超能力世界の転生者と脳を焼かれる仲間たち 作:テムテムLvMAX
「おぎゃりおぎゃれおぎゃんぎゃれ」
「変な子が生まれたなぁ」
「でも楽しそうね」
我、転生者だぜ、ふぅ、少しシリアスにする、ついてこれるか?
……前世で死んだ俺はそのことを不幸に感じた神の慈悲によって前世と似通った世界へ記憶そのままに転生させてくれた……その時、神は俺に類まれな才能を持たせてくれた。
その才能とは桁外れの超能力だ、この世界は超能力が普通に存在すると教えられたので、これは大きなアドバンテージになるだろう。
超能力の内容は俺の要望で【強化】になった、強化能力はいいぞ! 体が強くなるので肉体労働で無双できる、まぁ超能力世界でそんなの需要ないかもだけど。
そんな俺だが転生者として何かこの世界で凄いことをするぞ、と言う意気込みも目標も無くて前世よりちょっと豊かに程々の生活を目指していくつもりだ、庶民には庶民の生活がしっくりくると俺は思っているからな。
そうは言うけど独り立ちするのはまだ当分先の話今はまだ親に頼るしか無い弱い子供として俺は日々を生きた。
それから幼少期は特に語ることもなく小学生に時間は飛ぶ。
前世大人である私は小学校程度の授業受けずとも良いと授業中にバレないように【強化】を使って遊んでいた、もちろん休み時間もそうやって遊んでいたから一切友達が出来なかった……だって超能力弄って遊ぶの新鮮で楽しいんだ小学生と遊ぶよりも。
でずっとそんなことをしてたら隣の席のガキ大将に俺の隠れ超能力遊びが見つかっでしまった……一生の不覚。
その隣のやつはこのクラスのガキ大将で身体は小学生の平均からでないが、超能力が周りより強く上手く扱えるので、小学生らしく威張り散らしているタイプ、お前のものは俺の物とか言って誰かをいじめてるわけでは無い、気質としてガキ大将なだけだ。
教室で休み時間を過ごす俺にそのガキ大将は声高らかに挑んできた。
「おい! おまえちょうのうりょくうまいな! おれとたたかおうぜ!」
「嫌です」
「なんだとー! おれとたたかえって! ぜったいたのしいって!」
気持ちは分かる、この年代はたたかいごっこが大好きだもんな、道に落ちてる枝は聖剣だし長靴と合羽は最強の鎧だ、でも超能力はな、遊びで使うには危ないんだ。
ガキの火遊びにしちゃ危険な力なんだぜ、当たり前にあり過ぎてわかんないかもしれないけど。
どうやってこのガキ大将を言葉だけで諦めさせようかと色々考えを巡らせていると隣のクラスから女の子が走ってきた、そう彼女こそ救世主だった!
「やめなよおーちゃん! ちょうのうりょくでたたかいごっこはせんせいにおこられるんだよ!」
「あ……ありまちゃん……」
「ごめんね、おーちゃんはわたしがみてないとすぐけんかするのよね」
「ぐぬぬ」
ガキ大将を止めたのはありまちゃんこと、有馬佑美(ありまゆうみ)、ガキ大将はおーちゃんこと大村大我(おおむらたいが)、この二人後で聞いたら幼馴染なんだってさ、ありまちゃんはおーちゃんのお姉さんのマネして怒るからおーちゃんも抵抗できないらしい……お前ら、結婚式には呼べよな!
それからというもの、俺とおーちゃんとありまちゃんの3人はよく遊ぶようになった、つまり友達になった訳だ、と言っても俺は小学生の子守の気分で遊んでいるんだが……これがなかなかコトを超能力遊び(大人の監督付き)に絞るとおーちゃん強くて楽しいからついつい大人気なく容赦ないことをしてしまう、反省しなきゃだね! うるせぇガキは分からせなきゃ(使命感)
ありまちゃんは超能力遊びが好きではないのかいつも俺とおーちゃんの後ろから見ているだけだった、それでも楽しそうにしているから、まぁ問題は無いんだろうね。
そんな感じで小学生生活は平穏に過ぎていくと……思っていたらどえらい事になった。
なんと、なんと、なんとぉ! 俺の通う小学校で立て籠もり事件が発生した!
この超能力飽和時代に良くもまぁそんな事するやつがいたもんだ、警察だって超能力持ってるからそんな事してもすぐ捕まる……と思ってたらその立て籠もり犯はその辺も織り込み済みなのか体育館に全校生徒を集め、その中からありまちゃんとおーちゃんを人質に選び、しかも二人の体を凍結していつでも砕けるようにしてしまった。
「さぁて、金と瞬間移動能力のインスタントインプラントを用意しろ! さもなくばこの二人は木っ端微塵にする!」
脅し文句としては上出来だろう、それが子供たちの見ている場所で行われたことでこの場にいた子供はもうアイツには逆らえない、警察も大勢の子供を人質にされて手出しができない、教職員は人質を取られた時点で外に追いやられているので、いよいよ犯人に逆らえる奴はいない。
それに、犯人はインスタントインプラントを要求している、それは一度きりだが簡単に超能力を得られる、瞬間移動のインスタントインプラントで何処か外国にでも高飛びするつもりなんだろう……
逃がさんぞ。
俺はいつになく頭に血が上ってなぁ……いつの間にか犯人の目の前に立っていた。
「なんだぁお前」
「その二人の友達だ!」
「へぇ、じゃあお前も氷像にしてやろうな」
「百倍……鉄拳ッッッ!」
俺を完全に子供と思ってニヤけたアホ面に一発かますべく【強化】を全身に施し通常の百倍の身体能力に加えさらに拳に百倍の硬度の強化を施して、最後に自分の生み出す運動エネルギーも百倍にして、懐へ飛び込み、直角に飛び上がってジャンピングアッパーの形で腹部を拳で殴り抜いた。
「なっおまっ! がふぅ……?!」
犯人の体が持ち上がって飛んでいき天井に叩きつけられて、落ちてきた。
この世界の人間、やたらと頑丈だからこれでも死なねぇ、せいぜい気絶するだけだったが……これで一件落着。
能力者が気絶したからか氷像となっていたおーちゃんとありまちゃんが溶け、何事もなかったかのように元へ戻った、超能力って都合の良い所で人体に影響無いんだよなぁ……
「すげ〜〜!!! おまえ! すげぇ!!! ちょーすげぇじゃん!」
「つよいね……なんかこう……キュンてしちゃったかも……」
氷漬けにされてても見えるもんは見えてたらしい、あーあ、これで俺の株……上がっちまったな……ふっ……
と、自惚れてたらしっかり警察に注意をうけて親にもこっぴどく叱られた、二度とあんな無茶をするなと言われたが……すまん、アレ結構勝算あったし俺の超能力神様の特別製だから問題なかったぜ?
ただこの事件をきっかけにありまちゃんとおーちゃんの態度がどんどん変な方向に進んでいったのは、俺の唯一の誤算だったんだけどな…………