雷光、呪の渦中へ   作:ぴーまんねこ

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第二章 導きの手

呪霊の残骸が地面に崩れ落ち、夕暮れの街に沈黙が戻る。

 

呆然とする虎杖と釘崎。その視線の先には、あまりにもあっさりと呪霊を倒した白髪の少年――キルア。

 

「マジで……何者よ、コイツ……」

 

釘崎が眉をひそめ、呟く。彼女にしては珍しく声に力がない。

 

「術師じゃなさそうなのに、呪霊を素手で……しかも瞬間移動みたいな……」

 

虎杖も額に汗を浮かべながら、慎重にキルアを観察する。

 

「……」

 

伏黒は黙ったまま、一歩前に出る。

 

「……お前、名前は?」

 

キルアは伏黒の問いに肩をすくめるように笑った。

 

「キルア。キルア=ゾルディック。」

 

「その名字……日本のもんじゃないな。」

 

伏黒がすぐに反応する。

 

「そりゃそうだろ。俺、日本人じゃないし。てか、ここ日本なの?」

 

「ま、まあそうだね。ここは日本の東京。」

 

虎杖が少し困ったように答える。

 

「お前、さっき“光に包まれて”って言ってたよな?」

 

伏黒が眉をひそめて問う。

 

「うん。買い物してたらいきなり。」

 

「……はぁー……やっかいなパターンね。」

 

釘崎が手を腰に当て、天を仰ぐ。

 

「でも、あんな呪霊一瞬でやるなんて……それに“見えてる”時点でただの一般人じゃないでしょ。」

 

「放っておくには危険すぎる。」

 

伏黒が決断を下すように言った。

 

「なに? 俺、なんか悪いことした?」

 

「いや、そういう意味じゃないって。」

 

虎杖が笑って手を振る。

 

「とにかく……高専に連れていこう。五条先生に見てもらった方が早い。」

 

「賛成。」

 

「異議なし。」

 

三人が同時にうなずく。

 

キルアは目を細めて三人を見回した。

 

「……高専って何?」

 

「まあ、行けばわかるわよ。」

 

釘崎がそう言って歩き出す。

 

「……」

 

キルアは一瞬迷う素振りを見せたが、すぐに三人の後を追った。

 

 

---

 

〜呪術高専・東京校〜

 

校門をくぐり、キルアは少し眉を上げた。

 

「でっか……なんか寺みたいだな。」

 

「まあ、もとはそういう場所だからな。」

 

伏黒が淡々と答える。

 

「ただいま〜、お客さん連れてきました〜!」

 

虎杖が大きな声で本棟へ入っていく。

 

すると、奥の廊下からゆるく手を振る男が歩いてきた。

 

白い髪、黒い目隠し――その姿に、キルアは無意識に警戒の色を浮かべる。

 

「おかえり、悠仁たち。……で、そこの子が今日のサプライズ?」

 

「名前はキルア=ゾルディック。本人いわく、突然光に包まれてここに来たらしいです。」

 

伏黒が簡潔に説明する。

 

「しかも呪霊を素手で瞬殺してました。」

 

釘崎が付け加えると、五条は「ほぉ〜」と興味深そうに唸る。

 

「へぇ……いいねえ。かっこいい転校生ってとこかな?」

 

「転校……?」

 

キルアが首をかしげる。

 

「僕は五条悟。ここの先生。君、なかなか面白そうだね?」

 

「アンタ……強いの?」

 

その問いに、五条はにやりと笑う。

 

「うん。最強。」

 

キルアは少し目を細め、口元にかすかな笑みを浮かべた。

 

「ふーん……だったら、面白そうだね。」

 

「ね? そう思うでしょ〜? じゃ、とりあえず今日から泊まっていってよ。元の世界に戻る為の協力もするからさ。」

 

「……いいけど、警戒はするよ。」

 

「うんうん、そりゃ当然だ。」

 

そうして、異界から来た白銀の少年は、呪術師たちの学び舎に足を踏み入れた。

 

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