咲坂高校冒険部活動報告書   作:ホエール

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第4章 3.

 

   3.

 苦笑いの傭兵たちとぶち切れ傭兵たちの2つに結果は分かれた。

4人組はせめてちゃんと時間をかけて警告しろとたっぷり絞られ、その様子は遠慮なくカメラドローンを通じて世界中にお届けされる。

最も同時接続数はまだ11人程度なので、大した数ではないが。

 

一応4人にも言い分はある。発破してあげようと考えている事は一応大声で伝えた。爆薬を仕掛けた後、それもまた大声で伝えて5分間待ってから発破を行った。

 

「それじゃたんねーんだよ! ここにいる全員にちゃんと伝わっていなきゃ意味がない。何なら安全配慮義務ってやつがあるから、全員の安全を確保できる場所を事前に用意しろという話でしかないんだよ!」

「至極ごもっともでございます」

やはり4人が悪いと決まった。言われてみれば当然の事しか言われず4人も反省するしかない。

 

「お前ら、学生か? 進路は? もし防衛大に行くんなら、俺の古巣だから徹底的にしごいてもらうように頼んでおくわ」

「わかりました、防衛大にはいきません」

「そういう話をしているんじゃねえ!! いいか……予備自衛官講習を受けることがあったら、絶対絞らせる。絶対だ!」

「わかりました。最近の国立大学だと予備自衛官補講習受けると単位で融通されるらしいですけど、素直に勉強頑張ります!」

「お前、さっきからわざとなのか?」

 

【read-meZ】

コントか?

 

「……まぁ、お前らだって善意でやったってとこだけは認めてやる。ありがとうよ」

破壊された誘因装置の残骸が、4人組のやったことの一つの結果だ。

間違いなく困っていた事態の解決はされた。もっとも

 

【田中正造Mk.3】

善意は免罪符ではござらん

 

傭兵からの説教を受けた4人組は、今更ながらにカメラが回っていたことに気づき、顔を真っ青にしながらも、傭兵に改めてカメラで撮影していたことを告げる。

一応自動編集A.I.の自主規制くんのおかげで顔面やらなんやらにモザイクがかかっているので肖像権には配慮しているぞ! 4人組じゃなくて機械が。

 

「ばっかやろーーーーーーッ!!」

「「「本当に申し訳ございませんでした!!」」」  「御免で済んだら警察はいらねーんだよ!!」

 

【田中正造Mk.3】

なにやってんだこいつら

【read-meZ】

大草原

【ちゃこちゃこちゃーこ】

 

もはや永遠に続くのではないかと思われた説教タイムは傭兵側の通信機が強制終了させた。

すなわち、応援要請。どうも無線は妨害されているらしく、情報が極めてとぎれとぎれでどこからの応援要請かよくわからなかったようだが、ケーブル式、すなわち有線通信はまだ生きているらしい。尤も明らかに異常があるとのことで盗聴の可能性があるようだが。

 

「代々木ダンジョン村方面からの緊急応援要請?」  

「ほかにも第1中隊司令部、第7中隊司令部からも応援要請が入ってきました! 間違いありません。大攻勢です。『百億万』はもちろん大陸系王手採掘企業3社連合による大攻勢です。モンスター誘因装置らしきものも活用されているようで、大量のモンスターとともに責め立てられているとか」

「MPKって奴か!」

 

Tips:MPK……モンスタープレイヤーキラー。元々はMMORPGと呼ばれるジャンルのゲーム用語。

モンスターを呼び込んで、プレイヤーを殺すこと。ゲームにもよるが、いわゆるシステム上は合法、マナー違反で規約禁止行為で不法。

別名は「モンスタートレイン」

 

「まて、うちの総戦力は1個連隊戦闘団だぞ? 本来応援を派遣する側の代々木に駐留しているのは1個大隊にも及ぶぞ? その代々木からも?」

「各地で戦闘が続き、戦力を抽出しきったところに代々木内部で大陸系傭兵と思われる連中の大暴れだそうです。よくわかりませんが『女子寮』が敵に回ったと」

「もう、うちでは対応できないじゃないか。自衛隊や境界線保安庁に応援を要請しないと」

「それはもうやっているとかで。ただ沖縄方面の反撃の為に兵力を集中しているので2~3時間ほど時間がかかることは覚悟してもらわないといけないそうです」

「……同業者への応援は?」  「それももうやっていると」

「あくまでも推定ですが、敵の主力である『百億万』の投入総兵力は『2個戦闘旅団』だそうです」  「奴らの総兵力じゃないか!!」

「あ、あのー……私たちはもういいですか?」

何やら深刻な話で、それどころじゃないらしい。おかげでやらかしバカ学生4人組への説教タイムは終わりを告げた。

こっそりと少しずつ下がっていく学生4人組に説教傭兵とは別の人が名刺を渡しに来た。やらかしはともかく、将来有望だから興味があったら連絡してね! とのこと。

傭兵部隊から距離をとってやっと4人組は肩の力を抜いて、座り込む。

 

「いやー大変な目にあった」  「『部長』。今回悪いのはこっちですよ」

「カメラが回ってます。考えると炎上してもおかしくないです」

「……とりあえず、今使った分の爆薬の補充にいきませんか?」  「そうだな。弾薬庫に取りに行こう。さっきの場所は少し遠いから……」

 

【ちゃこちゃこちゃーこ】

ヤバイ、あんたら今本当にダンジョンにいるなら、助けてくれないか。こっちは代々木ダンジョン村にいる

 

「「「うん?」」」

 

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