優しい霧雨。ところにより暴雨。   作:柚子餅

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使い魔としての日々②

 

 地獄絵図のようになっている教室内はもう個人の力では収集がつきそうにないので、外へと避難することにした。後は時間が解決してくれることを祈ろうと思う。

 原因の両端を担っている私とルイズが居なくなっていることに気づいたのは、同じく廊下へ避難していたキュルケとタバサだけだ。

 ちなみに、使い魔たちにもみくちゃにされて気絶してしまった才人は、再起不能になる前に私がレビテーションで引っ張り出してきた。

 

「今朝私と話したのはルイズじゃなくて貴女の方でしょう?」

 

 レビテーションで浮いた才人を引っ張りながら廊下に歩いてきた私に、キュルケは訝しげに声を掛けてきた。

 振り向く拍子に力加減間違えてしまい、才人を壁にぶつけてしまった。申し訳はないのだけど、その衝撃で才人は起きたみたいだからまぁ、良しとしよう。

 

「ええ、そう。今朝がたに会ったのは私の方。勘違いさせてごめんキュルケ。悪気はなかった」

「あーー……、あのね。ヴァリエールの姿で簡単に謝らないでくださる? 背筋がぞっとするのよ。薄ら寒いっていうか」

 

 私が謝るなり、キュルケの勢いは急速に落ちた。まぁ、キュルケ本人が謝られるのが嫌だって言うなら――。

 

「わかった。じゃあ――――ふん! あんたが勝手に勘違いしたのがいけないんでしょ! 私は悪くないんだから! その上こっちが謝ってやった後に、謝らないでくれだなんてこれだからツェルプストーは! それに平民! いつまでこの私の手を煩わせているのよ! さっさと立ちなさいよね! ――――と、こんな感じでどう?」

 

 腰に手を当て、ふんぞり返ってさもルイズが言わんばかりに言い放ってみた。ついでに、レビテーションを解かれ地面に尻もちついた才人をそれっぽく見下してみる。

 

「おお、すげー。言い方とか仕草とか目つきとかルイズそっくりだ。ルイーズっていつもは物静かでルイズより気持ち眠そうな目をしてるけど、目つきと口調変えられたら俺、区別つかないぞ」

「あっははははは! けっこうヴァリエールの特徴掴んでるじゃない! 貴女、中々面白いわよ。ルイーズっていうの?」

 

 才人とキュルケが手を叩いてやんややんやと笑い出す。ども、と頭に手を当てて会釈。受けたようで何よりだ。

 マリコルヌ、笑いとはこうして取るのだよ。人を貶して取る笑いなんて、虚しいだけだぞ。蛇にお尻を噛まれていた彼の最後の姿に語りかける。

 ……その絵面を思い出して、不覚にも噴出しそうになった。

 

「あ、あんたらー! こ、こここ、この私を虚仮にして、笑いものにするなんて許されると思ってるの!? 特に平民! 貴族に向かって何て口の利き方しているのよ!!」

「げっ! やべぇ、本物だ」

「違う。私はルイズを虚仮になんて、してない。これは私なりの親愛表現。私は、普段これだけルイズのことを見てるってことだから」

「そ、そう? 確かに見られてるかな、とは思ってたけど……。……って、騙されないわよルイーズ! だからって主人を笑いの種にするなんて許されないわ!」

 

 ノリ突っ込みか。ルイズもやる。まぁ、本人にそれをやってる自覚はないんだろうけど。

 

「ま、冗談抜きに、このルイーズって誰なのよ。ヴァリエール。貴女の双子でもこうはいかないんじゃないかってぐらい瓜二つで、少なくとも貴女よりは魔法が使えるみたいだけど?」

「…………貴女に話すことなんて、何もないわ!」

 

 意地悪く笑みを浮かべるキュルケに、ルイズは下唇を噛んで言い放つ。それを見たキュルケは肩を竦めながら「そ」とだけ言い残して歩いていってしまう。

 

