あれは、夥しい量のいちごジャムやった。
――昔の話や。母親が高いいちごジャムを買ってきて嬉しそうにスプーンから何回もすくってはすくってはを繰り返していたんや。
あん時に似たスプーンから一滴一滴と静かに垂れる甘ったるくドロリとしたあの赤さ……。
「はぁ……はぁ……」
ぱちくりと瞬きをする。
足元で人が死んでもうてる事実に、僕はただただ立ちすくむばかりで、彼女はそんな現実とは無関係にニコニコと微笑み返すばかり。
腹が引き裂かれ、ドロドロと腸がこぼれている。
決してみずみずしいあの香りはしない。腐った牛乳の臭いがし、思わず鼻をつまんだ。
「ねぇ、見てや!」
赤く滴る美しい彼女は刃物を持ちながら僕に笑顔を見せる。その姿は僕にとって今まで畏怖の象徴であり、崇拝の象徴でもあったのだから、うなづくしかなかった。
「今日、お月様きれーよ!」
彼女が指さす先にあるのは窓から見えた丸くぽつんとある月。 僕にはそれがまるで一人ぼっちのようでどこか寂しそうに見えてしまう。
(僕も独りなんやろうか?)
そんな心情とは裏腹にラン・ラン・ララン、と血の上で踊る彼女。ぴっちぴち、ちゃぷちゃぷ、らんらんらん。
背に映るのは赤黒い月。目が疲れているのだろうか、いつもより月が赤くて慄いているかのようだった。 彼女はどこまでも美しい。……がどこか歪さを覚える。
(この感情は一体なんや?)
「ねぇ、ゆーくん。嬉しいやんな?」
「嬉しい……?」
ぎゅりりりりりっ。 彼女は僕の瞳の奥を覗く。
ぎゅるんとした褐色の目に映るのは見たこともないくらいに怯えている僕の顔が見える。 彼女は意図も簡単に僕の脳の奥底を突き刺した。
あぁ、思い出したくもない過去や。
「だってうちはゆーくんのために人殺したんやで?」
そうや。 そうやった。 僕は彼女に人を殺させたんや。自分の手を汚さずにさぁ……。
なんて馬鹿なんだろう。自分で自分を殺してやりたい。
あーもう、憎たらしいわ。死ね、自分。死ね、自分。死ね、自分。と三回唱えても僕は死ななかったんや……。
――こんの、アホんだらずがぁ!
がつん。灰皿の角で頭を殴られた。
瞼の上を滴る鮮血。
殴った当人はその灰皿を机の上に置いてジュボと安物のライターでセブンスターを吸う。 黄ばんだ壁。口から溢れ出る紫煙。大量にある酒の空き缶、食べ残したカップラーメン、スナック菓子が机上でばら撒かれていて、ソイツはそれを摘みながら煙草を嗜む。
(憎たらしい……。)
滴る血を拭い、ソイツ――父親の機嫌を取るしかなかったんや。
「父さん、どうかしたの?」
父親に近寄ると酒の臭いがして思わず鼻をつまんでもうた。
おぇ。 鼻をつまんだ僕が気に障ったのか、
父親は「なぁんや、俺の何が気に食わんのやぁ」と言い、ばちんと僕の頬を引っ叩いた。鼻からつぅと流れる血。ぽたりと黒ずんだフローリングに落ちる。
(血、落ちた。汚いわぁ。)
「お前の顔はなぁ、出て行ったあのアホんだらんによぅ似てて嫌なんやわぁ!」
(知らんわ。)
「あのアホんだらず、どこに行ったんや、ほんま、ほんま……」と言い、父親は手に持っていた酒を一気に掻き込む。ガンと缶をぐしゃりと潰し、ヴェッとげっぷをする。
『憎たらしいやんなぁ……』 頭ん中で何かが囁いてくる。なんなんや。僕の何を知ってるっていうんや。
「うちとさぁ、コイツ、殺さん?」
殺す? 殺すってなにを――。
考える間もなく、彼女は包丁を持って僕の父親を滅多刺しにしていた。
飛び散る血潮。
あ、コイツ死にようわ、ざまぁみさらせぇやと笑う僕。
あぁ、いちごジャム。いちごジャム。汚ぇいちごジャムや……。
「ゆーくん、嬉しかろ?」
嬉しい? 僕ん中にあるこのざわついたもんは、嬉しいっていう感情なんやろうか?
