ルパン三世/The HolyGrail War 作:サクラモッチー
ルパン三世と次元、ランサーの力を借りてアーチボルト邸を脱出。
そして、ルパン三世が狙うお宝の詳細が遂に明かされる。
今回は説明回的な感じですのでそこはご了承ください。
「バトルロイヤルの....景品だと?」
ルパン三世の言い放った言葉。
それは一言で言えば、お目当てのお宝が命を奪い合うゲームの景品だというあり得ない事実だったからか、次元が信じられないという様子で呟くのも無理はなかった。
だが、長い間相棒として付き合っているからか嘘を言っているとも思えず、次元はとりあえず話を聞き続けることにしたのか、タバコを吸いながらルパン三世の話に耳を傾けた。
「正式名称は聖杯戦争って言うらしいがな」
その当のルパン三世は自身もタバコを吸いたくなったのか、話の続きを語る前に相棒からそのタバコを二本貰った後、そのうちの一本をランサーに手渡した。
ランサーは見よう見まねで恐る恐るタバコを吸うが、どうやらタバコが苦手だったのかケホケホと咳き込んでいたため、こりゃダメだと思ったルパン三世はランサーが吸っていたタバコを回収したものの、ランサーはすみません......と申し訳なさそうにしていたため、次元はコイツは真面目だなと思うのだった。
「にしても.....サーヴァントとかいう使い魔を使って殺し合いをしてまで魔術師達はそれを手に入れたいのか?」
「まぁ、今回のお宝はそれほどの価値があるってことさ」
ルパン三世はタバコを咥えながらそう言うと、コクコクと頷くランサー。
次元は物騒で血生臭い話になりそうだなと思ったのか、それともまた面倒事かと察したのか、はたまたこういうのに慣れているのか、いずれにしても彼はソファから立ってどこかに行くと、三本の缶ビールを持ってルパン三世のところへと戻って来たため、ルパン三世とランサーはそれを受け取るとビールを飲みながら話を続けた。
なお、初めて現代の酒を飲んだディルムッドは何だこれ!?と驚いたのは別の話である
「ジジイ.....ルパン一世が盗もうとした、と言うよりかは聖杯戦争に参加してまで手に入れようとしたその宝の名は聖杯。キリスト教やアーサー王伝説において、聖遺物として扱われた伝説の杯の名を冠して作られたマジックアイテムってわけ」
ルパンはそう言うと缶ビールを一口飲むと、視線を天井から次元とランサーの方へと向けた。
一方の次元はオカルト方面の話だと理解したようで、缶ビールとタバコを嗜みながら話を聞きつつ、こう口を開いた。
「マジックアイテムだぁ?」
「あぁ、どんな願いも叶える願望器......それが聖杯だ」
ルパン三世がそう言うと、次元はその言葉を意味理解したからなのか思いっきりビールを吹き出すと
「んな馬鹿な!!」
と叫んだ。
「マジのマジだぜ。現にジジイの手帳の中にそれっぽい記述があったしな」
そう言った後、祖父の手帳を次元に手渡すルパン三世。
試しに次元がその手帳を開けてみると.....そこには聖杯戦争に参加したことによって、何度も命を奪われかけたルパン一世の壮絶な戦いの記録が書いてあり、それを読んだ次元は聖杯戦争の規模の大きさと戦いの激しさを呆然としたのか、嘘だろと言う顔になっていた。
「聖杯戦争に参加するには、一人の魔術師と一人のサーヴァントがセットになって参加しなきゃいけないらしくってな、たまたま魔力を持っていたジジイは唯一の魔術師ではない人間として参加したらしい」
「で、その聖杯とやらを盗めなかったと」
「正確に言えば、その手前でサーヴァントが脱落したから手に入れられなかったみたいけどな」
ルパン三世がそう言うと、だからお前の祖父が手に入れられなかったお宝扱いされているのか......と次元は言葉を漏らした。
今の時代の酒が気に入ったのか、缶ビールを飲みながら話を聞いているランサーの横にて、タバコをスパスパ吸いながらルパン三世の話に耳を傾ける次元。
その顔にはどうりであんな物を探していたわけだと納得するような表情になっており、ルパン三世に向けてこう呟いていた。
「なるほど、つまりお前が聖杯戦争を生き残れば聖杯を手に入れられると」
「そゆこと」
ルパン三世曰く、聖杯戦争に参加者のほとんどはケイネスのようなエリートの魔術師で、彼らはセイバー・アーチャー・ランサー・キャスター・アサシン・バーサーカー・ライダーの七つのクラスの七騎のサーヴァントを使役し、時にはマスター同士での戦闘を交えながら聖杯を勝ち取るために戦っているらしく、最後の一人と一騎になるまで戦い続けるのだとルパンは語った。
ルパン三世がそう語ると、その話を聞いていた次元は相棒の目的が理解出来たのか、今度は背筋を伸ばして彼の隣で聞いているランサーの方を向き、彼をジッと見つめていた。
そんな次元に対し、当たり前だがランサーが戸惑ったのは言うまでもない。
