機動戦士ガンダム 0087 Stardust melody   作:k-suke

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ジークアクス、久しぶりに続きが気になるアニメでした。
で、終了と同時に、最近ハマってる漫画と合わせた続編をついつい衝動的に書いてしまいました。
タイトルに関しては、お察しの通りのパロディです。


第1話 私のリズム

宇宙世紀0079

 

サイド7 コロニー グリーンノア1

 

 

 

私は何かずれているんだと思う。

 

周りと同じ格好をするということが何かしっくりこなかったし、誰かとテンポを合わせるというのが妙に苦手だった。

 

そんな日々を過ごした9歳の誕生日にジオンがコロニーに攻めてきて、連邦の新型MSを奪っていった。

兵士さんは被害が出ないように気を配ってくれたみたいだけど、その時の巻き添えを食って運悪く父親が死んだ。

 

母親は顔さえ知らなかったし、軍関係の仕事をしていた父親は戦争で忙しくてここ一年ほど一緒にいなかった。

だから平日にほとんど一緒だった近所の叔父に引き取られ、父親の葬儀は終わった。

 

 

でもそれだけだった。

 

 

近所の人は泣いてくれたし、叔父も前にも増して優しく接してくれた。

 

コロニーから出ていくことも学校も変わることもなく、日常は続いた。

 

クラスメイトも一瞬だけ慰めてくれたけど、すぐにいつも通り私に話しかけなくなった。

 

何が悲しいのか、私にはあまりわからなかったから。

 

別にMSをコロニー内で作っていた連邦も攻めてきたジオンもどっちも悪いとも思えないし、憎いわけでもなかったから。

 

 

 

 

何か月かして年が終わるころ、月の都市に要塞が落ちかけたとニュースで聞いた。

 

その後、年が明けてすぐ戦争が終わったと聞いた。

 

コロニーが連邦から独立できたと画面の中の人は喜んでたけど、ピンと来なかった。

 

一体何がそんなに嬉しいんだっていうのが本音だった。

 

 

 

だって、両耳から聞こえてくるキラキラな世界はずっと同じだったから。

 

 

 

 

 

 

 

宇宙世紀0087

 

サイド7 コロニー グリーンノア1 ハイスクール

 

 

ちょうど私がハイスクールに入学する年に、ジオンの偉い人がコロニーを使った新技術の実験で死んじゃったって報道された。

 

そんでもって、昔ジオンを立ち上げたって人の娘って女の人が新しいジオンの偉いさんになったそうだ。

 

お姫様みたいに着飾っていたけれど、すっごい嫌そうな顔をしていたから妙に印象に残っている。

 

先生たちがこれからの世の中について考えましょう、なんてことを大層に言っていたけれどすぐに忘れた。

それより弟たちの世話で大変だし、今日の夕飯は何かのほうが大事だった。

 

 

 

実際、ジオンが戦争する前から比べても、別に何が大きく変わっているわけでもない。

 

生活が厳しいから両親共働き。

 

物価が上がった、空気税が上がったとか騒いで、おかずが一品減ったりしたけど所詮その程度だ。

 

受験勉強していた頃にだって、サイド6でテロ騒ぎがあったとか、女子高生が容疑者だとか言われてた。

初めはちょっと驚いたしみんな騒いだけど、それだけ。

 

その女子高生の顔も名前もみんなすぐ忘れてた。今じゃすぐ隣に座っても気が付かないと思う。

 

結局のとこ、みんな自分のリズムで生きているだけだと思う。

そのリズムが崩れない限り、特に気にしない。

 

友達一人が死んだときに流す涙は、よく知らない人百人が死んだ時の涙よりずっと多い。

でもそれを責める人はそうはいない。

 

反論するなら別にいい。

 

私は私のリズムで生きていく。人に押し付ける気はない

 

でも最近、ちょっとリズムにおかしなものが生まれ始めた。

 

 

 

 

 

ハイスクール 教室内

 

三人の女生徒が授業前に賑やかに話をしていた。

 

 

「あーもう昨日最っ悪。すっごいカッコ悪かったし、変なとこ見せちゃったって」

 

