復讐するべき相手であったバルパーが既に倒されていることを知り、オカルト研究部の木場が何かおかしくなったようで、グレモリーが困っていると教えてきたセシリア。
「聖剣が憎いとしても一時のテンションに身を任せるべきではなかったとわたくしは思いますわ」
苦言を言いながらも木場の様子を俺と一緒に見に行くセシリアは、木場のことを見捨てた訳ではないようだ。
オカルト研究部にまで向かい、部室の扉を開けてみたが「アリガトウ、首飾リニスルヨ」と言いながらクッキーを首飾りにしようとしている木場を「クッキーを首飾りにしようとしないでください!」と止めようとしている塔城さんが居た。
1回静かに扉を閉めて、セシリアと顔を見合わせてから、もう1回扉を開けてみると遠い目をしながら「我アラバスタの守護神!ファルコン!」と言う木場を「アラバスタって何処ですか!?しっかりしてください祐斗先輩!」と必死になって揺さぶっている塔城さんが見える。
ちなみにそんな木場と塔城さんから少し離れたところで「祐斗が、祐斗がおかしく」と泣いているグレモリーに「そっとしておきましょう」と言っている姫島が居たが、後輩の塔城さん以外は今の木場に対応していない。
先輩であるグレモリーと姫島が使い物にならない状態で頑張っている塔城さんが不憫だと思った俺は、試しに木場に話しかけてみることにした。
「俺が言うのも何だが大丈夫か?」
木場に近付いた俺が話しかけてみた瞬間、手に闘気の炎を纏わせた木場が「ベルリンの!赤い雨!」と言いながら手刀を此方に振るってくる。
当たれば痛いじゃ済みそうにない威力がありそうな炎の闘気を纏う手刀。
当たってやる必要はないので避けてはみたが、手刀に触れたテーブルが真っ二つなり、炎の闘気を纏っていたせいか木製のテーブルは激しく燃え上がってしまう。
「ヒャド」
火事になる前に消し止めようと俺が水場から水を持ってこようとしていると、セシリアが唱えた氷魔法らしき魔法で燃え上がっていたテーブルが一瞬で凍り付いた為、火事が発生することはない。
「いきなり攻撃してきた相手に、容赦してやる必要はありませんわね」
そう言ったセシリアは木場が繰り出す炎の闘気を纏う手刀を「フェニックスウイングですわ」と同じく炎を纏う掌で受け止め、空いている片腕で木場の腹部に拳を叩き込んでいた。
一撃で吹き飛んで気絶した木場の頬を往復ビンタして叩き起こしたセシリアは「いい加減正気に戻りやがれですわ!ぶっ飛ばしますわよ!」と、お嬢様なら絶対に言わないことを言っていたな。
「うう、ぼ、僕は誰だ」
「どうやら木場祐斗の頭のセーブデータが消えてしまったようですわね」
自分が誰だかわからなくなっている木場を見て、冷静にそんなことを言っていたセシリアは、慌てていない。
「フェニックス家では、よくライザーお兄様が似たような状態になっていましたので、プロフェッショナルなわたくしは慣れておりますわよ。こういう時は、斜め45度の手刀を頭部に叩き込めば頭のセーブデータは復活しますわ!」
「いや、そんな古いテレビを叩いて直すような方法で大丈夫か?」
本当に大丈夫なのかと思ったのでセシリアに聞いてみたが、手刀の素振りをしているセシリアは自信満々に口を開く。
「大丈夫、問題ないですわ。わたくしはプロですわよ」
何のプロなんだ、と疑問はあったが、そこまで自信満々なら任せてみようと考えた俺は、特にセシリアを止めたりはしなかった。
「イヤー!」
独特なかけ声と共に放たれたセシリアの手刀が木場の頭部に直撃。
「グワー!」
何故か妙な悲鳴を上げながら床に倒れた木場。
「はっ、僕はいったい何を」
しばらくして床から立ち上がった木場は記憶と正気を取り戻していたようだ。
「この手に限りますわね」
おかしくなっていた木場が元に戻ったのは、笑顔で頷いているセシリアのおかげなのは確かだろう。
その後、木場に神器とは関係のない能力が発現していたそうで、身体をハヤブサに変化させることが可能になっていたり、ハヤブサと人の形を混ぜたような人獣形態にも変化できるようになっていた。
他にも身体能力が上がっていて、自在に手に炎の闘気を纏わせることが可能になっていたりもしたらしい。
「これは、他の転生者の仕業かもしれませんわね。ハヤブサはペルで、炎の闘気を纏うベルリンの赤い雨はジェイドだった筈ですわ」
などと言っていたセシリアは、木場が新たな能力を得た何かしらの理由を知っていたのかもしれないな。
まあ、とりあえずおかしくなっていた木場が正気に戻ったのは良いことだ。
復讐相手が居なくなって落ち込んでいた木場もなんとか元気を取り戻しているようなので、一応問題はないと言えるだろう。
神器以外の新たな能力を手に入れた木場は、まだ能力を使いこなしてはいない。
それでも上昇した木場の身体能力はかなりの高水準となっており、今の自分自身に木場が慣れてくれば、かなりのパワーアップとなる筈だ。
復讐相手であるバルパーを俺が奪ってしまった形になるので、木場が今の自分の身体の動きに慣れるまでは、俺が手伝うとしよう。
既に寿命で死んでいる転生者
安西
様々なゲームやアニメに漫画が大好きだったが、持病が悪化して死亡
選んだ特典は、完全に心が折れた原作キャラが新たな能力を得て復活すること
外見はスラムダンクの安西先生
心が折れたキャラが新たな能力を得て復活するのが好きだった為、こんな特典を選んだらしい
既に彼は死亡しているが、彼が望んだことは死後も叶っている
原作とは変わったキャラ
木場祐斗
完全に心が折れていたが、他作品の声優繋がりの能力を得てなんとか復活
ONE PIECEのペルのトリトリの実モデル、ファルコンとキン肉マン2世のジェイドの身体能力とベルリンの赤い雨を得たようだ
しかし木場がクッキーをアリガトウクビカザリニスルヨとか言ってたのは安西も「なにそれ知らん怖」と言うかもしれない