元中卒の引きこもりゴミカス糞ニート、アカデミアに入学出来るので学校行きます。〜ニート転生とか言っといて欲しい〜   作:SOD

8 / 19


※この小説はBLでもホモでもありません






丸藤亮のひとりごと

 

 

 「………………ん……」

 

 

 オレが目を覚ましたのは、蛮里が起きる三日前だった。

 

 

 

 「………………………………ああ、そうか。

 

 オレは負けたんだった。

 

 

 これで一勝一敗か……フフッ」

 

 ナースコールで来てもらった看護婦さんの話によると、あのデュエルの後オレは丸一日眠っていたらしい。

 

 しかし、身体はしっかり元気なので立ち上がってみる。

 

 「んーーっ…………?」

 

 首元がピリピリと痛んだ。

 鏡で見てみると、あの地下デュエルで使ってきた衝撃増幅装置の焼け焦げた跡が残っていた。  

 時間が経てば消えるだろうと思っていると、隣で眠っている蛮里が視界に入った。

 首元を見ると、『オレと同じ跡』が残っている。

 

 「…………そうか。

 

 なら消えずに残るのも、悪くないかもしれないな。どことなく、"親友"と言う感じがする」

 

 同じ場所で、同じ道具で、命をかけてデュエルした好敵手。

 河原で殴り合って認め合う。

 

 ●友(トモ)

 

 「そういうのも、悪くないだろう。蛮里………………フフッ」

 

 

 なんとなく蛮里の首元の跡を指でなぞり、自分の跡を撫でた。

 

 何か、不思議と満たされたような笑いが出た。

 

 

 「う……うう………………」

 

 

 

 

 突然、蛮里が悪夢にうなされたような表情になったのは……なんとなく見なかったことにする。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 体調も戻り、一足先に退院したオレだが。

 やることがない。学校は相変わらずクラスメイト達が元気そうだったし、先生もいつもの通り授業をしている。

 あのデュエル以降、余計にこの学校で疎外感を感じるようになった。

 或いは、自分が異物だと言うことを自覚してしまったのかもしれない。

 

 

 

 「あんな電流が流れるようなデュエルを、心から楽しんで戦っていたのだ。

 異常なのは……間違いなさそうだ。フフフ」

 

 

 

 放課後、オレは自分のデッキとデュエルディスクとその他の適当な荷物をリュックに入れて、見舞いと言う体裁で蛮里の病室に入り浸っていた。

 

 デッキを調整したり、本を読んだり、サイバー・エンド・ドラゴンの彫刻を彫ったり。思いつきで過ごしながら蛮里の目覚めを待つ。

 サイバー流後継者として心技体の修業の日々を過ごしたオレと、おそらく大したダメージを負うこともなく電流デスマッチデュエルをしていた蛮里では、ダメージへの耐性も回復力も違う。

 だから、目覚めるのが遅い事自体はあまり気にしていなかった。

 

 気になったのは……奴の家族が一度も見舞いに来なかったことだ。

 

 

 学校でクラスメイトに聞いてみたところ、授業参観にも来たことは無く。運動会でも文化祭でも荒川蛮里が家族と一緒にいる姿を見たことがある者は一人もいなかった。

 

 

 

 …………少しだけ、コイツが他人に対してのリスペクトを持たない理由が見えたような気がした。

 

 

 「学校の行事はまだしも。息子が入院して、挙げ句意識も戻っていないとなったら。普通の親ならば一度くらい仕事を抜けて見に来るくらいのことをしても良さそうなものだ。

 

 

 …………もしも。家の中で家族と関わらずにデュエルにだけ心を向けていたのだとすれば……あのデッキの完成度は納得だ。

 

 だが……同じ攻撃型デッキの使い手だと思っていたのだけは、少しだけ印象が変わったな……」

 

 

 ()()と『戦う』ことを想定しているのではなく、()を『倒す』ことに着目したあのデッキ。

 