「なになに? あ、例の音楽ショップのおにーさんとなんかあった?」

 

「あったどこじゃないってば。いや昨日さ、その店休みだしなんとなくで宇宙港に行ったの。中に話題になってるカフェがあるしさぁ」

 

「ふんふんふん」

 

「でさベンチに座ってドリンク飲んでたらさ、女の子があたしに似た名前連呼してたのよ。で、気になってさ、その先見たらさ、そこにいたのがなんと男」

 

そこまで喋ると、ふと嫌なことがあったというように顔を顰めた。

 

 

「でね、いや今なら私も悪いと思うけど、ぽろっと言っちゃったのよ。『なんだ男か』って」

 

「うわっ、カミュったらひっど!!」

 

「気にしてんじゃないその男」

 

 

二人が茶化すように非難する中、いかにもギャルというような姿をした女生徒カミュは不快そうに続けた。

 

「いや、確かに私も悪いよ。でもさそいつも大概なんだよね。いきなり怒鳴りつけてきたんだよ、『なんだよ!! 男の名前で何で悪いんだ!! 俺は男だ!!』って」

 

「あちゃー」

 

「でさ、あたしもついカッとなって言い返しちゃったのよ。私の名前と似てたからよって。でもきっとあいつ私が男だったら殴ってたんじゃないかな」

 

「うーん怖い怖い」

 

「で、その後言い合いになってさ、思わず手が出そうになったのよ私も。そしたらよ、そしたら」

 

いよいよ本題というようにカミュは興奮気味に続けた。

 

 

「例のおにーさんよ。スッとどこからともなく現れて、『はいそこまでって』スマートに割って入って止めてくれたのよ」

 

「『公共の場で喧嘩は良くない。それに君も、こんなことをしてるから男らしくないって思われるんじゃない』って相手も諌めてくれてさ、そいつ正論パンチ食らってなんも言えなくなって逃げてったよ。 で、つれの女の子がペコペコ頭下げてから追っかけてった」

 

「なにそれカッコ悪」

 

 

「でもそのおにーさんなんで宇宙港にいたのかな」

 

「いやそれがね、パイロットスーツ着てたからさ、MS乗りだったのかなって。でもそれがまたキマってて、めっちゃ似合ってかっこいいのよ。例の男と比べもんになんないぐらいに!!」

 

その姿を思い出し、堪えきれないというようにカミュは机を叩いた。

 

「で、とどめにだよ。『いつも店によくきてくれる人ですよね。大丈夫ですか』だよ。推しが私のこと覚えててくれてんだよ、最っ高でしょ、これ!!」

 

「で、それでそれで」

 

「何か進展ありましたかカミュさん」

 

興味津々というように続きを促したが、カミュは机に突っ伏した。

 

 

「そーれがさぁ、あんまりに突然だったし、興奮したしでパニクっちゃってさ。自分でわかるぐらい真っ赤になって大丈夫ですーっ!! て叫んで逃げてきちゃったのよね」

 

「だっさぁ」

 

「大チャンスだったのにね」

 

その醜態を想像してケラケラと笑った二人に対して、カミュは力強く宣言した。

 

 

「ふん、今日またあの店に行ってやる。もっとアプローチかけてやるんだから」

 

「大丈夫? チャラ男じゃないのそいつもさぁ」

 

「まぁいいじゃん、頑張れ頑張れ。 そしてフラれちゃえ。彼氏持ちになるなんて許さーん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな喧騒の中、カミュの隣の席にはいつの間にか黒髪メガネの地味な女生徒が座っていた。

 

挨拶もなく教室に入り、気配もないまま無表情に席に着いた女生徒はカミュの会話を聞いて内心パニクっていた。

 

(どうしよう、なんかえらい事になってるんですど。 隣の席の人だからってバイト上がりに迂闊に声かけるんじゃなかった!!)

