ルパン三世/The HolyGrail War   作:サクラモッチー

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【前回のあらすじ】
ルパン一行、銭形に追われる。
ランサー、五右衛門と共に大暴れする。

果たして、ルパン三世の参戦に対する魔術師達の反応はいかに!?


大怪盗の後継者と魔術師達

かつて、聖杯を盗もうとした大怪盗の孫であるルパン三世が聖杯戦争に参加する。

この事実は魔術協会を震撼させ、衝撃を与えた。

それもそのはずで....何せ、ルパン三世は大怪盗アルセーヌ・ルパンの孫である大泥棒であるため、彼がランサーを召喚した際の魔術師達は驚き、魔術協会と聖堂教会はそれが事実であるかどうかを何度も確認し、改めて事実であるということが認められたからか

 

「.....まさか、怪盗ルパン三世が聖杯戦争に参戦するとは思いませんでした」

「あぁ、私もだ」

 

今回の聖杯戦争に参加する言峰綺礼と遠坂時臣は信じられない、という様子で魔術協会から送られてきた資料を見ながらそう呟いていた。

その資料には、ルパン三世が既に銃の名人である次元大介と刀の名人である石川五右衛門......そして、ランサーと共に日本へ向かったことが書かれており、動くのが早いなと時臣は言葉を漏らした後にこう言った。

 

「恐らく、奴は祖父であるルパン一世と同じく聖杯を盗もうとしているのだろうな」

「だからこそ、ルパン三世はケイネス・エルメロイ・アーチボルトの屋敷でランサーを.......」

 

時臣の言葉に対し、自身の師匠の言葉だからか納得するように呟く綺礼。

実のところ、ルパン三世の名は俗世とは無縁な魔術師の世界でも轟いていた。

と言うのも、ルパン三世が今まで狙っていたお宝の中には魔術絡みのオカルト的なお宝も含まれていたため、一部の魔術師達からは厄介な存在として認知されていた。

 

そのためか、遠坂家の当主である時臣自身もルパン三世のことを警戒しており、弟子である綺礼に向けて彼に対して警戒を怠るなと伝えた。

綺礼自身も時臣と同じようにそのことは分かっていた。

分かっていたのだが.....あの大泥棒ルパン三世がどんな人物なのかが気になったのか、心の底ではどこか柄にもなくワクワクと感情が少しだけ生まれつつあったのだが、当の本人はそのことに気づいてはいなかった。

 

「ロード・エルメロイの裏を突き、逆にランサーを自らの者とするとは.....ルパン三世は相当な切れ物なようですね」

「そうだ。故に我々は警戒しなければならないのだ」

 

時臣がそう言うと、コクリと頷く綺礼。

ちょうどその時、その場にやって来たのは.......スーツ姿の美しい女秘書で、彼女の姿を見た時臣はこう言った。

 

「不二子くん、君にこんなことを頼んでしまってすまなかったね」

「いえ、それが私の仕事ですから」

 

女秘書はそう言った後、ペコリと頭を下げてその場から去っていったのだが....その女秘書、もとい世界を舞台に暗躍してはルパンを翻弄する女怪盗、峰不二子はフッと笑ったかと思えば、こう呟いた。

 

「.......まさか、ルパンが聖杯戦争に参加するとはね」

 

その顔には予想外という表情が映っていたが、その顔と呟きを誰にも悟られることなく遠坂邸を後にした。

 

時臣と綺礼がルパン三世のことを警戒していたのと同時刻、ドイツ某所にあるアインツベルン城にて、とある夫婦は聖杯戦争の参加者の下調べという名目でルパン三世の資料を見ていた。

 

二人の名は衛宮切嗣とアイリスフィール・フォン・アインツベルン。

聖杯戦争を生み出した魔術師の一族であるアインツベルン側の人間として、夫婦で聖杯戦争に参加することになった一人の魔術師と一人のホムンクルスであった。

 

「この男.....ルパン三世、だったかしら?彼が警戒すべき相手なのは分かるけど、彼の仲間も一筋縄では行かなさそうね」

「....君もそう思うかい?」

 

妻であるアイリの言葉に対し、やはりかという反応になる切嗣。

魔術師殺しの異名を持つ衛宮切嗣にとって、ルパン三世は特異な存在として認識していた。

というのも、ルパン三世の一族は魔術師では無いにも関わらず魔術という神秘に何度も近付いていたため、そんな彼がとうとう聖杯戦争に参戦するという行為に出たことに対して内心驚いていた。

更に言えば、彼の仲間には銃の名手や石川五右衛門の子孫も居たため、切嗣は他の参加者と同様にルパン三世やその仲間のことも警戒していて、アイリに対してこう言った。

 

「アイリ、彼らはあっちの世界では名を馳せている存在だ。警戒して損はないと思う」

「確かに....アルセーヌ・ルパンの名を継いでるのなら、警戒した方が良いのかも知れないわね」

 