「嬉しいって言ぃや!!」
「ぅ、う、うれしいです……」
僕は頷いた。頷くしかなかったんや。
ていうか、オトンの血、僕にもへばりついとるやん……。
あぁ、オトン、ほんまに死んだんや。死んでしもうたんや。笑えてくるわ。笑えるわ!
アッハッハッハ。 アッハッハッハッハッハッハッハ…………。
――でも虚しいわぁ。
……なんか虚しいわ。 なんかこう、バッターが三振した時みたいな、サッカーでパスミスした時みたいな。なんか一つ物足りんっていうか何もかも物足りん。
なんでや? 僕は憎くてたまらん父親を殺せたねんで? なにが物足りひん言うんや? あぁ、むしゃくしゃする。
「大丈夫やで、ゆーくん。死っていうのはただソイツが永遠に眠っとるだけなんや。死ぬっていうことは怖くないねん。そう。シューベルトの『死と乙女』って知ってっか? 死神が言うねん。≪私はおまえを苦しめるために来たのではない。お前に安息を与えに来たのだ。≫って。死は苦しみやないねん。希望や。死ぬっていうことは人だけが唯一選べる希望なんや。ある国では『死は眠りの兄弟である』って言われとんねん。そんだけ死というもんはうちらにとっての一縷の望みなんや。分かるか? ゆーくん」
「わ、分からん……」
「うーん、分からんのやったらそれでええわ。でもこれだけは言わせてほしい。コイツは死んだ。眠った。ただそれだけや」
僕は彼女が言ってることがいまいちよく分からんかった。でも、心にすっぽり空いた穴が少しずつ埋まっていくような感じがしてきて、ようやく息をついた。
「んじゃぁ、ゆーくん」
「なんや」
「死体、バラそか!」
細い三日月の中に僕の顔が二つ並んどんねん。もしかしたら僕も父親みたいに殺されるかもしれへん。怖い。すっごく怖いねん。やからまた僕は素直に頷くしかなかったんや……。
「あい、びりーぶ」
鋸。
「ふゅーちゃぁー」
喉元を狙って引き裂くと、汚濁した血が浴室に散る。
ゴロン。 父親の生首。
目。ぎゅらんとした目が僕の方をジッと見ている。
赤く濁っていく目。
青褪めていく僕の顔。
遠くではりーんりーんと鈴虫が騒ぐ声。
ぽちゃんと蛇口の端から水滴が垂れる音。
「しーんじてるー」
頭蓋を鋸で叩き割る。頭蓋の隙間から溢れ出る脳。脳。ノウ。ノー!
「ぉ、おぇえぇ――――っ」
父親が父親でなくなっていく刹那、吐瀉物が口から零れてしまった。
サッポロ一番塩ラーメンの残骸。胃液。ごちゃ混ぜになってまどろんでいって、全て無に帰していったわ。
「大丈夫か? ゆーくん。ゲーなんて吐いて」
心配する彼女の顔は、ほんのりと月の光に照らされて、ずっと理想やった彼女が僕の願いを叶えてくれるやなんて夢にも思ってへんかった。
僕の……夢であった、彼女。
願いを叶えてくれた彼女。僕の全てである彼女。僕である彼女。 僕は彼女。 僕は、彼女? 僕は彼女?
彼女?
彼女。
待ってや。 この子の名前ってなんやったっけ?
