アポアポカリプスホテル   作:PureFighter00

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とりあえず放流。アポカリプスホテル2次創作っス。

みんなの質問コーナー【捏造】
Q「なんでアポアポ?」
A「後ろぷすぷすは竹本先生がやってるから頭を増やしてます」


8.5話 「狙い撃つぜぇ!」

「……妙ですね……」

ヤチヨが宇宙から帰還して早73年。アポカリプスホテルアニメの時の流れからすると僅かな期間だが、この僅か73年で銀河楼周辺では劇的な変化があった。

「どしたのヤチヨちゃん? 鹿さんが取れない日だって普通にあるよ……」

「ポン子さんが来る前にもこんな事があったんですよ。そう、あれは人類が宇宙に去ってから間もない頃、富士山の噴火があった年でした……」

 

日本の名峰、富士山は休火山である。休んでいるだけで火山活動は続いており、地球人類が宇宙脱出計画を進めて暴徒が北斗の拳チックに闊歩していたその時期にそれは起こった。

莫大なる噴煙と火山灰。偏西風により東京まで降り注いだ火山灰は日光を妨げて銀河楼のロボット達も太陽光発電量の減少により輪番停電不可避であった。そしてその年、12年ぶりに東京に雪が降った。

「……? 雪ってあのふわふわしたのでしょ? 冬になれば毎年降るじゃない?」

「ポン子さん来た頃は毎年は降雪なかったですよね。その前は地球はオーバーヒート気味で雪はほとんど降らなかったんです。ウィスキー作り始めた頃から段々雪が降る様になりました」

「へー、環境も変わって来てるんだね、ヤチヨちゃん」

「おうよ! その変化もきっちり記録してるぜぃっ!」

「だぜちゃん久しぶりー、どしたの今日は?」

「……ああ、ちょっと悪い知らせだ。東北の山々で泥食いが出た」

「……どろくい? 泥舟じゃなくて?」

「ああ、竹の花が咲いた」

 

「検索……竹の花。100年や60年周期で花が咲き、その後その竹の一群が一斉に枯れる事で野鼠などの小動物が一気に拡散して野山の植物を食い荒らし、恐慌を巻き起こす……」

「ああ、人間もそれに巻き込まれて飢餓が起きるって寸法だ。食い物が無くて泥を食うしかない。人呼んで泥食い。(もっと)も肝心のヒトがいない訳だが。

ま、俺たちロボットにゃー関係ないが、なっ!」

「待って、待ってよだぜちゃん! 私生き物、いきものっ!」

「頑張って生き抜くんだぜぃ!」サムズアップ

「いえ、ポン子さん。銀河楼にはネズミ1匹入れませんし、屋上菜園は鉄壁です」

「いやいや、武器しまって畑増やそうよぅ! ポン子ひもじいの嫌っ!」

「食う事より食われる心配した方が良くないか?」

「環境調査ロボットさん、それは?」

「熊が降りてきてるらしいぜぃっ!」

「熊……熊ですか……」ヤチヨの瞳が検索モードに切り替わる。

 

 

 

「いいからっ! ダメだ刺激しちゃ!」

「代理っ! 代理っ!」

「銀河楼を頼む、代理の代理として頑張ってくれヤチヨ!」

「嬢ちゃん危ねぇ!」

「私っ……私ひとりじゃぁ……」

「1人じゃない、みんな居るだろ休職中なだけでっ!」

「稼働中なの私だけじゃないですかっ! ワンオペなんて酷いですっ!」

「(微妙な顔)……業務日報さb

 

パシッ!

 

ホテリエロボの胸郭構造中心にあるメインバッテリーがショートしたのか、ヒグマが噛み込んだボディを中心に激しい光が走る!

