超能力世界の転生者と脳を焼かれる仲間たち   作:テムテムLvMAX

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三話 燃えろ熱血少年少女 前

 小学生という生き物は大人には想像の及ばない行動と思考の中で日々を過ごしている別の生き物だ、冷静を投げ捨て素直で熱しやすい生き物であるから一度火が入れば後は勝手にのめり込んでしまう。

 

 俺も昔はそうだった……転生した今ではその時の思いを思い出すことはかなわない……

 

 

「思えば俺の小学生時代は寂しいものでした……」

 

「アルフレッド君は小学生だけど……?」

 

「先生俺は転生者なんだ」

 

「あー、はいはいそういう時期よね」

 

 

 先生の切れ味鋭いツッコミにバッサリ切り捨てられてしまった。

 

 さぁ張り切って小学生しますか! 今日は小学生に人気のスポーツを体育の授業だと言うことで朝からクラスの皆がソワソワしてる、俺は普通に楽しめると思うが、楽しむんじゃなくて本気で勝とうとする奴らも当然いてな……

 

 

「アルフレッドはオレのチームにいれる!」

 

「ぼくのチームだよ?」

 

「本人抜きに決めないでくれ……」

 

 

 我が座席前に不動の立ち姿を見せる両雄は俺のクラスのスポーツ大好き少年たち、その後ろにはそれぞれのグループに所属する男子たちが睨み合うまさにアウトでレイジな空気が流れていた……うーん和気あいあいとした休み時間のはずなのに一体どうしてこうなった……

 

 

「アルフレッドはオレのチームでいいよな? ヒヤコ」

 

「待てってアツミ、アルフレッドにぼくの話もさせてくれよ」

 

 

 この二人はいつも競い合ってる宿命のライバルみたいなもので、強引なのが船橋熱巳(ふなはし あつみ)、比較的落ち着いた対応を見せるのは小田冷児(おだ れいじ)分かりにくいがヒヤコは冷児のあだ名だ。

 

 二人とも小学生からの出会いなのだが運命レベルで相性が悪いのかいつもあーだこーだ喧嘩ばかりで、二人の超能力が同じだということもそれを助長しているような気もする。

 

 まぁ、熱いことは結構だが熱すぎると目に余るので、当然先生は2人を止める。

 

 

「こら、体育のチーム分けは話し合って決めるんですよ、だから喧嘩してはいけませんよ二人とも」

 

 

 先生がいればまず二人は止められるんだがこの先生俺に対応を投げることが多くなってきてな……中身おっさんなの見抜かれてんのかもしれん。

 

 

「「げっ先生……ごめんなさい」」

 

「げっ……てなんですか、げっ……て、二人はもっと相手を思いやることをしましょうね、冷児くんも熱巳くんもアルフレッドくんみたいになりたいんでしょ?」

 

「「うっ」」

 

 

 おやおや嬉しいねぇ俺みたいになりたいのかい、じゃあ1回死んでから転生して……言えねえな、言えねぇよ。

 

 所で冷児と熱巳はスポーツマンで、こんくらい熱量を持って突き進むタイプというのも分かってる、で、小学生は足の速さや力の強さなんかの単純な事で立ち場が決まる、それに幼い彼らなりにも派閥も出来る。

 

 つまり何が言いたいかと言うと、冷児には冷児のグループがあって、熱巳には熱巳のグループが出来ていた、そのグループはどちらも負けたくない……そこに俺……自分で言うのもなんだが分かりやすく強い人間をリーダーたちが取り合ってるって言う状況が出来たことでクラスの男児が二つに割れて抗争状態になってしまってるわけだな。

 

 小学生は熱しやすいと言ったが、どこまでも熱くなって自分では止められない暴走状態に陥る、この年代には良くあるがそれがクラス単位で起こると……もうしっちゃかめっちゃかになるのが目に見えている。

 

 この結果が俺にも予見できるので恐らく先生も分かっているのだろう、話し合ってチームを決める事が学校の方針だとしても、子供がそれを配慮することなんてないので先生が見張って喧嘩しないようにしていた、今までは。

 ……だが今回は俺をどちらかに転がっても不満を言う子は出る、じゃあどうするのって話だ、面倒くさくなる前に俺は手を打つ。

 

 俺は二人の会話に割って入るように手を挙げた。

 

 

「ならこうしよう、俺は俺でチーム作る」

 

 

 二人に言って聞かせるように努めて優しく、刺激しないように柔らかく言葉を伝えたと思っていた、が、熱巳は口を開いて閉じられず、冷児は八の字眉毛で歯を食いしばる、共通項は「お前何今更言い出してんの」と言う言葉にしない気持ちだ、視線が痛い。

 

 

「ええ〜っ! 皆アルフレッドくんのチームに入りたいのに!」

 

「ぼくもほとんどチームメンバー決めちゃったのに!」

 

「ここで第三勢力……アリですね」

 

 

 先生? 貴方だけリアクションの方向性違いません? 

 

 

「じゃあ今回はチームを3つに分けて、熱巳くんチームと冷児くんチームとアルフレッドくんチームの総当たり戦をしましょうね」

 

「「「うぉぉぉやったぁぁぁ!」」」

 

 

 先生の言葉にスポーツ大好き男児たちが燃え上がり、まだ冷静な女児たちは冷ややかな視線で背景になっていた。

 あれぇ……ありまちゃん、あなた男児側で盛り上がっちゃってないか? 逆になんでお前は女児側なんだおーちゃん、早熟過ぎて将来クール系イケメンになってしまうぞ? 

 

 と言うことで、次の体育の授業は一波乱ある授業になりそうだ……良いねぇこれぞ転生者の面目躍如じゃないか? ここは大人の強さをしっかり教えてやろうジャマイカ。

 

 

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