雷光、呪の渦中へ   作:ぴーまんねこ

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第二十一章 測定

東京校・訓練場――

 

朝の陽光が差し込む広々とした訓練フィールドに、八人の生徒が集まっていた。

 

「え〜、というわけでぇ、今日は模擬戦をやりまーす!」

 

五条が手をパンと打ち鳴らす。彼の後ろには、キルア、伏黒、釘崎、虎杖、狗巻、三輪、パンダ、そして真希。各々が軽く体を動かしながら、視線を交わしていた。

 

「実力測定ってのが一番の目的だけど、みんなの訓練にもなるし、一石二鳥だね。」

 

「で、誰と誰がやるんだ?」

虎杖がその場にしゃがみ込んだまま、軽く顎を上げて問う。

 

「まずは――三輪と悠仁の一対一かな」

 

「えっ!?」

三輪の声が裏返る。驚きと緊張が一気に押し寄せた表情。

 

「おっし!よろしくな!」

虎杖が勢いよく立ち上がり、にっこりと手を差し出す。

 

「悠仁の等級も三輪とあまり変わらない。お互いの成長になると思うよ」

五条が口元に笑みを浮かべる。

 

「よ、よろしくお願いします!」

三輪は深々と頭を下げ、気持ちを整えるように深呼吸した。

 

---

 

訓練場・中央――

 

「では――始め!」

 

五条の合図と同時に、二人は間合いを詰めた。

 

まず仕掛けたのは三輪。鋭い踏み込みから放たれる斬撃の構え――

その動きに、一切の迷いはない。

 

「シン・陰流――簡易領域 "抜刀"!」

 

瞬間、空間がわずかに歪む。領域内に入った虎杖を、必中の一太刀が襲う――が、

 

「おっと、危ねぇ!」

 

虎杖が寸前で身を翻し、紙一重で斬撃を回避した。わずかに頬が裂け、血が滲む。

 

「やっぱスゲーな、あれ」

 

感嘆を漏らしつつも、虎杖は怯まない。真正面から距離を詰め、一撃一撃が重い拳を打ち込む。三輪はなんとか防御に回るが、虎杖の連打は容赦がない。

 

――ガッ!

 

虎杖のローキックが三輪のバランスを崩し、その隙を逃さず体ごとぶつかるように渾身の右ストレート。

 

「くっ…!」

 

まともに食らい、三輪は地面に膝をついた。

 

「ストップストップ、はい終了ー!」

 

五条の声が響くと同時に、虎杖がすぐに駆け寄る。

 

「三輪さん、いい動きだったよ!」

 

手を差し出す虎杖に、三輪は少し息を乱しながらも、微笑んでその手を取る。

 

「はい…でも、やっぱり虎杖君、強いですね。」

 

「三輪さんも、もっと強くなれると思うよ!」

 

まっすぐな眼差しで言い切る虎杖に、三輪は小さく頷いた。

 

---

 

「じゃ、次はパンダとキルアの一対一!」

 

五条の声が再び響いた。

 

「え。特級の相手俺かよ…」

パンダが大きく肩を落とす。

 

「手加減するし、大丈夫だよ。」

キルアがニッと笑い、肩を回しながら前に出る。

 

「初め!」

 

開始の合図と同時に、パンダが大きく踏み込んで突進する。巨体から放たれる一撃は、地面を揺らすほどの威力。しかし――

 

「遅い」

キルアの姿が、スッと掻き消える。

 

次の瞬間、背後から放たれた蹴りがパンダの背に命中。

「おっとっと、速っ…!」

 

体勢を立て直したパンダが正拳を振るう。だがキルアはヒュッと上体をひねって避け、ポケットから銀のヨーヨーを取り出す。

 

「じゃ、これで終わり。」

 

ヨーヨーが風を裂き、鋼線の唸りとともにパンダの足元を狙う。

足を絡め取られたパンダの動きが止まった瞬間、キルアが跳躍し、そのまま空中からヨーヨーを振り下ろす。

 

――バァン!!

 

鋭く叩きつけられた衝撃で、パンダが大きく後方に弾かれ、地面に倒れ込んだ。

 

「そこまで!」

 

五条の制止で試合は終了。

 

(やっぱり……すごい。)

あの日、助けられた感覚が甦る。

 

けれど、それだけじゃない。

今の自分にはまだ、届かない“背中”――

 

(でも、追いつきたいって……初めて思った。)

 

拳を胸元でぎゅっと握る。

その想いが、ただの“憧れ”じゃないことを、三輪はもう分かっていた。

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