 

 

「代理……」

「……どしたのヤチヨちゃん?」

「……狩りましょう」

「え?」

「お客様が出入りの際に熊に怯えるホテルが何処にあるでしょうか? ありません。ナンセンスです。愛すべきお客様に安心な夜と快適な睡眠を。ホテル銀河楼は銀座周辺の害獣を駆逐します!」

 

「俺が確認したのはこことここだ。多分東京駅西口方面、日比谷公園辺りがねぐらで、獲物探して南下してる感じかな?」

「だぜちゃん、狙い撃てなかったの?」

「射界……ですね?」

「ヤチヨ詳しいな? そう、距離が足りなかった」

「熊は結構足が速いですからね」

「なんでそんなに詳しいの?」

「クマ撃ち、練習しましたから」

ガンロッカーから散弾銃を取り出すヤチヨさん。

「結構うまいんですよ?」にっこり

「あのー、誠に申し訳ないんですが……」

「どうしました? ポン子さん」

「その手じゃ、引き金引けなくない……」

ヤチヨの下半身はタンクで、指はヤットコ形状なのであったー

時計の秒針がせわしなく回転している。

 

「……終わりです。引き金が引けないハンターなど猟友会に加入すら出来ません……」

 

「どこにも猟友会なんて無いけどなっ!」

「これ散弾銃でしょ、ならポン子でも……」

「バックショットじゃイノシシも撃てないぜぃっ!」

「ばっくしょっと?」

「比較的大粒の散弾を撃つ弾です。シカ撃ちに使いますがクマやイノシシ相手では余り効きません。かえって怒り狂い襲われる羽目になります」

「く……詳しいね……」

「ええ、それで襲われましたから」ヤチヨは淡々と応える。

「クマ撃ちならスラッグ弾です。拳銃と同じ一発の、しかし大型の弾を発射します。後はライフルですね。308とか」

「ちょーっとまてよヤチヨー。俺様だって射撃は得意なんだぜぇ!」

「いや、戦車砲は……」

「当たるの?」

「1500mぐらいなら近く掠めただけでミンチに出来るぜぃ!」

「周囲に被害が出るのは……」

「すごーい! だぜちゃん銀河楼の用心棒になってよ!」

「仕事が片付いたら考えとくぜぃ!」

 

「やはり安全性を重視するなら罠猟じゃないか?」

「ドアマンロボさん、お客様が罠に掛ったらどうするんですか」

「うーん……」

「いや、良いかもしれないよヤチヨちゃん」

「どういう事ですか、ポン子さん」

「作戦は多重に張ってシナジーしてこそポンチャカだよヤチヨちゃん」意外な場面で謎に賢いポン子の頭の葉っぱがキラリと輝いた。

 

双眼鏡を覗き込むポン子を背負ってヤチヨタンクが八重洲に侵入。いわゆるタンクデサントだ。

 

「地下街は避けた方が良さそうだね」

「大手町駅方面からパレスホテルを回って内堀通りに出ましょう。道が広い方が有利です」

キュラキュラ……

「ヤチヨちゃん、センサーに反応は?」

「確かこの辺にはイノシシの群れと馬の群れがいた筈ですが見当たりません。乃木坂の方の青山霊園側に逃げたか、赤坂の迎賓館があった森に避難しているのかも……それにしても……」

キュラキュラ。カタピラキャタキャタ……

「なんでタンクに? 確かに不整地走破性は高いのですが……」

「ポン子ね、もう誰1人銀河楼のみんなに壊れて欲しく無いの。生き物は傷付いても治るよ? でもみんなは壊れたら動けなくなっちゃうじゃない……ヤチヨちゃんが目覚めるまで、ポン子怖かった……もう2度と会えなかったらどうしようって……」ポン子の目に涙が溢れ出す。

「いや、何故タンクに……」

「市ヶ谷の研究所にあった最新鋭の対ドローン戦車ボディだよヤチヨちゃん! 凄いんだよこれ! ラインメタルの120mmAPFSDSを至近距離で五発食らっても壊れないらしいよ! その手だって不発弾処理機から持ってきた防爆仕様でTNT火薬……」

「私を何と戦わせるつもりなんですか、ポン子さん……」流石のヤチヨも呆れ顔だ。

だが待って欲しい。静止衛星高度からダイレクト帰還する様なヤチヨを保全する為にはこれでも不十分ではあるまいか。寧ろよく保ったなホテリエボディ?