 

 

 

 

 

 

 

(いや毎日会ってますからね。カミュ=メリィさん。客商売手伝ってることもあって顔ぐらい覚えてますって。しかしなんでまたよりによって、バイト上がりに会うかなぁ)

 

ジオン独立戦争の時に軍関係の仕事をしていた父親が死んで、うらぶれた音楽ショップを経営していた叔父に引き取られて数年。

 

元々需要の少ないマニア向け楽器やら旧世紀の音楽CDやらをメインに取り扱っている店で、今じゃそもそも客がほとんど来ない。

 

で、何かしら金を入れないと私自身の小遣いはもちろん生活費も危うい。

 

割のいいバイトを探したのがMS乗りだ。

 

 

「クランバトル」

 

通称クラバと呼ばれるMSを使っての違法賭け試合。

 

大金が動くし、食い詰めた軍人なんかがやってることもある。

 

サイドが運営に関与しているらしくコロニーの収益にもなるため、事実上黙認されている。

 

 

 

…なんてことをやってるとこもあるらしいが、少なくともここサイド7ではがっちり取り締まられている。

 

元々中立だったことあるし、コロニー周辺でMSで戦われたらただで済まない事故が起きるかもしれないからだ。

 

そういう意味ではここグリーンノアはしっかりしているといえる。

 

 

ただ、禁止されててもやる人はやる。

 

そもそもクラバに始まり、不審船の対処やコロニーの外壁への落書き、挙句はパーツが落ちてジャンクになって事故の元になるなど事案は多く、ただでさえコロニーには故障がないよう見張らないといけないから軍警だけでは手が回らない。

 

というわけで、民間にまで仕事を依頼し今言ったことの監視をしているというわけだ。

 

 

幸か不幸か私はMS適正があったようで、ジオン払い下げのザクに乗って違法バトルの取締の手伝いをやっているというわけである。

 

と言っても実際に戦うことはほとんどない。

 

いいのか悪いかこういう違法バトルは発生してしばらくしないと取締が間に合わない。実際にたどり着いた時には違反者が撤収していたり、既に戦闘不可になってるMSの曳航が大半だからだ。

 

でも万が一の危険手当てってことで結構バイト代自体はいいのである。

 

 

 

 

 

(はぁーなんとかしないとなぁ。でも教室でそんなこと言ったって信じてもらえないだろうしなぁ。 むしろ何言ってんだってゴミ見るみたいな目で見られたりして…)

 

多分にギャルへの偏見も入っているかもだけれど、正直に言ってどう説明したらいいかわからない。

 

あれから本当にカミュさんは何度か店に来ていたが、なんかついついペースに巻き込まれてしまい肝心なことが言えなかった。

 

少なくとも次に店で会った時には自分の性別ぐらいは伝えるべきだろうと思いながら、パイロットスーツに着替えていた。

 

 

 

(我ながらスレンダーな方だし、学校の時と違ってコンタクトにしてマスクまでしてたけど、男に間違われてるとはねぇ。 変な男に声かけられるよりはいいけど)

 

そもそも男装しているつもりはないのだが、叔父の知り合いからも時々男に見えるとは言われていた。

 

冗談だと思い流していたが、どうやら本音だったらしいと気付いたのもこの最近だ。

 

 

(あれ? じゃあひょっとするとMSの操縦、訓練次第で十分軍でエース狙えるとか言ってたのも本音? いやまさかね)

 

バイトの訓練中に筋がいいだの飲み込みが早いだと良く言われ、今でも他のバイトより難しい仕事を任されることは多いが、流石にそこまで自惚れていない。

 

 

妄想をパタパタと振り払ってザクに乗り込み通路を進んでいくと、エアロックの前に立った。

 

「バイトNo. A-03145。 フィーナ=ビーダル、巡回業務を行いますので、エアロック解除をお願いします」

 

一報を入れるとエアロックが解除されて、吸い出されるような格好でコロニーから宇宙へと飛び出していった。

 

 

 

「ふぅー… この瞬間はなかなか慣れないなぁ。でもやっぱり宇宙って頭がスッキリするなぁ」

 

バーニアをふかしてザクの姿勢を安定させると一息ついた私は、改めてモニター越しに見える飲み込まれそうなほど漆黒の宇宙とそこに煌めいている星々を目にして、感慨深く呟いた。

 

 

「よし、バイトNo. A-03145。 フィーナ=ビーダル、これよりコロニー周辺巡回業務に入ります」

 

