雷光、呪の渦中へ   作:ぴーまんねこ

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第一章 異界より来た白銀の少年

青空の下、静かな商店街をひとり歩いていたキルア=ゾルディックは、手にした紙袋を軽く揺らしながら足を進めていた。

 

「ゴンのやつ、やっぱ甘いもん好きすぎだろ……。」

 

軽く笑ってつぶやいたそのときだった。

 

――バチンッ!

 

光が弾けたような音とともに、視界が白一色に染まる。

 

「……っ!?」

 

まばゆい閃光に意識を奪われたのも一瞬。次に目を開けたとき、そこは見知らぬ風景だった。夕方のような空の色。コンクリートの建物が並ぶ見慣れない街並み。

 

「どこだ、ここ……?」

 

眉をひそめたキルアは、無意識に周囲の気配を探る。奇妙なことに、念の気配も何も感じられない。だが、全身を包む空気に何か異質なものが混じっている。

 

そのとき、前方から人の気配。三人の学生服姿の少年少女が歩いてくる。

 

「ねえ、あれ……子供じゃない?」

 

最初に声をかけてきたのは、気の強そうな茶髪の少女――釘崎野薔薇だった。

 

「おーい、大丈夫か?」

 

隣のピンク髪の少年――虎杖悠仁が、少し駆け足で近づいてくる。

 

「……あ?」

 

キルアは少し警戒しながらも、敵意のない様子にわずかに肩の力を抜いた。

 

「目、覚めたらここにいたんだ。……わけわかんねー光に包まれて。」

 

「……はあ? 何それ。」

 

釘崎が眉をひそめる。

 

「まあまあ、見た感じケガもしてないし……」

 

虎杖がやや困ったように笑う。後方で腕を組んでいた伏黒恵が一歩前に出た。

 

「放っといていいだろ。こっちにも事情がある。」

 

「アンタねぇ、こんな子供ほっとけるわけないでしょ。」

 

釘崎が詰め寄る。

 

「……交番、近くにあったよな。連れてこうぜ。」

 

虎杖の言葉にうなずきかけたそのとき――空気が変わった。

 

「……ん?」

 

突如、近くのビルの陰から、黒い瘴気をまとった異形の存在が姿を現す。骨のような顔面、ねじれた腕、口から涎のようなものを垂らした異形。

 

「呪霊だ!」

 

伏黒が即座に判断し、式神の構えに入る。

 

「なにあれ。」

 

キルアがぽつりとつぶやいたその言葉に、三人の動きが止まる。

 

「……アンタ、あれ見えてんの?」

 

釘崎が目を丸くする。

 

「呪霊が……見えるのか? こいつ。」

 

伏黒が警戒心を強める。

 

「下がってろ! 危ないぞ!」

 

虎杖がキルアの前に立とうとした、その瞬間だった。

 

「……あ?」

 

視界からキルアの姿が消える。

 

「――なっ!?」

 

呪霊の背後に立つ白髪の少年。手には、呪霊の首が掴まれていた。

 

「なんだ。触れるなら余裕じゃん。」

 

そのまま、キルアは軽々と呪霊の首を握りつぶした。

 

バギィッという音とともに、呪霊の体が崩れ落ちる。

 

「……嘘だろ……。」

 

虎杖が呆然とつぶやく。

 

「何者……?」

 

釘崎がじり、と後ずさる。

 

「呪術師でもない、術式もない……なのに呪霊を?」

 

伏黒の眉間に深い皺が寄る。

 

白髪の少年は、首を振り、手に付いた血を軽く払った。

 

「で、これ……なんなんだ?」

 

その無邪気とも取れる問いかけに、三人は確信する。

 

――この少年、ただ者ではない。

 

呪術高専一年ズと、異界から来た暗殺者の少年。

 

奇妙な物語が、ここから始まる。

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