そうだ、キヴォトス曇らせよう(唐突) 作:音弧
そんなこんなで黒さんのコネでアリスクに加わった俺はというと。
まぁ、絶賛警戒されていた。
そして今だからこそ発生する悩みがある……
……どうやって脳をこんがりジューシーに焼き上げるかだ。
候補としては2つある。
①、ずっと仲良くし続けて希望を植え付ける、んでベアトリーチェとの戦いを見せつける。
亜人ならではの戦法を見せつけてやりたい。
②、最後までギリギリ信頼しきれないような立ち回り。これのいい所は庇った時に「役に立ちたかった、から」みたいに、庇って今まで自分がこの健気な少年にどんな態度をとっていたか、と思い知らせることだ。
このルートだと好感度管理は非常に難しいが、サッちゃ……"錠前"がかなり曇ることは間違いない。
というか、
仲間から先に攻めていけば「自分だけはこいつを信用してはいけない、最後まで疑わなければならない」と思ってくれるんだよ多分きっとそのはずだってそっちの方が美しいんだもの(早口)
んでまぁ、他の人からしたら自分の信頼してる*1男が悪く言われ続けて、果てには傷付けられる訳だ。
でも、男は自身を傷付けてきたはずの少女へと歩み寄り続ける。
なんで、どうして、私の方が
そう思わせたら本当に勝ちだ。長年一緒に過ごしてきた家族との不和は悲しいな!!!でも大丈夫!!!君にはどうするかを選ぶ権利があるのさ!!!これで家族仲が悪くなったらお前の責任な!!!
ふぅ。
ぶっちゃけた話、俺は普通に鬱エンドも好きだし救いのない話もジュルジュル啜れるタイプなのだ。
救いがなきゃいけないって思ってるうちはただの一般ピーポーだね、玄人はその絶望すらも味わい深く楽しめるのさ。
ただ、この世界でそれをやると一瞬で世界が壊れる。それは困る。なぜなら曇らせたいから。
俺は(当然のことだが)曇らせるためならなんだってする。
誰かを救うことも世界を守ることも曇らせという大義の前ではどれだけ傷ついたとしても成し遂げなければならない使命だ。
あ、おじさんはもうちょっと味が出そうなのでじっくり煮込もうね(唐突)
俺に笑いかけてくれた
俺を助けてくれた
俺を"救い"上げてくれた
あの人は死んだ
まぁ、多分。そこが俺の原点だよ。
「ア……姫。こんな所で何を?」
「…………」
「花を見てるんですね。……今度、外から何か花の種でも持ってきましょうか?」
「…………?」
「えぇ、良くはありませんが。僕ならマダムもそう強くは言い出せませんから」
ちなみに全然そんなことは無い。
普通に折檻も拷問もされているしなんなら何回か殺されているが……まぁこれも
後から知ってくれよ。姫、俺はあんたの綺麗な顔も歪めてぇんだ……(キャラブレ)
「…………」
「ふふ、そう遠慮なさらず。良いんですよ」
「…………」
こちらは姫。キュートで高貴なロイヤルブラッドです。
今回の最優先攻略対象だ。
何故かわかるか?
「……貴様ッ!!姫に近付くなッ!!!」
こうなるからだよ。
「……錠前さん」
「貴様の事は信用しない。姫には近付くな、施しも要らない。私達に近付くな」
「そうは言われましても、僕もアリウススクワッドの一員な訳でして。日頃から親交を深めることで任務の成功確率は上がるのではありませんか?」
「煩い。任務は貴様など居なくとも達成出来る。関わったことの無い他人をいきなり部隊に組み込まれたとて達成率が上がると思うか?」
いやだからそのために親交を深めたいなって……思ったのに……
「……良いから、早く消えろ。それ以上ここに留まるつもりなら発砲するぞ」
「それは、困りますね。では姫、申し訳ありませんが此度はここで……」
「…………」
「ふふ、また会える日を心待ちにしております」
ひゃー、わんちゃんは怖いねぇ。まぁ、自分の意思で決定してる訳だし……成長っちゃ成長、なわけないか。なんだろうな、妄執?「家族を守ること」に執着した結果家族が見えてない気がするんだよな……
一回でもヒヨリの夢を叶えてやりたいと何かをしたことはあったのだろうか?
一回でもミサキの危うい思考、それを止めるために対処療法ではなく原因療法で解決しようとしたことはあったのだろうか?
一回でもアツコに花を育てさせてあげたことはあるのだろうか?別れ際の雰囲気*2見たか、すげぇ物悲しそうだったぞ。俺との話でだいぶ興味持っちゃったんだろうな。
まぁ、わんちゃんが家族を守ることだけを考えてるなら……そうして取りこぼした分だとか、その先だとか。そこは俺が埋めていくしかないだろうな。
わんちゃんには悪いが、俺が下手に深く関わったせいで今のわんちゃんは空回ってるんだよな。
ヒヨリもミサキもアツコも。わんちゃんが「守らねば」となにかすればする程に本人がやりたいことをやらせてあげられてないんだよね。
本人の努力も尽力も凄いことだし、それは認める。ただ、それを受けた側に合わせて形を変えられなければ意味は無くなってしまう……のかな。
世の中って本当にままならない。あんなに頑張っているのに、その結果がこれだもんね……」
『……声に出てるぞ?珍しく口調も崩れてんな』
「……ん?あぁ、ごめん……聞かれたら困る内容は喋っていないし、「Cry」ちゃんくらいしか聞いてないから愚痴をこぼすぐらいいいかな、って」
『俺がゲマトリア側にチクる可能性を考えねぇのか?』
「んー、そうなったら困っちゃうね。でも───」
「───僕は、そうならないって「Cry」ちゃんを信じてるよ」
『……チッ、呪いの言葉を吐くんじゃねぇ……』
「ふふ、ごめんね?ありがとう」
Cryちゃんをあやしながら、今日の俺は眠りにつくのだった。
地雷の意味は、「親密になることによる後の曇らせへの地雷の設置」です