遠くではりーんりーんと鈴虫が騒ぐ声。
ぽちゃんと蛇口の端から水滴が垂れる音。
「あは」
鋸を持つ手が、震える。僕が父親を殺したんや。 彼女なんかおらへんかった。
「あい、びりーぶ、ふゅーちゃーあー」
believe。虚しく響く。
「しーんじてるー……」
彼女なんかおらへんかったんや!! 嫌な青春劇や。僕はなにをしとるんや。 あぁ、神様、許してくれるならばどうか僕を許してください。 僕はなんも悪いことしてへん。 ただ、居もしない彼女が僕の父親を殺してしもうたんです。殺してしまったのは僕なんですか? 僕は許されない存在になってしまうんですか? だってアイツは僕のことを逃げた母親の顔に似てるからって殴ってくるんや。彼女が殺そう言うたから僕は殺すことを決めたんですああああああ……うるさいうるさいうるさい鈴虫の音がうっさいわぁ! なんなんや僕が僕に彼女さえいれば僕はこの世の全ての幸せを手に入れたと言っても同然なんや嗚呼あそこにグラウンドからバッターの打ったボールがコロコロと流れていって月が奏でるピアノの音がしゃららと落ちていきおやすみなさいと囁く目を閉じて目を閉じて目を閉じたらそこに何があるんやろうかそこには光が満ち溢れているのです満ち溢れていたとしても何も出来ないんです何も出来ないんや僕には何も出来ないんやからもう一度目を閉じようや目を閉じて現実から目を背けるのです今耳の中で流れているのは死と乙女かつていた彼女が僕のために弾いている曲や! 死と乙女! まるで死神が這って這いずって……。
「僕は、どうなってまうんや?」
(――永遠の眠りにつくだけよ。)
声の主は静かに鳴る。
恐ろしい安堵は、優しく。安らかに。甘き死よ。
甘き死は、すぐそこや。
目を閉じよう。目を閉じたらなにかが変わってるはずなんや。 目を閉じよう――。
「おはよう、ゆーくん!」
彼女は僕を起こしに来てくれたみたいや。いつも通りの朝。チュンチュンと鳥がよう鳴いとるわ……。 クラスのマドンナと称されている彼女と僕は幼い時からの友人やった。
彼女は毎朝のように僕を起こしに来る。
それが僕らのルーティン。二人だけの秘密のルーティン。
すぐに彼氏とかできそうやのに全然作らん。なんでやろうか。不思議でしゃーない。まぁどうでもええか。
「ゆーくん、はよ身支度しーよ。遅刻すんで」
僕は制服に着替えながら、ふと気づいてもうた。
あれ……? 僕ん部屋、こんな……やったっけ?
カーテンの隙間から射し込む朝日。それがどうにも気色悪いんや。いつもより赤い。朝焼けやとしても、こんな赤はおかしい。まるで……血ぃみたいや。
壁にかかったカレンダーも、よぅ見たら、全部の数字が『十三』に塗り潰されとった。
なんや、これ……。
ドアを開けた瞬間、僕の首筋を冷たい風が撫でた。妙な音が、階段の下から響いてくる。ぎぃ……ぎぃ……と、古びたブランコでも揺れてるみたいやった。でも、うちには庭なんてない。
階段を一歩ずつ降りるたびに、足元が少しずつ冷えていく。まるで、床下から誰かが僕の足を引っ張ろうとしてるみたいな……。
「ゆーくん、遅いよぉ……」
階段下に彼女が立ってた。制服のまま、でも……スカートの裾から赤黒いしみが広がってて、ぽたぽたとフローリングに血が落ちてる。
「おはよう、って言ってよ……?」
その声が、さっきよりもずっと低い。彼女の顔が、朝日を浴びてぼんやりと溶けそうな輪郭してて、目の奥が真っ黒で――あれ、穴か? 空洞か? なんも見えん。
僕はひとつ頷いてみせた。頷くしか、なかった。
「ほな、行こか」
彼女がにこぉ、と笑う。口の端から、真っ赤な……いちごジャムのような血が垂れていた。
その瞬間、僕の右耳の奥で鈴虫が鳴いた。……いや、こんな時期に? 季節、なんぼなんでもおかしい。
(ここは……いつの世界なんや?)