「ランサー、一ついいか?」
「な、何でしょう?」
「お前、何で本名を隠すんだ?別に困ることもないだろ?」
次元の素朴な質問に対し、ランサーはピクッと反応すると.....一息付いた後、缶ビールを一口飲むと真名を隠す理由についてこう言った。
「......我々サーヴァントは様々な時代の英雄が英霊となり、マスターの武器として戦う存在。故に、もしも真名が暴かれば自らの弱点が露呈しているようなもの。だからこそ真名は隠す必要があるのです」
その話を聞いた次元はそう来たかと思ったようで、ランサーに対してサーヴァントも大変だなと呟いた後、彼に対して労うかのようにもう一本のビールを差し出した。
それを受け取ったランサーがゴクゴクと缶ビールを飲むと、彼はルパン三世と次元の方を見つめながらこう言った。
「それに、我々サーヴァントには宝具と呼ばれる究極の技があります。真名がバレた場合は弱点だけではなく宝具の能力や対処法も分かってしまうので、私のことはランサーと呼んでください」
ランサーの口から語られた事情を聞き、それならば仕方ないと理解した次元は了解と呟き、ルパン三世はランサーを歓迎するかのような笑顔を見せた。
それを見たランサーはホッとした顔になったが、次元はあることを思い浮かべたのか.....ん?という顔になっていた。
「ルパン、サーヴァントの正体が様々な時代の英雄ってことは.......コイツも英雄の一人なのか?」
そして、ルパン三世にその言葉をぶつける形で尋ねると
「あぁ、そうだ。コイツはケルト神話に登場する騎士の一人にして『輝く貌』の異名を持つ強力なサーヴァント、それがこのディルムッド・オディナ.....もとい、ランサーだ」
ルパン三世はサラッと自慢するかのようにそう言ったからか、ランサーは思わず不意に照れてしまうのだった。
「大体のことは分かった。だが.....肝心のその開催場所はどこなんだ?」
「どこも何も、今まで行われてきた聖杯戦争はすべて日本の地方都市......冬木で行われてきた。恐らく、今回もそこで聖杯戦争が行われるのは確実だろうな」
ルパン三世はそう言うと覚悟を決めた瞳で缶ビールをテーブルに置いた後、ある物をランサーに手渡した。
それはランサー用の偽造パスポートと身分証で、そのアイテムを見た次元は準備万端だなと言わんばかりの顔になっていた。
用意周到なルパン三世を見たランサーは、偽造パスポート&偽造身分証をジッと見つめると......ルパン三世に向けてこう言った。
「我がマスターよ、サーヴァントである私にここまでのことをしてくださり感謝します。私はこれから世界を股にかける泥棒であるあなたのサーヴァントとして使役されていくことになりますが......一つだけ、一言だけ、言ってもよろしいでしょうか?」
「あぁ、いいぜ」
ランサーの言葉に対し、ルパン三世がそう言うと.....彼は一息を吸った後、こう言った。
「私は.....例え怪盗ルパン三世のサーヴァントであったとしても、一人の騎士です。ですから、そこだけは貫かせていただきます」
ランサーの一言を.....彼の騎士としての宣言を聞いたルパン三世は、これが英霊として召し上げられた英雄の誇りなのだと察すると、それを尊重することにしたのか、彼に向けてこう言った。
「分かったよ。お前が自らの騎士道を守りたいのなら......こっちにも条件があるぜ」
「条件?どんな条件なのですか?」
「俺はお前の意思を尊重し、お前が何をしても咎めない。だが.....お前が決めたことはお前自身が守ること。お前がもしも自らの誓いを破るなら、令呪なり何なり使って俺流のやり方に付き合ってもらう。いいな?」
ルパン三世が提示した条件。
それは簡単に説明すると......ランサーのやることに対しては特に咎めはしないが、自らの誓いを自ら破るような事をした際は問答無用で自身の命令に従ってもらうという条件で、それを聞いたランサーは主人もまた自身も同じように覚悟を決めているのだと察したようで、彼に対して跪くとこう言った。
「ハッ!!」
それを見たルパン三世はやれやれという顔になると、俺は悪党だぜ?と主張するようにこう言った。
「あのなランサー、俺は王様じゃなくて泥棒。だからそーゆーのはいらないんだよ」
「しかし.......」
「ルパンの言う通りだ。例え、奴がお前の主人だったとしても気楽にやろうぜ?」
「.....分かりました」
二人の言葉に対し、そう呟くと跪くのをやめるランサー。
それを見たルパン三世は騒がしくなりそうだなと思いつつ、出発の準備を始めるのだった。
【後書き】
ルパン三世って作品によって残酷な一面やコミカルな一面があるとは言え、覚悟さえあれば誰かのロマンとかは否定しないと思うんだよね(個人の意見です)。
だから、意外と相性が良いのかも?
だって、二人は女の心を盗むのが得意な泥棒と騎士だもの。