様々な出会いがあった1年も過ぎて、俺が駒王学園の3年生になったある日、兵藤弟とその取り巻きが駒王学園に来なくなった。
ついに退学でもさせられたのかと思っていたが、そういう訳ではなく、兵藤弟達自体が行方不明となっていたらしい。
あの兵藤弟と取り巻き達なら、誰かの恨みでも買って殺されていてもおかしくはないような気がするな。
そんなことを考えながら歩いていると、結界のようなものが発動し、明らかに結界内に閉じ込められた俺の前に現れた男。
ウェーブのかかった黒い長髪の男は「お前も龍を宿しているようだな、そして間違いなく強い」と笑みを浮かべながら言うと「奪った神器の試運転にはちょうどいい」と言いながら左手を掲げた。
瞬く間に男の左腕に赤い籠手が装着されていき、男の肘までを覆う赤い装甲。
「戦う前に名乗っておく。オレはコカビエル、堕天使だ。人よ、お前の名を聞いておこう」
「桐生一馬だ」
「良き名だ。お前によく合っている」
「そいつはどうも」
「では、行くぞ桐生一馬!」
地を蹴り此方に接近し、籠手を装着した左腕を振るってきたコカビエル。
赤い装甲に覆われたコカビエルの左拳へと、俺は素手の右拳を叩き込んで弾き返した。
「やはりお前は強い」
笑みを更に深めた堕天使は両拳による打撃を連続で繰り出す。
拳の弾幕を迎撃し、前に踏み込んだ俺は握った拳を堕天使の腹部へと叩き込んだ。
腹部への強烈な一撃で身体をくの字に曲げて大きく吹き飛んだ堕天使コカビエルは、地を転がってから立ち上がり、腹部に手を当てながら「たまらんな」と笑う。
「このままでは勝負にもならんか、神器は想いに応えるのだったな」
左腕を覆う赤い籠手に手を添えて「今代の本来の赤龍帝はオレではないが、あのクズよりはマシだろう。力を貸せドライグ」と言う堕天使。
その言葉に応じるように赤い籠手が姿を変え、堕天使コカビエルの全身を覆う鎧と化す。
「待たせたな桐生一馬」
「そこまで待ってないから気にしなくていい」
「やはりお前はいいな。桐生一馬という男に出会えたことを、お前の両親に感謝しよう」
「神には感謝しないのか?」
「ふっ、オレは堕天使。神に背いて堕天した者だ。感謝するような神などおらんさ」
「それもそうか」
「さて、そろそろ戦いを再開するとしようか!」
先程とは段違いの速度と威力で振るわれる赤い鎧に覆われた堕天使の拳。
軽く殴った程度では弾き返せなくなった威力の高い堕天使の拳打へと叩き込むのは力を込めた拳の一撃。
互いの拳と拳が打つかり合う度に凄まじい衝撃波が周囲に広がる。
拳の連打の打ち合いとなり、連続で繰り出される拳撃が絶え間無く続いた。
お互いに真正面から間合いを詰めて、己の拳を相手に打ち込むことだけを考えて放った拳打。
打ち放つ拳が互いの身体に叩き込まれ、両者が傷付いていく。
それでも俺とコカビエルは止まることなく戦い続けて、拳を相手に打ち込み続けた。
一撃一撃に力を込めて繰り出す拳。
絶え間無い連打、防御を考えない打撃、放つ拳は止まらない。
それでも決着の時は訪れる。
同時に互いの頬に打ち込まれた渾身の拳により、地に崩れ落ちるように倒れたのは堕天使コカビエルの身体。
「オレの完敗だ。お前は龍の力を使わずに、赤龍帝の鎧を纏ったオレを倒したのだからな。その強力な龍の力も使えばオレを簡単に倒せたかもしれんが、何故使わなかった?」
「俺だけの力で、あんたに勝ちたいと思ったからだろうな」
「そうか、やはりお前はいいな。桐生一馬という男に出会えただけで、駒王町に来た意味はあった。オレに勝ったお前にならこのコカビエルの首をくれてやってもいい」
「首はいらねえ、俺はあんたを殺さない。生きてまた、喧嘩しようぜ」
