ルパン三世/The HolyGrail War   作:サクラモッチー

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【前回のあらすじ】
ルパン三世、アーチボルト邸に忍び込んだ末にランサー(ディルムッド)を召喚する。

ちなみにディルムッドが召喚された理由はいわゆる女関係ってやつです。


大泥棒と槍兵時々逃亡

ケイネス・エルメロイ・アーチボルトは今まさに怒りの絶頂にいた。

その理由は至って簡単で、自身の屋敷に忍び込んだコソ泥ことルパン三世の機転によって、自分が召喚するはずだったサーヴァントが召喚されたからである。

彼の視線の先には、手の甲にマスターの証である令呪が現れたコソ泥とそのコソ泥によって召喚された英霊がおり、その事実がケイネスの怒りをますます深めていた。

 

ルパン三世の血と聖遺物を触媒に魔法陣を起動させ、眩い光と共にルパン三世達とケイネスの目の前に現れた男は、女ならば惚れるであろう美貌と不思議な魅力を放っていたが、それと同時に騎士としての風格と威厳を持ち合わせていたため、彼のマスターであるルパン三世はコイツは本物の英雄だと理解したのか、若干冷や汗をかきながらこの状況を見つめるしかなかった。

 

「ば、馬鹿な.....!?何故お前みたいな男が!?」

 

ケイネスが悔しさと怒りを滲ませながらそう言葉を漏らすと、ランサーは主人であるルパン三世を前に立ち、自らの武器である二本の槍を使って襲いかかってくる水銀からルパン三世達を守った。

 

「.....マスターに対するその攻撃、俺に対する敵意と見做していいのだな?」

 

そう言うランサーの言葉の端々には、騎士として主人を守り抜くという覚悟が滲み出ていて.....それを見た次元はルパン三世がとんでもない存在を召喚したのだと改めて理解した。

 

「ルパン!!コイツは......!?」

「.......どうやら、俺の賭けは良い方に転がったらしい」

 

ケイネスの操る水銀に苦戦するどころか、逆に圧倒していくランサーを見つめながらそう言うルパン三世。

彼のその瞳には彼のような英雄が実在していたという事実に対する驚きに加え、ロマンを追い求める怪盗だからこその興奮が混じった感情が映っており、祖父が求めたお宝のヤバさを実感するのだった。

 

そんなルパン三世を知ったか知らずか、ランサーはケイネスの水銀の攻撃を蹴散らすと

 

「そんな小細工で俺を下せると思ったのか?だとしたら....それは見当違いだ!!」

 

そう言った後、彼に向けて自身の持つ槍の一つである使って【破魔の紅薔薇(ゲイ・ジャルグ)】を使用して水銀を攻撃した。

破魔の紅薔薇(ゲイ・ジャルグ)】の攻撃はケイネスの魔力で操られていた水銀だけではなく、ケイネス本人の腕までも貫いたため、彼の顔には腕を貫かれたことによる痛みで、苦悶の表情を浮かべていた。

 

そもそも、ケイネスの魔術礼装である水銀.......【月霊髄液(ヴォールメン・ハイドラグラム)】は攻撃・防御・索敵といった各形態を持つ液体金属で、最強の部類に入る魔術であった。

けれども、それはあくまで通常の戦いの話で

 

「ぐぁっ.......」

 

ランサーの武器にして宝具の一つである【破魔の紅薔薇(ゲイ・ジャルグ)】は、宝具以外の魔法に対しては一時的に魔力を打ち消す能力があったため、防御形態に入った【月霊髄液(ヴォールメン・ハイドラグラム)】の壁を打ち破り、ケイネスにダメージを与えたわけなのである。

 

「お〜お〜、派手な攻撃だな」

「......おいルパン、そんなことよりもどうやってここから逃げるんだ?」

 

魔術師であるケイネスを圧倒するランサーの攻撃を見て、興味津々な様子でそう言うルパン三世に対し、呆れながらそう言う次元。

その言葉を聞いたルパン三世はニヤッと笑った後、相棒に向けて任せとけと言わんばかりの顔になると、隣にいる次元と只今絶賛戦闘中のランサーに向けてある物を渡した。

そのアイテムはいわゆるサングラスで、そのサングラスを見た次元はルパン三世のやろうとしていることを察したのか.....やれやれと言う顔になっていた。

 

