【完結】ヒロアカ世界でも猿が嫌いな夏油傑   作:カワニ

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期末試験(B組の様子)

※※※

物間・泡瀬ペア

 

 物間・泡瀬ペアの相手はミッドナイトだった。岩のステージで試験が始まる。

 

「やっぱり俺ら接近戦必須だから相性最悪だよなぁ……」

 

 泡瀬はそうぼやく。

 

「そう言うなよ。ミッドナイト先生を相手に接近戦は不可能に近い。なら何かしらの方法で足止めするしかないね」

 

 物間がそう言っているうちにアナウンスが聞こえる。

 

『皆、位置に着いたね。それじゃあ今から雄英高校1年B組、期末テストを始めるよ!レディイイ──……ゴォ!!』

 

 物間と泡瀬は警戒しつつもゲートに向かって移動する。ゲートまで行くと、その目の前に陣取っているミッドナイトを発見した。

 

「物間、どうする?」

「ここは一旦距離を取ろう。作戦を説明するよ」

 

 物間たちは一時撤退する。そこへアナウンスが夏油・塩崎ペアがクリアしたことを知らせた。

 

「はやっ!」

「流石だけど、相手イレイザーだろ?どうやったんだよ……」

 

 物間も流石に驚いた。

 

「で、作戦あるんだろ?」

「あるけどあんまり気が乗らないんだよね……人道的にどうなのかってね。まぁ説明するけども」

 

 物間は作戦を説明する。

 

「それ乗って来るか?リスクあるぞ?」

「でもこれくらいしか勝ち筋無さそうなんだよね」

「じゃあやるか……後で怒られないといいなぁ……」

 

 というわけで物間たちは行動を開始した。物間は正面からミッドナイトに接近する。

 

「あら?諦めて降参かしら?」

「まさか。それともおばさんには体力的に厳しいですか?」

「……は?」

「え、聞こえませんでした?だ、か、ら、おばさんには体力的に30分の運動は厳しいのかなって。耳まで遠いんですか?」

「……安い挑発ね。そんなのには乗らないわよ」

「まぁ自分ではおばさんとは思ってないですよねぇ。その格好ですし」

「どういう意味?」

「だってその格好って……きつくないです?年齢を考えたほうがいいと思いますよ。もうそんなの着る年じゃないでしょ(笑)」

「……殺す」

 

 そう言ってミッドナイトは物間に向かってくる。それを見て逃げる物間。

 

「待ちなさい!このガキィ!」

「待つわけないでしょ、お~ばさん!」

 

 その時、物間の逃げた先の岩陰に潜んでいた泡瀬がミッドナイトに奇襲を仕掛ける。

 

「そんなことだろうと思ってたわよ!」

 

 ミッドナイトは眠り香で眠らせようとするが泡瀬には効かない。どうしてかと思っていると、泡瀬は布を顔に巻いて溶接していたのだった。

 そしてそのまま手持ちの小さい鉄骨でミッドナイトを拘束した。そしてミッドナイトの個性範囲から出て布の溶接を解く。

 

「はー、苦しかったぁ……ナイスだぜ、物間!」

「君もね。拘束力はウチのクラスでもナンバーワンだね」

「照れるぜ」

 

 そのままゲートまで一直線に向かって試験をクリアした。だが恐れているのはこの後である。

 

「でもアレだな……これからが本番だ」

「お、俺も一緒に謝るからな……!」

「あなたたち…………」

 

 そこへミッドナイトがやって来る。怒られると思って身構えていると、

 

「……よくやったわね!」

「「え?」」

 

 拍子抜けした物間と泡瀬。

 

「いい挑発だったわよ。あれなら並みのヴィランは頭に血が上るでしょう。中々な作戦だったわ」

 

 ミッドナイトは気にしていないどころか高評価だった。こうして物間・泡瀬ペアは無事試験を突破した。

 

「でもあれって本音じゃないわよね?挑発するために言ったのよね?ね?」

 

 そこには怖い顔をしたミッドナイトがいた。

 

「「もちろんです!」」

 

 物間と泡瀬は二人そろってそう言った。

 

 

 

※※※

鉄哲・回原ペア

 

 鉄哲と回原のペアの相手はセメントスだった。二人は街中のステージに移動していた。

 

「俺たちってなんでセメントス先生が相手なんだ?」

 