そう言って俺は、地に倒れた堕天使コカビエルへと手を差し出した。
「喧嘩か、ああ、そうだな。また、お前と喧嘩をしよう」
俺の手を握り、フラつきながらも立ち上がったコカビエルは笑う。
堕天使コカビエルが指を鳴らすと解除された結界。
「また会おう、桐生一馬」
「ああ、じゃあなコカビエル」
再会を約束してから別の道を歩いていった俺とコカビエルは、振り返ることなく道を進んだ。
翌日、堕天使コカビエルと出会って戦ったことをセシリアに伝えてみると「駒王町で大物の堕天使と遭遇したんですわね。しかも桐生ちゃんが戦って勝ってるとか駒王町の管理者2名が卒倒しそうな情報ですわ」とセシリアは苦笑いしていた。
「大戦を生き抜いた武闘派堕天使コカビエルは、グリゴリの幹部の座を自ら放棄してフリーの堕天使になった変わり者と言われておりますが、実力は堕天使でも最上位と名高いですわ。それが更に神器で強化されているとなると、とんでもねぇですわよ」
「使ってたのは赤龍帝の籠手とコカビエルが言ってたな、何か籠手が鎧にもなってたが」
「神滅具の使い手になって、禁手にまで辿り着いてるコカビエルと殴りあって勝っちゃう桐生ちゃんは、マジでヤっべぇですわ」
そんな会話があった後の放課後「わたくしはちょっと報告する必要がありますので、今日は桐生ちゃんと一緒には帰れないですわよ」と言っていたセシリア。
1人で帰っていた俺は、空腹で行き倒れになりかけていた侍のような青年を発見。
とりあえず自宅に連れ帰って飯を食わせておくと、空腹が満たされたことで落ち着いた様子の青年。
「5日ぶりの飯は格別だった。腹一杯だ」
「腹一杯になったならいいが、なんで行き倒れかけてたんだ?」
「財布を落としたんで金がな」
「なるほど」
そんな青年の事情を聞いた後、互いに自己紹介をして青年の名が「霜月リューマ」だと知ることになった翌日の土曜日、霜月リューマと一緒にリューマが財布を落としたかもしれない場所を探してみると、財布を見付けた。
「これで生活できる!」と喜んでいたリューマと一緒に自宅に戻った俺は、財布が見付かった祝いとして原種のビリオンバードが産んだビリオンバードで料理を行い、様々な鳥料理を作成。
また腹一杯リューマには料理を食べてもらい、満腹になってもらってから、リューマを送り出す。
「一馬には一宿一飯の恩がある。いずれ恩返しさせてくれ」
そう言って去っていったリューマは、侍なだけあって義理堅いようだ。
霜月リューマ
ONE PIECE世界のワノ国生まれで竜を斬った剣豪にして、若くして亡くなった霜月リューマ本人
選んだ特典は愛刀の秋水
旅人として日本を放浪しながら侍として生きている
原作とは変わっているハイスクールD×Dの登場人物
コカビエル
大戦を生き抜いたことは変わっていないが、様々な人間との出会いがあり変わっていった堕天使
その為人間を侮るようなことはないようだ
強さを求める為に神器にも手を出すようになったが、殺さずに神器を奪う術を会得している為、神器所有者に問題がなければ殺して奪うことはない
堕天使ではあるが光力を使うよりも、格闘戦を好む変わり者とされている
死亡した転生者
兵藤慎二とその取り巻き達
言動や行動を改めることなく、実戦経験の為と称してはぐれ悪魔に対して必要以上に攻撃を加えて、嘲笑いながらなぶり殺しにしていたところをコカビエルに目撃され、更正の余地がないクズであることを見抜かれて全員コカビエルに九割九分殺しにされてから神器を抜き取られて殺された
死体も完全に消し飛ばされた為、悪魔の駒による転生も不可能
兵藤慎二の赤龍帝の籠手は、慎二には応えてくれなかったようだ