そうだ、キヴォトス曇らせよう(唐突)   作:音弧

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そうだ、転生しよう

「……やったぞ……」

 

「成功したぞォォォッッッ!!!!神は実在した!!!!!」

 

廃墟の中で一人発狂する。

 

しゃーない、だってやっっっと悲願が達成されたんだもの。

 

「くへ……愛してるぜ転生トラック、愛してるぜ居眠りしてたおっちゃん!!俺を殺してくれて!!!ありがとう!!!」

 

それにしても、だ。ここはどこの世界だろう?何かしらのゲームや漫画だったりするのだろうか?

 

「……うーん……外見てみるか」

 

窓の残骸から顔を出す。

 

外には、砂漠と廃墟群と……遠くにバカでかい町と塔があった。

 

そして何より異質なのが、空にある幾何学模様のような円だ。

 

ここまでくればいくらアホに定評のある俺でも分かる。

 

最強の曇らせ物語(ブルーアーカイブ)だ!!!!!ありがとう!!!神よ!!!!!ありがとう!!!!!」

 

「……いやしかし、俺がキヴォトス人の場合曇らせがしづら……というか顔が良くないと行けないジャマイカ」

 

えーと、手鏡……は無い、スマホ……はあるな、ヨシ!

 

「……コヒュッ……わ、我ながら……顔が、いい……前世の俺はどれだけ徳を積んだんだ……!?」

 

……ヘイローは、付いてるか。どんな模様か見れねぇかな?

 

頭上を見上げる。

 

「んぉー?端っこだけ見え……粉々じゃねぇか……え?何?俺もしかして幽霊?」

 

震えが止まらない。

 

半分は自分が死んでいるのかもしれない(?)恐怖、もう半分は……我が嗅覚が察知した曇らせの匂いだ。

 

「これ、は……先生までも曇らせることが可能で……!?いや、その前に今の時系列は何時だ……!?」

 

……とりあえず、外出るか?

 

窓から外を見下ろす。

 

ここは4階程度の高さだが……キヴォトス人であれば死ぬことなど有り得ない。身体能力のテストも兼ねて飛び降りてみるか。

 

「うっひょー、こえー……でもまぁ、自分の能力を知るには丁度いいのかもしれんな。レッツダイブ!!!」

 

窓枠に足を掛け、一気に体を持ち上げる。

 

「……はは、マジでこえー……死ぬこたねぇんだが……無いんだがなぁ……」

 

「……この程度でビビるようでは愉悦部失格!!しっかりしろ俺、行くぞ……!?うわぁぁぁぁぁ!?!?!?」

 

体が宙に舞う。

 

「まっこれ……!?マジで怖」

 

そんなことを叫んだ俺は、勢いが着いたまま地面に激突し「ごちゃっ」と呆気なく死んだのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いや待て待て、なら何で俺は生きてる?」

 

死んでなかった。というか死んだはずなのに生き返った。

 

「そもそもあれで死ぬとか、肉体の能力は一般人程度しかねぇってことか……」

 

これは辛い。今体質が全く分からない現状、今は死ななかったからと言って今後も死なないとはいいきれない。

 

庇いまくってボロボロになって曇らせる案は使えなさそうだ。

 

「……で」

 

()()はなんだ?」

 

視線の先にあるのは、地面に落ちている()()()()()だった。

 

……自分の腕を見てみる。

 

無論、腕は生えていて……欠損などはしていない。

 

死亡、欠損……再生……?

 

…………もしかしてコレ、亜人か?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

亜人。

 

とある漫画に出てくる、その名の通り人ならぬ人。

 

どれだけ傷を負っても、どれだけ血が溢れても……死亡すると全て、なにもかも傷が完治する。

 

作中での扱いはまぁ酷かった、政府の実験動物として扱われたり……

 

常人だったら死に続けることも死ねないことも凄まじい絶望と恐怖であろう。

 

()()()()()()

 

 

 

 

こんな。

 

……こんな。

 

「こんな最高のコンテンツ貰ってもいいんですかァ!??!?!?!?!?!?!?!??」

 

くくく……くくくくく……!!!

