元中卒の引きこもりゴミカス糞ニート、アカデミアに入学出来るので学校行きます。〜ニート転生とか言っといて欲しい〜   作:SOD

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 (補足)動けなくなった生徒は、時間経過で補充されるDPで普通にまた動けるようになります。






待っているものを確かめに行こう!!

 

 

 天上院吹雪とのデュエルに敗北した荒川蛮里は、バーチャルアカデミアで過ごす一か月間。荒れに荒れていた。

 

 「くっ、オレのターン、伝説の剣豪MASAKIを召喚!」

 「ボクのターン、異国の剣士を召喚!」

 「私のターン、シーザリオンを召喚!」

 

 三人のデュエリストがそれぞれモンスターを召喚する。対戦相手はただ一人。荒川蛮里だ。

 彼は吹雪とのデュエルに敗北して以降、手当たり次第にデュエルを吹っかけている。それも、三対一の変則デュエルだ。

 一対一では何の手ごたえも無かった。対戦相手として空気抵抗以下。そう感じた蛮里は、二対一で掛かってこいと挑発した。空気抵抗以下だった手ごたえが消えた。三対一にしてみた。すると……。

 

 「速攻魔法発動『封魔の矢』」

 

 「ああっ!? オレの伏せた万能地雷グレイモヤが!!」

 「ボクの魔法の筒が!」

 「私の炸裂装甲!」 

 

 

 荒川蛮里 LP4000

 

 「行け、究極恐獣」

 

 究極恐獣(+巨大化) ATK6000

 

 まるで、何者かが筋書を書いたかのように蛮里にとって効率の良い方向に沿ってデュエルが進行した。 

 デュエルが荒川蛮里を初めから勝者として選んでいるかのように。さながらそれは『一本道の迷路』だ。

 

 『ガアアアアアアアアアアアアアアアーーーー!!!!!』

 

 「「「ぎゃあああああああああああーーー!!!!!!」」」

 

 「…………オレ様の勝ちだ」

 

 「う、うう……どうなってるんだ。何で三対一で手も足も出ないんだよ」

 「くそっ、こんなのおかしいじゃんかよ……イカサマでもしてないとおかしいじゃんか」

 「バカ……海馬コーポレーションの作ったシステムにイカサマ介入なんて出来るわけないでしょ」

 「それは、そう……ぐはっ」

 

 

 「……オレ様の勝ち……勝った。勝ち続けた。だと言うのに。

 このむなしさは何だ!!」

 

 

 

 「どうなってんだよアイツ? マジで一か月ずっと三対一やってねえか?」

 「異常だろ。負けどころかライフすら削られてねえぞ……」

 「何であんなやつが無名なんだ?」

 「いや、オレ知ってるぞアイツ。悪名では有名だったし」

 「悪名? やっぱなんかズルしてんのか?」

 「いや、ただただ滅茶苦茶性格が悪いガキ大将。デュエルでマチ一つの小学生を殆ど子分にしてたんだよ。

 なんかゴブリン突撃部隊が守備表示になるのをカードの効果で攻撃表示にするのはズルいとか、訳の分からんこと言ってたやついたな」

 「何そのガイ児。オツム悪いの?」

 「いや、デュエルをお遊びでやってるやつは大体そんな感じだぞ」

 「それは辛いな。オレの地元、デュエルキングや海馬瀬人に憧れてデュエルしている奴多かったからなぁ。

 バトルシティの棋譜とか研究したりしてるぜ?」

 「そうそう。流石に時代の変化でカードも違って来てるからデッキは別物だけどな」

 「うん。何の考えも無しにブラック・マジシャン入れたりしねえよな。そもそも持ってねえけど」

 「小学生の内からそこまでやってのも引くけど……ガイジよりマシかぁ」

 

 

 「…………べちゃくちゃべちゃくちゃ何くっちゃべってんのかと思えば。そんなにご丁寧にお勉強してるんなら、掛かってきたらどうだ……オイ?」

 

 ギャラリーの一部に目を付けてガンを飛ばす蛮里。その振る舞いはまさに蛮族そのものだ。

 

 「う……や、止めとくわ。

 ちょっと今は逆立ちしても勝てそうにないし」

 「うん。勉強してるからこそ寧ろ勝てないってわかるし」

 「せめてデッキのレベルくらい上げてからにしたいよな」

 「こっちもさ、オタクと同じレベル4モンスターでビートするデッキだけど、ちょっと悪い意味で格が違うわ」

 「そうそう。カラテマンやメカ・ハンターじゃ、ゴブ凸には太刀打ち出来ねえよ」

 「それで実力が下ならまだしも。使いこなしてんだもんよお」

 「まあ、いつかもうちょっとオレらがマシになったらやろうぜ?」

 

 

 「チッ……おい!! 