「ねぇ、ゆーくん。あたし、夢の中から来たんやで」
「……え?」
「ゆーくんがね、あんとき望んだから。夢でもええから、一緒にいてって言うたから、こうして来たんやで」
彼女の背中がずるり、と崩れる。皮膚がぺろりと剥がれ、中からもう一人の彼女が出てきた。無表情の、目のない彼女。皮膚だけの彼女。
「でも、あかんのや。ゆーくん、すぐに現実戻ってまうやろ? そんなん、悲しいやん……」
ぽたり、と彼女の落とした皮膚の音が、異様にやかましく響いた。
「せやから……ゆーくんの現実を、壊しに来たんよ?」
にちゃぁと彼女が笑った瞬間、父親の生首が「おはよう」と口を動かしたその瞬間、僕の全身が凍りついた。
目も、鼻も、口も――どこにも血が通ってへんような感覚。けれど、確かに耳の奥でドクンドクンと心臓が鳴ってる。身体が悲鳴を上げてるのに、足だけは勝手に前へ進んでもうてた。
父親の頭が転がって、僕の足元にカツンとぶつかる。
「なぁ、許してくれへんか……俺ぁもう、なんもできんのや……」
くちゃりと口が開き、黒い血が泡立って垂れ落ちる。
「こっちの世界の方が、ええやろう……楽やろう……?」
にやりと笑った。
(ちゃう、ちゃう、これは夢や。これは夢や!)
僕は目をぎゅうっと閉じた。目ぇ閉じたら、元に戻るんや。現実に戻るんや。
彼女がおらん世界に、父親がまだ死んでへん世界に。
……でも、瞼の裏側で、何かが蠢いとる。
開けてしもうた。目ぇ開けてもうた。
そこには、浴室のタイルにへばりついた父親の肉片。壁一面にこびりついた血の模様が――何かの“文字”になってることに気づいたんや。
《きみののぞみは、かなえた。つぎは、きみがしぬばんや》
「……な、なんやねん、これ」
言うた瞬間、耳元でガリッと音がした。振り向くと、彼女の顔がそこにあった。
いや、顔やなかった。
顔の“皮”だけが、吊るされていたんや。
その皮の中から、真っ黒ななにか――腕か、足か、いや、“それ”としか言いようのないもんが、にゅるりと僕の胸を掴んだ。
「ゆーくん……あたしの中に……おいで?」
声が響く。頭の中で、骨を軋ませながら響くんや。
「ゆーくんの中には……空っぽの壺がある……。その壺を、愛でいっぱいにしてあげる……血と、肉と、死で……」
ドクン、と僕の胸が脈打った。
気づいたら、僕の手の中には鋸があった。
「誰が……渡したんや、これ……?」
「ゆーくんが、望んだんやろ?」
皮の奥から、目だけがにゅるりと出てきて、僕を見つめる。
それは――僕自身の目やった。
「ほんまの“僕”は……もう、とっくに、死んどるんや」
その言葉の意味が、ゆっくりと、脳の奥の柔らかいとこに沈んでいった。
僕の頬が、ぞわっと冷える。見れば、浴室の鏡が割れてて、割れた鏡の一つに僕の顔が映っていた。
けど――その顔、どこか見覚えがある。
彼女や。
彼女と、同じ顔や。
「や、やめてくれ……っ……僕は、僕で……!」
口を開こうとしたその瞬間、喉の奥から、別の声が漏れた。
「あい、びりーぶ……」
あの歌。
またや。
また“あの子”が、僕の中に入り込もうとしとる。
鋸を落とした。でも、足元から、ずるりと長い髪が伸びてきて、僕の足に絡みついた。
「まだ、終わってへんよ、ゆーくん」
「次は――君の番や」
髪に絡まれた足が、ぎぃ、と引きずられる。タイルの冷たさと鉄臭い血のぬめりが、肌に貼りついて気持ち悪いのに、僕の脳はそれを“快感”やと勘違いしはじめてる。
「ゆーくん、ゆーくん、ゆーくん」
何十本、いや何百本もある声が、耳元でうねるように呼ぶ。
それは彼女の声で、父の声で、母の声で、小学校の同級生の声で――誰やったか忘れた知り合いの声で。
「ぜんぶ、君やで」
「この世界も、死も、生も、ゆーくんが望んだことなんやで」
「ここに来たのも、逃げ込んだのも、君や」
「違う……違う……ちがうぅぅうう……!!」
僕は頭を掻きむしった。血が出ても止まらへん。指の爪が頭蓋に当たって、キィンって音が鳴った気がした。
でも、何を否定したいのかも、もうわからん。
――ここに来たのは、彼女を見つけたかったからや。
――けど、彼女はもうおらん。
――いや、ずっと、最初からおらんかったんちゃうか?