 

「なぁ、ルイーズがさっき使った魔法って、小石の周りの変な水の膜みたいなのと、いきなり吹いた強い風だろ?」

 

 去っていったキュルケを睨み付けているルイズを尻目に、才人が普通に話すより幾らか小さい声で問いかけてきた。

 

「ええ。その通り」

「んじゃ、爆発したのは、錬金させようとしたルイズがやったってことだよな?」

「……」

 

 ああ、そうか。才人はまだ、ルイズがゼロと呼ばれている由来を知らなかったのか。

 

「錬金じゃないだろ? あの爆発。つまり失敗か? ルイズの渾名の【ゼロ】ってのはもしかして……」

 

 そこまで才人が喋ると、ルイズがきっ、と私と才人を睨み付けた。ルイズに聞こえてしまっている? でも、才人はそのことに気づかない。

 

「……魔法が使えないんじゃないのか? 俺、あいつが魔法を使ってるの見たことねぇし。成功確率ゼロ。だから、ゼロのルイズ。どう? それっぽくないか?」

 

 口元を緩ませる才人。中々に洒落が利いているとでも思っているのだろう。由来はその通りなんだが、本人が傍に居るところでどうしてそんな話が出来るのか。

 無意識に、私は視線をルイズに送ってしまう――目が合った。ルイズの目は、ほんの少しだけ潤んでいた。

 視線を送ったその瞬間に、そんな意識はなかったとはいえルイズを見てしまった自分の失敗を悟った。きっとルイズには、才人と私がこそこそと嘲笑っているように見えた筈だった。

 

「そうよ。その通りよ。だから、どうしたの?」

 

 そこで今まで静観していたルイズが肯定の言葉を上げる。私は、一瞬言葉に詰まる。何て返せばいいのか、すぐには浮かばない。

 

「は、はは。ゼロのルイズか。なるほどね。魔法の成功確率ゼロ。それでも貴族。素晴らしい」

「才人……!」

 

 今まで、気づかなかった。待遇が私と違い、平民として扱われた才人にも鬱憤は溜まっていたようだ。

 私がウンディーナと共に過ごしていた間に、何度も二人の間に衝突があったのだろう。

 

 必死にやめなさい、と視線を飛ばすも、才人はこちらを見ない。見つけたルイズの弱点を、面白おかしく(あげつら)うのに集中してしまっている。

 結果的に、自分が損な目を見るだけなのに。馬鹿。

 

「錬金、ボカーン! 錬金、ボカーン! 失敗です! ゼロだけに失敗であります!」

 

 擬音と共に飛び跳ねる才人。それにしてもこの才人、ノリノリである。

 そんなノリノリの才人を説得することを私はもう諦めていた。手のひらで顔を覆って項垂れ、才人から離れる。才人には悪いが、仲間だと思われては堪らない。一緒に居るだけでちょっと恥ずかしい。

 

「……そう、いいわ。あんたの食事、【ゼロ】って言っただけ抜いてあげる。六回だから、明後日までは水でも飲んで過ごしなさい」

 

 ぴしり、と固まった才人。いや、馬鹿。二日は流石に長すぎるけど、人を馬鹿にしたのだ。自業自得だ。

 

 

 ようやく教室が静かになったので戻ると、生徒たちから質問攻めにあった。

 ルイズの使い魔であるとありのまま話そうとして、ルイズからストップが掛かった。被せる様に『ルイズの双子の姉妹、ルイーズ』であるとルイズは皆に説明し始める。

 私がメイジであり、今日から生徒として通うことになったと伝えると、当然不審な目で見られた。確かに、この時期に入学してくるというのもおかしな話である。

 その後もルイズに任せて黙って話を聞いていると、どうやらルイズの考えたカバーストーリーでは、病気を患っていた私ルイーズは快方に向かい、今になってようやく学院に入学の目処が立ったということのようだ。体調を崩しがちなので、授業に出て来れない日もある。友人がいないのでよろしくしてやって、と最後に簡単に付け加えて。