 鉄哲が疑問を呟く。

 

「何でだろうなぁ……俺たちの格上ってどういうことだ?」

 

 回原もわからないようだった。

 

「うーん……考えてもわからねえ!とりあえず攻略法を考えようぜ!」

「そうだな。俺たちにできるのは正面突破か?」

「だな!でも夏油に言われたぜ。正面はいくつも作れるってな。二正面作戦だ!」

「なるほど。言いたいことはわかった。それで行くか!」

「おう!」

 

 鉄哲と回原が作戦を決めたところで開始のアナウンスが鳴る。それと同時に移動を開始した。セメントスはゲート付近で待機しているようだった。

 

「まだバレてなさそうだな。俺は左から行く。鉄哲は右からだ」

「おう!」

 

 作戦通り二人は分かれて移動しセメントスに向かう。先に存在がバレたのは鉄哲だった。鉄哲にコンクリートの波が襲い掛かる。

 

「おりゃおりゃおりゃ!」

 

 それを破壊しながら突き進む鉄哲。セメントスは余裕そうに次々にコンクリートを操る。

 

「さて、もう一人はどこかな……」

 

 そこに逆方向から回原が現れ、セメントスに向かってきた。

 

「逆方向からか!考えてるね」

 

 それも迎撃するセメントス。回原も負けじと腕を旋回させてコンクリートを割り続ける。

 

(双方向から攻撃を仕掛けてきたのは良かったけど、そこまでかな。次第に消耗して終わりだ)

 

 セメントスはそう考えていたが、いつまで経ってもセメントを割るペースが落ちない。セメントスの方が追い詰められてくる。

 

(流石に左右にコントロールするのはキツイな……)

 

 ついにセメントスのコンクリートの生成速度より鉄哲たちの攻撃速度の方が上回り始めた。

 

「おらっ!!いた!!回原ここだ!」

 

 鉄哲がセメントスを発見する。遅れて回原も合流した。そのまま二人がかりで捕まえてハンドカフスを掛けて試験をクリアした。

 

「よっしゃ!!」

「やったな!」

 

 鉄哲と回原はハイタッチを交わす。

 

「いやー君たち驚いたよ。まさか左右から来るとはいえ正面突破とは……」

「これも特訓の成果です!」

「特訓よりは楽だったな。15分くらいしか戦ってないもんな?」

「だな!」

 

 鉄哲と回原はいつも夏油とやっている特訓と比べると楽だと考えていた。

 

「今年のB組は自主練がすごいとは聞いていたけど、結果が出ているようで良かったよ。さぁ校舎に戻ろうか」

 

 鉄哲・回原ペアも無事に試験をクリアしたのだった。

 

 

 

※※※

宍田・鎌切ペア

 

 宍田と鎌切のペアの相手は根津校長だった。二人は工場のようなステージに移動していた。

 

「校長はどうやって戦うのでしょうな?」

「分からないぜぇ。でも頭がいいとは聞いたことあるぜぇ」

「うーむ。では出たとこ勝負ですな!」

「そうだなァ」

 

 というわけで特に何も決めずに試験がスタートした。

 とりあえずゲート方向に進むが、行く手を鉄球付きクレーンを操作する校長によって阻まれる。鉄球によって建物が壊されたのだ。

 

「これはまずいですな!このままだと道がなくなって終わりですぞ!」

「じゃあどうするゥ⁉逃げながら校長を探すかァ⁉」

 

 宍田は少し考えた末に結論を出した。

 

「ここは……正面突破一択ですぞ!」

「何ィ?マジでかァ?」

「ですぞ!」

「ならやるっきゃねえよなァ!」

 

 良くも悪くも単純な宍田と鎌切は正面突破を決意し、壊れた瓦礫もろとも吹き飛ばしながら突き進む。

 

「ハハハハハ!それは悪手だよ!そんなことしたら体力が尽きて……って進むの早いのさ!操作が追い付かない!」

 

 根津校長の想定以上のスピードで宍田たちは進んでいた。それには秘密がある。二人は合体していたのだ。

 宍田の上に鎌切が乗り、宍田がメインで瓦礫を吹き飛ばし、硬いモノやパイプのようなモノは鎌切が切り刻む。二人の連携プレイにより、素早く進んでいるのだった。

 