 

「!」

「ヤチヨちゃん!」

「赤外線カメラに感あり! 推定身長150cm!」

「案外ちい……」

「さらに後方に200cm級! 子連れです!」

「ひっ……ひぇぇぇえ!」

子連れの獣はかなり気性が荒い。これは想定する中では最悪に近い状況だ。

「タヌキ寝入りは終わってからにして下さい。空に向けて発砲! 作戦開始します! しっかり掴まっていて下さい!」

「ひっ……ひぃぃいっ!」

 

パンっという思いの外軽い音が日比谷の交差点に木霊(こだま)する。同時にヤチヨがタンクをギアダウンして超電動モーターが唸りを上げる。「行きますよ……特攻(ぶっ)こんだらぁ!」

キュラキュラ音は鳴りをひそめ、パラリラパラリラとヤチヨタンクが爆走(はし)り出す。ありし日の日比谷交差点で散弾銃をぶっ放して戦車が爆速(はし)り出したら近くに待機している警察官の皆様が大慌てする所だが、桜田門の方々は数百年前に全員退職済みだ。

ヤチヨタンクは南東へ走る!

有楽町駅の南側ガードを抜け、ゲートホテル東京の前を見上げることもなく通り抜け、有楽町駅の南側なのに銀座なソニーパークを横目に見てヤチヨタンクは爆走する!

パン! パン!

「当たらないよヤチヨちゃん」

「当たったらハワイにご招待ですよポン子さん。こんな不整地走行しながら当てられるのはテレビドラマの大門刑事部長ぐらいです!」

「現実はきびしーぃっ!」

 

銀河楼前を通り過ぎる時に2階窓辺からハエトリロボさんの支援射撃! ハエトリレーザーで華麗に小熊の目を狙撃! 足の止まった小熊を修繕ロボさんが投網で捕獲。

しかし怒りに我を忘れた母熊は気付かない。

「嬢ちゃん、仕上げだ」

「了解っ! ヤチヨ、行きまーっす!」

「だぜちゃん時刻合わせ!」

「オウヨ!」

銀座三原通り通過時にポン子が空に散弾銃を放つ。

 

「……狙いっ!」

 

「ポン子さん距離は?」

「およそ150! もうちょい欲しいかな!」

「了解、加速! 掴まって!」

「ヤチヨちゃん!」

「ポン子さんっ!」

 

「……撃つぜぇっ!」

 

環境調査ロボの砲身が白く輝き、彼の中に内蔵された高性能キャパシタが大電力を一気に砲身へと注ぎ込む。弾体がプラズマの尾を引きながら都道316号線を真っ白に照らし出す。

パチュンという軽い音が銀座に響き渡ると、ヒグマだったものは手脚を残して文字通り消失した。

 

銀座東3丁目交差点からの東銀座交差点へのレールガンによる砲撃。距離およそ150m

都道316沿いなので比較的近場の被害は少なく、建物の倒壊は無かった。

 

「ヌデルンルンの時みたいに跳ねたらどうしようかと……」

「失敬な、野生動物ぐらいなら楽勝よぉ!」

「今回は私への電磁波被害はありませんでした……練習が活きましたね」

この日の為に、シミュレーションを数十回、テストランを64回ほど繰り返した甲斐があった。

「さて、小熊が居たんだっけな。ピートを取りに行く序でに北海道にでも放しに行くかぁ……」

「お母さん、殺しちゃったね……」

「生息エリアとして相入れませんからね。それに……人類の皆様が勝手すぎます。可哀想可哀想で昔は森にドングリばら撒いてたらしいですよ」

「なんでそんなことしたの?」

「自分が襲われる側に立つ可能性考えてなかったんじゃないですかねぇ?」

「まぁまぁ、もう数百年経過してるから生態系の食物連鎖バランスはいい感じになってるよ。泥食いみたいなイベントが無きゃ中々こんな事は起きないし……イベントがあれば人類の皆様も考え直すさ……多分な」

 

作中の泥食いは、物語上の架空のイベントではなくガチであります(筆者注)




これ需要あるのか?(多少はある……のかな?)

まぁええ。10人ぐらい読んでくれるならワイは書けるっ!
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