 

 なるほど。これは上手い設定だ。ルイズも実は色々と考えてくれていたようだ。感謝感謝。

 もう既に生徒たちが私を見る目は不審よりも同情の色が強くなっている。駄目押しに、学院長やミスタ・コルベールに許可を貰っていることを伝えると、生徒の皆も許可があるのなら、と納得したようだ。

 私がいきなり学院生になったということに、生徒の中で納得していないのはキュルケ、タバサ、マリコルヌだ。

 一番最後のは、私にからかわれたからだとは思うけど、キュルケ、タバサに至っては双子というところから疑っているように見える。

 

 異世界がどうのと一から説明するのが面倒だったのは確かだけど、実際のところこういう話になったのはルイズが単に理解できていないことを説明できる自信がなかっただけだと踏んでいる。

 ……まぁ、別にルイズの使い魔だとバレたところで私は何も困るところはないので構わないのだけれどね。

 

 

 その後ルイズは、教室の後片付けを私と才人に任せてさっさと食堂へ向かってしまった。才人は言わずもがなルイズを馬鹿にした罰だろうし、私には魔法が使えないことを黙っていたことで顔が合わせ辛いのかもしれない。

 まぁ、手作業で全部片していたらものすごい手間だろうけど、魔法ではそうでもないから二人でも困らない。重たいものは私が魔法で運び、細かくて対象指定しにくいものは才人に任せる。案外掛からずに片付けも終わってしまった。

 

 ルイズに十数分ほど遅れて、食堂の方へと歩いていく。その間も、才人はルイズに向かって愚痴をこぼし続けていた。

 

「でもさ、酷くないか? からかっただけで二日も飯抜きなんてさ。ただでさえこき使われてるんだから喰わないと俺、倒れるぞ。ルイーズからも言ってやってくれよ。待遇改善を要求しないと、このままじゃ奴隷だ」

「才人、ご飯抜きなのは自業自得。あれは言い過ぎだったもの。世の中、自分の努力だけじゃどうにもならないものもあるのだから、そこを攻められてもルイズ本人はどうしようもない。……でも、二日ご飯抜きは可哀相だから、今日の夜は食べさせてもらえるように一緒にお願いしてあげる。だからお昼は我慢して、反省なさい」

「マジかよ……まぁ、でも夜食えるなら、まだ何とかなるか。んじゃ、迷惑かけて悪いけど夕食は何とか頼むよ。ありがとな、ルイーズ」

「いいよ。困ったときはお互い様だし」

 

 食堂の中に入ったものの、目の前で食事されちゃ我慢できそうにない、と才人はふらふらと歩いていった。

 そして、入り口近くの壁にもたれかかり、メイドが食事やらデザートやらを運ぶ姿を見つめて鼻の下を伸ばしている。なんだかんだいっても元気が有り余っているようにしかみえない。

 

 そういえば来てみたはいいけど、食事といえば私の席は食堂に用意されているのだろうか。もし用意されているなら、ルイズの席の近くであることは間違いない。とりあえず、ルイズのところまで行けばいいか。

 そうして向かった先のルイズの席には、空となった皿ばかりが残っていた。その皿の数で、大量の食事が用意されていたことがわかる。

 席の主であったろう彼女の姿は見えない。そして、同じテーブルの近くは着席されており、ほとんどがもう食事を終えていて、デザートのケーキに取り掛かり始めている。他に食事が用意されている様子はない。

 

 私の食事は食堂にはないようだ。それに、ルイズはこの大量の食事を二十分ほどで全て平らげて、もうここにはいないようだし。

 とりあえず私の糧を何処で得ればいいのか、手がかりはなくなった。ルイズの席で途方にくれる。

 ……才人の反省を促すためにああはいったが、あれだけの食事が用意されていたならパンを一つぐらいくすねてこっそりと才人へとあげようかと思っていた。けど自分の分もないようではそれも叶わない。