 

 誰かオレ様とやろうってやつはいねえのかァ!!!!」

 

 

 

 「あぶねえあぶねえ。流石に今勝てるわけねえもんな」

 「ってか、断ったら普通にどっか行くんだな。ミニマム意外です」

 「なんで他のヤツら、勝てない勝負に挑むんだ? 三対一でもあんなデッキで勝てるわけないくね??」

 「それな。伝説の剣(木の棒)で伝説の剣(ガチ真剣)に勝てるわけないじゃんな」

 「他に名前が無いから同じ『デッキ』って呼び方してるだけで、荒川含め、あそこら辺の奴らの持ってるやつはもう同じ『デッキ』って呼び方してるの申し訳なくなるもんなあ」

 

 モブたちが、別のデュエルへ目を向ける。そこでは……。

 

 

 

 「オレのターン。『パワーボンド』を発動! サイバー・エンド・ドラゴンを融合召喚!!

 

 エターナル・エヴォリューション・バースト!!!!」

 

 

 「僕のターン。『真紅眼の黒竜』を生贄に捧げ、『真紅眼の闇竜』を特殊召喚!!

 

 ダークネス・ギガ・フレイム!!!!」

 

 

 デュエルにケリがついては即デッキをシャッフルして次のデュエルに移るを誇張なく100回繰り返している丸藤亮と天上院吹雪の姿があった。

 

 

 「良いぞ、良い感じだ。吹雪!

 オレの『サイバー・エンド・ドラゴン』と戦えるデュエリストが、蛮里以外にも居てくれた。最高の気分だ!!」

 

 「ああ、僕もだよ。亮。

 ここまで遠慮なく黒炎弾を撃ちこんで『真紅眼の闇竜』で攻撃するコンボを繰り出せる相手がいてくれた。荒川と違って、キミのことは素直にライバルとして尊敬出来る! 最高の気持ちさ!!」

 

 「「--デュエル!!!!」」

 

 

 「荒川に、丸藤に、天上院かあ……」

 「デュエルアカデミアに無事合格出来たら、あの三人と競い合うことになるかもしれないんだよなあ」

 「オレ達、好き好んで茨の道を進むんだな。バカなのかな?」

 「何言ってんだよ。どの道プロを目指すなら、向かう先はチャンピオンだぞ? 今のあいつらより強い敵を目指すんだぞ?」

 「……ああ、そうだな! アイツらより強いチャンピオンを目指すんだ。なのにアイツらにビビッて尻尾巻くわけにいかねえな!」

 「「「おう!!」」」  

 

 

 

 

 

 

 

 それからしばらくの時間が経過して、アナウンスが鳴った。

 

 〘仮想デュエルアカデミアでお過ごしの皆様へお知らせします。間もなく、体験会終了の時間となります

 

 「あれ? もうそんな時間か?」

 「一か月かあ、早かったなあ」

 「オレ、絶対デュエルアカデミアに行きたくなったぜ!」

 「オレもだ! 母ちゃん説得しないとなぁ」

 

 〘ここで、体験会に参加したデュエリストの中で、特に優秀な戦績を残したデュエリストを発表いたします。

 ここで名前を呼ばれたデュエリストの方々には、体験会終了後に海馬ランド受付前に集合してくださいますようお願い申し上げます

 

 「お、おいこれってまさか!」

 「もしかして『在る』のか!? 推薦入学!」

 

 「やっぱりそうよね! あの海馬コーポレーションが、ただの体験会だけで終わるわけないわ!」

 「私! わたしも名前あるかな!?」

 

 

 アナウンスの案内に興奮した面持ちの少年少女たち。デュエリストの卵である小学生たちが、自分が呼ばれるかどうかウキウキとしながら発表を待っている。 

 

 

 〘それでは、発表いたします。

 

 仮想現実世界、海馬ランド支部で該当するデュエリストは三名です

 

 

 「あ……」

 

 アナウンスが人数を発表した瞬間。誰かが察したようにポツリと漏らした。

 

 それは、()()()()()()()()()()()()()()()()()という、確かな予感だった。

 

 三名。この中で三名。

 そんなの、誰が選ばれたかなんて、もう決まっている。

 

 

 〘該当者1.天上院吹雪。最終獲得DP10万40ポイント。キルスコア、304人です

 

 「へえ、リザルトまで発表されるのかい? そうと知っていたら、もう少し拘ってみたのにね」

 