「私はB組でもパワーはピカ一の自信がありますぞおおお!」

「ハイになって来たなァ、宍田!俺も切り刻むぜェ!」

 

 二人は校長の妨害を食らっても物ともせず、ゲートまで突き進んだ。そしてゲートにたどり着く。

 

「着きましたぞおおお!」

「ヒャッヒャッヒャ!楽しかったぜぇ」

 

 多少時間はかかったがいつの間に試験にクリアしていた二人。そこへ校長がやって来る。

 

「素晴らしい活躍だったね、二人とも。戦闘中に単純になるという弱点のハズなんだけど、あんなにあっさり破られるとは……」

「校長先生……」

「嬉しいぜぇ」

 

 校長から直々に褒められて嬉しそうな宍田と鎌切である。

 

「ところで、あの連携技は練習していたのかい?」

 

 校長は気になっていたことを尋ねる。

 

「特に練習はしていないですぞ」

「夏油の虫呪霊に乗せてもらった経験が活きた気がしますぜぇ」

 

 宍田は覚えがないようだが、鎌切は夏油との特訓で似たようなことは経験していたらしい。

 

「なるほどね。君たちB組は今までで類を見ないほど協調性があるように見えるけど、その片鱗を味わったよ。誰と組み合わさっても強そうだ。ともかくクリアおめでとう!校舎に戻ろうか」

 

 宍田と鎌切も無事に演習試験をクリアした。

 

 

 

※※※

拳藤・庄田ペア

 

 拳藤と庄田のペアはパワーローダーが相手だった。ステージは土のフィールドだった。二人はスタート前に話し合っていた。

 

「どうしたもんかな……これ、私たちが足場がないと戦えないからってことだよね?」

「僕もそう考える。しかし地下にいる先生に対して有効打がない以上、逃げるしかないのではないだろうか」

「じゃあ基本的には逃げの方針で行こう」

 

 方針が決まったところで試験が始まる。開けたステージなので二人は丸見えだったがパワーローダーの姿は見えなかった。

 

「やっぱ地面にいるのかな……今も穴だらけにされてるよ、きっと」

「最短ルートは危険だ。穴が無さそうなところから進もう」

 

 だがそんな行動も読まれていたのか、既に一帯が穴だらけだった。

 

(クケケ、この状況、どう攻略する?)

 

 拳藤たちは穴を避けつつ慎重に進んでいた。だがそれも限界で拳藤の足場が崩れが穴に落ちそうになる。しかし拳藤は個性を使い、大拳の風圧で上昇し落ちるのを回避した。

 

「そんなことできたのかい⁉」

「なんかできるようになったんだよね。そろそろいいかな?」

「頃合いだと考える」

「じゃあ行くよ!」

 

 拳藤と庄田には何か作戦があるようだった。

 

(ん?何をするんだ?)

 

 パワーローダーは訝しんだ。拳藤は大拳で庄田を握り、ゲートに向かってぶん投げた。

 そのままゲートに向かって一直線……かと思われたが、届かなそうであった。落下地点でパワーローダーが待ち構える。

 だがそこで庄田がまるでゴリラのドラミングように胸ではなく腹を叩き始めた。それと同時に個性を発動する。

 

解放(ファイア)

 

 庄田は自身の個性の威力を推進力にしてゲートを抜けた。かなり強引な突破だった。

 

「まさかそんな手で来るとはなあ……やられたよ」

 

 パワーローダーも計算外だったらしい。拳藤は庄田のもとに駆け付ける。

 

「庄田、怪我してないか?」

「大丈夫さ。僕の恵体を見てみなよ。それに威力はかなり抑えたし」

 

 そこにパワーローダーもやって来る。

 

「予想外の手で来たね。庄田くんは怪我はないかい?」

「大丈夫です。普段からこれ以上の力で殴られているので」

「確かにあいつスパルタだもんな」

「あいつ?」

 

 パワーローダーには誰か分からなかったようだ。

 

「夏油です。あいつはよく近接戦闘の相手になってくれるんですけど、いつもスパルタなんですよ」

「でも彼のおかげで威力の調節や立ち回りは上手くなったように思う」

「そうなのか……やっぱり彼はすごいね。それはともかくクリアおめでとう。無理矢理感はあったけど、迅速で良かったと思うよ」

 