 それにしてもルイズ、この量を食べきるなんて自棄食いか? 周りの奴等は皆食べ残しているのに、この席には見事に何もない。

 

「あ、ミス・ヴァリエール……」

 

 ルイズが来たのか、と振り向いた先には私を見ているメイド――シエスタ。またか。というか、まだ勘違いされているのか。

 

「あの、どうしたのですか?」

「ああ、いえ。悪いのだけど、パンとスープでいいのだけれど、余ってはいない?」

 

 説明が面倒なので、ルイズっぽく問い掛けてみる。シエスタは私とルイズの違いに気づく様子もなく、困惑の表情を浮かべた。

 

「へ? えと……他所で食べられるのではなかったのでは? お昼のお食事を詰めさせてもらいましたが、もしかしてあれでは足りませんでしたか? ……ああ! 平民の方の使い魔さんとご一緒に食べられるのですね。すいません、気がつきませんでした。少々お待ちください」

「……ありがとうね。助かるわ」

 

 よくわからないが勝手に納得したシエスタより、なめし皮で出来た水筒と布で包まれたパンを渡される。

 平民の方、という言い振りだと、ルイズの使い魔を才人とウンディーナだと思っているのだろう。まぁ、訂正するのも面倒なのでどうでもいいけど。

 

 そんなことよりも、ルイズが他所で食べる、と? これは、私が徹底的に避けられているのだろうか。……ううむ。

 まぁ、うだうだしても始まらない。ルイズを探してみるか、それともとりあえず食事を優先させるべきか。

 パンとスープだから持ち運べるし、今日はいい天気だから広場で食べるのも気持ちいいだろう。けど、ルイズが気になる、というのも確かではある。

 

 

 少しの間そこで考えていると、入り口あたりのところが騒がしくなり始めた。何やら揉め事のようだけど、私には関係ない。ルイズを探すか、食事を優先させるべきか。それが先決だ。

 と思ったが、聞き覚えのある声に、嫌な予感。

 覗いてみると、案の定。そこにはシエスタとギーシュ・ド・グラモン。そして先ほど別れたばかりの才人がいた。見れば、シエスタに絡んだギーシュ、それを庇った才人といった構図だろうか。

 

 揉め事ばかり起こして、と眉根を寄せるけど確かこんな出来事もあったような。『ゼロの使い魔』の内容、結構忘れちゃったから自信はないけど。

 とりあえず人込みを掻き分けて前へ、前へと進み出る。一番前に出たところでギーシュが高らかに宣言した。

 

「よかろう。君に礼儀を教えてやろう。丁度良い腹ごなしだ」

「おもしれえ、ここでやるのか?」

 

 対して、獰猛な笑みを浮かべた才人は答えてしまった。苛々が溜まっているのだろうか。……いるのだろうな。

 

「馬鹿を言うな。貴族の食卓を血で汚せるものか。……ヴェストリの広場に来たまえ」

 

 ギーシュが歩き去って行くのを見送ってから、才人へと近づいていく。

 その間にシエスタが何事か呟いて、走り去っていってしまった。まぁ、貴族と決闘なんて聞いたら平民の女の子はそんなものだろう。

 才人も私に気がついたようだ。頭を掻きながらこちらに振り返る。

 

「どうしたの?」

「ああ、ルイーズか。いやな、あのキザヤローがあの子に勝手なことで絡んでたもんだから、ついな」

 

 見たとおりだったようだ。しかしまぁ、主人公なだけあって揉め事を起こすこと起こすこと。

 

