エーテリアスと出会った時の200通りの死に方。   作:オラッ!再生ッ!

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下半身分断されて生きてる人間は居ない。 

 

 ある極彩色の大剣が、一人の男を斬り裂いた。傷口から多量の出血を上げながら、男はヘトヘトと後ろへと下がる。

 

 その傷の深さ、出血量、素人目で見ても致命傷だ。本来であれば、そのまま力なく倒れて骸になっているべきなのだが……

 

「ッチ。」

 

 男はそんな事お構い無しに、接近してきた目の前の大剣を持ったクソッタレ侵食体(エーテリアス:デュラハン)に対して、腰に携えたショットガンを浴びせてやる。

 

 弾は対エーテリアス専用のバックショット。雑な構えで雑に撃ったからか、反動を抑えきれずに肩が外れる。だが、目の前のクソッタレの脚を欠かせる位はできた、満足だ。

 

 

 肩が外れたせいでズキリとした痛みはがするが、その程度の傷はたちどころに()()のがその男だ。

 

「痛え。ま、仕方ねぇか。」

 

 ……まさか、路地裏でチンピラ共をシバいていたら共生ホロウに堕ちるとは。全くもって、人生とは度し難い。

 

 ホロウ……虚。その中はあらゆる物理法則が息をしていない異世界になっている。その中ではエーテルって生物無機物関係なく侵食して、ヘタを書くと目の前のエーテリアスって言う化け物へと変化させるするゲキヤバ物質が充満している。

 

 もっとゲキヤバなのが、そのエネルギーが今や街中で使われている事なのだが……事故とかあったら大変だなぁ、なんてことを思いつつ男は今日まで呑気に過ごしてきた。

 

 男は所謂ゴロツキのチンピラ――名前は『ヘテロ』

 

 一般人には手を出さないを信条として、襲ってきたチンピラから金を奪ったり、家事代行から良い銃を買ったり、名無しの女に情報売ったり、偶に真っ当にビデオ屋でバイトをしたり……そんな感じのその場しのぎの生活を続けている。まぁ、ロクデナシだ。

 

 今日も今日とて新エリー都と言う奇跡の街の街道の裏道を歩きながら雨風しのげる場所を探していたのだが……

 

 近くで騒ぎがあったのか近くのビルが爆撃されたり、その瓦礫が降り注いで押しつぶされたり、その共生ホロウが現れて飲み込まれたりして。

 

 ホロウを適当に歩き回って出口見つけようとしたら変異したツワモノエーテリアスと鉢合わせ……あぁ、運がない。

 

 瓦礫に潰されて一回圧死したのも、共生ホロウに飲み込まれたのも、強めのエーテリアスに当たったのも良い。

 

 問題は、そのゴタゴタで財布を落とした事だ。中身なんて大して入ってないが、それでも男にとっては生命線だ。()()()()()()()()()な……だ。

 

「ったく!ホロウに財布落としたらお巡りさんにだって見つけてもらえねぇんだ!」

 

 ヘテロは手持ちのショットガン2丁を、反動を気にせず片手で、まるで2丁拳銃の様に扱う。打つ度に肩が外れ、腕が若干変形するが、直ぐ様()()()再装填だ。

 

 流石に対エーテリアス用に調整された破壊力のみを追求したスラッグ弾。威力は折り紙付きだ。撃てば撃つだけ目の前のエーテリアスの身体が削れる。

 

「ひゅ〜!さっすが()()()()()()()()()()()調()()()()()()()!おもしれぇほど削れんな!」

 

 痛みをごまかさんとそんな声を上げるヘテロ。

 ……本来ヘテロの持つ散弾銃は、金持ちが導楽に作らせたこの世で最も威力の高い散弾銃(ポンプショットガン)だ。

 

 使いやすさとか、そもそも使えるのかとかそんなのを度外視して威力全ブッパで作られた代物……その結果出来上がったのは、常人なら構えて撃つだけで肋がへし折れる化け物ショットガンだ。

 

 無論専用弾使用銃、ショットガンなので弾ごと特製品にしないと最大の威力は発現できない。ロマン砲である。

 

 こんな物を操れるのは、とある()()()()()()ヘテロ一人だろう。ヘテロは目の前のエーテリアスが片膝ついて倒れるまで散弾を浴びせる。

 

「ぜぇ……はぁ……!クソがッ!いい加減倒れろよ……マジで……」

 

 ヘテロも疲労困憊になりながら叫ぶ……だが、そう上手くは行かない。彼がデュラハンを見つめていると、次の瞬間、デュラハンは抜刀し、ナニかを斬り裂いた姿勢を取っていた。

 