 

「どこだ……輪廻転生を司る神は……どこの宗教の神様だ……?宗教はとくにやってないが……礼を言わせてくれ……ありがとう……それしか言う言葉が見つからない……」

 

「……もう少し、検証するか?」

 

先程居た廃墟の中に戻る。

 

 

「あったあった……検証、開始」

 

()()()()()()()()()()

 

「こんなとこで死んだらシャレにならないが……死なないことを祈ろうか」

 

ガラスを持つ腕と反対の腕をざっくりと切りつける。

 

「い、いてぇ……まぁ、俺はこれ以上を今からやるんだが……」

 

そっと、首にガラスを添える。

 

「怖くて怖くてしゃーない……でもこれも将来の曇らせのためだ……!最高の曇らせの為なら……!なんだってやってやる……!!!」

 

震える腕に力を込めて、ぐいっと首に食い込ませる。

 

つう、と僅かに流れ出した血が首を伝う。

 

「……やってやるよ……」

 

思いっきり力を込めて横に動かせば。

 

鮮血が吹き出して。

 

束の間の追憶。

こんな俺に笑ってくれたあの人の。

死のうとした俺を救ったあの人の。

……そして、俺を無責任に救って、勝手に死んで行ったあの人の。

ごめんなさい。また無意味に命を捨ててしまった。

でも「好きなことをやろう。無ければ一緒に見つけよう」って言ったのはあなたでしょ?

俺は今、好きなことを楽しんでいます。

 

「……成功したっぽい、か」

 

こりゃ、確定か……

 

曇らせ物語(ブルーアーカイブ)の登場人物は、ネームドからモブまで……生徒でヘイローがあるなら誰でも、理外の()()を持っている。

 

銃で打たれても「痛い!」で済むとか、ミサイルを受けても(人によるが)気絶や怪我で済んだりとか。

 

故に、誰もが死というものに触れたことが無いのだ。

 

「流石にライン越え……?嫌でも欠損……出血だけなら……?」

 

クソ……Swi〇ch2が当たったのにソフトを買わせて貰えないみてぇな気持ちだ……(?)

 

「……というか、この様子からしてここはアビドスか……だとしたら流石になぁ……おじさんは下手に続いてもマズイし……時系列によっちゃ、他の人を曇らせることだって……あぁクソ、おじさんが1番曇るって言うのに……!クソクソクソッッッ!!!!嫌だ!!!曇らせたい!!!曇らせたーい!!!」

 

ユメ先輩がまだ生きてるなら……同級生とかとしてやりようはあるが……どうせ原作始まってるんだろうなぁ……(偏見)

 

……ぶらぶら歩いて、見るかぁ……先生と会えたらいいなー……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

案の定、遭難しました()

 

何回か死んださね……キッつい死に方やね……苦しいもん……すっげー苦しいもん……

 

「……歩く気力わかねぇ」*1

 

熱砂に倒れ込む。肌が焼けるが、まぁどうでもいい。どうせ治るし。

 

せめて……他の死に方が良い……

 

「………うわっ!?死んでる!?!?」

 

誰かの声が聞こえる。

 

死の間際に幻聴でも聞いたか……いやどっちかっていうと精神が限界なのか?

 

「……体、起こせる……?無理そう……?ごめんね!今お水飲ませてあげるから……!」

 

瞼を開いて掠れた目でどうにかその人を見ると……

 

「……起きた!?ちょっとまってて、今水筒取り出して……はいどうぞ!」

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()が居た!!

 

ユメ先輩……????????(宇宙猫)

 

原作開始前かーい!?!?あっだめ脳に負荷がががががが

 

突如ユメが実現した事を察知した俺は、余りにも大きすぎるコンテンツ(ぢから)に意識を手放したのだった。

*1
超掠れ声

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