 一人目、天上院吹雪。選ばれた本人は選ばれた喜びよりも、どうせならリザルトをもっと良くしたかったという男の子らしい負けん気が現れた。

 

 〘該当者2.丸藤亮。最終獲得DP10万45ポイント。キルスコア、403人です

 

 「吹雪との差は5ポイントか。勝っては負けて負けては勝って。実に充実した時間だった。フフフ……」

 

 二人目。丸藤亮。ライバルに僅かにポイントで勝った喜びの一瞬のこと。さっきまで没頭していたデュエルに思いを馳せるだけ。

 

 

 そして、最後の一人が発表される。

 

 「最後の一人かあ、オレってか?www」

 「(ヾノ・∀・`)ナイナイ」

 「(´・ω・`)ショボーン」

 「「「www」」」

 

 

 〘該当者3.荒川蛮里

 

 「知ってた」

 「はいはい、荒川荒川」

 「ですよねー」

 

 何の面白みのない、わかりきった結果発表。悲しい気持ちを抑えつつおちゃらける一部の少年たち。しかし、握りこんだ拳だけは、その悔しさを決して忘れはしないと誓う。

 

 だが、その気持ちは次の瞬間僅かに引っ込んだ。

 

 〘最終獲得DP1億3万5640ポイント--

 

 「ゑ?」

 「は?」

 「はい……??」

 

 「「「一億ウウウウウウーーー!?!?!?!?」」」 

 

 

 「おい何だ運営そのふざけた数字は!?」

 「ゼロが三つほど多いんじゃねえのかオオン!?」

 「壊れてんじゃねえのか1ビット野郎!!」

 

 〘--何だクソガキやんのかコラ……ゴホン。

 

 キルスコア、4375人です

 

 

 「ま、丸藤亮の十倍……!?」 

 「そりゃあ単純計算で3倍キル取ってたからなあ」

 「と言うか、上位二名がお互いのことしか視界に入らなかった結果、雑魚狩りに終始していた荒川が運営が用意したポイント総取りすることになったんじゃね?」

 「あと、丸天組のデュエルと比較しても単純にデュエルが終わるスピードが速かった」

 「後攻ワンターンスリーキルだもんな……」

 「じゃあ、ポイントの桁がおかしいのって……」

 「三対一のボーナス、ワンキルボーナス。大ダメージボーナスその他の相乗と思われる」

 「ほなしゃーないか」

 「アナウンスちゃんごめんな」

 

 

 

 

 「凄い記録を残したものだな蛮里。このデータはそうそう越されないんじゃないか?」

 「そうだね。癪だけど、海馬コーポレーションの歴史に名を刻むことになるだろう」

 

 勝者の健闘を称えようと、亮と吹雪が蛮里に声を掛けた。

 だが、肝心の勝者は……。

 

 「………………ああ、そうだな。

 お前ら二人がイチャ付いてる間に横からかっさらったおこぼれの記録だ」

 

 「おこぼれ? 何を言ってるんだ蛮里。アレは間違いなくお前のデュエルで手に入れたお前の記録じゃないか」

 「同感だね。紛れもなく、あれは荒川の力で刻んだ記録だ。

 もちろん、実際にデュエルすれば僕の方が強いけどね」

 「一番強いのはオレだがな」

 

 愉しそうに自分が一番強いんだと自信を持って言い合う少年たち。そこに相手を貶す意図は微塵もない。あるのは、デュエリストとしての矜持と誇り。そして、自分とデッキ、何より戦友と競い腕を磨いて来たのだという、友へのリスペクトだ。

 

 だが、蛮里にはそれが分からない。

 

 「…………」

 (オレは負けた。『丸藤亮』に、そして『天上院吹雪』に。

 これが、オレの()()()()なのか…………?) 

 

 「さて、何にしても先ずは仮想現実を出て受付へ行くとしようか。

 本当に推薦が貰えるのか、それとも何かもっと面白い素敵なことが待っているのか。

 

 楽しみだね。亮、荒川」

 

 「ああ、全くだ吹雪。胸躍るよ。これからを思えば思うほどに。

 

 蛮里に、吹雪。良いライバルに出会えた。これから先も、更にこういうことがあると良いな」

 

 「僕は出会いなら、女の子を積極的にリクエストしたいかな」

 

 

 「………………」

 

 

 

 

 「さあ、行こう。何が待っているのかを確かめにな……」

 

 

 

 





 次回、ようやくヒロインが登場!!(予定)

 この作品は(ホモじゃ)ないです。
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