師匠も無茶を言ってくれるよな〜
一応逆さトンネルって1級なんだけどなぁ。俺より1つ上なんだけどなぁ……でも指示出してくるってことはなんとかなるってことなのかなぁ。
「うーん、ここから後……5分くらいのとこ?あれかな」
逆さトンネルは10年前、街中に突如として現れたという怪異らしい。というのもアーティファクトの誤動作による暴走が原因らしく、その原因となった元探索者同士の殺し合いが街中で勃発したのがいけなかったみたい。
そのアーティファクトも問題のシロモノだったっぽくて……なんだっけ、認識を歪ませるだかなんだか……赤い鳥?とかが関係してるみたいる
なんで元探索者同士で殺し合いなんてしてるんだか。師匠を見習って欲しいなぁ。
師匠なんて人に興味が無さすぎてほとんどの人覚えてないんだからさ。
「喧嘩してるとことか見たことないしねぇ」
そもそも他人とあった姿すらほぼないかな、完全に神社から出てくるつもりが薄い。世俗から隔離されてる、というか隠居じじいみたいな感じ?
っと、あれが逆さトンネルかぁ。
聞きしに勝る……恐ろしさ?ってやつ。
「うへ、雰囲気はありありだな」
でも雰囲気だけなら……なんも異常がないというか、異常なんだけど異常じゃないというか。逆さトンネルが人死の原因ではなさげ?
「面倒くさそ〜、師匠めぇ」
キリキリと痛む胃を抑え込む。2級なのになんで1級の怪異と相対せねばならんのか……中にいる犯人らしきやつ絶対に許さん。
「なんと言っても始まらんか……れっつごー……」
逆さトンネルの外観は住宅街に突如として現れたトンネル部分だけの構造物。理解しやすいように言うならば、構造体だけになってる写真を思い浮かべていただければわかりやすいだろうか。その構造体が1kmほどの長さを持っている感じである。
当初発生した時は地域住民は非常に迷惑をした。なんなら発生に巻き込まれて逆さトンネルに初手で取り込まれ住民もいた、がこいつどうにも破壊できないらしい。
うーん、これだから怪異は……たまに物理法則に喧嘩売るのはやめて欲しい。今の世で言う言葉ではないけど。
師匠ならおそらく消し飛ばせると思うんだけど、依頼来てないから放置なのかな。なんか考えとかありそう……いややっぱないな、面倒くさがりだからやりたくないだけだな。
逆さトンネル内は……酔いそうだなぁ。トンネルの天井部分にあたるカーブ部分が地面になっていて、道路部分が天井になっている。慣れるまでは目が痛くなる感覚に襲われる。
んでまぁ……あれが原因なのかなぁ?
両腕がなく、なんか昔の感じの服?分からんけど多分安土桃山時代とかそこら辺?時代に関してはマージでわからんから適当だけど、そんな感じの服装?なんか……やばげな雰囲気じゃね?
「ぬ?拙者の縄張りに強者の気配が」
あ、バレた。
これは仕方がない……人じゃないみたいだし殺すか。
「ッ!? やめよ!!」
「
アーティファクトを起動する。恐らく眼前にいる奴は神の類だ、うちの祭神に似た気配を持つ存在だ。てことは日本神話由来で国津神って訳だな。
「『ジオンガ』ッ!」
雷鳴が鳴り響く。眼前に迫る閃光、認識しつつも言の葉を止めない。止められない。起動したら最後、己の敵が死ぬまで止まらない。格上相手でも勝てるアーティファクトだ。
「『■かし■』」
しかし扱いにくいったら仕方がない。まぁそもそも制御する存在ではないんだけどね、俺が気にいられてるだけだし。
「認識に干渉……神に対してもか!」
これで終わり。びくんと、細かく痙攣し続ける。後はもう近づいて、殺すだけ。
「──直死」
目に見える死の線を、指先でなぞる。それだけであら不思議……目の前の男の生命活動が止まる。
「……んー、元凶らしきは潰したけど……なんかそれだけではないよね?」
どうスっかねぇ、とりあえずこの死体を師匠に渡しとこう。なんかわかるべ。
リザルト
・【■■の■は此度の餌を喜び喰らい尽くした。】
・【タケミナカタは魂ごと死んだ】
・【逆さトンネルの謎はまだ残る】
・【アーティファクト:犬鳴トンネルがスポーンしました】