「……はぁ」

「そう、ため息とかつかないでくれよ。何か俺が悪いことした気分になるだろ? まぁ、俺も腹が減って苛々してたってのもあるけどよ。……止めないでくれよ?」

「才人……ギーシュの二つ名は『青銅』。名の通り、青銅のゴーレムをいくつも使う。勿論人間の手より青銅は硬い。素手じゃまず勝てない」

「げ……マジかよ。ま、でも先手を打てばなんとかなるだろ。要は、魔法を使われる前に倒せばいいんだ」

「最悪、謝るのも手。痛い目に遭いたくなければ、ね」

「いや、そいつは遠慮しとく。相手が間違ったことしてるってのに、俺が謝るなんて道理が通らないだろ。それに、あのキザヤロウ、ルイズの悪口も言ってたしな。使い魔の俺が言うならともかく、他人に言われるとなんかムカつく」

 

 へえ。私のご主人様の悪口も言っちゃった訳だ。ギーシュは。

 なら、私も手を貸さないわけにはいかない。といっても、出来る手助けなんて限られているけど。

 両手で抱えていたものを才人に向かって差し出した。それを受け取り、中を確かめ始める才人。

 

「それ、食べて良いよ」

「は? これ、パンとスープ? でも、昼は我慢しろって……」

「食べるもの食べなきゃ、ギーシュに勝てないでしょ?」

「……ははっ! そうだよな! サンキュ、ルイーズ」

 

 あとは、そうだな。辺りを見渡すと、近くのテーブルに造りのしっかりとした純銀のテーブルナイフを発見。

 明らかに決闘に持っていくには力不足だが、まぁこの際仕方ない。テーブルナイフを四本拝借する。

 

 【土】の系統魔法が得意であれば【錬金】で一から鋼の剣を練成してあげたいところだが、残念ながらそれは出来ない。

 私ではこのナイフの材質を銀合金からに鋼にするどころか、鉄にすら変えられない。私の精神力を使い切っても無理なものは無理。不可能だ。

 

 せいぜい……

 

 四本を対象に【錬金】する。同じ材質で接いで、まとまった其れは小刀ぐらいの大きさになった。

 ……同じ性質の物をくっつけて、形を変えて整えるので精一杯だ。

 

「…………はい。……これ、使って。これなら、いくらかは頑丈。曲がっちゃうとは思うけど、ちょっとした衝撃になら耐えてくれると思う。ゴーレムを直接殴ったりしたら、手を傷めちゃうから。でも、これを使う前に、何とかしてギーシュの杖を取り上げることをお勧めする」

 

 何とか無表情を整っているけれど、内心は疲労困憊だ。とりあえず腰を下ろして休みたいくらい。

 同じ物質生成でも、水の秘薬を作るなら材料さえあればいくらでも作れる。けど、【土】では初歩である【錬金】では一日数回が限度。一個を【錬金】するだけならともかく、四個を一気にくっつけるのは一日分のキャパシティぎりぎりだ。

 それというのも精神力の消費効率が恐ろしく悪いのだ。これでも、最初から比べれば格段に勝手は良くなった。【土】系統を習慣的に練習するようにしてこの程度なのだから、適正ってヤツは嫌になる。

 ……ああ、もう。だから私は水のメイジだっていうのに。本当に、なんで他の系統ばかりを使っているのだか。

 

「剣は、魔法を持たない平民の、反抗の牙。それを見せたら、たぶんギーシュは手加減なんて考えないと思う。だからなんとかその前に。――――頑張って、才人」

「ああ、任せてくれ。負けられないよな、これは」

 

 私の練成した銀の小刀を受け取って、才人はヴェストリの広場へと歩いていった。彼は気づいていないようだったけれど、その左手のルーンが一瞬淡く輝いたのを見て私は安心した。

 情けない話だけど私はたった一回の錬金で疲れてしまって、才人がいなくなるとその場でしゃがみこんでしまう。それから十分程経って、ヴェストリの広場の方から歓声が聞こえてくるまでその場から私は動けなかった。

 

 

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