「マスター、これは.....!?」

「さぁて....ケイネス・エルメロイ・アーチボルト、だったか?お前、眩しいのは好きか?」

 

そう言った後、サングラスを装着したルパン三世は懐からいくつかの閃光爆弾を出したその瞬間、地下室が眩しすぎるほどの光に包まれたことによって、その光が原因で一時的に目がやられたケイネスは咄嗟に目を抑え、周囲をフラフラと歩きながら悶絶していた。

 

「あぁぁぁぁぁぁ!?」

 

一方、ランサーは主人であるルパン三世が閃光爆弾を出した瞬間にヤバいと思ったのか.....次元と同じく咄嗟にサングラスを付けたことが功を奏し、光で目がやられることなくルパン三世と次元を抱えると機敏A+の速度で地下室から逃亡。

 

そして、そのままの勢いでフィアット500Fの駐車している場所へと辿り着くと、すぐさまルパン三世と共に車に乗り込み、その場から逃亡した。

 

「ルパン!!お前の盗もうとしているお宝ってやつはああいう奴が絡んでいるのか!?」

「絡んでいると言うよりかは、奴らもそれを欲しているんだよ」

 

ルパン三世は愛車を操縦しながら次元と軽口を叩き合うと、ドアミラーでケイネスが追ってこないか確認したところ.....案の定、ケイネスの魔術礼装である【月霊髄液(ヴォールメン・ハイドラグラム)】が追跡して来たので、ルパン三世はしつこいなと言葉を漏らした。

次元は【月霊髄液(ヴォールメン・ハイドラグラム)】の執拗な追跡に対し、リボルバーことS&W M19コンバットマグナムを使って攻撃するが、高度な魔術礼装である【月霊髄液(ヴォールメン・ハイドラグラム)】はその攻撃をもろともせずにそのまま迫っていた。

 

「クッソ!!何なんだよあの水銀は!?」

「見るからに、アレは瞬時に形態を変化できる能力を有しているようです!!」

「チッ!!魔術っていうのは相当厄介なもんだな!!」

 

月霊髄液(ヴォールメン・ハイドラグラム)】の粘着質な追跡に対し、悪態を吐く次元。

一方、後部座席に乗っていたランサーは突然フィアット500Fの屋根に登ると、そこから飛び降りたかと思えば.....再び【破魔の紅薔薇(ゲイ・ジャルグ)】を使って【月霊髄液(ヴォールメン・ハイドラグラム)】に一撃を喰らわせた。

すると、その攻撃が当たったからか【月霊髄液(ヴォールメン・ハイドラグラム)】はそのまま元の水銀に戻り、ランサーは急停止したフィアット500Fにところへと戻って行った。

 

「これでしばらく奴は追跡は出来ないはずです。今のうちに!!」

「あぁ、分かってるよ!!」

 

ルパン三世はランサーが愛車に乗ったことを確認すると、夜のイギリスの街を駆け抜けて行った。

 

それからしばらく経った頃、ルパン三世はケイネスの屋敷がある場所から遠い場所にあるアジトへと到着すると、ランサーと共にそのアジトへと入って行った。

 

「......で、コイツは一体何なんだ?」

「見りゃ分かるだろ、コイツは俺のサーヴァント。つまりは使い魔だ」

「....は?」

 

ルパン三世の言葉に対し、次元は何いってんだコイツ?みたいな反応になるものの、隣にランサーが居るからかその言葉を口から出しはしなかった。

そんな次元を気にすることなく、ルパン三世はこう言葉を続けた。

 

「だよな?ランサー」

「はい。そうです」

 

主人であるルパン三世の問いに対し、姿勢を正した状態でキリッとした顔で答えるランサー。

それを聞いた次元はますますルパン三世の狙っているお宝のことが気になったのか、彼に対してソファに深く座りながらこう尋ねた。

 

「そもそも、お前が盗もうとしているお宝とコイツは関係あるのか?」

「あるに決まってるだろ、何しろ.....今回のお宝、聖杯はサーヴァントと魔術師のバトルロイヤルの景品だからな」




【後書き】
ルパン三世と次元+ランサー、アーチボルト邸から脱走するの巻。
ルパン三世って土壇場の機転と色んなアイテムを使いこなしてピンチを切り抜けているからこそ、ケイネスの裏を突くような形で反撃すると思う。
あと、カーチェイス時に車の屋根に乗って敵と戦うってのも良いよね。
ロマンがあるよね。
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