
「・・・~ちゃん・・・にいちゃん・・・お兄ちゃん!」
「んあ?」
「もう朝だよ!朝ご飯食べよ!」
「・・・おう。」
「お兄ちゃんが遅いとかめずらしいんですけど。」
「何か長い夢を見てた気がする。」
「どんな夢?」
「お前が卒業する夢。」
「・・・はぁ!?シオンも見たんですけど!?」
「は!?」
朝ご飯を準備して、
「・・・シオン。」
「何?」
「ホロライブ・・・辞めるのか?」
「辞めるわけないじゃん。
お兄ちゃんがいるならシオンもずっといるよ。」
「そっか。というか兄妹揃って同じ夢を見るなんてな。」
「シオン達そっくりなんだね・・・」
「フフフ♪」
「へへへ♪」
「「あ~もう!最高かよ!」」
最強最高の兄妹の絆が深まる日となった。
SHION聴きながら書いてたら泣きかけたわ。
もう卒業してほしくねぇよ・・・
シオンの卒業するってなった時結構衝撃を受けたんだよね・・・
お願いだからホロライブからもう卒業しないで・・・
お願いだから・・・
シオンに笑顔の絶えない毎日があることを祈ります・・・