咲坂高校冒険部活動報告書   作:ホエール

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第4章 4.

 

   4.

 弾薬庫と称する『百億万』の部隊をさんざんぶっ飛ばしまくった現場その7を漁り適当な弾薬の補充を行うと彼らはダンジョン用電動マウンテンバイクの行先を北九州最大規模のダンジョンテント村である『代々木ダンジョン村』へと変えた。

『ちゃこちゃこちゃーこ』という人によれば、今現在代々木ダンジョン村は絶賛、傭兵たちのカーニバルが行われてて、大騒動になっているらしい。

 

「カメラで撮ればバズりの予感!!」  「急ぎましょう! 先輩たちが残したコンテナがどさくさ紛れに略奪されたら私たち、OBOGに殺される!」

何やら2つの思惑があるらしい。

すなわちバズりたい欲と部活の大先輩たちの遺産を失って大目玉を喰らうのはヤダというもの。何かが致命的にずれてる点については今更誰も気にしない。

30分以上1時間以内ほど全速力で走って到着した『代々木ダンジョン村』は外から見えるほど混沌の渦の中にあった。

 

「あらら、本当にひどそう」

のんきな感想を4人組は上げた。

 

 

 

「なんだよこれ、なんだよ、これっ、なんなんだよっ!! これ!?」

咲坂高校の弱小『野球部』のエース、『山本』は代々木ダンジョン村で今回の事件に巻き込まれ、恐怖と混乱の渦中の中にあった。

近くで爆弾が落ちてきて、銃声が全方位から聞こえる。

かと思えば、人間らしきものを遠慮なく撲殺する人々――ドッペルゲンガーをぶっ飛ばしているだけだが――もはや理性や文明という言葉からかけ離れたことばかり。

目の前で変な模様が描かれた壁が吹き飛び人が倒れる一瞬を見た。

 

「だ、誰か、た、助けて」

ホームセンターで買ったハンマー、レンタルした散弾銃、武器はこの2つ。それがとてつもなく頼りないものに見えた。

手に入れたときはとてつもなく心の支えになったのに。

腰が抜けて立つことも覚束ない。

武装したドローンが頭上を飛び回り、轟音とともに時折落ちてくる。

やっとの思いで立ち上がれば、薬莢を踏んでそのまま転げてしまう。

 

「ひー! 調子に乗りました! もうこんな場所二度ときません。だから助けてください。お願いします誰かたすけ――――」

「――あん?」

目の前でドッペルゲンガーをぶっ飛ばしている冒険者がこっちを見る。だが、そのよそ見が致命傷だったのかもしれない。

7.62ミリの銃弾が冒険者の頭部を吹っ飛ばした。

 

「ひゃぁぁあああああ!!」

甲高い悲鳴を上げる『山本』に、7.62ミリのライフルの銃口を向ける奴がいて

 

「はいはい、よくわかんないけど今助けますね」

バカ4人組の『関西』が7.62ミリライフルを文字通り叩き切った。そしてそのままワイヤーでライフルを持った奴を手早く拘束していく。

 

「ワイヤーにはlimitがある! ダクトテープをユーズ!」  「あっせやな。そっちの方が安いし大量だし、ガムテープ使うで」

「って、あなた『山本』さんじゃないですか。大丈夫ですか?」

なんかどっかで見たことがあるような4人組に『山本』の脳味噌は動くが思い出してくれない。

とりあえずダクトテープ万能論を唱える『オキタ』とそれに対してガムテープを持ち出す『関西』で地味に意図が食い違っている点に大笑いしている『部長』を

みて、やっと気づいた。こいつら同じ高校の奴らじゃんと。

 

Tips:『ダクトテープ万能論』……主にアメリカで高い信頼性を得ているのがダクトテープであり、とりあえず何でもかんでもダクトテープで直せばいいんだよというもの。

日本では類似品のガムテープの方が売れているが実は類似しているだけで本来は別物である。

ダクトテープはガムテープに比べて耐水性と粘着力に優れ、ガムテープは軽作業や梱包作業においてダクトテープより最適とされている。

極論するとアウトドアに強いのがダクトテープで、インドア環境での利便性が高いのがガムテープである。

人の拘束にはどっちが最適か? 知らない。

 

「よくわかんないけど、ここは1人で活動するような場所じゃないよ。やるんならちゃんと内地方面で活動しないと」

「ですね。座標的には五島列島あたりですから、この辺。そりゃみんな気がたってます」

「『部長』、とりあえずよくわかんないけど人を襲ってる馬鹿どもは全員拘束したぞ」  「『妨害装置』が動いているから、素直に撃破できないのがつらいわー」

嵐のような4人組は言いたいことだけ言って『山本』のところから去っていく。

助かったのかそれとも地獄にいる時間が長くなったのか。『山本』はもうよくわからなくなった。

 

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