軽く気合を入れ、仕事始めの通信を入れるとザクをゆっくりと定例巡回コースに乗せて進ませ始めた。

 

この巡回業務は楽な方で、政治イベントなどで警戒時期でない限り一人で巡回できるからほとんど宇宙遊覧みたいなものだ。

 

緊急時でもない限り通信を入れることもないし、滅多に通信が来ることもない。

 

だもんで、本当はいけないのだが、巡回中に旧世紀の音楽を聴いたり自作の歌を呟くようにして歌ったりして楽しんでいる。

 

わずかな時間ではあるが、この時間は完全に文字通り私だけの空間とリズムを満喫できるのである。

 

 

ザクで巡回を行っているが、やはり特に何があるわけでなく静かなもので、一層頭は空っぽの状態になり音楽を聴いている私は完全に自分だけの世界に入っていた。

 

「〜♪〜♫〜〜♬♫〜〜〜〜♪〜〜」

 

普段私の聴いている音楽は旧世紀のものが大半で、あまり一般大衆向けではないらしく、子供の時分からどこか浮いているのを実感していた。

 

でもこの宇宙では、周囲を気にすることもなく、重力にすら縛られず自分の好きなリズムを堪能でき、キラキラな世界に行けるのが最高だった。

 

「やっぱりいいなぁこの曲。これが自由ってやつかなぁ…」

 

いつもならそこで終わるのだが、一種のトランス状態になっていた私の頭の中からふと先日の店でのやりとりが浮上してきた。

 

 

 

 

 

仕事中に宣伝兼の特権で、店内の私の趣味にあったCDを流していたら、店に入ってきたカミュさんが食いつくように私に話しかけてきた。

 

「おにーさん!! あ、あの、この間はどうも!! お礼言いたかったんですけど、ちょっとタイミングが合わなくて、あの」

 

宇宙港でのことを言っているのはわかるし、しどろもどろになってる様がちょっと可愛かったので、揶揄うように返した。

 

「会いたかったんですか?」

 

その返しに真っ赤になってしまったカミュさんだったが、急に話題を変えてきた。

 

「あ、そ、そうだ!! これ、これ、今流れてるこの曲!! ここにあるんですか?」

 

 

その勢いに圧倒されつつ、はいと答えてCDを取り出して、アルバムケースに入れて見せると、カミュさんはさらに興奮したように話しかけてきた。

 

 

「こ、これ、このアルバム!! えっ? あの曲まで入ってるの? おにーさんも好きなんですか!?」

 

どうやらごまかしの話題転換でもなんでもなく、彼女も純粋にこのアーティストの曲が好きらしく、私もつい嬉しくなって熱く語ってしまった。

 

しばらくお互いに興奮したトークが続き、一息ついたところでふと冷静になった。

 

「あ、すみません。つい興奮しちゃって…」

 

「いえ、すごく嬉しかったです。 私ちょっと好きなジャンルが周りとずれてるみたいで、音楽は一人でキラキラを楽しむものだったので、こんなふうに話すの初めてで…」

 

 

そのセリフにシンパシーを感じてしまった私は軽い口調で話しかけてしまった。

 

「これ私物ですし、お貸ししますよ。よかったら次来たときに感想聞かせてくださいね」

 

 

私としては軽く話しかけたつもりだったのだが、なぜかカミュさんのツボに入ってしまったらしく、顔を真っ赤にしてすごい勢いで頷いてCDを持って飛び出していった。

 

 

 

「いや、改めて考えるとなんか口説いてるみたいじゃん。ますますヤバい方向に話進んでないこれ」

 

改めて自分の言動を思い出すとドツボにハマりかけている気がしていた時に、コックピット内で警戒アラートが鳴り響いたことで我に返った。

 

「!! 警戒信号!? 何があったの?」

 

慌てて音楽を切りコンソールを操作すると、MSが2機、近くを飛行している映像がアップで映し出された。

 

 

「MS? なんでこの宙域に? とにかく注意用の信号弾を」

 

 