 パワーローダーがそう締めくくり二人の演習試験はクリアで終わった。

 

 

 

※※※

柳・骨抜ペア

 

 柳と骨抜の相手はエクトプラズムだった。二人は屋内の建物のステージにいた。

 

「やっぱり私が接近戦弱いから神出鬼没なエクトプラズム先生なのかな?骨抜の課題はそのサポート力的な……」

 

 柳が今回の組み合わせの理由を考える。

 

「いや、俺も接近戦弱いと考えられてるだろうな。範囲制圧は得意だけど近付かれると柔化する前にやられる。体育祭も、まぁあれは遠距離に近いけど、二発でやられたし」

 

 骨抜も接近戦、突然の攻撃や遭遇戦に押し負けていると考えているようだ。

 

「しかも俺の柔化は自分は移動に慣れてるからいいけど、誰かと移動するとかサポートできる能力じゃないしな。先生を避けていくとして、問題は移動方法か……」

 

 骨抜が辺り構わず柔化した場合、柳が巻き込まれる可能性があり連携が難しい。

 

「骨抜は私に構わず柔化していいよ。私、操った物に乗って移動できるから」

「マジ?なら本気出すかな」

 

 骨抜は連携を考えて抑え気味に使うつもりだったようだが、柳の足場に問題がないなら遠慮する事ないと考えたようだ。

 

「そこら辺は臨機応変に頼むね。そういうの得意でしょ?」

「たしかに。じゃあ頑張って行こうか」

 

 骨抜がそう言ったタイミングで試験が始まった。

 二人はゲート目掛けて走り出すが、すぐにエクトプラズムの分身が複数体出てくる。

 

「ここは俺が!」

 

 骨抜はそう言って柔化で身動きを封じた。そのまま進む二人だが、骨抜のすぐそばに分身が現れる。

 

「骨抜!伏せて!」

 

 骨抜は何も考えず柳の指示に従って伏せる。そこへ柳の操る物が高速で複数飛来して分身を撃破した。

 

「サンキュ!助かった!」

「お互い様。それより分身が想像以上に厄介ね」

「でもいいペースで移動できてるぞ!このまま行くぜ!」

 

 実際このペースでの移動はエクトプラズムの予想を超えていた。接近戦に弱い個性だからもっと苦戦すると考えていたのだ。

 しかし連携もしっかりしており、あっさり分身を無力化していっていた。

 

「お、あそこがゲートか」

「あそこにいるのが本体?」

「だろうな。とりあえず下に降りて……」

 

 骨抜がそう言った時だった。エクトプラズムは口から大量のエクトプラズムを飛ばし、巨大な分身を作り出した。そしてそのまま二人を飲み込んで背中に拘束してしまった。

 

「動けるか?」

「無理。柔化は使える?」

「ここで柔化すると下まで落っこちて地面に激突だ。どうしたもんかな」

「考えがある。とにかく注意を引きつけて」

 

 柳に何か考えがあるのだろうと察し、骨抜はエクトプラズムに話しかけ続けた。

 

「それでですね、やっぱり結婚するなら年上かなって思うわけですよ。どう思います?」

「話ガ見エナイナ。何ヲ狙ッテイル?話シカケタトコロデ拘束ハ緩マナイゾ」

 

 エクトプラズムは油断していないようだ。

 

「でも注意は引けましたよ。柳、今だ!」

「何⁉後ロカ⁉」

 

 エクトプラズムは警戒して振り返ったが何もなかった。と思っていたら上からハンドカフスが降って来て、反射的に蹴ったら足に上手く掛けられてしまった。

 柳が拘束される前に操って上にやっていたようだ。

 

「ヤラレタ……何カ考エガアルト注視シテイタガ、カフスヲ別ノ場所ニヤッテイタノカ。見事ダ」

 

 こうして柳と骨抜も試験をクリアした。




キリがいいのでここまででB組の演習試験は終了です。他の生徒たちの組み合わせは以下で考えてました。ぶっちゃけ適当です。()の中が課題。オールマイトは緑谷・爆豪戦で限界来ました。

黒色、取蔭 ブラドキング(黒色が正面戦闘、取蔭はサポート力)
円場、吹出 プレゼントマイク(対爆音)
小森、小大 13号(攻撃が無効化された時の対処)
鱗、角取 スナイプ(遠距離攻撃の上位互換)
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