 対戦相手とデュエルで語り合うのではなく、一方的に蹂躙するためのデッキ構成。

 

 

 それは、対戦相手がコンピューターのようなプログラムではなく心ある人間なのだと言うことに全く配慮しない潰す側のコンセプトだ。

 

 

 ゆえに、これまで対戦してきたクラスメイト達は荒川蛮里を嫌悪する。  

 リスペクトとは無縁の、自分たちをサンドバッグのように扱うあの男と誰も繋がりを持とうとは思わないのだろう。

 

 もちろん、このオレもやつの対戦相手への姿勢は思うところがある。

 

 

 

 それでもだ……。

 

 

 「『時を裂く魔瞳(モルガナイト)』に、『血肉の代償』。

 強力な攻撃力を持つ下級モンスターを1ターンに何体も召喚して並べ戦うあの戦術。数の暴力で相手を倒すデッキと捉えていたが。

 

 

 

 無意識に()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()……………………と言うのは、フッ。

 

 さすがに考えすぎか……?」

 

 

 

 自分の考えに自虐的な笑いが出る。

 

 なんとなく蛮里の髪を撫でた。

 

 コイツが愛用する『ゴブリン暗殺部隊』や『ゴブリンエリート部隊』のような、ゴブリン達と同じ翠色の髪を。

 

 

 

 「…………………………………………ん……っ」

 

 

 鬱陶しそうに、僅かに顔を顰めて横を向いた。

 

 

 「……撫でられることに、慣れていないのかもな」

 

 

 かく言うオレも、最後に両親に撫でられたのはいつだったか。

 

 翔が産まれてから兄として振る舞い、デュエルと出会ってからはデュエリストとしての道を歩んだ。

 

 修業から帰ってきた後も、お帰りと笑って迎えてくれた両親だが、小さな頃のような頭を撫でることはもうなかった。

 

  

 だがもし、コイツが産まれてからずっとそう言う触れ合いがなかったとしたら?

 

 親や家族の愛情を感じることなく生きてきたのだとしたら………………。

 

 

 

 「………………」

 

 

 「zzz......」

 

 

 

 このオレの考えが、単なる他人の妄想であることを願う。

 

 

 オレの無意識の渇きを癒してくれたお前のデュエルが、お前の孤独や悲しみによって生み出されたものだなんて…………少しだけ肩に力が入ってしまいそうだからな。

 

 

 

 

 

 

 

 「………………………………蛮里。デュエルアカデミアへ行こう。

 

 オレにも、お前にも。そこはきっと必要な場所なんだと思う。

 

 

 

 あのデュエルに負けたオレが、言えたことではないだろうが……。

 

 

 

 それでも蛮里。オレと、共に…………」

 

 

 

 

 なんだか少し、眠くなってきた。

 

 病人に寄りかかるのも気が引けるが…………。

 

 

 「まあ、良いか。そのくらい。お互い、殺し合った仲だもんな…………フフッ」

 

 

 相手の命まで脅かしたような間柄で、今更ベッドの隅に頭を置くくらいのことを遠慮する必要もないだろう。

 

 などと自分本意な言い訳で、オレは少し眠りについた。

 

 

 

 

 

 「…………対等な………………初めての………………zzz...」

 

 

 

 

 

 






何故だろう、仄かにホモ臭いようなBL臭いような…………?

いや、気のせい気のせい。男子小学生なんて距離感近かったりジュースの回し飲みとかするし。うん。友情友情。






関係ないけど、いつか『This Love never ends』が似合う感じの熱いデュエルシーン書いてみたいなぁと思いました。

今後のオリジナルストーリー展開を作るためのヒロインをどうするか考えています

  • 金髪天才歳下毒舌リアリスト(飛び級)
  • 黒髪薄幸歳上孤独庇護対象(留年)
  • ┌(┌^o^)┐ホモォ…
  • 第二の引き篭もり糞ニートエンド
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。