ミノフスキー粒子が巻かれている中、通信不良になる恐れがあるため、コロニーのある宙域に近づきすぎないようにする注意用の信号弾を発射した私だったが、そのMSはぐんぐんとこちらに近づいてきているようだった。

 

 

「えっ? 何この機体って1機はデータなし、もう1機は…!!  連邦の軽キャノン!?」

 

 

なぜこんな宙域に連邦の機体がいるのか疑問だったが、信号弾を注意用から警告用へと格上げしつつ、軍警本部へも応援要請を入れた。

 

「連邦の機体と所属不明機が警告を無視してコロニーに接近中!! 至急応援を!! 至急応援を!! ぐっ!!」

 

 

叫ぶように通信を入れるも、所属不明の青いMSが私に向けて肩からバルカン砲を撃ってきた。

 

 

操縦桿を動かし必死になってかわそうとするも何発か被弾してしまい姿勢が崩れた。

 

「や、やられる!? 冗談じゃない!!」

 

巡回が主業務のため、私のザクには武装用のインストールデバイスもなければ、マシンガンみたいな火器も持たされていない。

 

トメノスケヒートホークが一本あるだけであり、圧倒的に不利だが黙ってやられるわけにはいかない。

 

 

 

すごい加速力で一気に近づいてきた所属不明の青いMSに対して、私はヒートホークを構えて迎撃体制をとった。

 

するとそんな私を見てか、青いMSは背中からサーベルのようなものを抜いて切り掛かってこようとした。

 

「させるかぁ!!」

 

ヒートホークを青いMSの腕に叩きつけるようにしてサーベルをはたき落とすと、バーニアをふかして思い切り体当たりして吹っ飛ばしてやった。

 

バランスを崩して飛ばされていく青いMSを見て、なんとかして確保するべく突っ込もうとした私だったが、軽キャノンがビームキャノンで狙撃してきてヒートホークを持った腕が吹っ飛んだことで出鼻をくじかれた。

 

 

 

「MAVってやつか、やっぱりプロは違う!!」

 

この場で引いたとて自分が無事で済むとは思えない。

実際、あの青いMSは明らかにコチラを撃墜するつもりだったのだから。

 

 

『ジ…ド少尉、そのザクに関わ…いる場合では…!! スタ…ダストのデータが流出すると大変です。ここは離脱を、早く離脱を!!』

 

『うる…ぇ!! ただでさえ操…ミスで民間コロニー宙…に入っち…った時点で始末書じゃ…ねぇ…!! せめて目撃…だ…消さねぇと… くそっ、パワーが…すぎて上手く動か…ねぇ!!』

 

 

おまけに雑音混じりながらこんな通信音声が聞こえてきたならなおさらである。

 

 

「こいつらパニクってて通信が全チャンネルになってるかもわかってないし、機体制御のリズムもめちゃくちゃになってる… いける!?」

 

 

一瞬本物の軍人かとも思ったが、どうも向こうも新兵かそれ以下みたいな感じがしてきた。

でもとにかく死にたくない一心で必死にこっちもザクを操縦した。

 

 

「この二人、テンポがまるであってない。MAVって言えるほどでもないこの出鱈目なリズムなら、付け入る隙はある!!」

 

リズムのテンポがいい加減ということは隙だらけということである。

 

軽キャノンの攻撃に注意しつつ、青いMSに一気に接近するとコックピット付近に残った拳を叩きつけてやった。

 

『がっ!!』

 

うめき声らしきものが聞こえて青いMSの動きが止まったのを確認すると、ひっ掴んでコロニーの外壁に向けて思い切り投げ飛ばしてやった。

 

一直線に飛んで行き、外壁にぶつかった青いMSは打ち所が悪くパイロットが気絶でもしたのか、動きが止まった。

 

そしてそのタイミングで、軍警の応援が駆けつけてくれた。

 

 

 

「ふぅ〜 やれやれ助かった。 でもあの青いMSなんかで見たようなデザインだなぁ… なんて言ったっけな、ガン… ガンマ… カンタ… まぁいいか」

 

宙域から慌てて離れていく軽キャノンをモニターの端で見ながら、ゆっくりと流されていた私は、帰ったらどんな曲聞こうかなんて呑気に考えていた。

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