アイリはそう呟いた時、コクリと頷く切嗣。

と、その時....テーブルからとある書類が落ちたため、それを拾ったアイリは拾った紙に書かれていたことが気になったのか....切嗣に対してこう尋ねた。

 

「ねぇ、切嗣........遠坂時臣っていつの間に秘書を雇ったのかしら?」

「....何だって?」

 

その言葉を聞いた切嗣は耳を疑いつつもその資料を見ると、そこには美しい女秘書の写真が写っていたのだが

 

「この女....峰不二子か!?」

 

その女の正体が女怪盗である峰不二子だと察したのか、思わずそう叫んでいた。

 

「彼女について知っているの?」

「あぁ、彼女の名は峰不二子、世界中の男どころかルパン三世ですら翻弄する女怪盗だ」

「!?」

 

切嗣がそう言うと、当たり前だが驚いた顔になるアイリ。

そして、そんな人物が遠坂時臣の秘書となっている理由を勘付いたのか、まさか!?と言う表情になりながらこう言った。

 

「彼女....もしかして遠坂時臣を裏切るつもりで!?」

「彼女のことだ、そうする可能性は高いな」

 

アイリの言葉に対し、切嗣は前々から峰不二子の存在を知っていたからか冷静な様子でそう答えた。

二人の脳裏には、この聖杯戦争がとんでもないことになるなという思いが浮かんでいたのは言うまでもない。

 

なお、言峰綺礼や衛宮切嗣から警戒されている当の本人ことルパン三世とその仲間達はというと

 

「なぁルパン....いくらアジトがバレたら終わりだとはいえ、男四人で四畳半は狭くないか?」

「じゃあホテルに泊まったことがバレてホテルごと爆殺されても良いのか?」

「......それもそうだな」

 

冬木内に存在するアパートの一室にて、五右衛門お手製のキツネうどんを食べながらそんな会話をしていた。

 

「マスター、このキツネウドンというのは絶品ですね!!」

「だってよ、五右衛門」

 

美味しそうにキツネうどんを食べながらそう言うランサーの言葉を聞き、五右衛門を膝でチョンチョンとしながらそう言うルパン三世。

その言葉に対し、五右衛門は満更でもなったのか....キツネうどんを食べながらこう言った。

 

「....それならば良かった」

 

ルパン一行はキツネうどんを食べながらそんな会話をした後、ちゃぶ台の上に置いた聖杯戦争の参加者についての資料を見ていた。

 

「冬木のセカンドオーナーである遠坂時臣に、魔術師殺しである衛宮切嗣、そして遠坂時臣の弟子の言峰綺礼と遠坂時臣とはちょっとばかし因縁がある間桐雁夜....どいつもこいつも強そうな奴だな」

「オイオイ、随分と厄介そうな奴らばっかりだな」

 

資料を見ながらそう言った後、お茶を飲むルパン三世と次元。

一方のランサーと五右衛門は武人として周囲を警戒していたからか、いつサーヴァントや魔術師に襲われても良いように警戒していた。

 

「特に厄介そうなのはこの衛宮切嗣と言峰綺礼って奴でよ、衛宮切嗣は魔術師を殺すのを職業としている魔術師で、何でも魔術回路っていうモノに干渉する武器を持っているらしい」

「なるほど、つまりは魔術師の天敵って奴か」

 

ルパン三世のその言葉に対し、厄介そうだなと言わんばかりにそう言う次元。

その言葉を聞いたルパン三世はもう一口お茶を飲むと、相棒に向けて言峰綺礼についてもこう言及した。

 

「だが、特にヤバいのが言峰綺礼って奴だ。奴は聖堂教会とかいう組織に所属していて、今回の聖杯戦争の監督役はコイツの父親だ」

「うげっ、親子で参加するってワケか」

「ただ、言峰綺礼自身は何故か様々な武術に関する才能はずば抜けているのにも関わらず、その武術の頂点を極める一歩手前でその道から外れるってことを繰り返しているらしい」

 

煎餅を食べながらそう言うルパン三世に対し、次元と五右衛門はマジかと言う反応になったのだが、ランサーは言峰綺礼という男の違和感をすぐさま感じ取ったのか、次元達と違って何かおかしいという表情になっていた。

 

そんなランサーの表情を読み取ったルパン三世は、彼に柿ピーを手渡すと

 

「....奴は、何を考えているのでしょうか?」

「さぁな?」

 

ランサーはその柿ピーを食べた後、自身のマスターとそんな言葉を交わすのだった。

 

そして、運命の夜は着々と近付いて来ていた。

 

「ところで次元、最近不二子ちゃんから連絡が来ないのは何でだろ?」

「知らねぇよ」




【後書き】
ルパン三世、魔術師達から警戒されるの巻。
ルパン三世シリーズのお宝ってたまにオカルトめいたものがたくさんあるっぽいから、一部の魔術師達に認知されているはず!!
んで、確実に警戒されるんだろうなぁ。
あと、不二子も裏で暗躍してそうw
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