「はじまりはじまり」と主人公の到着時期を原作開始から原作前へ変えました。
「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!」ダダダダ
弾薬の雨が降る中、俺は迫り来る銃弾をひたすらに避ける。
銃を持たない人より裸で歩いている人のをほうが多いと言われているこのキヴォトスは、その性質上治安がとても悪い。
俺はその中でも特に治安がクソと言われているゲヘナ学園。その自治区に来ているのだが、駅から一歩踏み出すだけでカツアゲからの捕まったら即、死の鬼ごっこが始まるとは誰が予想できただろうか。
少し前にもこんなことあったなぁ、と過去のことを振り返ってみるも顔面すれすれに弾が飛んできてそんなこと考えてる場合じゃねえ……! と走り続けるが後ろから聞こえる声と銃声は離れるどころかだんだんと近づいてくるばかり。
そろそろ限界が近づいくる中、正面に見える人影に安堵し声を張り上げる。
「たすけてー!!」
「はあ、貴方は会うたびに襲われてるわね」
眼前の少女はややけだるそうにしながらその小さな体躯には身に余るであろう大きさの機関銃をこちらに向けて──
「あ、逃げろ風紀委員長d、ぐべ」ズダダダ
「なんだって!? うぐっ」ズダダダ
「ぬわーー!」ズダダ
こちらに向かって撃たれた弾は俺にあたることはなく背後のスケバンにあたる。
危なかった。あのまま走っていたらよくて数分で捕まっていただろう、と走り続けた影響ででた汗を拭きながら目の前で機関銃のフィードカバー開放する少女の方向に歩く。
「助かったよー。ありがと、ヒナ」
「偶然近くを通り掛かっただけだから気にしないで。だけど……」
学園都市キヴォトスのなかでも最強格といわれる目の前の少女──ゲヘナ学園風紀委員長空崎ヒナ──は先程までの圧倒的強者の風格を一変させこちらに近づく。一歩また一歩とこちらへと歩き、手を伸ばせば届く距離にまで来て──
「撫でてほしい」
──そういい、もじもじしながら頭をこちらにむけ上目遣いでこちらを見てくる。
「甘えんぼさんだねー。わかったよ、こっちおいで」
~~~
「は~、極楽極楽~」
あの後ヒナは美食研究会──接客態度や出てくる料理が気に食わなかったら爆発したり、他にもある生徒を攫って人質にしたりするやばい奴ら──が暴れていると連絡を受け鎮圧に向かっていった。
そして一人になった俺はこの治安が終わっている場所にわざわざきた目的を思い出しそれを実行していた。
──湯気が立ち上る空間
──水面に浮かぶ桶
──酒
さてここまでキーワードがあればみなわかるだろう、わからない? ならばしょうがない最後のキーワードは──
──温泉である
酒、温泉、二つの言葉だけで皆わかるだろう
そう
それは──
──温泉湯舟酒である!!
酒飲みの諸君は一度や二度あこがれたことがあるのではないだろうか。一度やってみたいと、だが現実はなかなかそうはいかないだろう。たしかに宿や旅館などの小さい湯舟では確かにサービスとして取り扱っている場所もあるにはある。だが、諸君は大きな露天風呂で湯に浸かり、月を見ながら片手のお猪口になみなみに注がれた熱燗──または雪冷えでもいいが──それを吞みたいのではないか? 俺は呑みたい! 。飲むのではなく吞むである。お酒に対しての欲求、つまみ、風景、どれも大事だ。確かに安酒でもそれの良さはある。缶ビール片手につまみを食いながら見る野球やサッカーなどのスポーツ観戦もすばらしい。諸君がその酒に対して心から楽しみ美味しいと思っているならいいだろう。だがそれが日常的になりつまみへの探求をなくし安酒への我慢、憂鬱から逃げるためだけの流し飲みそれはたのしんでいるのだろうか? 楽しんでいないのならそれは吞むではなく飲むのである。酒は楽しみ、美味しく吞まないとそれは酒に失礼ではないだろうか。古来より日本だけではなくほかの国々にも酒を神への貢物とされてきた文化や歴史があるように酒は神聖なものであると俺は考える!! 。
閑話休題
まあ、話がそれたり長々と話したが結論を言うと酒に妥協はするな、楽しめということである。
え? 。……未成年? 大人になってからだな、がはは。
「うあ~~~。さ~いこ~~!」
「ハッハッハー、そうだろうそうだろうこの温泉は──」
ともかく俺は温泉湯舟酒をしている。本当に気持ち良すぎる、温泉と酒で体が温まるんじゃー。
今晩は熱燗だがきんっきんに冷えた雪冷えで火照った体を一気に覚ましながらもう一回温泉とアルコールで温めなおすのもありかもしれないなぁ──
「む……無視はひどいではないか!」
──と、現実逃避もそこそこにして
「ここ男湯の筈なんなんだけど~。なんでいるの~君?」
「ハーハッハッハ! ここに私目当ての温泉があるのでな!」
間違って女湯に入っちゃったのかと、冷や汗をかくが目の前の女の反応を見てどうやらあちらが男湯に来たらしい。
男湯に来た理由がこっちに入りたい温泉があるからという理由でつっこんできたこの女の名前は鬼怒川カスミ。入学して一年で温泉開発部を設立し、それから温泉がありそうな場所を手当たり次第に爆発するやばい奴。ゲヘナの治安維持組織である風紀委員からは目下指名手配中である。
「はぁ~、きみもはいってきたしそろそろあがるかな~」
そうして温泉から体を出そうとするが──
「……」
「そうじろじろと見られると上がりずらいんだけど~?」
──何故かカスミが俺の体を食い入るように見てくる
「よいではないかよいではないか、私のような美少女と混浴できたんだ、体を見られるくらいどうってことはないだろう?」
そういいながら胸や尻をどさくさに紛れ触ろうとするカスミ。
いつの間にこうなったのだろうか、最初に会った時はこんなすけべおやじみたいじゃなかったと、過去を振り替える。
本当に、いつの間にかこうなってた。他のみんなも最初はこうじゃなかったんだ、酒飲んで、適当にぶらぶらしてただけなんだ。俺は何もしてない筈なんだ。
そんな誰にしているかもわからない、言い訳を心の中で漏らしながらいつの間にか隣に居座っている少女を白い目で見る。
「は~……それにしてもいい湯だね~」
「そうだろうそうだろう、何せここは私が発掘した中で効能、景色その他もろもろが上位にはいるのだからな!」
ああ、いつの間にこうなったんだ。
この際もうどうでもよくなった俺は温泉の中に深く座りなおして酒を一口含む
「うまい!」
酒はどんな状況でもうまい、抜けかけていたアルコール補充し襲ってくる酔いに身を任せて酒と景色を楽しむ。
そうやって、現実逃避を再開し俺は片手のお猪口を口元で傾けるのだった──
ps……酒に身を任せるとろくなことにならない……襲われそうになった……
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