アポアポカリプスホテル   作:PureFighter00

4 / 5
本格麻雀放浪アニメ。
日テレや竹書房にどーもどーも回


7.5話「なにが君のしあわせ?」

それは僕の背がまだ小さかった頃の話。ヤチヨさんが宇宙に行って帰って来なかった頃。

 

おねぇちゃんは狂った様にロケット開発をしていた。何を見たか分からないんだけどロケット2本飛ばせばそれを掴んでヤチヨさんは戻ってくる筈とか(筆者注 マジンガーZ、であろうか?)、映像解析してヤチヨさんの軌道予測できればとか散々手を尽くした。太陽フレアの影響で無理だったんだけど。

結局、ロケット工学に詳しいおねえちゃんではレーダー関係の開発は無理で、段々と、段々とおねえちゃんはヤチヨさんの居ない生活に慣れて行った。慣れては行ったけど思慕の念は消えず、温泉にヤチヨさんの寝っ転がった石像を刻み始めた時はギョッとしたけど。

 

そんな時、ナメクジ星人の教師が銀河楼を訪れた。なんでも修学旅行先として長いこと訪問してた星が何故か文明破壊されて代替先を探しているとの事。そこで自然豊かな第二のタヌキ星、地球が候補になったのだそうだ。

主に経済的な理由で。

銀河楼は紙の束持ってきたら実質無料で泊まれるからなぁ。

 

「と言う訳で、滅んだ地球の文化なども学べればと……」

「うーん、私もあんまりその方面は詳しくないんだよねぇ……」

「映画とかでいいんじゃないか? TV局のアーカイブは割とデータ残ってるんだぜ?」

「だぜちゃん優秀!」

「ああ、VRではないレトロな感じだと子供達にも目新しいでしょうなぁ……」

 

と言う事で、銀座楼から近い新橋(汐留)のビル内にある放送局本社におねえちゃんとだぜちゃんに連れられて僕がやって来た訳ですよ。修学旅行生に精神年齢が近いからだって!

 

で、名探偵◯ナンとかシティーハン◯ーとか色んなアニメを見た。面白かった。ダビングしてお家に篭って見続けてたらお母さんがニートになってしまったってうるさかった。仕事も何も、就職先銀河楼しかないこの星に職業選択の自由なんてない。時はまさにアポカリプスー、淀んだ街角で僕らは……出会いならない(涙)

豪運でポンスティンさん捕まえたおねえちゃんと違って僕は……(捻くれて星を睨んだ。日テレ繋がりで)

 

アニメはみんな楽しかったけど、唯一僕の心を深く抉る話があった。最初はそんな事気付かず楽しく見てたんだ。

でもお母さんと喧嘩して不貞腐れてアニメを見始めた時に、それは突然「理解できてしまった」

 

なんのためにうまれて

なにをしていきるのか

こたえられないなんて

そんなのはいやだ

 

そうだ うれしいんだ いきるよろこび

 

わからないまま おわる

そんなのは いやだ!

 

 

泣いていた。いつの間にか泣いていた。絵柄的にもストーリー的にもこれはもっと幼いものに見せるものの筈だ。なのになんでこんなに辛いんだ!

 

翌日、ナメクジ先生と一緒にこのアニメを見た。先生は絶句していた。歌詞を翻訳して教えたら愕然としていた。

 

「これは、宗教ですか?」

「違うと思います」

「明らかにこの作品、幼児向けですよね? 何故哲学的な問いが?」

「わかんないです。人類は何処かに行ってしまったので」

「あなたはなんのために生まれて、何をして生きるのか考えたことはありますか?」

「ぜんぜん考えたことはありません。先生は考えてますか?」

「なんとなく産まれて、なんとなく教師をしていた様に思います……なんとなくです」

「フワッと生きてますね」

「ええ、フワッと生きて来ました……」

いつの間にか、僕たちは天井を見つめて涙が流れるまま無言で椅子に座っていた。丸顔のヒーローが「そんなのは いやだ!」と呟く姿が見える。

 

「おねえちゃん、おねえちゃんはなんのために産まれて、何のために生きてますか?」

「ヤチヨちゃんの為に産まれて、ヤチヨちゃんの為に生きてます」

「お父さんは何のために産まれて、何のために生きてますか?」

「楽しみの為に産まれて、家族の為に生きてるかなぁ?」

「お母さんは何のために産まれて何のために生きてますか?」

「お父さんのために産まれて、あなた達子供のために生きてる……かな? 寄り道もしたけどね」

「おばあちゃんは何のために産まれて、何のために生きてますか?」

「今思い返すと、何のためだったのかねぇ。色々な理由があった様に思うし、どれも違う様な気もするわね。もしかしたら今ふぐりとこの話をするためだったのかもねぇ」

 

僕は何のために産まれて、何のために生きるんだろう?

 

 

「む……難しい事考える様になったなぁ、フグリも……竹書房繋がりでぼのぼのかぁ?」

「ぼのぼの?」

「ああ、いや、うん。忘れてくれていい」

近代麻雀を愛読する父だった。

「狸生ってのはな、フグリ。 九種么九牌倒牌(きゅうしゅやーおーぱいとうはい)みたいなクソ配牌からアガリを見越して色々な物事を交換していくみたいな物なんだよ。いつか手の内にある13 牌から狙える手が見えてくる……」

「わかんないよ、お父さん」

「最初からアガリが見えてるとか地和とか人和じゃないか。そんなもんは無いんだ」

「それ麻雀の話じゃなくて?」

「ましてや産まれてすぐ天命を知るなど正に天和!」

「もしもし?」

「今ある牌をよく見て高い手を目指せ。字牌をすぐ切るな。混老頭(ほんろうとう)混一色(ほんいーそー)狙えるかもしれないだろ!」

「すぐ混一色狙いに行くのは筆者さんの良くあるムーブじゃん(はい)」

「でも他家の捨て牌よく見なきゃダメだぞ」

「もう開き直って麻雀話になってる」

「つまり、狸生とは麻雀だ!」

 

とりあえずイーピンがアンパンマンに似てるのは分かった(ふぐり)

 




ポン! ポン、 ポン!
哭きの竜が怖くてタヌキやってられっか!

「あんた、背中カチカチだぜ……」
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