僕の記憶の中で笑ってた“彼女”の顔が、だんだん、僕自身の顔に変わっていく。
彼女の笑い声が、僕の笑い声になっていく。
「アハハハハ……あは……は、は?」
声が、裏返った。
胸の奥で、何かが「パキッ」と折れた。
喉の奥が空っぽになって、代わりに“泥”みたいなもんが流れ込んできた。
(これが、ほんまの“僕”か)
鏡に映った僕の顔――その頬に、大きな裂け目があった。
裂け目の奥から、無数の目玉がこちらを覗いている。
「みてるで、ゆーくん。ちゃんと、みとるで」
「君が君でなくなる瞬間を、ずっと、ずっと見てたんや」
鏡の中の“彼女”が、口の端をぐいっと裂いて、僕に鋸を突き出してくる。
(これで、終われるんか……?)
鋸を受け取った。
でも、手の感覚はない。血の通ってへん指や。まるで死体の手や。
(もう、生きてへんのと、同じなんやな)
鋸を喉元にあてがったその瞬間、壁の中から、全身ぐちゃぐちゃの誰かが、ズルッと這い出してきた。
――彼女や。
でも、彼女はもう、顔がなかった。
「ありがと、ゆーくん」
「これで、ほんまに“ひとつ”になれるね」
その瞬間、頭の中に雷みたいな音が鳴って、視界がぶわっと赤く染まった。
鋸が喉を裂いた感覚は、無かった。
代わりに、無数の手が僕の体の中へと入り込んで――
内側に気がついたら、部屋の真ん中に立ってた。
さっきまで浴室やったはずの場所。けど、もうそこは、どこでもない場所やった。
まっくらな闇の中、浮かぶひとつの鏡。
その中に、笑ってる“僕”がいる。
「やっと、ほんまになれたな」
「君と僕とで、いっしょや」
――おかえり、ゆーくん。
僕は笑った。鏡の中の僕も、同じ笑みを返してくれた。
“これ”が、僕のほんまの顔やったんやなぁ。
時間は、止まっていた。
僕も、世界も、何もかも。
“僕”は、もう自分やあらへんかったんやね。
いや――そもそも最初から、そんな存在、あったん?
鏡の中の“自分”が、にこりと笑う。
それだけでええ。
それだけで、もう十分やった。
壁が、床が、天井が、ゆっくり溶けていく。
空間がスープみたいに崩れて、ただの闇に還っていく。
感情も、記憶も、全部がどろどろになって、
最後に残ったのは、“笑い声”だけやった。
くつ、くつ、くつ、くつ――
耳元で、脳の奥で、骨の隙間から、
何重にも重なった“彼女”と“自分”の声が、いつまでも鳴り響く。
そして、すべてが――終わってしもうたんや。
闇の底で、光はもう二度と差さへん。
“ここ”にたどり着いたら、もう引き返せへん。
……せやけど、君も今、覗いてしもたんやろ?
(ほな、次は……君の番や)
(私たちに救われたいんやろ? ならこっちにおいでや……)
コミティア152の『偏愛同好会(仮)』にて寄稿した作品となっております。
寄稿した作品がだめなら消します!!!!!!!!!!!!!!!!
すみません!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!