 「っ!?まじ……」

 

 次の瞬間、ヘテロは自分の腹のあたりからざっくり別れたような感覚……いや、現実に襲われた。

 

 力を纏ったデュラハンの剣撃は一切捉えられず、ヘテロの上半身と下半身は見事に分かれることになった。ヘテロは何が起こったのか理解しながら地面に付す。

 

 普通なら即死。現に目の前のヘテロと言う男も一切動かないではないか。デュラハンは、大剣を引きずりながら男を見下ろす。

 

 そして、その大剣を振り上げて叩き落とそうとする……だが、次の瞬間。

 

「はい、ドンッ。」

 

 上半身だけの骸となったヘテロの腕が動き、至近距離で散弾をぶち当てる。デュラハンもコレには流石に一溜りもなく数歩下がる事になる。

 

 だが、彼はそんなエーテリアスを見逃さない、片腕の力だけでかれは上半身を跳ねさせて、デュラハンへと飛び掛かり、両腕の散弾銃をの銃口をくっつけ至近距離から狙う。

 

 エーテリアスに思考するなんて概念は無いだろうが……この場に彼を知らぬ者がいたら、心底驚くだろう。若しくは、化け物と蔑むだろう。

 

 かれは、それ程までに恐るべき状態なのだ。上半身だけとなった身体……だが、下半身の再生は既に始まっている。まるで逆再生の早回しだ。

 

 ほんの10秒足らずで引きちぎれた脚は再生する。流石に着ていたジーンズはちぎれた脚に履かれたままだが、どうせホロウの中だ、気にすることはあるまい。

 

「さて、捕まえた……」

 

 完全にデュラハンにマウントポジションを、取った彼は、目の前のデュラハンのコア目掛けてゼロ距離ショットガンを連続でぶち込んでやる。

 

 一発、ニ発、三発、四発……撃てるだけ撃てば、ヘテロはその高い散弾銃を投げ捨てて、自身の入ったトレンチコートの内側からハンドアックスを取り出す。

 

 そして、目の前のエーテリアスの砕きかけのコアに対して、腕が逆に千切れるほどの勢いで振り下ろし、コアを完全に砕く。

 

 それまでに3回ほどデュラハンに叩き切られたが、一度砕けばこちらのもの。ヘテロの身体はまた早回しで再生していく。

 

「……瞬間移動使われなかったのはラッキーだったな。」

 

 偶に短い距離を瞬間移動してくるタイプもいるのがデュラハンの嫌な所だ。そうなれば本当に泥仕合になる……ヘテロが負けることはないが、それまでに何回ヘテロが()()かは分かったものではない。

 

「だぁ……下半身血でベッタベタ……この上からジーンズ履くのか?」

 

 因みに、そのジーンズ自体も分断した下半身に履かれたままなので血みどろである。

 

「あーあ、泥仕合だったぜ。」

 

 そして……あたりに広がるのは、()()()()()()()倒したデュラハンの群れの数々。次々と消滅し風化していくが、倒す際に出たヘテロの腕とか脚とか臓物等はそのまま残り続けている。

 

 ……ここまでくれば、ヘテロの持つ特異性が何なのか察する人も居るだろう。

 

 そう、彼は……最も陳腐な言い方をすれば再生者(リジェネレーター)……嫌、不死者(アンデッド)か……兎も角、彼は常識的な傷では絶対に死なず、受けた傷はたちどころに癒えてしまう。

 

 兎に角、このまま下半身丸出しでホロウを歩き廻るのものもアレなので取り敢えずジーンズを履こうと千切れた下半身に手を伸ばした時だった……最悪なことが起こる。

 

 近くに裂け目が現れ、そこから一人の警官が現れる……赤いメッシュを付けた女性で、胸にはPUBSECの文字……治安官の人間のようだ。

 

「っ!人っ!?ホロウに巻き込まれた方ですね!治安官の朱鳶です!直ぐに救助致しま――――えっ?」

 

 朱鳶……と言うのか、彼女は。そんな事を思いながら、ヘテロは諦めの表情を浮かべる。助けが来たのは良い、治安官なのも良い……なぜ、よりにもよって女性なのだろう。

 

 なぜ、よりにもよって下半身丸裸の時に出会うのだろう。

 

 なぜ、自分の千切れた下半身からジーンズを脱がした時に出会うのだろう。

 

 今後どうなるかに頭を痛めながら、ヘテロはすべてを諦めて、ひとまず自分の汚らわしい下半身を隠すために、血みどろのジーンズを履くことにするのだった。

 

 

 

 




原作キャラとの邂逅が下半身丸出しな状態から入る事ってある?
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